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議事録

健康福祉常任委員会(2023年3月8日) 石川たえ府議の質問


・コロナ対策の廃止・縮小について

◆(石川たえ委員) 日本共産党の石川たえです。
 まず初めに、コロナ対策についてお聞きをいたします。
 政府は、五月八日で五類に分類することを決めました。これに伴い、大阪府は政府方針を前倒しし、三月末で無料検査場の廃止、配食サービスの廃止、施設内療養に対する補助に至っては一月末で府単独補助金廃止など、十二事業を廃止縮小する方向をいち早く打ち出しています。
 しかし、五類に分類すればコロナがいなくなるわけではありません。政府のアドバイザリーボード提出資料では、一、伝播性は増大しており、季節性インフルエンザとは大きく異なる感染症に変化していること、二、重症度は発生初期より低下している一方で、循環器系の合併症で死亡を含むインパクトが生じているとするデータが各国で得られてきており、超過死亡の要因解明が必要であること、三、医療や社会へのインパクトとして、救急搬送困難事案の増加などコロナによる直接の医療負荷だけでなく、一般医療への負荷も生じており、今後さらに流行規模が大きくなれば、罹患や罹患後症状による欠勤者が増え、社会機能維持に支障が生じるリスクがあるということなどが記されており、今必要なことは、これまで以上に感染対策を行政の責任で行い、感染を制御すること、療養体制を整えることだと思います。
 無料検査場の陽性率は、感染拡大期は非常に高くなっています。陽性率が無料検査場で高いということは、無症状者発見保護の一翼を担ってきたということであり、感染を抑えていく本当に大切な取組であったと思っています。
 これまで以上に感染を抑える努力が必要であるにもかかわらず、なぜ前倒しで府の事業を廃止縮小するのか教えてください。

◎感染症対策企画課長(山崎幸雄) お答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症につきましては、第六波以降、オミクロン株への置き換わりなどに伴い、重症化率や死亡率が大きく低下するとともに、ワクチンや経口治療薬、検査キットのOTC化による自己検査等の普及も進んできております。
 こうしたウイルスの特性の変化や代替策の充実等を踏まえまして、令和四年度末で十二事業を廃止縮小することとしたものです。
 一例を申し上げますと、重症者数の減少に伴いまして、大阪コロナ重症センターの運営を終了することとし、また、先ほど委員御指摘のとおり、無料の検査事業につきましても、インターネット等で検査キットが簡便に入手可能になったことなどを踏まえまして、廃止を決定したところです。
 今後、五類感染症への位置づけが変更されますことで、新型コロナ対応は大きく転換されることになります。大阪府といたしましても、国の方針等を踏まえまして、さらなる対応の見直しを進めてまいります。

◆(石川たえ委員) 先ほども申し上げましたけれども、五類に分類したからといってコロナがいなくなるわけでもないし、感染が拡大しないというわけでもないんですよね。感染しないかもしれないけれども、感染するかもしれないわけですよ。ましてや、マスクを外してしまえば感染が広がる可能性は残されているわけですよ。
 そんなときに、重症化や死亡率が下がってきていると、自己検査できるからと、ネットでも買えるよと、代替策もあるよというふうに言わはりますけれども、自己検査って、これは全部有料になってまいりますので、結局行政は手を離すということに私はなってしまうんじゃないかなというふうに思っています。コロナをインフルエンザ同様の扱いとするなら、感染対策はもっともっと強化をしていかなくてはいけません。

・五類化後の新型コロナ対応について

◆(石川たえ委員) 政府の示す今後の医療体制は、外来、入院とも検査治療は原則保険診療に切り替え、外来の高額治療薬のみ無料、入院が高額になる場合、一か月最大二万円の軽減、三、診療報酬特例加算は段階的に縮小、空床確保、病床補助は減額、休床は一床しか認めない、こういうふうに報道もされています。これから正式に十日頃に発表されると言われていますけれども、この政府の方向性では、感染制御や療養体制は必ず弱まってしまうというふうに私は懸念をしています。
 検査を保険診療に切り替えれば自己負担が発生し、検査を受けたくても受けられない、受けに行かない、こういう方も生まれてまいります。これこそ、感染を抑えるどころか拡大させてしまう一要因になってしまうんじゃないでしょうか。
 全国医学部長病院長会議は、五類変更による影響額について、一病院当たりの月額は約四千五百万円の減収、こう試算を出され、政府に今、施策継続を求めておられますけれども、空床確保をはじめとする公費支援がなくなれば、受入れは断るか、赤字で経営難になるか、この二択しか残されていない。空床確保はしない、コロナ患者は受け入れないという医療機関も出てまいります。これでは府民の命と安全は守れないと思います。
 そこで、大阪府独自にやはり対策を進めるという意味で、提案を幾つかしたいと思います。一つ、大阪府として、これまでどおり行政検査費用は無料にし、無料検査場はなくさないということ。二つ、全世帯対象に検査キットを配布するということ。三つ、発熱外来を二次医療圏内に常設するなど、日常生活を安心して送るために感染制御の対策を継続するべきだと思いますが、いかがでしょうか。

◎感染症対策企画課長(山崎幸雄) 五類感染症への位置づけによりまして、新型コロナウイルス感染症への対応は、全ての医療機関が対応する一般医療に移行することとなります。
 今後の府の対応につきましては、検査費用を含む公費負担制度は全国一律の制度として運用してきた点、府民においては検査キットの備蓄を含めた主体的な感染対策が求められる点、医療機関では新型コロナ疑い患者に対しても一般疾病と同様の対応が求められる点などを考慮し、今後、国から示される具体的方針を踏まえ、検討してまいります。

◆(石川たえ委員) コロナ対応は、一般の医療機関対応、一般医療に移行というふうに言われているんですけれども、医療機関をはじめ、開業医の皆さんへの負担増というふうになるのではないかと思っています。ある開業医の先生は、インフルエンザと同様の扱いなので、自分とこにも恐らく来られるだろうと。五類になったからよろしくねというふうに簡単に言われても、これまでどおり発熱患者は時間枠を変えて診療する以外に方法がないとなれば、もし感染拡大期が来れば、病院がパンクしてしまうのは目に見えていると、本当に負担ですというふうに言われていました。
 具体的方針が国から示される前から削減縮小をする方向を打ち出しておきながら、今後検討というふうに言われるところがちょっとよく分からないなと思いますけれども、国の方針が示されても、府民の命を守るために、感染制御の対策を独自に取るのは、私は大阪の責任としてやらないといけないことだというふうに思っていますので。委員長、すいません、これは知事に聞きたいと思いますので、よろしくお願いします。

・病床確保のための財政支援について

◆(石川たえ委員) 感染制御と併せて、療養の体制も整えておかなくてはいけません。六十五歳以上の高齢者は原則入院できるように、府としてコロナ対応病床を確保し、空床確保補助を引き続き医療機関に対して行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。

◎感染症対策支援課長(吉田真司) 病床確保のための財政支援についてお答えいたします。
 これまで大阪府といたしましては、感染症法の位置づけに基づき、新型コロナウイルス感染症患者等を入院させるための病床を確保した医療機関に対し、国の緊急包括支援交付金を活用しまして、病床確保料を補助することにより支援を行ってきたところでございます。
 このたび、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが五類感染症に変更されることに伴いまして、今後は全ての医療機関が対応する一般医療に移行していくこととなります。
 国は移行期間を設け、段階的な制度の見直しを図ることとしており、今後、府としては、国から示される方針や具体的な支援内容等に基づき対応してまいります。また、円滑な移行に向けて医療機関に対して丁寧に説明を行い、理解を求めてまいりたいと考えております。

◆(石川たえ委員) 何回も言いますけど、五類に分類されてもコロナウイルスはいなくならないんですよ。説明、理解をしていくというふうに言われていますけれども、これまでのコロナ禍で、入院療養をしたいという方があんなにたくさんいたのに、やっぱり感染拡大期、高齢者の方でも入院できない方は続出したわけですよ。なのに、五類になったら、国の交付金を使っての事業だったので、国の動向を見て大阪府もだんだん縮小していきますって、コロナはいなくならないんですよ。入院したい人はこれからも出てくるんですよ。
 なので私は、高齢者の人たちは重症化のリスクが高いんだから、せめてこの人たちがちゃんと入院療養できるように、五類になろうと、ちゃんと確保していくと。そのための財政支援を大阪府が行うということが大事じゃないかなというふうにお願いしているので、ぜひそこは前向きに取り組んでいただきたいなと思います。

・障がい者支援施設等利用者の療養体制の整備について

◆(石川たえ委員) 次に、障がいのある方が感染した場合、障がいの程度によって入院療養ができないケースも少なくありません。事業所が一部事業を休止し、感染者療養体制を整えなければならないことも多々ありました。事業閉鎖に追い込まれれば、その事業所には報酬が入らず、事業所は経営困難に陥ります。陽性者療養のために場所を確保すれば、かかり増し経費が充当できるというふうに先日を聞きましたけれども、施設に対し、最大で約百九十七万円が上限だったんじゃないかなというふうに思っています。これでは、事業所にとっては間尺に合いません。
 ある事業所では、当初は事業所内の多目的室を陽性者療養のために活用しておられました。入院できないのでね。感染者が増える中で、さらに対応が必要になり、今度はその事業所さんのやっている事業、ショート、このショートの個室を利用して陽性者の療養に当たったわけです。そしたら、この分、報酬が入りませんからね、ショートの個室分ね。ほんで、その対応に当たる職員のためのホテルやウイークリーマンションの確保なども進めていかなかったら、陽性者対応ですから、当たり前のようにほかの事業部門のところに来てもらったら困るので、そのための場所も確保したら、結局、昨年一月から三月までだけで千二百七十三万円減収になっているわけです。かかり増し経費が幾ら充当されると言われても、結局幾ら充当しても、経営赤字で事業継続困難になるという事態に陥っています。
 入院療養が難しい障がいのある人をしっかりケアできるという体制も引き続き整えておくことは必要だというふうに思っていますので、大阪府として、このかかり増し経費にきちんと上乗せをして療養ができる体制を整える。
 また、場所を自分で確保したらと簡単に言いますけれども、場所が確保できるぐらい人と場所が簡単に手に入るんやったら、みんなやっているんですよ。やけど、そんな場所をすぐ確保できないという事業者さんには、大阪府がここを使ってくださいとか、このホテルの一部は障がい者のために借り上げておきますよとか、こういう場所の提供をするなど、障がい者が感染した場合も安心して療養できる体制を大阪府の責任でさらにきちんと整えておくべきだと思いますが、いかがでしょうか。

◎生活基盤推進課長(小山庸子) 府では、患者の治療機会を最大限確保いたしますために、一定以上の状況にある方を入院対象といたしまして、障がい者支援施設等の利用者に当たっては、無症状や軽症の場合は、施設内での感染対策を徹底した上で、原則として施設での療養をお願いしてまいりました。
 この間、障がい者支援施設等に対しましては、感染予防に向けたマニュアルや研修動画、衛生用品の提供など、必要な感染対策を支援してきたところでございます。
 新型コロナウイルス対策は全国的なものであることを踏まえまして、かかり増し経費につきましても、国庫補助を活用の上、対応してまいりました。代替場所の確保等に係る経費につきましても、補助対象とさせていただいております。
 上限額の確保など国庫補助の充実につきましては、新型コロナに対する国の動向を踏まえながら、今後とも必要に応じて積極的に働きかけを継続してまいりたいと考えております。

◆(石川たえ委員) 国の範囲内を抜け出れなかったら、事業所千二百七十三万円、三か月でこれだけの赤字が出ていますから、国にいろんな制度拡充を求めたりとか、お金をたくさん頂戴よと求めてもらうのは非常に大事なことなので、思いっ切り求めてしっかり分捕ってきてほしいなと思うんですけど、それだけでは足りていませんよという話なので、そこをカバーするのがやっぱり大阪府の役割じゃないかなというふうに思いますので、対策の検討を求めておきたいなというふうに思います。

・保健所の増設及び職員の増員について

◆(石川たえ委員) 次に、保健所体制のことについてお聞きをいたします。
 保健所体制そのものの強化を怠ってきたことが、大阪で全国最悪の犠牲につながっているというふうに私は思っております。
 大阪府が先日出されました検証報告書の中では、保健所業務体制の課題として、業務トリアージができていない、システム化の遅れなど、こういうのと併せて、人員体制不足というのが挙げられています。
 しかし、今後の検討課題、重要検討課題というところを見ていると、全所体制の検討を掲げつつ、対策としては、応援職員、外部人材受入れが中心となっていて、これでは三年にわたるコロナ禍で、保健所逼迫の根本解決にはならないんじゃないかというふうに私は思っております。毎回対策を取ってこられたのは私も十分知っていますし、そのたんびに株が変わったりとかすることでやっぱり感染の波が予想以上に激しくなるということはままあることだと思うし、そこを予測できなかったことを責めるつもりはないんですけど、それでも、第一波から第八波までずうっと保健所は逼迫をし続けたんですよ。
 なので、これまでやってきた外部人材の活用や応援職員だけでは、今度新たなパンデミックが来たときに対応できないというふうに思いますので、やっぱり根本的に、しっかり根本解決の取組を今の間にしておかなければいけないと思っています。
 以前にも御紹介をさせていただきましたけれども、人口当たりの保健師数が多い都道府県はコロナの罹患率が低い、これは奈良県立医大の調査です。平時から保健所をしっかり増やしておくこと、そこで働く保健所の職員をしっかり増やしておくことが、新たなパンデミック対応にとって必要かなというふうに思いますので、直ちに計画を持って保健所の増設と保健所職員の増員に取り組むべきじゃないかと思いますが、いかがですか。

◎健康医療総務課長(藤田浩良) 新型コロナウイルス感染症への対応におきましては、保健所職員の定数を増員するとともに、保健所の業務量増加に対応するため、応援職員の配置、広域的な業務の本庁集約やコールセンターの外部委託など、様々な方法で体制強化や業務支援に努めてまいりました。
 保健所や職員の体制につきましては、今後もその時々の行政需要に応じた適正な体制の確保に努めてまいります。

◆(石川たえ委員) 保健師さんを増員していただいているのは重々ありがたいなと思っているんですけど、ある意味、前倒し採用のところがあるんでね。職員数管理目標がありますからね。ある意味、マイナス採用なので、そうじゃなくて、一時的に今だけ増員するじゃなくて、ちゃんと、これから先ずっと、しっかりと保健所の職員を増やしておかなかったら、やっぱりパンデミックに対応できないんじゃないかなというふうに思っています。
 応援職員については、やっぱり保健所の現場で非常に喜ばれたというのは私も聞いていて、職員の方が来てくれたら、変な話、あうんの呼吸で業務が進んでいきますから、やったらあかんとは思ってないんですよ。ほんで、必要なときには応援職員の派遣というのは大事なことやと思っているんですけど、それも含めて、それと外部人材だけに頼るんじゃなくて、そもそもの土台のところをしっかり増やしておくというのが必要なんじゃないかなというのが私の御提案ですから、もう一度検討していただけたらなと思います。

・急性期病床の削減について

◆(石川たえ委員) 検証報告からもう一点お聞きをいたします。病床の確保についてです。
 病床確保が難航というふうに課題が挙げられておりました。なのに、急性期病床は削減し続けて、入院したいと何度お願いしても入院させてもらえなかったという、これは九十代の方ですけど、こういう事例まで多数生まれました。
 コロナ禍の三年間で、病床の削減、転換は六百四十二床となっています。病床機能再編支援事業で、急性期病床は百四十四床、高度急性期病床は四十四床、令和四年までで削減をされています。超高齢化社会に向かう中で、ニーズに応じた病床の確保が必要と、これまでに私、この問題を取り上げるたんびに繰り返されてきましたけれども、答弁され、削減転換が進められてきましたが、少なくとも、先ほど申し上げました病床機能再編支援事業、これは転換ではなくて、病床を削減するための事業です。
 この病床を活用する努力こそがコロナ禍で求められていたのに、病床確保が困難だと言いながら、病床、急性期病床、高度急性期病床を削減し続けたというのは、大阪府の判断ミスだったのではないでしょうか。

◎保健医療企画課長(岡田敦子) 新型コロナ患者の受入れ病床につきましては、府の要請を受け、感染対策を講じ、一時的に看護体制を充実させた上で受入れ病床として位置づけるものであり、現在、府内の高度急性期を含む急性期病床は約五万床であるのに対しまして、コロナ受入れ病床は約五千床となっております。
 病床確保の課題といたしましては、通常医療との両立に加えまして、新型コロナの検証報告書に記載いたしましたような、建物の構造上、ゾーニングが困難であること、感染症に対する知識を有する人材の不足、経営の影響等が理由に挙げられると考えております。
 また、新型コロナの入院患者における高齢者数の推移から、新型コロナ対応においても回復期病床等の必要性が高まっている状況にありまして、これらのことから、急性期病床数がコロナ受入れ病床数に直接つながるものではないと認識をしております。

◆(石川たえ委員) コロナ病床を五千床確保されましたって、この五千床、今度、空床確保補助金がなくなりますから、五千床、これから確保できるんでしょうかね。本当に疑問です。
 ほんで、この五千床を確保したから急性期病床を減らしてもええという話には、私は全くならないというふうに思っています。だって、その病床を減らさなかったら、七十五歳以上でリスク二つないと入院できないよとか、そういういろんな制限を大阪府は設けなくてよかったじゃないですか。
 なのに、本当に感染急拡大の中では入院したくてもできない人をつくり出しておきながら、コロナ病床は五千床確保しているから、一方で、使えるはずの病院を使う努力もせずに、減らしたことは間違いでなかったと言っている時点で理解できないというか、その病床を使えばよかったんですよ。どうして部長、使う判断をしなかったんですか。

◎健康医療部長(藤井睦子) 委員御質問の急性期病床、トータルで今後の超高齢社会を見据えて、急性期病床の効率化につきましては、課長が答弁しましたとおり、コロナ受入れ病床とは直結しないものでございます。
 五千床確保するに当たりまして、最終的には病院の責任者の御判断で、一床一床コロナ受入れ病床として登録いただくという手続の中で五千床を確保しております。急性期病床トータルの中で削減が起こる中で、その病床が直接コロナ受入れ病床になるということは決してございませんので、委員の御指摘は当たらないものと思います。
 超高齢社会に備えるという課題とコロナ受入れ病床を確保するという課題は、必ずしも一致するものではないということを答弁させていただきます。

◆(石川たえ委員) 私、今日は超高齢化社会に向けて病床の転換の話を全くしてないんですよ。病床転換のことについては、私、これまでも質問もさせていただきましたし、ほんで、超高齢化社会に向かってそういう病床の転換が必要やということは私、理解もしますと。ただ、それは今じゃないと駄目なんですかというふうにこれまで質問させてもらったんですけど、今日の上げさせてもらった数字は転換の数ではなくて、急性期病床削減の数ですよ。
 ほんで、それぞれの医療機関さんがそれぞれの判断で、それをコロナ病床に使うか使えへんかというのは医療機関の判断やというのが部長の言われることやと思うんですけど、そら、医療機関の判断やと思いますけど、もう一方で入院でけへん府民をごまんと出してんねんから、大阪府がちょっと待ってくれと、これを活用できへんのかというふうにお願いしてもよかったんちゃうのというふうに私は申し上げているんですよ。
 なので、必ずしも結びつくものではないと言わはるけど、こんだけ八千人を超える方が一波から八波までの中で亡くなっていて、入院できない人がごまんといてたということにしっかり立脚して、次、教訓を踏み出すんだったら、急性期病床を、転換の話はしてないですから、本当にこのコロナ禍になくす必要があったのかと、これを活用できるように支援するべきであったのではないかということを検証してほしいというふうに思っていますので、よろしくお願いします。これも知事に聞きたいと思いますので、よろしくお願いします。

・特殊勤務手当支給事業補助金の終了について

◆(石川たえ委員) 次に、もう一個だけ検証報告から。多数のスタッフの感染によるマンパワー不足の解消が必要だというふうに書かれていました。
 多数のスタッフの感染によるマンパワー不足を解消していくために、どんな努力をされていくのかなというのがちょっと気になっているとこなんですけれども、医療の最前線で働く医療スタッフの皆さんは、コロナで入院、コロナ以外でも、コロナ禍で入院すると御家族面会禁止という病院が本当たくさんあって、私とこも母は面会禁止だったのでずっと会えないまま過ごしましたけれども、そうなると、看護師さんに実は別の仕事が増えまして、これまで御家族に来ていただいて、同意書をざーっと説明して、ざーっと書いていってもらうというこの作業が、一個ずつ電話をかけなあかんと、それぞれの御家族に。電話上で説明していくというのが非常に時間もかかるし、理解してもらえるまでにも時間もかかると。これまでの入院と全然違って、疲労こんぱいしているという声が医療現場にあったりとか、あと、コロナ病棟の対応看護師さんは本当に疲れ切って、もう続けられないと、年度末で退職する看護師さんが例年より多い、こういう医療機関もあります。今も上がっている、これらが悲鳴です。
 専門家会議でも、特殊勤務手当の継続をという声が専門家の方から出されていたかなというふうに思っていますので、二月二十八日実績分をもって終了するというふうに打ち出されましたけれども、この特殊勤務手当は医療機関の人から言わせると、病院にいてる私たちと病院の外にいてる市民の人と、感情が全く乖離しているというふうに言われるんです。
 なので、やっぱり五類になったとしても、コロナ患者の受入れを進めていく医療機関のこの特殊勤務手当は継続して支給すべきやというふうに思いますが、いかがですか。

◎感染症対策支援課長(吉田真司) 委員御指摘の補助金につきましては、創設当時の状況といたしまして、新型コロナウイルスが未知のものであり、感染者の死亡率も高く、ワクチンや治療薬も作られていない中で、医療の最前線でコロナの入院患者の治療や看護に当たる医療従事者を支援することを目的とするとともに、入院患者受入れ医療機関の増加に寄与することを期待して、令和二年四月に府が独自に開始した補助事業でございますが、現在ではワクチン接種が進み、投薬治療も行われており、変異株の特性もあり、重症化率、死亡率はともに低下しております。また、コロナ対策を行ってきたこの三年間で、特定の医療機関だけでなく、非受入れ医療機関においてもコロナ患者を受け入れていただくなど、医療機関の裾野が広がってきておりまして、事業開始時とは状況が大きく変化してきております。
 さらに、病床確保料による処遇改善や診療報酬の看護職員処遇改善評価料が令和四年十月に創設されるなど、医療機関における賃金改善の取組が可能となりましたことから、府独自の補助事業は三月支給分をもって終了する旨、本年一月三十一日付で医療機関に通知するとともに、関係団体にも説明を行ってきたところでございます。

◆(石川たえ委員) 何回も言っていますけど、コロナはいなくならないので、特殊勤務手当の継続はさらに検討していただきたいと思います。

・医療従事者のマンパワー不足解消のための取組について

◆(石川たえ委員) 次に、先ほどちょっと言いかけましたマンパワー不足の解消の根本解決の提案をさせていただきたいと思います。
 看護師そのものを増やしていくために、看護師等養成所への運営交付金は増額する、看護師を目指す学生に給付制の奨学金を支給する、こういう大胆な取組で、看護師さんそのものを増やしていく努力でマンパワー不足の解消をしたらどうかなと思いますが、いかがですか。

◎医療対策課長(奥野憲一) 看護師等の需要は、高齢化の進展等に伴い増大する一方で、少子化により新規学卒者の増加は見込まれないという状況にございますことから、看護職員の確保につきましては、新規養成のみならず、現役看護師あるいは潜在看護師等に向けた取組も重要と認識しております。
 そのため、府といたしましては、養成・資質向上、職場定着・離職防止、再就業支援の三つを柱に取組を進めているところでございます。
 養成及び資質向上の取組としましては、教員養成の講習会を実施するほか、委員お示しの看護師等養成所に対する運営補助金を交付しておりまして、卒業生の府内就職率で交付額に差をつけるなどにより、府内での看護師等の確保を図っているところでございます。
 奨学金につきましては、以前、府で実施していたものの、他の奨学金制度の利用により利用者数が減少したことなどを踏まえまして、平成二十九年度から新規貸与を停止しております。
 一方、コロナ禍におけるマンパワー確保策の一つとして、実務経験があり、即戦力として活躍できる潜在看護師に対し、感染管理等の研修会を実施するなど再就業への支援に重点的に取り組んでまいりました。
 今回のコロナ禍の経験を踏まえつつ、今後ともこの三つの取組を柱に、看護職員の確保に向けてしっかり取り組んでまいりたいと思います。

◆(石川たえ委員) 看護師等養成所の運営補助金ですが、平成三十年度、約九億七千五百万円、これが令和三年度は七億八千九百万円。補助金が減っています。補助金が減っといて看護師養成というても、それはなかなか難しいかなと思いますので、この補助金を上げてほしいなと思います。
 奨学金は、平成二十九年でほかの奨学金を借りる人も多くなったのでやめましたというお話ですけど、奨学金は貸与なので借金です。借金を幾ら勧めてみたところで、あくまで借金ですから、借金ではなくて、私の提案は、給付制の奨学金にすることで、看護師になりたいと思っている子がお金の心配なく看護大学や看護養成所に通ってこれるようにしてあげることが、看護師のマンパワーそのものを増やしていく大きな取組になるんじゃないかなというふうに思っています。
 潜在看護師確保の取組は、この数年拝見していて、毎年毎年、現場復帰されている数が増えていっているのは私も承知していまして、これは本当に大阪府の取組の結果やなというふうに評価もさせていただいているんですが、それでも看護師が足りひんというのが現場のこのコロナ禍での声でしたし、コロナ対応看護師さんが、先ほども申し上げたとおり、もうこれ以上続けられないと言うて、次から次からこれからずっと退職していったら、どうやって看護師さんを増やしていくのかなというふうに私は思いますので、やっぱりこれも先ほどの保健所と一緒で、根本解決の取組を進めていく必要があるんじゃないかなというふうに申し上げておきます。

・国民健康保険料について

◆(石川たえ委員) 次に、国民健康保険料のことについてお聞きをいたします。
 大阪府が統一料金化を決め、来年度が激変緩和の最終年度となります。この五年で国保料は上がり、コロナ減免はあったものの、大阪府では所得の一七%もの苛酷な国保料負担が被保険者の生活を圧迫しています。
 来年度の標準保険料をモデルケースに当てはめてみると、四十代シングルマザーと就学児二人の三人世帯で年収二百万円の場合、二十八万八千七百七十五円、これが保険料となります。今年度比で、私の住む吹田市では二万五千六百七十円、シングルマザーなのに値上げとなります。
 この保険料、高過ぎると思いませんか。

◎国民健康保険課長(川田正明) 国民健康保険は、高齢者や低所得者の方が多いことなどから、被保険者の平均所得の水準が低くなる一方で、年齢構成が高く、医療費水準も高いことから、保険料の負担感が高くなるという構造的な課題を抱えているものと認識しております。
 なお、令和五年度統一保険料につきましては前年度比九・九%の増加となっておりますが、これはコロナ禍による診療控えからの回復、反動により医療費が増蒿していること、また、国保などの医療保険において負担する後期高齢者医療への支援金や介護納付金の増加等が影響を受けたものであると考えております。

◆(石川たえ委員) 課題を抱えていると思っていると。ありがとうございます。課題があるんです。
 前年度比九・九%の増加というふうに言われますけれども、実際、令和四年度も市町村は保険料が高くなり過ぎないように様々な努力を行っておられますので、実際の増加は九・九%以上の値上げ幅になっていると思います。被保険者にこんな値上げばっかりを強要して、本当に心が痛まないのかなというふうに思っています。
 二〇二二年度から国で実施されている未就学児の均等割減額は、減額割合が五割です。未就学児がいる全世帯が対象で、所得制限はありません。大変喜ばれています。
 大阪府として、この均等割減額を十八歳まで行えるように財政出動してはいかがでしょうか。

◎国民健康保険課長(川田正明) 子どもに係る均等割保険料につきましては、子育て世帯の経済的負担軽減の観点から、令和四年四月より国において、未就学児に係る均等割保険料の五割を軽減する制度が設けられたところでございます。
 国民健康保険制度は国の責任において制度設計を担うことが基本であることから、府として軽減措置の上乗せ等の措置を行うことは考えておりませんが、対象年齢及び軽減割合の拡大について、国に対して要望してまいりたいと思っております。

◆(石川たえ委員) 国には積極的に要望してください。ただ、国に要望するだけでは大阪府の役割を果たしているとは言えません。運営主体は大阪府ですから、運営主体として積極的に取り組むべき課題だと申し上げておきます。
 コロナ禍の中で、市町村からは、統一保険料が大きく上昇しており、急撃な負担増加とならないよう、負担増加抑制の方策や特段の財政措置を講じるなど、運営責任主体としての責務を果たすことを強く求める。コロナウイルス感染症により、被保険者における失業、所得減など重大な影響が生じていることから、保険料率の府内完全統一化、延期も含めた対応検討を強く求める。激変緩和期間の延長など柔軟に対応することと、激変緩和措置の延長をはじめ、統一料金化の延期を求める意見も繰り返し出されています。ところが、大阪府は耳を傾けることなく、統一化に向けての歩みをやめていません。
 令和三年度の決算では、加入者一人当たり一万円の黒字となっています。これが令和四年、繰越しとなりました。少なくとも、この黒字分で市町村納付金額を一人当たり一万円下げることはできたはずです。高過ぎる国保料は、医療抑制に必ずつながります。そもそもの国民皆保険制度を崩壊させるものだというふうに私は思います。
 東大阪市は、令和四年度に統一化を行いました。しかし、来年度、統一化を中断します。保険料軽減の方向にかじを切り直したわけです。私の住む吹田市では、来年度七億円を投入し、保険料引下げに足を踏み出そうとしております。
 大阪府の進める統一保険料は一旦中止し、市町村の賦課権を尊重し、繰入れを認め、国保料引下げに今踏み出すべきではないでしょうか。

◎国民健康保険課長(川田正明) 国民健康保険については、人口減少、超高齢化社会が進展する中で、市町村単位の仕組みのままであれば、十年後、二十年後に保険料水準に大きな格差が生じることとなります。そのため、大阪府では、府内どこに住んでいても、同じ所得、同じ世帯構成であれば同じ保険料額となるよう、全市町村合意の下で府内統一保険料とする方針を定め、令和五年度までの激変緩和措置期間を設けた上で、令和六年度に府内完全統一することとしております。
 引き続き、令和六年度保険料統一に向けて、府と市町村等で構成する広域化調整会議等も活用しながら、市町村とともに、持続可能な国民健康保険事業の運営に向けて取組を進めてまいります。

◆(石川たえ委員) 全市町村合意の下といつも言われるんですけど、合意された市町村の皆さんが、激変緩和を延長してくれへんかとか、統一料金化も延期してくれへんかと言うてはるんですよ。ここに耳を傾けなあかんのちゃうかなと私は思います。保険料が高過ぎるから、市町村が少しでも値上げ幅を減らそうと今必死に努力をされています。これこそ、統一料金化は破綻しているという証拠やというふうに私は思います。
 保険料が払えずに滞納した結果、医療機関にもかかれず、重症化して死亡という例が大阪でも後を絶ちません。この事態にしっかりと目を向けて、高過ぎる保険料は、払えない府民を多く生み出して、結局、言われている持続可能な制度でなくなるという道を歩んでしまいますから、市町村が延期してと、一旦中断してと言っているこの声にしっかり今耳を傾けて、払えない保険料で府民の命を脅かすような統一化は一旦今すぐ中断するべきだというふうに思います。これも知事に聞きたいと思います。よろしくお願いします。

・妊産婦医療費助成制度の創設について

◆(石川たえ委員) 次、医療助成制度について何点かお聞きをいたします。
 一つは妊産婦さんの医療についてです。新たに妊産婦医療助成制度を大阪府で創設してはどうかというふうに思っております。
 平成三十年に施行された成育基本法には、成育過程にある者等に対し、必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策を総合的に推進することが掲げられており、都道府県には、医療計画の作成の際、配慮的努力義務が求められております。基本政策の中には妊産婦に対する医療等も位置づけられており、妊産婦が適切に医療を受けられるように、大阪府としても支援強化が求められます。
 現在、妊婦健診については大体十四回程度、差はいろいろありますが、無料、産婦健診については、出産後二週間前後と出産後一か月前後の二回実施をされています。妊娠中に健診以外の医療機関を受診する方も少なくない中で、健診以外の受診が妊産婦さんの大きな負担と今なっています。産婦健診は府内でも今、多くの市町で費用助成が行われていますが、実施期間が短く、二回までしかないという点では十分な制度とは言えません。
 大阪府保険医協会の調査では、健診以外の受診で最も多いのは歯科、次いで内科、そして耳鼻科、産後一年以内の受診科目は、産婦人科、内科、耳鼻科と続きます。これらは健診対象科目ではないので、全て自己負担が発生いたします。妊娠期間を通してかかった医療費の自己負担が非常に高い、または高いと感じておられる方は、アンケートに答えてくれた妊産婦さんの六割を超え、妊産婦医療助成をしてほしいという声は非常に多いです。既に全国では五県、約二百自治体で妊産婦医療助成制度が設けられています。
 大阪府も妊産婦医療助成制度を創設して、安心して妊娠し、安心して出産できるようにしてはどうでしょうか。

◎地域保健課長(對馬英雄) 健康医療部としましては、妊婦の方が安心して出産できる環境を整備するため、総合及び地域周産期母子医療センターの指定など医療提供体制を整備するとともに、産婦人科救急搬送体制の確保や最重症合併症の妊産婦の受入れ体制を整備してきたところであり、今後とも母子保健や医療提供体制の整備に努めてまいります。

◎福祉総務課長(山西康司) 福祉部におきましては、福祉的支援が必要な重度障がい者、ひとり親家庭及び乳幼児を対象に、医療のセーフティーネットの観点から、経済的負担を軽減し、必要な医療を受けやすい環境をつくることにより、健康の保持及び福祉の増進を図ることを目的として、福祉医療費助成制度を実施しており、医療費の自己負担の一部を助成する市町村に対する補助を行っております。
 妊産婦に係る医療費につきましては、福祉医療費助成制度の対象にするのではなく、医療保険で対応いただくものと考えております。

◆(石川たえ委員) 私も子どもを二人産みましたので、妊娠中に健診以外の医療機関にかかるという経験もいたしましたし、どうしても妊娠によって体質が変わって、口腔内のいろんな病気にかかられるというお話も幾つか聞いたことがありますので、妊娠出産をしっかりとサポートしていくというのは、医療の分野としても福祉の分野としても大事やなというふうに思いますし、それが出生率の向上に必ずつながっていくというふうに思いますので、委員長、すいません、これも知事に聞きたいと思います。

・乳幼児医療費助成制度の拡充について

◆(石川たえ委員) 次、子ども医療費助成です。
 九月議会でもさんざん聞いてきましたので、耳にたこが皆さんできておられるかと思いますけれども、子どもの医療費の無料化が実は来年度、県レベルでも次々と拡大される運びとなっております。東京は来年度から、対象年齢を中学生から高校生までに拡大をいたします。群馬県は中学校卒業までから高校三年生までに拡充し、所得制限なし、窓口負担なしの方向で今進められています。このように各都県が、市町村の取組を受け、県の責任で年齢拡大や窓口負担ゼロに踏み出しています。
 大阪は御承知のとおり、就学前まで自己負担があります。市町村がやっているからと、府として拡充する姿勢すらない。あまりにもお粗末だと思っています。自己負担ゼロ、年齢を十八歳までに拡充することで、市町村が医療費以外でも、子どもの貧困解決をはじめとする子ども施策に踏み出せるようにバックアップしていくことが、広域自治体の役割です。
 受益と負担の適正化などといって足を踏み出さない、この姿勢を改めて、大阪府として乳幼児医療助成は子ども医療助成とし、府の責任で、年齢は十八歳まで、自己負担なしの完全無償化を行うべきだと思いますが、いかがですか。

◎子ども青少年課長(佐田剛清) お答えいたします。
 乳幼児医療助成制度につきましては、平成二十七年度から新子育て支援交付金を創設し、子どもの医療費助成を含む市町村の子育て支援施策の充実につながるよう、市町村支援を行っているところでございます。
 府といたしましては、引き続き、乳幼児医療に係るセーフティーネット部分の役割を果たすとともに、同交付金により、市町村の子育て支援施策をバックアップしてまいります。
 なお、窓口負担の無償化につきましては、制度の持続可能性の確保、それから、受益と負担の適正の観点から困難でございます。

◆(石川たえ委員) 受益と負担を持ち込むべきではないと前も言いましたので、ぜひ積極的に取り組んでほしいなと思います。

・七十五歳以上の医療費負担軽減について

◆(石川たえ委員) 次に、老人医療です。
 昨年の十月から七十五歳以上の医療費窓口負担が二割になり、物価高騰も重なって、毎月の支払いがしんどく、病院に行かず薬もやめた、後期高齢夫婦で生活費より医療費を支出しなければならず大変、年とともに体調が悪くなり、それでも我慢し続け、痛みが勝るときだけ病院に行くなど深刻な事態が高齢者の中に広がっております。
 全国保険医団体連合会調査では、七十五歳以上で一つ以上の病院を定期的に受診している人は七九%おられます。医療費負担二倍化で、貯金を切り崩して受診が三〇%、受診回数を減らした、生活費を削った、薬や検査を減らしたという人も少なくありません。このままでは救える命が救えません。
 高齢者の医療費負担を少しでも軽減できるよう、大阪府が緊急的に救済措置を取るべきだと思いますが、いかがでしょうか。

◎介護支援課長(柳生国良) 後期高齢者医療制度におきまして、昨年十月より、七十五歳以上の方で一定の所得がある方の窓口負担割合の見直しが行われたものと認識しております。
 現役世代の負担を抑え、制度を将来にわたって維持する観点から見直しが行われたものと認識しており、窓口負担が増加する高齢者に対する支援につきましては、府の福祉施策ではなく、国の社会保障施策全体で検討すべきものと考えております。

◆(石川たえ委員) 府の施策でないと。府の施策か、国の施策かという話をしているんじゃなくて、府民で高齢者の方が医療費を払えずに、医療抑制が起こっているよと。大阪府として緊急措置を取ったらどうですかという話なので、府の施策やないと言うて丸投げするのはちょっとやめたほうがいいんじゃないかなと。大阪府の高齢者をどうやって救うのかというふうに考えていただきたいと思います。

・水光熱費の値上がり分の補助について

◆(石川たえ委員) 次に、物価高騰について幾つかお聞きをいたします。
 長引く物価高騰は府民の暮らしを直撃しています。とりわけ、高齢者やシングル世帯は深刻です。
 しんぐるまざあず・ふぉーらむ二〇二二年十一月の調査では、自由記載の中に、物価が上がっても給料は上がらない、生活は苦しくなる一方、お風呂は月二回、あとは拭くだけ、トイレは大しか流さない、子どもの靴が小さくなっても買い換えられず、爪が変形し、うんでしまったが買い直すお金がないなど、深刻な実態が書き込まれておりました。
 大生連アンケートでは、高齢者の方が食パンの値段が上がり一枚を半分にして食べている、全てを削って生きていこうと思うが、何もかもが上がって節約そのものができなくなってしまったと、食事も取らない実情がつづられております。
 北海道では、道が地域づくり総合交付金という交付金を創設し、市町村はこの交付金を活用して、約八割の自治体が福祉灯油というのを実施しています増数費経費として、灯油、ガス、電気などを現金、商品券、引換券で一万円から二万円の補助を行っておられます。
 大阪は北海道みたいに灯油がたくさん要るということはありませんが、それでもこの物価高騰の中で、電気代やガス代の値上げで本当に苦しんでおられる方がたくさんいる中で、この北海道の姿勢に学び、大阪府として独自の交付金制度を創設し、物価高騰から府民生活を守るために、電気代をはじめ、水光熱費値上がり分を補助する制度をつくってはいかがでしょうか。

◎地域福祉課長兼福祉総務課参事(中村光延) お答えいたします。
 長引く光熱費等の高騰は国民全体に影響を与えるものでございまして、既に国において、エネルギー価格の高騰の影響を受けます家庭や企業等の負担を緩和するための措置がなされているところでございます。
 一時的な生活維持のための資金を必要とする、生活にお困りの世帯に対しましては、大阪府社会福祉協議会が主体となり、生活福祉資金の貸付けを行ってございます。
 また、生活困窮者自立支援制度の相談窓口において様々な相談を受け付け、本人の状況に応じたきめ細やかな支援を行うなど、生活再建に向けた寄り添った対応を行っております。
 今後ともこうした取組を引き続き行い、生活困窮者等を支援してまいりたいと考えてございます。

◆(石川たえ委員) いつも生活困窮者には貸付金がありますよと借金を勧める大阪府で本当にいいんでしょうか。
 生活困窮の方だけではなくて、本当に多くの皆さんが苦しんでおられますので、せめて高齢者、障がい者、ひとり親ぐらい、水光熱費を助けてあげる制度を、借金ではなくて、大阪府がつくったらどうかなというふうに思います。

・社会福祉施設等への水光熱費等の支援について

◆(石川たえ委員) もう一つ、ケア労働現場は、本当に利用者報酬の削減など、長引くコロナ禍で事業継続に困難を来したところに、物価高騰で電気代等が跳ね上がっています。
 ある就労型支援施設では、電気代、ガス代がこれまでの倍、食材も値上がり、このままでは配食サービスの事業そのものを廃止するしかないと深刻な状態に陥っておられます。その施設がなくなれば、そこで働く利用者は職を失います。配食サービスを安価で利用する高齢者は食事が取れないという事態も生まれてまいります。
 高齢者施設や障がい者施設、保育所など、ケア労働の職場の値上がり分の水光熱費を大阪府としてせめて半分補助してはいかがでしょうか。

◎地域福祉課長兼福祉総務課参事(中村光延) お答えいたします。
 福祉部におきましては、さきの令和四年九月議会において、コロナ禍に加えまして、急速な円安に伴う原材料価格や光熱費等の物価高騰に対応するために、高齢者、障がい者、児童、救護等の社会福祉施設等への支援に係る補正予算を計上したところでございます。
 本事業につきましては既に申請受付を終了しておりまして、現在、令和五年三月末までにこの支援金の支給が完了できますように、受託事業者とともに協力して、鋭意、審査、支払い事務を進めているところでございます。
 水光熱費をはじめまして、物価高騰等の長期化等に伴う社会福祉施設への今後の対応につきましては、国の物価高騰対策に係る施策や予算等を注視していく必要があると考えてございます。

◆(石川たえ委員) 引き続き、ちょっと支援強化をお願いしておきたいと思います。

・保育士配置基準について

◆(石川たえ委員) 次に、保育士の配置基準についてお聞きをいたします。
 三年にわたるコロナ禍で、保育所施設は、感染症対策を強化しつつ、保育をしなければならないという状態に陥りました。私は繰り返し、子どもの通う施設での定期検査が必要だというふうに求めてまいりましたが、子どもは軽症であるからという理由で、ずっと定期検査の実施については拒否をされ続けてきました。
 このコロナの感染拡大により、保育士も次々と罹患、また、濃厚接触者となり、自宅待機など保育士が足らず、保育が回らない、子どもの安全が守られないという事態に保育所は直面をいたしました。ある法人では、第八波で陽性となった職員は延べ十一人、濃厚接触者は十七人、健康観察期間の出勤停止日数が延べ百九十三日。この第八波の間だけで百九十三日も出勤停止の保育士がいてるということですから、次々と保育士が休み、二クラス合同にしても朝夕の保育が回らないという事態にまで陥りました。
 今、緊急的に保育士を派遣することと併せて、日常的にゆとりある保育を提供できるようにするべきだというふうに思っています。学校では少人数学級が今、順次実施をされており、公立小学校の一クラス当たりの平均児童数は今、二十二・七人と全国ではなっております。一方で、未就学の子どもが通う保育所は、四・五歳児で三十人に対し保育士一人という配置基準であり、小学校よりなお劣悪な環境の中で、かつ保育士が足りないという状況の中で子どもたちは過ごしているわけです。
 七十年以上見直しのされていない保育士配置基準について、現在の状況に見合った基準に改正するよう国に求めるべきではないでしょうか。

◎子育て支援課長(神山浩司) お答えいたします。
 大阪府児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例で規定しております保育士の配置基準につきましては、国が定める基準を踏まえ、保育所が遵守すべき最低限の基準を定めるものであり、保育所など児童福祉施設について、この基準を超えて、常にその設備及び運営を向上させなければならないと規定しております。
 府といたしましては、多様化する保育ニーズや保育内容の一層の充実を図るため、保育の実施主体である市町村が自らの責任と工夫で多様な保育サービス等を提供できる仕組みとなるよう、国に要望しているところです。

・府独自の配置基準の設置について

◆(石川たえ委員) 全国福祉保育労働組合がされた調査では、保育士さんの中で、仕事にやりがいがある、とてもやりがいがあると答える方が九〇%おられます。一方で、今すぐ仕事を辞めたい人が七〇%もおられます。理由は、賃金が安い、体がもたない、忙し過ぎる、これが上位、トップスリーというふうになっています。
 なので、保育士さんの現場が、今、処遇改善の話じゃないんですけど、保育士さんの現場がもっと忙し過ぎないようにしていくことが、子どもの安全を守っていくことにつながっていくかなというふうに思いますので、以前、大阪府には独自の配置基準がありましたから、独自の配置基準を設置し、子どもの安全と保育の質を守るべきではないでしょうか。

◎子育て支援課長(神山浩司) お答えいたします。
 配置基準につきましては、本来国において、公定価格の見直しによって一律の対策を行うべきものであると考えており、大阪府独自の配置基準の設定につきましては、限られた財源の中では困難であると考えております。
 一方、国においては、保育士の負担軽減、子どもの安心安全な保育環境の整備推進の観点から、現在四歳児以上の配置基準は子ども三十人に対し保育士一人となっているところですが、来年度より比較的規模の大きな保育所について子ども二十五人に対して保育士一人の配置が実現可能となるよう、公定価格におけるチーム保育推進加算が拡充されることとなっております。
 府といたしましては、国の動向を注視しながら、子どもの安全と保育の質を守るため、国において必要な財源を安定的に措置するよう、引き続き要望してまいります。

◆(石川たえ委員) 引き続き要望はしていただきながら、大阪府で独自の配置基準を設置していただきたいと思います。

・ギャンブル等依存症対策について

◆(石川たえ委員) 次に、依存症対策についてお聞きをいたします。
 ギャンブル依存症対策推進計画を見ると、相談支援の拠点と治療、研究の拠点を開設し、依存症対策の総合拠点を形成するというふうに出てきます。
 大阪府の依存症を疑われる人の数は今二十五万五千人、そのうち相談に来られた方は令和三年度七百三十三人、非常に少ないなというふうに思っています。
 簡単にギャンブル依存症の方が相談に来られるというふうには思いませんので、今後どうやってこの相談支援につなげるつもりなのか教えてください。

◎地域保健課長(對馬英雄) 第一期計画では、保健所等の相談拠点機関における専門相談やおおさか依存症土日ホットラインなどを実施し、ギャンブル等依存症に悩む御本人やその御家族等が抱える課題に応じ、継続的な相談支援に取り組んできました。実績としましては、令和元年度の相談延べ数二千百八十九件から、令和三年度には二千七百二件に増加したところです。
 第二期計画では、ギャンブル等依存が疑われる方だけでなく、発生予防の観点から、ギャンブル等依存のリスクがある方も対象と捉え、これまでの対面や電話を中心とした相談支援に加えて、SNS相談窓口の通年開設や、LINEを活用したAIによる自動相談システムの構築など、気軽に利用できる相談窓口の整備に取り組むこととしております。
 あわせまして、依存症に悩む本人やその御家族等が必要な情報に容易にアクセスできるよう、各種情報を一元的に集約したポータルサイトを整備し広く情報発信するなど、相談窓口の周知を図ってまいります。

◆(石川たえ委員) あと何点か通告させていただきましたが時間が参りましたので、依存症対策推進会議の中で、各委員さんが本当に依存症なくしていくためにどう努力するのかということを丁寧に議論されているんですよね。私、これは非常に大事だなと思っていて、本当に大阪から依存症をなくしていくためにと、こうやって知恵出しに集まってくださっている皆さんの意見をしっかりと踏まえて、依存症をこれ以上つくらないというためには、依存症をつくり出すものそのものを大阪につくらないということは必要だということも併せて申し上げて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。



   


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