2 自民党政治の破たんと地方政治における新しい流れのひろがり
(1)公明党が突出して知事を担ぎ自民党政治を推進する府政の構図
4年前、自民党や公明党などの政権与党が府民不在で大阪におしつけた候補者が、いまの太田知事です。自民党大阪府連が、候補者選考で難航しているさなか、連合大阪と創価学会幹部が会談し、自民党本部が太田擁立を決めるや、公明党と民主党が太田推薦を発表しました。 自民党本部は、選挙資金の7割を負担し、鈴木宗男総務局長(当時)が「太田候補が落ちたら承知しない」と同党の国会、地方議員をどう喝したといわれています。そして「共産党府政は絶対に阻止」(森幹事長・当時)を旗印に、反共勢力を総動員しました。その中心的役割を担ったのが、公明党と民主党、「同和利権」のために生き残りをかけた「解同」(部落解放同盟)などです。
公明党は、関空二期工事を「今後もひるむことなくしっかりと取りくんでいただくよう強く要望」(02年12月府議会)するなど自民党政治の強力な推進者となりました。それを太田知事は、「与党内での公明党は、政策決定に大いに存在感を発揮されていて”頼りがい”がある」(「公明新聞」03年1月1日付・公明党浜四津代表代行と対談)と、天までもちあげています。
選挙で独自の候補者を擁立した自民党府連は、この間、太田知事の予算に賛成してきましたが、公明党との矛盾をはらみながらみずからの基盤を大きく崩壊させてきました。
(2)中央直結、開発優先から住民本位の地方政治へ
90年代に自民党政府が全国の自治体に押しつけた大型公共事業優先のやり方は、完全にゆきづまっています。長野県や高知県などで、こうした中央直結・大型開発優先の政治をあらためて、福祉、教育や地域振興に力をそそぐ「自治体らしい自治体」をめざす新しい流れがひろがりつつあります。また、国が押し付ける市町村合併に反対する自治体もふえています。こうした方向にふみだしたところでは、住民自治を大事にし、ムダづかいをやめ、福祉、くらしを守る施策を着実に前進させています。くらしの財源は、その気になればつくれることを各地の経験がしめしています。
(3)府民の多数派を結集する条件はひろがっています
沖縄につぐ全国第2位の高失業率、倒産、大企業のリストラで、府民生活は極限状態においこまれています。大阪は、自民党政治の破たんがもっとも色濃くあらわれ、府民各層とのさけがたい矛盾が噴出しています。自民党の支持基盤の崩壊がすすみ、公明党が突出して府政をささえる構図のなかで、保守・無党派のなかからも現府政への批判と府政の転換をもとめる声が強まっています。
ところがここに至っても太田府政は、大型開発優先の「逆立ち」政治を反省するどころか、破たんしたりんくうタウンの赤字の穴埋めに府民の税金を注ぎ込む道をひらき、「カジノ特区」「都市再生」の名で、さらに大開発中心の道を推進しようとしています。府政のカジとりができない太田府政は、府民のなかで孤立を深めざるをえません。
さきのいっせい地方選挙の府内の市長選挙で、多くの革新・民主の候補が4年前から得票を前進させていることも、中央直結・開発優先の地方政治の転換をのぞむ住民の共同のひろがりを示しています。
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2003年7月21日付