健康福祉常任委員会(2022年3月17日) 石川たえ府議の知事質問
・病床削減について
◆(石川たえ君) 日本共産党の石川たえです。
まず、病床削減についてお聞きをいたします。
十一月にもコロナ禍での急性期病床の削減は行うべきではないと申し上げましたが、大阪は足を止めることなく、令和四年度もさらに九百五十四床の病床が削減、転換の対象となっています。コロナ禍で病床が逼迫し、病床逼迫を回避できず、有症状者の高齢者まで自宅に放置するような結果を生み出した大阪が今やるべきことが、病床削減だとは思いません。今すぐ病床削減は中止すべきと思いますが、見解を求めます。
◎知事(吉村洋文君) 超高齢化社会において回復期の医療のニーズが高まっているということから、急性期病床から回復期病床への機能転換等を今進めているところです。
今後も引き続き、コロナ受入れ病床の確保、運用とともに、地域医療構想の基本的な枠組みを維持しつつ、病床転換等の取組に努めていきます。
◆(石川たえ君) 病床削減をやめるべきだというふうに質問をさせていただきました。私は高齢化社会に向けてのお話をしているのではありません。今、このコロナ禍で、病床を減らすべきではないというふうに申し上げています。答えになっていないと思います。
大阪介護老人保健施設協会事務局長は、高齢者施設で感染者が出た場合に、入院させず、施設内で管理するよう求める府の方針が間違っている、こう指摘をされています。国会では、地域医療構想は地域の自主的な判断によってつくっていくと二月に大臣が答弁をしています。知事の決断で今、病床削減を中止することはできるわけです。
再度お尋ねをいたします。コロナ禍での病床削減は直ちにやめてもらえませんか。
◎知事(吉村洋文君) 地域医療構想を推し進めつつも、コロナ受入れ病床についてはこの間拡大をしております。現時点で三千八百七十六床の病床を確保しています。この中には、急性期病床だけではなくて、療養病院等において一時的に看護体制を充実させた上で、回復期病床や療養病床等をコロナ受入れ病床として確保した病床も含まれています。
また、第六波においては、特にコロナ治療終了後の高齢者における長期の入院患者が多く、症状が軽快した方の転送先調整にも難航いたしました。こういったことから、コロナ医療においても、回復期病床等も含めた医療提供体制を整備することが必要だと改めて認識しているところです。
◆(石川たえ君) このお話をすると、コロナ病床は確保しているというふうにずっと言われるんですけれども、有症状である六十五歳以上の高齢者が、三十八度や三十九度の熱が続いていても入院できませんというふうに何人も何人も何人も断られて、自宅で療養せざるを得ないという状況をつくり出しているわけです。
限りある資源を活用するというふうによく言われますけれども、その資源そのものを減らしておきながら、コロナ病床を確保していると幾ら言ってみても、資源を減らしていることには変わりありませんので、直ちに病床の削減は中止し、確保をもっともっとすることを求めておきたいと思います。
・検査の拡大について
◆(石川たえ君) 次に、検査についてお聞きをいたします。
第六波では、高齢者等施設でのクラスターが再び多発をいたしました。基礎疾患を持つ人、リスクのある人が多くいる高齢者等施設でのクラスター発生と感染の広がりを抑えていく鍵は、施設にウイルスを持ち込まないことだ、こういうふうに思っております。
その対策としてこれまで行っていた定期検査を一時的とはいえやめてしまい、ウイルスの持込みを許してしまったのは大阪府の判断ミスだというふうに私は思いますが、知事はどう思われますか。
◎知事(吉村洋文君) 施設職員に対する定期的な検査については、感染した場合に重症化、死亡リスクの高い集団においてクラスターが発生することを防ぐために、高齢者施設等を対象に実施をしているところです。
しかし、高齢者施設で多くのクラスターが発生したことを踏まえまして、特に入所系の施設を中心に検査の充実が必要だと認識しており、検討を進めていきたいと思っています。
また、その他の感染不安を生じる無症状の府民については、大阪モデルにおける黄色信号相当以上の感染状況となった場合に無料で検査を受けられる無料検査所を確保していまして、最大で一週間当たり約六万八千件の検査も実施しています。
府民にとってできる限り身近な場所、利便性の高い場所で検査事業所の確保を努めることで、無症状感染者の早期発見を図っていきたいと思います。
◆(石川たえ君) ちょっと確認をしたいんですけれども、高齢者等施設での定期検査及び無症状者を発見するための無料検査というのは、まん延防止等重点措置が解除されても継続はされますか。
◎知事(吉村洋文君) まず、高齢者施設の定期検査につきましては、黄色信号がついた段階で再開しています。これは一月の四日には再開をしているという状況です。
やはり高齢者施設の定期検査、これは非常に重要だと思っていますし、今後さらに、それだけではなくて、高齢者施設への対策強化というのが非常に重要だと思っていますので、より検査の充実が図れないか、考えていきたいと思っています。
◆(石川たえ君) 無症状はどうでしょう。
◎健康医療部長(藤井睦子君) 御質問の無料検査につきましては、国のスキームを活用いたしまして、国からの財政的な支援も得て実施しているものでございます。そのときに、実施できる期間というもの、国からの事業のスキームというものもございますので、そういう国のスキームも踏まえながら、今後の継続につきましては検討していまいります。
◆(石川たえ君) 国のスキームも活用しているのでということですけれども、私は、やはりクラスターがこの第六波で、本当に第四波の四・七倍ぐらい高齢者施設で出ていますよね。これぐらい広がってしまったということは、一時的にでも定期検査をやめてしまったというのはやっぱり間違いだったというふうに思っています。
この反省をしっかりと生かして、高齢者施設で全施設が検査できる人員体制、検体採取バスを巡回させていくということも含めて、支援体制も強化して、定期検査を全施設で。今ね、再開してから、知事、全施設どころか五〇%にも満たないんですよね。高齢者対策を強化するというふうに言われているんですから、全ての施設で必ず定期検査を行うというこの体制を強化することと、先ほど来お話もありましたけれども、子どもさんの通う保育園や学校教育施設までこの対象を拡大させていくことが今求められると思いますが、いかがですか。
◎知事(吉村洋文君) 施設に対する定期検査については、クラスターが発生した場合に直接、やはり重症者、お亡くなりになる方の増加につながるという観点の中で、感染が連鎖することを防いでいきたいと、高齢者施設を対象にして、ここを強化していきたいと思っています。
一方ですけれども、第六波においても、二十歳未満の陽性者が重症化する割合を見ますと、これは二万人に一人以下です。保育や教育の現場において、現時点では、陽性者が発生したときの検査は実施していますが、定期検査の実施の必要性は低いと。むしろ高齢者施設対策を強化していきたいと思っています。
◆(石川たえ君) 高齢者対策を強化されるのは、もっともっと強化してほしいと思っているのでいいんですけど、じゃ、子どもはかかってもええんかという話なので、子どもさんで既に基礎疾患のない十歳未満児の子どもさんが亡くなっているという事例も出ているわけです、他県ではね。なので、重症化しないからかかってもいいという、この姿勢はやめなあかんというふうに思っています。
高齢者等施設での検査をこれからもっともっと強く広げていってもらうためには、やっぱり五〇%やったらオーケーやとか、六〇%やったらオーケーではなくて、府内全施設でできる対策というのを具体的に立てていただきたいなというふうに思います。
もう一点、検査のことでお聞きをいたします。先ほど少し答弁でも触れていただきましたが、無料検査のことです。
無症状者を発見する無料検査には効果はあるということは、担当課も認めておられます。しかし、いまだ四割の中学校区には検査場がありません。今の実績数では、無症状者を発見するには不十分だというふうに思っております。もっと多くの無症状者を発見することが、感染制御の力になってまいります。
東京では、検査機関と都が提携をして、幾つかの区民センターで一週間、七日間、七日間ずっと大規模検査が実施をされています。また、区民センターでの大規模検査ができない場合は、公園等に検体採取のバスを、これも検査機関と提携をして設置をして、これも一週間のうち七日間、一日五百検体の採取というのも行って、検査拡大によって感染制御をという取組を不十分ながらも進めているわけです。
大阪でも、診療検査医療機関や薬局で検査場を増やしていくということだけではなくて、検査機関とこうやって提携をして、大規模な検査会場を府内のせめて二次医療圏内に設置する、検体採取のできるバスを設置するなどして、一検査場でたった八件とかではなくて、一検査場で一日五百件、千件と検査できる大規模無料検査に取り組むことで無症状者を発見する必要があると思いますが、いかがですか。
◎知事(吉村洋文君) 感染の収束期においては、無症状者にも広く感染が広がっている可能性はあまり高くないと考えられますが、一方で、感染拡大傾向時にはやはり社会全体の感染リスクが高まるということを踏まえて、無料の検査事業を実施しています。
これは大阪モデルの黄色信号以上を一定の目安とはしていますが、昨年の十二月において、既にオミクロン株の市中感染が確認されたことを受けて、その時点は緑信号でありましたが、事業を開始いたしました。
引き続き、感染状況、それからウイルスの特性を踏まえて、感染者の早期発見に努めていきたいと思います。
◆(石川たえ君) 感染拡大時に一日六万八千件では、無症状者の発見としては非常に弱いというふうに思っています。感染を広げないということが大切になっていますし、収束期にはあんまり必要性がないというお話ですけれども、この間、収束期でも感染者がゼロになるということはありませんでした。無症状者を早く発見して、早く保護していく、これが感染を広げない力になります。
大胆な感染制御をしていくためにも、今、四割にしかならない全中学校区への検査場を年度内に一か所設置すること、そして大規模検査の実施も併せて求めておきたいと思います。
・ギャンブル等依存症対策について
◆(石川たえ君) 次に、依存症対策についてお聞きをいたします。
まず初めに確認をさせてください。依存症対策について、IR基本構想、区域整備計画とも依存症対策のトップランナーを目指す、こう掲げられております。主要事業としてOATISを中心とした依存症対策が今進められ、府民が通いやすい拠点施設も今後つくっていく方向だというふうに聞いてもいます。
これは知事、カジノが来れば依存症患者は増えるから依存症対策として強化すると、こういうふうにお考えだというふうに理解してよろしいでしょうか。
◎知事(吉村洋文君) IRの整備に伴う懸念事項を最小化するために、ギャンブル等依存症の抑制に必要な対策を講じていきます。
具体的な取組として、令和二年三月に策定をいたしました大阪府ギャンブル等依存症対策推進計画に基づきまして、普及啓発、相談支援体制、治療体制、切れ目のない回復支援体制の強化とともに、大阪独自の支援体制の構築を推進しています。
さらに、IR開業に向けまして、今後新たな支援拠点として設置する仮称大阪依存症センターを中心に、総合的な支援体制の強化拡充を図ることとしています。
◆(石川たえ君) それはIR、カジノを誘致することによって依存症は増えるというふうに知事は考えておられるということですか。
◎知事(吉村洋文君) 依存症は既にあると思っています。その中で、懸念事項として当然あるわけですから、その懸念事項に正面から向き合って、それを減らしていくということが必要だと思っています。
◆(石川たえ君) 依存症は今でももちろんあります。それが、IRが来ることによってさらに増えるから対策強化をするのかどうかというのを私は聞いているので、ぜひそのことについて答えていただきたいなというふうに思っていますが、総合的な支援体制というふうに言われていますが、どの程度、じゃ、IRが誘致されることによって依存症が増えるというふうにお考えなのか、ギャンブル依存症によるマイナスの経済効果というのは、また社会的損失というのはどの程度あるというふうに考えておられるのか、またOATISを中心とする依存症対策で、依存症患者は今の大阪からどれぐらい減らせるというふうに考えておられるのか、総合的な支援体制、支援体制とよく言われるんですけど、その支援体制のちょっと根拠について教えていただけないですか。
◎知事(吉村洋文君) 現在も依存症の方がいらっしゃる中で、その総体を減らしていきたいというふうに思っています。IRを誘致すると、そこに合わせてこの懸念事項に正面から向き合うことで、大阪全体へのギャンブル依存症について正面から取り組んでいくということをしてまいりたいと思います。
国においては、ギャンブル等依存症対策基本法に基づきまして、三年ごとにギャンブル等の依存が疑われる者等の割合など、ギャンブル依存症の問題の実態を明らかにするために必要な調査を行っています。現在、本府においても、国の調査に合わせて、府内における実態を把握するための調査を実施しています。
さらに、区域整備計画がありますが、区域認定をもしされましたら、された年度以降、毎年度、大阪府域におけるギャンブル等の依存が疑われる者等の割合を調査、算出することとしています。
今後、その推移も踏まえつつ、府におけるギャンブル依存症対策の有効的な取組、また委員が指摘する対策に取り組んでいきたいと思います。
◆(石川たえ君) 社会的な損失やギャンブル依存症がどの程度生まれるんですかということについての詳しい推計は、実は一度も聞いたことがありません。国が三年ごとにやる調査があると言われていますけど、この調査自身は、今の時点でどの程度依存症患者がいてるのかというのを調査するものであって、IRを誘致することによって、じゃ、どの程度依存症患者が生まれ、損失が生まれるのかということを調査する調査ではありませんので、支援拠点の施設をつくるというふうに言われるのであれば、IRが誘致されることによってマイナス効果はどこにあるのかと、依存症はどれぐらい増えるのかと、こういうことをきちんと大阪府として推計すべきだと思いますが、その推計をしてもらうことはできませんか。
◎知事(吉村洋文君) 区域整備計画において、これが認定されれば、年度以降、毎年度、大阪府域におけるギャンブル等依存が疑われる者等の割合を調査、算出することにしています。毎年度、これを調査しながら、IRは二〇二九年ですから、毎年度調査をしながら、大阪全体の依存症の方を減らしていく、しっかりとした対策を取る、懸念事項に正面から向き合うと、こういったことのその方針で進めていきたいと思っています。
◆(石川たえ君) 私は、依存症対策を強化していく上で大事なことは、依存症を生み出すようなものを大阪につくらないことだというのが一番依存症対策としては効果があると思います。
今、大阪府内におられる依存症患者の皆さんの対策をどうやって強化するかということについて、担当課の皆さんは本当に懸命に努力されているんですよね。医療機関につなぐこととか、福祉につなぐこととかも含めて、今の時点でも懸命に努力されているのに、さらにそこに、懸念事項だと言われますが、新たな依存症患者を生み出すようなIR、カジノの誘致を中止することこそが依存症対策だというふうに思いますが、今すぐこれをやめるという決断はできないですか。
◎知事(吉村洋文君) そうであれば、共産党として、パチンコ、それから現在ある公営競技、これは全て廃止するという活動を徹底的にすることが先だというふうに思います。
我々、依存症の対策を取って、この懸念事項に正面から向き合う、あるいは生み出さないようにするという、教育面も含めて、具体的な対策をすることが重要だと思っています。
もちろん、IRについては大きなプラス面もあります。ここでプラス面は、もう本会議場でも申しましたので言いませんけれども、そういったプラス面のところを積極的に引き出しながら、懸念事項については正面から向き合うという対策を進めていきたいと思います。
◆(石川たえ君) 私とこの政党がギャンブル依存症対策にどう取り組むかについて、知事にここで答弁していただく必要は全くありませんので、それはうちとこで考えさせてもらいます。
カジノから八十キロ圏内はギャンブル依存症の罹患率がそれ以外の地域の二倍、こういう報告もあります。カジノによるマイナス効果はプラス効果の四・七倍、こういう試算が出されているカジノもあります。
依存症対策を強化というのであれば、これ以上依存症を生まない努力こそが求められると思いますので、もっと効果的な依存症対策として、カジノの誘致はやめるべきだと申し上げておきたいと思います。
時間が参りましたので、子ども医療費、通告していましたが、すいません、できません。できませんので、用意していただいた皆さん、ありがとうございました。
すいません、じゃ、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
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