健康福祉常任委員会(2024年10月8日) 石川たえ府議の質問
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・介護保険料と介護事業所支援について
◆(石川たえ委員) 日本共産党の石川たえです。
まず、介護保険についてお聞きをいたします。
今年度、第九期保険料は、大阪は基準額の府内平均は七千四百八十六円、値上げ幅は九・七%、全国一の値上げ幅となっています。中でも大阪市は全国一保険料が高くなっており、値下げを進める自治体もある中で異常な値上げだと言えます。
国保料の値上げと併せて、高い介護保険料が高齢者の生活をむしばんでいます。年金から高い介護保険料が差し引かれ、国保料を払い、家賃五万円、水光熱費、食費を引くと備品すら買えない、持病のための通院にも行けないなど、国保や介護保険料の高さが医療や介護のサービスを受けられない状況をつくり出しています。
せめて第八期並みの保険料になるように、各市町村に一般財源からの繰入れ、準備基金からの還元を促していくとともに、大阪府として、一般財源繰入れで保険料を引き下げる自治体への財政支援、府の財政安定化基金の活用など財政投入を行い、保険料の引下げを行うべきだと思いますが、見解を求めます。
◎介護支援課長(木本和伸) 介護保険料につきましては、低所得者の負担軽減のため、介護保険法に基づき公費による支援が行われておりまして、府もその四分の一を負担しているところでございます。
これとは別に府が財政支援を行うことは、受益と負担の公平性の確保や被保険者以外の方への負担の転嫁を避ける観点から、適当ではないと考えてございます。
また、財政安定化基金は、見込みを上回る給付費増や保険料収納不足により市町村の介護保険特別会計に赤字が出ることとなった場合に、一般財源から財政補填をする必要のないよう、市町村に対して資金の交付、貸付けを行うものでありまして、この目的以外に活用することは認められてございません。
府としましては、介護保険制度の持続可能性の確保のためにも、高齢者ができる限り元気に生活し続けていただくことができるよう、市町村における介護予防などの取組を支援してまいります。
◆(石川たえ委員) 財政安定化基金は、平成二十八年度以降、交付も、そして貸付けもされておりません。既に大阪の基金は八十九億円、全国最多でたまっています。
市町村への交付貸付けにしか使えないというふうに今言われましたけれども、平成二十四年度は都道府県の判断においてその一部を取り崩し、その三分の一に相当する額を市町村に交付することで、第一号被保険者の介護保険料の負担軽減ができるという国の特例措置の中で、大阪府はこのとき、保険料引下げに安定化基金を取り崩し、交付を行っています。
七十歳、ひとり暮らしの年金月十二万円の場合、全国一高いと言われる大阪市の介護保険料は六千三百三十六円、同じ政令市でも横浜は三千八百七十三円、名古屋は四千七百六十一円、大阪市は国保と合わせると約九千円もの負担になります。食事の回数を減らす、サービス利用料が払えないから介護保険は利用しないなど、結局、大阪府が声高に叫んでいる予防にすら今つながっていません。
こんな事態を生み出しているときに、平成二十四年度のように保険料引下げのための特例措置を、部長、国に求めたのかどうか教えてください。
◎福祉部長(吉田真治) とにかく、先ほど課長のほうから答弁しましたように、一般財源繰入れというのはもうしませんと、この前、六月議会でも答弁させていただきました。
今お尋ねの国に対する要望なんですが、そこはやっていない。やっておりません。
◆(石川たえ委員) 国への特例措置の要望をされていないということですので、今、これほど高くて払えない、サービスが受けられないという人がたくさんおられるわけですから、ぜひ国に特例措置を求めてほしいというふうに思います。
地方自治体が独自に財政補助することを禁止する法律はありません。憲法二十五条は、全て国民は最低限度の生活を営む権利を有するというふうにうたっております。第八期並みまで引き下げるとして、必要額は大体約百八十七億円です。大阪府として、保険料引下げの努力を必ず行うべきだと申し上げておきます。
これは知事に聞きたいと思いますので、委員長、よろしくお願いします。
次に、令和六年度の報酬改定で、訪問介護の基本報酬の引下げの結果、全国では今年一月から八月の介護事業所の倒産は前年同期の一・四四倍と激増し、コロナ危機の渦中にあった令和二年を上回る、史上最多の水準となっています。倒産の約半数は訪問介護の事業所で、その大半は小さい事業者です。地域で最も身近な訪問介護事業所が今、廃業に追い込まれております。
大阪社会保障推進協議会の訪問介護事業所緊急アンケートでは、九割が経営困難、八割が賃金改善困難と回答されています。利用者は増えている、報酬が下がってもヘルパーを減らせない、在宅での支援者がいなくなり、生活を支えるヘルパーがいなくなるなど、事業所運営にとっても利用者にとっても深刻な事態となっています。
厚労省は、全介護サービス平均の収支差率が二・四%なのに対し、訪問介護の平均収支差率は七・八%と高いことを引下げの理由にしていますけれども、しんぶん赤旗が厚労省から入手した同調査結果の資料によると、収支差率がゼロ%未満の訪問介護事業所が三六・七%、四百八十一事業所あります。
訪問介護業界では、慢性的な人手不足も赤字、廃業、閉業の要因の一つとなっている中で、人員の確保は欠かせません。人員確保の鍵は処遇改善だというふうに思います。人員確保のために介護職員は税金なしとするなど思い切った対策をと、こういう大胆な提案をされる研究者もおられます。
大阪府として、介護職員の賃上げ支援につながる独自の処遇改善策を行うべきではないでしょうか。
◎介護事業者課長(宮前元昭) お答えします。
少子高齢化と人口減少社会が進展する中、介護サービスの需要が高まる一方で、介護サービスに従事する介護人材の不足が課題となっています。今後も必要とする人が安心して適切な介護サービスを受けていただくためには、介護人材の確保が必要であり、そのためには介護職員の処遇の改善が重要と認識しております。
介護職員の処遇の改善につきましては、国においてこれまで数次にわたり見直しが行われ、最近では、デフレ完全脱却のための総合経済対策に基づき、収入を二%程度引き上げるための措置を令和六年二月から実施しており、令和六年度の介護報酬改定におきましても、加算も含めて見直しされているところでございます。
府としましては、介護保険は国の制度であることから、介護職員の処遇の改善につきましても、制度を所管する国において必要な措置が講じられるべきものと考えており、国に対して要望しているところでございます。
◆(石川たえ委員) 国が処遇改善の加算を増やしたりとか、この間、取組をやっているのは知っているんですけど、そもそも介護事業者は全職種の平均から随分賃金が低いんですよね。この処遇改善の課題というのは、人員確保にとっても喫緊の課題となっているわけです。
国の制度やから国がやったらええという話では、私はないと思います。東京では今年度、介護の人材確保、定着を目的に、介護・福祉職員を対象に居住支援特別手当、この給付が始まりました。常勤、非常勤を問わず、月八十時間以上働く労働者を対象に、月一万円から二万円の給付が行われます。また、都内介護サービス事業所で働く全ての介護職員、ケアマネジャーに、最大二万円の特別手当の支給も始まっています。国の月六千円の値上げと合わせると、年間約十九万円から三十一万円賃金が上がることにつながっていくわけです。
こういう努力こそが今、大阪府に求められています。国が、国がやるべきだと大阪府は何の手だても取らないと、これでは駄目だというふうに思います。大阪独自の処遇改善を求めておきたいと思います。
処遇改善と併せて、大幅人員増が今必要です。国に、人員配置基準の緩和をやめなさいというふうに強く求めていただきたい。このことと併せて、大阪府独自に配置基準に上乗せをして、加配職員の配置を行う事業所に対して財政支援を行ったらどうかと思いますが、いかがでしょうか。
◎介護事業者課長(宮前元昭) お答えいたします。
介護保険施設及び介護サービス事業所で確保すべき人員に関する基準は、介護保険法において、厚生労働省令で定める基準に従い定めることと明記されており、大阪府条例で定めております。
基準以上に職員を配置した場合、特別養護老人ホーム及び介護老人保健施設での夜間職員配置加算や、訪問介護での早朝、夜間、深夜の加算、二人介護の算定、訪問看護での複数名訪問加算など、介護保険制度の中で、サービス提供の人員体制に必要な配慮もされております。
府としましては、介護保険は国の制度であることから、職員の配置につきましても、制度を所管する国において必要な措置が講じられるべきものと考えております。
また、年に一回以上実施しております介護保険施設等に対する集団指導において、加算制度などを周知するとともに、大阪府条例で定める基準に従い、介護職員等が適切に配置されるよう指導に努めているところでございます。
◆(石川たえ委員) 配置基準というのは、これ以上増やしたら駄目ですよという法律なんですか。配置基準。国の配置基準は、これ以上増やしたら駄目ですよと書いてあるんですか。
◎介護事業者課長(宮前元昭) 国の厚生労働省令で定める基準に従い、大阪府条例で定めるとしているところでございますが、この基準につきましては、最低限守るべき基準というふうな形で理解しております。
◆(石川たえ委員) ありがとうございます。すいません、委員長。
最低限守らなあかん基準ということは、これ以上少なかったらあかんでという話なんですよ。なので、これ以上増やしたらあかんでとは言ってないんですよね。だから、私は配置基準はこれではあかんと思っているし、それでは足りないと思っている事業所さんが、さらに自分とこで追加したはるところの分ぐらい、大阪府が面倒見たらどうですかというふうに申し上げているわけです。
加配への補助がいろいろ国にもあるでというふうに今おっしゃいましたけど、国の配置で配慮がされているんだったら、どうして今、ワンオペ夜勤、ネットですぐ出てきます、夜勤が一人の体制で困難を極めているんでしょうか。一人夜勤の忙しさと不安感で心身ともにきつい、職員の負担や利用者の事故リスクなど、休憩が取れないなど、現場は今、多くの問題を抱えています。健全な労働環境とは言えないのに、国に配慮があるから、あとは現場で何とかすればいい、この態度はやっぱり改めないといけないというふうに思いますので、必要以上に配置している、必要って、配置基準以上に配置してはる事業所さんへの財政支援は求めておきたいと思います。
介護の最後に、事業所の継続を支えていくために、大阪府独自に、せめてこの物価高騰下に苦しむ事業所に対して、令和五年に実施をしていた一時支援金事業を行ったらどうかと思いますが、いかがですか。
◎介護事業者課長(宮前元昭) お答えします。
介護保険施設や居宅サービス事業所における物価高騰の影響につきましては、現在においても継続しているものと認識しております。
府としましては、介護保険施設等に対し、令和四年度より二か年、国の地方創生臨時交付金を活用し、物価高騰対策として支援をしてきたところでございます。
介護保険施設等への物価高騰対策を含めた財政支援の充実につきましては、国に対し要望しているところであり、団体等の意見も聞きながら、引き続き国に対して強く働きかけてまいります。
◆(石川たえ委員) 全国的に人手不足と経営悪化の中で、介護事業所の撤退、廃業、倒産が続出し、介護事業所が一つもない、こういう市町村まで今、全国では生まれています。大阪でそんな事態を生み出さない、人材、事業所がないために介護サービスを受けられない、こういう人を生まないために、大阪府は一体どんな支援を進めるんですか、このことが大阪に今問われています。
長野県泰阜村は、限度額を超えた高齢者を救済しています。在宅で暮らし続けるために必要なサービスは、介護保険の限度額などに縛られることなく受けられるように制度がなっているわけです。例えば独居で寝たきりに近い高齢者の方には、一日五回から七回ほどの訪問介護、デイサービス、入浴介助等々が必要な場合がありますが、これらのサービスに制限は設けていません。村でずうっと暮らし続けてほしいという思いから、在宅で暮らすために必要なサービスは必要なだけ提供すると、限度額を超えても必要なサービスを受けられる仕組みをつくっているわけですよ。
事業所を守り、利用者が安心して介護サービスを受けられるようにする、この姿勢こそが今、大阪府に求められます。
人材確保、介護事業所への支援について、これも知事に聞きたいと思いますので、委員長、よろしくお願いいたします。
・生活保護世帯におけるエアコンの修理費等について
◆(石川たえ委員) 次に、生活保護世帯についてお聞きをいたします。
今年の酷暑の中で、エアコンが壊れたが修繕できず扇風機で過ごした、貸付けと言われても借りられないなど、エアコン使用を控える、修繕できずに熱中症で搬送される、こういう方も少なくないと聞いています。
厚労省の五月通知では、特別な事情がない生活保護世帯においては、毎月の保護費のやりくりの中で、エアコンの購入費用、故障時等の対応を賄うことになるため、家計管理への助言指導をと書いてあり、私はこの通知を読んだときに、国は鬼なんだろうかと背筋が凍る思いがいたしました。
今、家計管理で修繕代が出せるような保護費なんでしょうか。物価が高騰しても保護費が増えない。結局、食事を減らすなど、もう節約も限界、これが実情です。
国がやらないのであれば、大阪府の責任でエアコンのせめて修理代ぐらいは支給し、命を守るべきだと思いますが、見解を求めます。
◎社会援護課長(津田基子) ありがとうございます。
生活保護は、法定受託事務として、国が示す生活保護基準に基づき、各地方公共団体が実施機関となって実施しております。
生活保護基準では、エアコンの修理費など日常生活に必要な経費については、毎月支給される保護費の範囲内でやりくりをしていただくこととされております。
生活保護制度は、憲法が保障するナショナルミニマムとして、国が責任を持って運営すべきものであることから、府が独自にエアコンの修理費用を支給することは困難であります。
今後とも、府としましては、生活保護基準の改定等を含め、生活保護の受給者の生活実態を踏まえた制度とするよう、引き続き国に要望してまいります。
◆(石川たえ委員) 受給者の生活実態を踏まえて国に要望していただけるということなんですけれども、今、生活保護費って少ないんですよ。この少ない保護費の中から、本当に必要なものであるからといって、計画的に毎月ちょっとずつためてエアコンを修理したり購入したりできないような、今、保護費の実態なんですかね。
受給者の実態をよくつかんでというふうにおっしゃるので、しっかりつかんでほしいと思いますけど、水道代が月三千円以上かかるので、お風呂は週二回から三回もしくはシャワーで全てを済ませます、こういう方、たくさんおられます。エアコンはあっても、電気代が今度は気になるので、もうエアコン、この夏つけませんでしたと、三十五度を超えると目まいがしてきます、こういう方もたくさんおられるんですよ。これが実態なんです。
もともと少ない保護費の中で何とかやりくりしていたところに、物価高騰と酷暑が襲いかかりました。物価高騰が襲いかかったからいうて、保護費上げてくれないんでね。上げてくれたらいいけど、年金ちょっと上がったら、その分、保護費から削るんですよ。びっくりするようなことが起こっています。
国の制度やからとか、計画的にためてとか、事あるごとに、福祉資金の貸付けで借りれるから借りてくださいと言わはるんですよね。もう暮らすの困ってんねん言うている人に、借金しなはれと言うんですよ。こんなばかなことなくて、国に負けず劣らず、今の大阪府の対応は私は間違っているというふうに思います。
さっきも聞きましたけど、生活保護法は国を超えてやったらあかんと、大阪府が財政支援したらあかんと、修繕代を出したらあかんというふうに書いているんですか。
◎社会援護課長(津田基子) 最低基準ですので、おっしゃるように駄目やということにはなっておりません。
ただ、法定受託事務ということなので、それを超えてまでする必要があるかどうかというところを検討していくべきかと思います。
ですので、本当に何度も申し上げるんですけど、実態を調査しながら、実態に合わせて、それに合わせて要望していくということでさせていただきたいと思っております。
◆(石川たえ委員) 国への要望は当然やっていただきたいと思いますし、毎日でも国に連絡していただきたいなと思っているんですけれども、ただ、大阪府は以前、夏季一時金の支給、夏季・冬季一時金の支給をやっているんですよね。これは国の制度を超えて、大阪府が生活保護世帯に対して支援をしていたんです、できるんですよ、やっていたんですよ。なので、今は国の制度だからという、この態度を改めないと駄目です。
同時に、この夏季・冬季の一時金をやはり復活させるべきだと思いますが、いかがですか。
◎社会援護課長(津田基子) 生活保護基準に基づいて、冬季の暖房費等の増加に対応するためには冬季加算が行われ、生活扶助費が増額されております。また、年越しに必要な費用については、期末一時扶助が支給されているところです。
委員お示しの府独自の制度に基づく夏季や冬季の一時金については、憲法が保障するナショナルミニマムとして国において検討すべきものと考えておりまして、府としては、支給を行うことは現在困難になっております。
今後とも、国には、生活保護受給者の実態を踏まえた制度とするよう、引き続き要望してまいります。
◆(石川たえ委員) 憲法が保障すると繰り返されますので、憲法を守るのは国だけではなくて、地方自治体も守らないといけませんので、憲法が保障する最低限度の生活をしっかり守っていくために、大阪府が役割を果たすべきだと申し上げておきます。
・コロナ対策のためのかかり増し経費の復活について
◆(石川たえ委員) 次に、コロナについてお聞きをいたします。
コロナウイルス感染症が五類となり、府民生活もコロナ前に今戻りつつありますが、コロナの感染者がいなくなったわけではありません。今年も昨年のピーク時と同水準の感染が報告をされていました。
介護、障がい等の福祉施設では、コロナ禍のときと同じようにコロナ対策を取り、利用者の命と安全を守る取組が行われています。しかし、大阪府は、政府と同じように、五類以降、全ての補助金を廃止してしまいました。施設内でクラスターを発生させ、命を危険にさらすわけにはいかないが、検査キットから施設のゾーニングまで全てが事業所の持ち出しになっていて、事業所経営が本当にきつい、こういう声があちこちで上がっております。
せめて、消毒液の購入、検査キットの購入などに使えるかかり増し経費、これを復活させて、利用者と事業所を守るべきだと思いますが、いかがですか。
◎介護事業者課長(宮前元昭) お答えします。
介護保険施設や居宅サービス事業所、障がい福祉サービス事業所等におけるかかり増し経費につきましては、国制度を活用して、衛生用品や介護人材の緊急雇用に係る費用など、幅広い経費を対象に、昨年度まで補助を行ってまいりました。
介護保険施設等が継続的かつ安定的に感染症対策を実施することができるよう、国に対して、継続して感染症対策に係る支援を行うよう要望しているところでございます。
また、感染症への対応としまして、関連する研修情報や訓練材料の提供、防災及び感染症のBCPに係る実践講座の開催や個別相談窓口の設置、協力医療機関との連携などにつきまして、集団指導及び運営指導を通じ周知を行っているところでございます。
今後も、協力医療機関との連携や新興感染症対策などにつきまして、福祉と医療との密な連携が必要と存じますので、引き続き、健康医療部と連携しながら、情報共有しながら取り組んでまいります。
◆(石川たえ委員) 密な連携が必要なんですよ。ぜひ取ってください。
ただ、コロナ禍のときにも申し上げましたけれども、国の交付金の範囲内で何でもやっているんですよね。大阪府独自の努力、どこにあんねんという話なんですよ。ほんで、北海道や兵庫県というのは、今年度、このかかり増し経費の継続をしているんです。できるんですよ。なのに、大阪府は、国がやめたので大阪府もやめます言うてやめたんです。これはやっぱり間違っていると思いますので、大阪府としても独自支援を行ってほしいと申し上げておきます。
空床確保をはじめ、医療機関への補助金はなくなりました。府立病院をはじめ、多くの医療機関が、物価高騰も相まって今、赤字経営となっています。帝国データバンク二〇二三年の調査では、医療機関の倒産は過去最多です。休廃業、解散は十二・九倍。大阪民医連の医療機関アンケートでは、多くの医療機関から、今の状況が続けば医療と福祉は早晩もたなくなると悲鳴が上がっています。
そこで、幾つか提案をしたいと思います。
一つ目、伝播性が強い新型コロナウイルス感染症への医療・介護事業所での対応は、五類移行後も大きく変わることはありません。
そういう見地に立ち、スクリーニングを含めたPCR検査、抗原検査等の感染診断、個人防護服や必要な施設改修などの費用を、大阪府の助成を再開してはどうか。
二つ目、感染症予防計画の中では、平時から医療機関との協定締結、有事の際は協定に基づき病床確保、医療提供、こういうふうに記されておりました。コロナ陽性患者を受け入れれば、当然ゾーニングや病床確保が必要となります。これが医療機関の負担になり、経営困難に陥るケースもあります。
コロナ感染拡大期はすぐに医療機関への補助制度を再開する、人の確保の確保への財政支援をする、感染拡大時の医療介護事業所への減収補填を行うなど、府民の命と医療機関の経営支援に踏み出すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
◎感染症対策課長(樫内伸悟) お答えいたします。
医療機関に対する検査機器やマスク等の個人防護具の費用については、通常の医療提供体制の移行に伴い、国の方針に基づき、現在補助を終了しており、府といたしましても独自の財政支援は想定しておりませんが、感染症法に基づき、新型インフルエンザ等感染症法等の医療措置協定締結医療機関に対しては、個室整備、簡易陰圧装置や検査機器等の施設整備補助を行っており、有事には、流行初期に病床確保や発熱外来を行う医療機関に対し、減収補償も行ってまいります。
また、協定締結医療機関においては個人防護具の備蓄をしておりますが、府においても一定の備蓄を進めることとしており、有事の際には医療機関のほうに配付してまいります。
◆(石川たえ委員) 感染症予防計画の中でやっぱりコロナの教訓がしっかり生かされて、今言われていた防護服の備蓄であったりとか、ほんで、すぐに空床確保できるような体制であったりとか、有事になる前に協力医療機関をいっぱいつくっておこうというて協定を結んでおられるということとか、これはコロナの教訓から導き出されたものであって、非常に大事やと思っているんです。ほんで、これから新興感染症がやっぱり出てくる可能性って大きいわけで、そのときにこういう対応しますという意味では、ぜひやってねと、ここで終わりたいところなんですけど、コロナ、なくなってないのでね。
新興感染症だけに限定しないで、やっぱりコロナで感染されて、今でもお亡くなりになっておられる方はたくさんおられますし、コロナ禍のときのように病床確保がありませんので、介護施設なんか、入所型の介護施設なんかに留め置きされてしまって、そのまま亡くなっていくケースというのもやっぱりあるわけです。なので、やっぱり新興感染症対策だけではなくて、それをコロナウイルス感染症にもぜひ適用していただきたいなというふうに思っています。
・コロナ関連費用の負担軽減と医療機関への支援について
◆(石川たえ委員) コロナの問題でもう一つ。コロナに感染した場合、検査費用は現在自己負担が生じます。検査費用が高いので検査しません、こういうふうに検査拒否のケースも少なくありません。この患者がもし、万が一コロナの陽性であれば、そのまま感染は拡大していくわけです。感染を拡大させないことが本当に大事になっています。
大阪府が検査費用、自己負担分の財政支援を行うべきではないでしょうか。
また、感染した後の治療薬ですが、この治療薬が高過ぎて、結局、鎮痛剤で様子を見る、こういう感染者も少なくありません。コロナの治療薬、窓口負担、例えば三割負担だったとして、処方一回当たり約三万円、インフルエンザの抗ウイルス薬などと比較しても非常に高いのが特徴です。医療機関によっては、待合室にゾコーバ一万五千円、ラゲブリオ三万円いうて貼ってあるんですね。どっちにするか選んでいうて、患者さんに選ばさはるわけですよ。医師の側も金額を心配して、患者の選択に任せますと、こういうふうにはっきり言われるお医者さんもおられます。
高額の自己負担のために患者が治療薬を避ける傾向は、やっぱり見過ごせないというふうに思っています。大阪府の責任で、検査、そして治療薬の自己負担分への補助を行ってはどうでしょうか。
◎感染症対策課長(樫内伸悟) お答えいたします。
新型ウイルス感染症の薬剤費及びPCR検査の費用については、感染症法上の位置づけの変更により、通常の医療提供体制への移行に伴い、国の方針や抗原検査キットの普及及び他の疾病との公平性を踏まえ、自己負担分の軽減のための公費支援は終了しており、府独自の財政支援についても想定はしておりません。
令和六年四月以降は、他の疾病と同様に医療保険の自己負担に応じた患者負担となっておりますが、高額療養費制度が適用されることにより、所得に応じて一定額以上の自己負担が生じない取扱いとなっております。
◆(石川たえ委員) 他の疾病と同様に、今、五類なのでなっていますということと、高額医療が適用されていますというふうに言われていたかなと思うんですけど、七十歳以上の非課税世帯で、高額医療の外来限度額八千円です。適用されても、高くてコロナの治療薬は選択できないという方がたくさんおられるわけです。インフルエンザワクチンね、他の疾病と同様と言われるので、インフルエンザワクチンは平均大体三千六百三十一円、治療薬は大体三千円以内に収まっています。
他の疾病と同様というのであれば、ワクチンも治療薬も同様にするために補助したらというふうにお願いをしています。国に求めることと併せて、大阪府が補助制度をつくるべきだと申し上げておきます。
秋からコロナワクチンは、六十五歳以上の高齢者と、六十歳から六十四歳で基礎疾患がある重症化リスクの高い人を対象に、最大七千円の自己負担を求める定期接種が始まります。ワクチンは重症化を予防する手段であり、経済的負担の軽減が今必要となっています。私の住んでいる吹田市をはじめ、各市町では、自己負担軽減のための補助をこの九月議会で決めておられます。
大阪府が、ワクチン自己負担を軽減する取組を行う市町村へ財政支援を行うべきではないでしょうか。
また、今年の感染拡大期、介護・障がい・福祉施設ではクラスターが起こり、治療も受けられず、留め置かれたという話はさっきも申し上げました。
そこで働く職員への感染、これも非常に多かったというふうに聞いています。職員もワクチンを受けたい。受けたいのに、自分で受けてと言われると。もしくは事業所負担で、とてもじゃないけどワクチン接種できない。安心して働き続ける保障として、施設職員のワクチン接種について公費負担をしてほしい、今、こういう声もあるわけです。
医療従事者、介護施設、障がい福祉施設などいわゆるエッセンシャルワーカーのワクチン接種は大阪府が公費負担をすべきだと思いますが、いかがですか。
◎感染症対策課長(樫内伸悟) お答えいたします。
新型コロナワクチンについては、令和六年十月から、個人の重症化予防を目的として、予防接種法のB類疾病と位置づけた上で、同法に基づく予防接種を実施しているところです。
定期接種の実施主体である市町村では、一部の市町村を除き、対象者に対する一定の負担軽減策が講じられ、自己負担額を三千円程度にするところが多いというふうに聞いております。
予防接種は実施主体が市町村であることから、市町村に対しての府独自の財政支援は想定しておりませんが、令和七年度以降も国に対し、定期接種における費用の助成金を支給するよう要望しているところです。
また、医療従事者等の、定期接種の対象以外であっても、予防接種法に基づかない任意接種として接種することはできますけども、府として独自の財政支援というのは今想定しておりません。
◆(石川たえ委員) ぜひコロナ禍を思い出してほしいなと思っているんですけど、高齢者施設で誰か感染者が出れば、それは利用者にも職員もどんどん感染するんですよ。どんどん感染するから、職員の皆さんはやっぱり予防接種を受けたいというふうに思っておられるので、ここはしっかり酌んであげるべきかなと思っています。
東京都は、接種費用を二千五百円以下に抑える市町村に対して補助制度を開始しています。大阪のいろんな市町が三千円程度に抑える努力をされているというのは私も聞いているので、これは市町村の努力としては非常に大事なんですけど、東京都は都として、そうやって市町村が頑張るんやったらもっと応援したろういうて、二千五百円以下に抑える市町村に対しての補助制度を開始しています。
市町村と連携して、感染防止対策に広域自治体としてしっかり踏み出すべきだと申し上げておきます。
・ギャンブル依存症対策について
◆(石川たえ委員) 次に、ギャンブル依存症についてお聞きをいたします。
改めて確認をいたします。大阪の依存症対策として、今後これ以上、依存症患者は増やさない、これが目標でよろしいでしょうか。
◎地域保健課長(對馬英雄) 令和五年三月に策定し、計画期間を令和七年度までとする第二期大阪府ギャンブル等依存症対策推進計画においては、その全体目標として、ギャンブル等依存が疑われる人等の割合を実態調査で把握し、その低減を目指すこととしております。
◆(石川たえ委員) 低減を目指すということなので、これから減らしていく方向で頑張るというふうに私は理解をしているんですけど、大阪府のギャンブル等依存症対策推進計画に基づく令和五年度の調査では、ギャンブル等を疑われる人等の割合が三・九%となり、ほぼ横ばい、こういうふうに書かれておりました。前年度より実は〇・五ポイント増えております。大阪で疑われる人、リスクがある人が〇・五ポイント増えると、単純計算をすると三万八千人、前年度よりギャンブル依存症の疑いもしくはリスクのある人が増えていることになります。
こんなにも疑われる人、リスクのある人が三万八千人も増えているのに、考察には横ばいと書いてあって、これはさっき聞いたんですけど、増えていますがこれ以上増やさない、減らしていくという話なので、これで本当に対策が進んでいるという評価なのか。
ギャンブル依存症を考える会の調査では、ギャンブル開始年齢の一位は十八歳から二十歳です。近年、オンラインカジノの利用者が増え、低年齢化しております。借金の金額は、ランドカジノよりもずっと大きくなっている。鬱や自殺も多いというふうにも聞いております。
取組状況評価では、若年層への啓発を通じて早期予防に取り組まれている、こう評価がされていましたが、教員向けの研修に参加したのは二百五十七人。大阪府の小中学校、高校の学校の先生はこんなに少ないんだろうかと思うぐらいの人しか研修に行っていない。高校の保健の授業で予防啓発一〇〇%と評価が出てまいります。だけど、実際どうなのと聞いてみると、一回やっても、これはカウント一になりますから、予防効果はあまりないと思いますというて現場の先生が言われていました。これで、早期教育に取り組めているというふうに評価が書いてあるわけですね。本当にそう思っているのというふうに私、疑問を持っているわけです。
治療体制の強化。これは医療機関受診数、令和四年は五百四人。疑いとリスクを合わせると、今、二十五・六万人おられる。三百人に一人しか医療機関の受診をしていない。これでも支援体制の充実に取り組めていると書いてあるんですよ。この評価、本当に正しいのと。
大阪の依存症対策が進んでいるというふうに大阪府は考えておられるのか、教えてください。
◎地域保健課長(對馬英雄) 第二期計画においては、若年層への普及啓発をはじめ、相談体制、医療機関体制、回復支援体制の強化を基本方針としており、令和五年度には、新たに高校生向け予防啓発資材の作成、SNS相談の実施、医療機関向け簡易介入マニュアルの普及や、民間団体等への補助金の拡充等を実施したところです。
令和六年三月、学識経験者、医療機関、民間支援団体などの有識者で構成するギャンブル等依存症対策推進会議の意見を踏まえ、知事をトップとする推進本部において実施状況の評価を行い、令和五年度においては個別目標の目標値をおおむね達成したことを確認いたしました。
◆(石川たえ委員) 目標値との関係でおおむね達成しましたよと言われているんだなというふうには思うんですけど、一番最初に聞いたとおり、依存症患者は調べたとこから減らしていく方向で頑張るというのが、依存症対策の強化の方針だというふうに思っています。
ほんなら、結局、掲げた目標との関係ではおおむね達成しているよという評価なんですけど、依存症の疑いもしくはリスクのある方は三万八千人増えていますし、予防啓発やいうて、学校で授業は一〇〇%と書いてあるけど、一回しかやってへんし、予防効果ないでいうのは現場の意見で出ているし、医療機関への受診も大して進んでいないので、責めているわけじゃないんですよ、ないので、おおむねできていると評価して、ここに安住したら駄目なんですよ。私が言いたいのはそこで、どうやって減らすのか、もっと真剣な議論が要るかなというふうにはあの評価を見ていて思いました。
依存症対策の肝として今語られているのは、ワンストップセンターだというふうに思っています。ワンストップ、こういうふうに言うからには、そこに行ったら相談にも乗ってくれる、医療や福祉にもつないでくれる、家族のケアもしてくれるなど、全てワンストップでできる、これがワンストップ支援センターだという理解でよろしいでしょうか。
◎地域保健課長(對馬英雄) 学識経験者、医療機関、民間支援団体等で構成する、仮称大阪依存症センター機能検討会議において、ワンストップ支援機能と普及啓発・情報発信機能について御意見をいただき、クロスアディクションの観点を踏まえることや地域連携が重要などの御意見を踏まえ、本年八月に案を取りまとめました。
ワンストップ支援機能として、情報提供、相談・医療支援や法律相談、ギャンブル等依存症回復プログラム等の実施、回復支援団体等と相談者とのオンライン相談などを行うとともに、適切な地域支援につなぐといった各種支援を行うこととしております。
継続的な支援については、身近な地域において、生活支援等の観点も含めた支援が必要であることから、地域の相談機関や医療機関、自助グループ等の回復支援機関、市町村等の生活支援関連機関等につなぎを行うこととしております。
◆(石川たえ委員) ワンストップ支援センターの果たす役割は非常に大きいというふうに思っています。今言われていたとおり、やっぱりずっとワンストップセンターが全ての人を受け入れとくというわけにいけへんので、それぞれ地域のいろんな自助グループさんやったりとか、役所だったりとかに流れていくんだというふうに思うんです。それはそれでいいと思っているんですよ。いいと思っているんですけど、ただ、市町村に依頼をしたとしても、依存症の治療であったりとか、家族のケアであったりとか、生活が本当に成り立つというところまでの支援ができているのか、できるのかというところが一番問われる大事なところだと思っています。
ギャンブル依存症に係るサポート体制、研修、その後の進捗状況、これがその地域のところでどの程度やられているのかというのをしっかりとワンストップセンターがつかんどけへんかったら、回したはええけど、結局放り出されたということになりかねないんですよ。地域に振り分け、ここに行ってくださいというふうに地域の窓口を、自治体の窓口を紹介するだけでは私は解決しないと思っています。
自治体の窓口対応は今、様々なんですよね。例えば、当事者と別居をしてお母さんが一人で子育てをしないといけなくなった場合、収入の見通しがなければ、当然お母さんは働きに出ないといけません。なので、紹介された役所の窓口に行って、保育園に入りたいですというふうに言ったら、働いてないのに入れませんいうて追い返されるわけですよ。何とか働くとこ見つけて、保育園に入れたと。ほな、今度は、御主人は治療のために別のところにおられるので、世帯合算なので保育料が高いんですよ。結局、何とかファミリーサポートを利用できないかというて聞いても、あなたのケースは利用できませんとか、電話をして何とかしてほしいというふうにSOSを出しても、時間内にとにかく役所に来てくださいと言うんですよ。働いているから行けませんからというて、そこで困難が待ち受けているわけです、自治体の窓口のところで。全く支援にならないと。離婚しない限り、シングルマザー、独り親世帯の支援を受けることもできませんので、全く支援の届かない人がたくさん今、生み出されているんです、市町に送られたときに。
これは駄目なんですよ。こういう実態を本当になくしていくために、ワンストップセンターだけではなくて、市町村の各窓口がギャンブル依存症はどういうものなのかと、病気ですということをきちんと理解する。そして、家族も含めて相談に来たときに、医療機関も福祉も自助グループも含めて、みんなで協力してあなたを助けてあげますよという体制になるために、しっかりとワンストップセンターがそのバックアップをできるように、専門家を常時配置するべきやと思うんですが、いかがでしょうか。
◎地域保健課長(對馬英雄) 依存症に悩む本人や家族等の相談者が抱える様々な問題を整理し、適切な地域サービスにつなげることができるよう、センターにはケースワーカーや保健師が常駐し、必要に応じ、医師や法律家、回復支援団体等へワンストップで相談できる体制の構築を検討しております。
また、地域へのつなぎが円滑に進むよう、府が全国初で構成した依存症支援団体等のネットワークである大阪アディクションセンターの機能や、府内全域での支援機能の向上を図っていくこととしております。
具体的には、支援機関間での事例検討会議の開催や最新データの共有、また、地域の支援人材への啓発や研修などを検討しております。
◆(石川たえ委員) 体制の構築や研修も検討していただいているということなので、本当によろしくお願いしますとお願いしておきたいと思います。
そこで、一つ提案をしたいと思います。例えば、家族会の皆さんは多くの経験値をお持ちです。日常から当事者や家族の伴走支援を、それこそ三百六十五日休みなしで行っています。こういう方たちを専門スタッフとしてワンストップセンターに配置したらどうかなというふうに私は思いますので、ぜひ検討をお願いしておきます。
現在も、家族会はじめ、多くの支援団体が当事者や家族を支援しています。家族会の毎月の相談会には、初めて参加する、こういう人も含めて毎回百人を超える人が参加し、悩みの共有をはじめ、福祉へのつなぎ、自助グループの紹介、家族の支え方などを膝を突き合わせて相談をされています。参加者からは、自分がこれほど回復し、変われたのは当事者仲間に出会えたから、この家族会があったからだったと、生きる希望が湧いてきた、こういう声も多く、この人たちが次のサポーターとして今、力を発揮されておられます。
ワンストップセンターで相談事業と市町村、支援団体との連携を行い、回復へとつなげる、こう言われるのであれば、こういうノウハウを持った民間団体や支援の会の力を借りるのが一番だというふうに私は思っています。
ただ、この家族会の相談会、毎回、会場の確保もしくは会場費の負担が非常に重いと。今、若年化していますので、相談に来られる方で乳幼児連れの人がたくさんおられるので、保育体制も取っておられるんです。でも、この保育要員の確保が本当に困難だというお話も聞いています。
支援団体の皆さんが安心して相談会や当事者、家族のサポートができるように、大阪府の事業として相談事業をこの人たちに担ってもらったらどうかというふうに私は思います。また、ワンストップセンターを無償で貸し出す、保育要員の確保に大阪府も協力する、こういう取組をしてはいかがでしょうか。
◎地域保健課長(對馬英雄) 依存症の回復に向けては継続的な支援が必要であり、回復支援団体との連携や家族支援は重要と認識しております。
今後、仮称大阪依存症センター機能検討会議でいただいた御意見を踏まえ、回復支援団体等と依存症関連の会議を活用して情報共有を図りつつ、府市において民間団体等との連携の在り方などの検討を進め、様々な機能などの具体化を図ってまいります。
◆(石川たえ委員) 連携の在り方、検討を進めていくということなので、ぜひ期待をしておきたいと思います。
ワンストップセンターから地域や支援グループに協力を求め、地域ケアを担ってもらいながら、会場費負担は自分らでやってねというのはちょっとずるいなと思いますので、支援を求める、協力してよ、連携しようよというのであれば、財政的にも負担がないようにしてあげる必要があるかなというふうに私は思います。
神戸市は、こういう家族会の方とか支援団体の方は障がい福祉団体として登録ができるんです。障がい福祉団体として登録をすれば、会場の優先予約ができるし、会場費の減免も受けられるんですよ。こういうことを大阪府がやったらどうかなというふうに思います。
ただ、なかなかオープンにできないと言われる方もたくさん、こういうギャンブルの問題ですので、ありますので、そういうところであれば、登録できなかったとしても、そういう人たち、そういう会やグループには財政の支援を行うということを、大阪府の努力としてやったほうがいいというふうに思っています。
連携の在り方として、主体になってもらうこと、財政支援をしっかり行うこと、このことなしにやっぱり連携は進んでいかないというふうに思いますので、依存症患者は減らしていきますというこの目標に向かって、私も頑張りますけど、皆さんが本当に地域の皆さん方としっかり連携を取って、家族会や自助グループや支援団体の力もしっかり借りて、その人たちを主体にしていく、こういう努力を求めておきたいなというふうに思います。
ギャンブル依存症対策については、知事にも聞きたいと思いますので、よろしくお願いします。
・困難な問題を抱える女性への支援--SACHICOについて
◆(石川たえ委員) 次に、困難な女性についてお聞きをいたします。
内閣府によると、性犯罪、性暴力被害者のためのワンストップ支援センターへの相談件数は年々増加をしております。令和五年度は前年度比九・五%増、大阪SACHICOの昨年度の相談件数は約四千件、十四年間で実に五万二千百九十八件の電話相談、来所延べ一万四千六百十人。まさに性暴力からの救済をしてきたのが大阪SACHICOだと思います。
このSACHICOが今、存続の危機にあります。危機管理の所管であることは重々承知をしておりますが、性暴力救済センターについて今後どうしていくのかについては、検討を進めるというふうに知事も言われていましたので、検討会議そのもの、ワーキンググループに参加をされる健康医療部の認識を問いたいと思います。
今、大阪SACHICO以外に十の協力医療機関があります。ところが、この十の協力医療機関の昨年度の相談件数は、十病院全部合わせて八十六件です。令和元年から令和四年まで、この期間は実は全部合わせて二十件以下なんですよ。非常に少ないと。性暴力被害者は、警察の認知件数だけを見ても、令和三年六百六十二件、令和四年八百四十件、昨年は千八十四件と年々増えている中で、こんなに協力医療機関の相談件数が少ない。
この実情を健康医療部はどう見ているのか、お知らせください。
◎地域保健課長(對馬英雄) 性犯罪・性暴力被害者が安心して適切な支援を受けられる体制整備は重要と認識しております。
特に健康医療部におきましては、犯罪被害者を含め、全ての方に適切な医療体制を整備することが役割と考えております。
現在、所管である政策企画部危機管理室において、被害者に対し早期に適切な支援を提供するため、性暴力被害者支援ネットワークを構築しており、関係部局との連携による庁内ワーキンググループを立ち上げて検討を始めたところでございます。
相談件数の実績などを踏まえた今後の在り方については、庁内ワーキンググループにおいて検討されるものであり、当課もワーキンググループに参加する一員として、これに協力してまいります。
◆(石川たえ委員) 参加されるので、この状態でええのかという問題意識をぜひ持っていただきたいなと思っています。
性暴力救済センターの初期対応で必要なのは、まさに私は医療行為だというふうに思っています。その医療を所管する健康医療部の皆さんに、ぜひ頑張っていただきたいというふうにも思っています。
大阪府のホームページを見ると、急性期の医療的支援については、性暴力救済センター、大阪SACHICOに加え、身近な病院の産婦人科でも受けることができますと記されています。しかし、身近なこの医療機関に相談に行っていないというのが今の実情です。
性暴力被害者が身近な病院で適切な初期対応を受けられるようにしていくために、産婦人科の紹介は今していますという話は聞きましたけど、産婦人科の紹介にとどめないで、性暴力被害者の初期診療の拡大、初期診療をするための産婦人科医への研修、経口避妊薬の提供、検体採取ができる体制を整えるなど、健康医療部として積極的にワーキンググループで提案するべきだと思いますが、いかがですか。
◎地域保健課長(對馬英雄) 今後の在り方につきましては、庁内ワーキンググループにおいて検討されるものと考えております。
ワーキングにおいては、関係部局がそれぞれの担当事業、特性を生かし、連携協力することが重要であり、健康医療部では、医療機関、関係団体との日頃のつながりや関係性を基に、協力医療機関との連携など、当課もワーキンググループに参加する一員としてこれに協力してまいります。
◆(石川たえ委員) 協力医療機関との連携してもらえるということですので、ぜひよろしくお願いします。
いろんな提案をするのは当然なんですけど、せっかくワーキンググループの中に入っておられるので、一つ提案したいと思います。思い切って府立病院機構でこのワンストップ型の性暴力被害者救済センターを開設したらどうかと思いますが、どうでしょう。
◎地域保健課長(對馬英雄) 十の協力医療機関には、大阪府立病院機構の急性期・総合医療センターなど公立病院も含まれ、被害に遭われた方に対する医療を提供しているところでございます。
病院拠点型は、同じ箇所で相談と診療が行えるというメリットはあるものの、拠点となる病院にかかる負担が大きく、今回のSACHICOのケースのように、持続可能性の点で課題があると聞いております。
新たな設置場所については危機管理室において検討が進められていると聞いておりますが、ワンストップ支援センターの今後の在り方については、庁内ワーキンググループにおいて検討されるものであり、当課もワーキンググループに参加する一員として、これに協力をしてまいります。
◆(石川たえ委員) 持続可能性という意味では、民間病院ではやっぱり負担が大き過ぎて、できなくなっちゃったよというのが今回のケースなので、だったら、これは公立病院が担うしかないんですよ。なので、府立病院機構って物すごいスーパー私は評価しているので、府立病院機構で拠点型のやっぱり性暴力救済センターを開設してみませんかという提案を、部長、ぜひやってください。よろしくお願いします。
警視庁によると、人身取引は、二〇一八年以降の五年間の被害者のうち八割以上が日本人、六割程度が十八歳未満というふうに発表されていました。借金返済のために売春の強要、SNSで知り合い援助交際させるなどの被害も多いと聞いています。
また、思春期の子どもたちの中で、デートDVも今非常に多くなっております。ある団体の調査では、三人に一人はデートDV被害に遭っている、こういうふうに記されておりました。それが実は望まぬ妊娠にもつながってまいります。
内閣府の調査では、性暴力被害に遭う年齢は十六歳から十九歳が一一・七%、二十歳から二十四歳が一六・七%と、思春期の子ども、若い女性が多くなっています。
日本財団の十八歳意識調査、性交というところでは、初めての性交経験は十七歳が最も多く、次いで十八歳、十六歳と続きます。性交に関する知識があるか、この問いに、分からないと答えた人は四五・九%もいる。性に関する知識を得る先はどこですか。この問いに対して、トップは友人ですが、三位はアダルトサイトなんですね。
二〇二一年から、子どもたちが性犯罪や性暴力の当事者にならないように、全国の学校において生命(いのち)の安全教育がスタートしています。その中でも、性交や同意の重要性などについて、実は具体的に触れられておりません。私が内閣府にそのことを聞いたときには、生命(いのち)の安全教育は性教育ではありませんというふうに内閣府の人に言われて、ちょっとびっくりする思いがいたしました。
生命(いのち)の安全教育を授業に取り入れるかどうかは、各学校の判断に今委ねられております。二〇二一年実施校は、全国の国公立小中、特別支援学校およそ三万校のうち、五十校にもならないというふうにも聞いています。
困難女性の支援計画の中に、望まぬ妊娠、性暴力被害から自らを守るために、被害者にも加害者にもならない性教育、生命(いのち)の安全教育を位置づけ、教育庁と連携し、全校実施を繰り返し行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。
◎家庭支援課長(竹内愛) お答えします。
府が策定いたしました基本計画は、困難女性支援法及び国の基本方針に基づき、様々な事情により日常生活または社会生活を円滑に営む上で困難な問題を抱える女性に対する、支援施策の内容や推進体制について規定しております。
一方、性的な被害や性的搾取につきましては、被害者にも加害者にもならないよう、可能な限り未然に防止することが重要であり、そのためには教育との連携が必要であると認識しております。
府基本計画では、困難な問題を抱える女性が適切に支援を受けることができるよう、教育、啓発に努める旨記載するとともに、教育庁も含め、庁内関係部局や関係機関で構成される支援調整会議を立ち上げたところでございます。
今後とも、支援対象者が適切に支援につながるよう、関係機関としっかりと連携してまいります。
◆(石川たえ委員) 核に位置づけてください。目標も決めて、進捗状況も毎年確認をしてください。よろしくお願いします。
困難女性の一時保護施設について、本人が入所したがらない理由に、スマホが使えない、仕事や学校を続けたいというものが多くありました。DV被害者が加害者との連絡を遮断することは必要ですけれども、保護した全ての女性が同じ対応では、入所を拒む女性が出てくるのも当然です。一時保護施設をDV被害者、性暴力被害者、困難の状況に合わせて受入れ体制を整備してはどうかと思います。
また、服薬管理等、医療支援が必要な支援者を支援できる設備や支援体制が整っていないとも聞いています。妊産婦を支援できる設備や支援体制が整っていない、こういう理由で入所に至らないケースもあると聞いています。
これは直ちに改善を行い、受入れ体制の強化を行うべきだと思いますが、いかがですか。
◎家庭支援課長(竹内愛) お答えします。
大阪府女性相談センターの一時保護所におきましては、心理担当職員の配置や嘱託医師、弁護士への相談等、支援対象者の状況に応じ、きめ細やかに支援を行っております。
また、DV被害者など秘匿性を担保する必要がある女性だけでなく、社会生活を確保することが優先される女性等、支援を必要とする女性それぞれの状況に応じた一時保護委託先の確保を行い、多様なニーズに対応するよう努めております。
今後とも、民間団体のお力もお借りしながら、支援対象者の支援ニーズに対応した適切な支援に取り組んでまいります。
◆(石川たえ委員) 困難女性の概念はすごく広いです。その全てを受け入れる体制の構築が今求められます。
計画の中に保護人数の推移というのがありますが、年々減っております。本人が行きたがらない理由については、先ほど申し上げました。一方で、一時保護の保護理由の内訳に、住むところなし、これが一七・七%もいるわけです。住むところがないのに行きたくない、この問題は解消しないと、困難女性は救われないというふうに思います。
実際、DVも、性暴力被害も、人身取引による被害も増えております。大阪でも風俗犯の認知件数は増えています。ということは、被害者も増えているということです。これらの人を保護していくときに、今できているからではいけないので、取り残される女性がいなくなるようにしっかりと体制の構築を求めて、時間が来てしまいましたので、質問を終わりたいと思います。
知事質問は、介護保険料について、介護施設の支援について、ギャンブル依存症対策についての三つでお願いします。ありがとうございました。
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