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堀田文一議員(豊中市選出)の討論

2009年3月24日

 日本共産党府議会議員団の堀田文一です。代表して討論します。
 今2月府議会は、戦後最悪の不況が、くらしと大阪経済を直撃する中で開かれました。「住民の福祉の増進を図ることを基本」とすべき大阪府にとって、府民の雇用とくらし、中小企業の営業を守る対策を打ち出すことが、何にもまして求められていました。
 ところが、知事はくらしと経済を守る対策をそっちのけにして、府庁のWTCビルへの移転を提案し、暮らし優先か開発優先かが問われた議会になりました。
 そこで、知事提案の主な問題点について意見を述べます。
 まず雇用対策は、国の交付金の活用がほとんどで、府としての独自対策はわずかです。しかも、雇い止めや解雇を強行しようとする大企業に対して、知事自らが出向いて、解雇や雇い止めの中止を求めることについても、消極的な姿勢に終始しました。その上、府立学校で働く教務事務補助員や非常勤補助員を雇いどめにし、府が率先して非正規切りという暴挙を強行しました。
 福祉4医療は、2004年に「持続可能な制度」を理由に無料から1回500円負担に切り替えられました。今回も同じ「持続可能な制度」を理由に、自己負担を800円に引き上げ、入院時の負担増、時間外診療費の負担新設まで盛り込んだ改悪が提案されました。昨年、現行制度維持を求める100万人の署名が知事に寄せられ、9月議会では制度継続の請願が全会一致で採択されています。最終日の今日、現行制度を継続する議案訂正が行われましたが、現制度の改悪は、将来も許されません。
 また、障害者団体や母子寡婦福祉連合会など福祉団体への補助金や高齢者住宅改造助成事業、公害病認定患者死亡見舞金などは、わずかな予算で大事な役割を果たしてきたのに、全面廃止が提案されています。ここまで福祉を削減するのか、怒りを禁じ得ません。
 文化施策においては、知事は「僕の感覚が府民の感覚だ」と称して、国際児童文学館の廃止を強行しようとしています。青少年活動の殿堂だった青少年会館も一気に廃止提案です。センチュリー交響楽団への補助金は72%カットです。中でも、国際児童文学館の廃止は、府議会が全会一致で採択した存続を求める請願に背を向け、児童文学資料の収集・保存・研究・活用・公開という同館の機能を大きく損なうものです。大阪の魅力を高める役割を担ってきたこれらの施設や活動を、知事の個人的な感覚で踏みにじることは断じて許されません。
 私学助成では、昨年の経常費助成の削減が、私学経営を危機に追い込み、約半分の学校が授業料を値上げしました。その上の来年度の授業料助成の後退は、15歳の子どもたちの進学希望を奪うもので、絶対にやってはならないことです。
 府立大学入学検定料の常識を越えた値上げは容認できません。
 来年度から、公営住宅法施行令改定と家賃減免規定改定にもとづき府営住宅家賃が値上げされますが、今の深刻な不況の中で、低所得者を対象とした家賃値上げは許されません。
 府営住宅での指定管理者制度のモデル実施のための条例改正ですが、府営住宅は民間借家とは異なり、憲法25条に基づき、国民の健康で文化的な生活を保障するために設置された施設です。その管理は福祉の心で行われるべき公務サービスで、民間業者に任せるのは間違いです。
 彩都では西部地区が完成のめどが立たないのに、開発を中部地区に拡大するための岩阪橋梁建設の準備が進められます。自然を破壊し、赤字と空き地を作るだけの開発拡大は止めるべきです。
 箕面森町開発は、はじめから採算が取れないことがはっきりしていたのに、取れると言ってはじめた、最悪の開発です。今年度は販売予定の45区画のうち、わずか11区画しか売れていませんが、来年度も財源不足を補うために、税金を35億円も投入する計画です。赤字の原因を根本的に正し、予定している税金投入は大幅に削減すべきです。
 行政運営の分野では来年度、府が実施してきた9業務を市場化テストで民間業者に委ねる準備がすすめられます。府税をはじめとする9業務の民間委託は、守るべき府民の個人情報を漏洩の危険にさらし、府民の立場にたつべき行政執行を利益優先に切り替え、非正規雇用を拡大する、行政の自殺行為と言うべきものです。
 補助金の交付金化は、市町村に交付する金額は変わらないと説明されていますが、実際にはこの機に乗じて7億2600万円も補助金が削減されます。知事は、10年後には大阪府を解体と主張していますが、府民に対する府の責任放棄に他なりません。
 水道事業は、府営水道として自ら、高すぎる料金を是正するとともに、府営水道自身の水余りを精査して、水道施設の長期整備計画を見直すべきなのに、これらを後回しにして府市統合協議がすすめられています。統合協議の中で、府と市の間に重大な意見の相違があることが、明らかになりました。ところが知事は、意見の相違について議論を尽くすことなく、安易に譲歩・妥結を図ろうとしているのではないか、危倶を感じます。
 最後に、本議会の最大の焦点になった府庁のWTCビル移転案についてです。
 WTCビルへの移転は214億円もする高価な買い物です。
 それなのに府の大半の地域から府庁は遠くなります。知事は関空からは近くなると自画自賛していましたが、関空からも遠くなることが明らかになりました。
 防災対策では最悪の選択です。地盤沈下したコスモスクエアは大地震時には液状化で陸の孤島となり、職員は速やかに参集できません。WTCビルを耐震補強しても、長周期地震動の大地震は西日本一の超高層ビルに様々な障害を引き起こします。
 知事は、WTC移転案は現庁舎の耐震補強案に比べ200億円も得だと繰り返し説明してきましたが、願望に基づく架空の計算結果で、冷静・公平に計算すれば、WTC案の方が高いことも、我が党は指摘しました。
 知事は移転そのものが大阪の活性化だとか、WTCが不便でないようインフラ整備が必要などの発言を繰り返してきましたが、WTC移転は、大阪の活性化をもたらすどころか、ムダな大型開発の口実になるだけであり、府庁を住民から遠ざけ、財界に近づけるものでしかありません。
 以上の理由から、議案番号1、4〜8、17〜21、24〜28、33〜36、51、57、58、67、68、82、83、86〜88、92、94〜96、104、107、111、112,114、115、117〜124、128〜130、132、133、135〜137の56議案に反対し、残余の議案には賛成します。請願15件については、いずれも府民の切実な願いが込められており、すべて採択すべきです。
 以上で討論を終わります。

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