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議事録

健康福祉常任委員会(2020年12月15日) 石川たえ府議の知事質問


・医療機関、高齢者施設での一斉検査について

◆(石川たえ君) 日本共産党の石川たえです。
 検査体制の強化についてお聞きをいたします。
 さきの一般質問、そして先日の委員会でもお聞きをしましたが、高齢者の罹患、重症、死亡、この流れを食い止めるには、医療機関、高齢者施設での一斉定期検査が欠かせません。第三波では、六十代以上が全陽性者の約三割弱、全重症者例の八割、死亡例の九七%を占めています。昨日、過去最多の十四人がお亡くなりになりました。全員が六十代以上です。
 クラスターによる感染者のうち高齢者・障がい者施設が半数近くを占めています。先日、発表された全国保健所長会の提言では、保健所が災害時に準じた対応を余儀なくされていること、とりわけ高齢者の罹患率が高いことで業務がさらに逼迫状態にあることが指摘をされています。病床逼迫率は八〇%を超え、介護が必要な高齢者が入院すれば介護も併せて行わなくてはいけないなど病院での仕事量が増える一方と、現場は困難を極めています。
 病床確保をと医療機関がどんなに頑張ってみても、保健所が災害時並みに頑張ってみても、感染者、重症者が減らなければ命を守ることはできません。大事なことは、これ以上、高齢者の中で感染を広げないことです。そのためには、やはり検査拡大が必要と考えます。しかし、大阪府は発症者が出た場合の全員検査、症状がある人への検査という態度を崩していません。
 コロナ感染症の四割は無症状感染だと言われている中で、発症及び症状のある人に限定している限り、医療機関、福祉施設への持込みを止めることはできません。高齢者施設への外からのウイルス持込みを防ぐことはクラスター対策にも有効であり、高齢者の罹患、重症、死亡を断ち切る力です。重症者をこれ以上増やさないために、医療機関、高齢者施設での全員一斉検査の実施を直ちに行うことはできませんか。

◎知事(吉村洋文君) 重症者をできる限り増やさない、そのためにも市中における感染をできるだけ抑えていく、陽性者数を減らしていく、感染者数を減らしていく、これが非常に重要だというふうに思っています。昨日の本部会議におきましても、さらなる強いお願いをしているところでもあります。
 高齢者施設の入所者、それから職員の皆様ですが、何らかの発熱等の症状がある場合には速やかに検査を実施するとともに、陽性が判明した場合には、原則、入所者、そして職員の全数の検査を行うということをしているところでもあります。
 一斉の、症状がない人にも全て検査の実施を求めるということでありますが、現在、府内の高齢者施設の職員は約二十二万人いらっしゃいます。また、利用者も延べ九十三万人いらっしゃると。主な医療従事者は約十六万人いらっしゃる。その全ての方を一律に、症状なきまま検査するということは現実的に困難であると思っています。少しでも症状があれば直ちに検査を受けるべき、そしてその方に早期に確実に受けていただく、そういったことで感染拡大の防止に努めてまいりたいというふうに思います。

◆(石川たえ君) 症状が出ない人も陽性者の中にはおられます。無症状感染の方たちです。症状が出てから検査するのではクラスター対策にもなりませんし、重症者を減らしていく力にもならないというふうに思っています。
 高齢者への感染を抑えるために、国は、既に九月に各市町村に対し、高齢者への検査拡大の呼びかけ、検査に係る費用の二分の一を国が負担することを通知しています。これは、検査によって高齢者への感染を防ぐ必要があるという判断の結果だというふうに思っています。ところが、大阪府は、エビデンスはないと、医療機関、高齢者施設での一律全員検査を拒むだけではなく、市町村が行う高齢者等への検査事業について、府として検査能力拡充に取り組んでいる中、本事業により診療検査体制に混乱が生じないようにしたいと、国に照会までかけて、対象となる者全てに検査を実施することを想定したものではない、こういう回答まで取り付けて、市町村に通知を出しています。これは、高齢者への検査拡大の障害ではないかと思っています。
 一斉一律の定期検査を拒むということは、重症者をどんどん生み出す、こういう結果につながりかねません。
 東京都世田谷区、また神戸市などの自治体が、高齢者・障がい者施設への持込みを止めるための、職員または利用者全員のPCR検査の実施をしています。
 今は検査方法もどんどん進化をしています。自分で唾液を取り郵送する、または持参する方法は、今、多くの自治体が取り入れています。医療従事者の管理下とはいえ、自分で鼻拭いの検体採取をする方法も取り入れられています。検査費用を抑えるために民間企業と契約している県もあります。方法はたくさんあります。利用者は二十二万人いる、従事者は九十三万人いる、こう言って一斉一律検査を拒み続ける姿勢はいかがかというふうに思っています。これ以上の死亡者を出さない、この決意で、まずは高齢者の罹患を止める、この一点で、施設に持ち込まないためには、一律一斉、そして定期の検査が絶対に必要だと思っています。せめて介護・障がい者施設の従事者だけでも、今すぐ一斉の一律定期検査を行う決断を、知事、してもらうことはできませんか。

◎知事(吉村洋文君) 高齢者施設にウイルスを持ち込ませないということは非常に重要だと思っています。高齢者のクラスターを一つでも減らしていく、これが非常に重要だと思っています。
 そのために、じゃ、何をすべきかということでありますが、検査はどんどん拡充をしていっていますので、これは徹底的にやっていくというのが基本的な考え方です。ただ、その中で、委員は一律、全員にということでありますが、先ほど申し上げたとおり、現実的に、従業員数が二十二万人いるという状況でもあります。それで、検査をしても、その翌日に感染するかも分かりませんので、二十二万人の検査を連続でやっていくというのは、やっぱり非常に非現実的だと思います。
 コロナウイルスは無症状の方もいるじゃないかと言えば、もちろんそうなんですが、無症状でいえば、多分、ここにいる全員も無症状なので、そういった意味であれば、これはやはり何らかの、発症二日前にうつす力があるというのはありますが、やっぱり症状が出ているときにも当然うつす力はありますし、何らかの症状が出た人は直ちに検査をする、その体制を強化していく、これが重要じゃないかというふうに思っています。
 今、国の話もありましたが、無症状で患者との接触歴がないという感染リスクが低い方に対して一律に検査を行うということについては、国の分科会でも推奨はされていない中身であります。我々としては、高齢者の施設で勤務する人、そういった方が少しでも症状があれば早期に確実に検査を受けていただくということで感染拡大の防止に努めていきたいと思います。

◆(石川たえ君) これ以上の感染者を生み出さないということと、これ以上の重症者を増やさないということは、知事と私と一致していると思うんですよね。一致しているんですけど、どうやって、じゃ、重症者を生み出さないのという話のところが一致しないんですよね。無症状感染の方が検査しても、次の日、陽性になるかもしれへんと言われますやん。だから、定期的に検査をしたほうがいいよというふうに申し上げているわけです。二十二万人、一気にできないというふうに言われますが、検査方法は、今いろんな簡易キットが出てますし、医療従事者がいてれば、自分で検体を取ることも可能ですから、最初からできないと言ってはねてしまわないで、どうやったらできるのかというふうに考えるのが、今必要なことじゃないかなというふうに思っています。

・病床確保(緊急包括支援交付金)について

◆(石川たえ君) 今、逼迫する病床の確保は緊急の課題になっています。医療機関からは、国の一次、二次補正予算では減収額が充足されない、強力な、今までとは別レベルの財政支援が欲しいと財政逼迫の現状も訴えられています。国の包括支援交付金の自由度が非常に低く、自由度を高める要望をこの間、副知事をはじめ健康医療部の皆さんが繰り返し国に行っていただいていると、こういうふうに聞いています。しかし、残念ながら、まだ国からは色よい返事が返ってきていないというふうに思います。引き続き、このことは強く求めていただくことと併せて、今既に概算払いで大阪府に届いている包括支援交付金を医療機関にすぐ配付する、このことが求められます。一次、二次分合わせて二千百五十億円の包括支援交付金が大阪府に支給をもう既にされているはずです。この二千百五十億円のうち医療機関分は約一千九百億円と聞きます。しかし、実際、医療機関への支給実績は、十一月三十日の時点ですが、約五百億円です。なぜこんなことになるのかとよくよく聞いてみると、交付金支給は実績がベースになっているからです。実績報告を行い、そこにかかった金額が上限の範囲内で支給されます。これでは医療機関はたまったものではないというふうに思っています。この実績払いというのをやめて、すぐにでも医療機関に残りの一千四百億円を余すことなく支給して、病床確保に努めてもらうべきだと思いますが、年内に支給をしていただくことはできませんか。

◎知事(吉村洋文君) 厳しい経営環境の中で、日々御尽力いただいている医療機関に対しまして、その努力に報いるためにも、緊急包括支援交付金を活用した支援については速やかに執行していくことが重要だというふうに思っています。大阪府が持っていても意味がないわけですから、執行して意味がありますので、速やかに執行していくことが重要だというふうに思っています。
 その中身なんですけども、感染の拡大防止等の支援事業のように、事前に全額交付する事業も一部あります。そういったことはやっていますが、患者数により補助額が変動する病床確保の補助金等については、一か月ごとに実績を確認の上で速やかな交付に努めているところです。
 引き続き、医療機関の負担があるわけですから、それを最大限に軽減するために、スピード感を持って円滑な交付を実施していきたいと思います。

◆(石川たえ君) スピード感を持って、ぜひ支給していただきたいなと思うんですけどね、実績の報告をやっている限り届かないんですよね、遅れ遅れでしか入らないんですから。国は概算払いで二千百五十億円を大阪府に支給してくれているわけで、知事おっしゃっているように、大阪府が持っていても仕方がないんでね、直ちに医療機関に届けていただくことが大事かなというふうに思います。
 年末年始のコロナ受入れ機関への協力金も、この包括支援交付金が活用できるというふうに聞いています。それ以外にも、先に医療機関にお金が届くようにすることは十分可能だというふうに思います。また、包括支援交付金は、そのメニューの枠内であれば他のメニューへの活用というのも可能です。空床確保など、病床が今逼迫していますから、空床、余裕が全然ありませんので、こういうところにもともと予算をつけていたものは執行しなくて済むということになっていくかと思います。こういうお金も、包括支援金の範囲内ではほかのことに活用できるというふうに聞いていますので、本当にスピード感を持って、五百億円しかまだわたってませんから、残りを全て年内に医療機関に支給していただくように強く求めておきたいというふうに思います。
 病床確保のために医療従事者の派遣要請を全国知事会や広域連合、自衛隊を通じて行われています。重症センターと中河内救命救急センターへの派遣にただこれはとどまっています。府内医療機関で医療スタッフを派遣し合うことは、もう限界であると。これが現場からの悲鳴です。
 関西広域連合の中には病床逼迫率が低い県というのもあります。思い切って、感染者の少ない県に重症者を受け入れてもらう、自衛隊に搬送してもらう、こういう要請も併せてすることはできないでしょうか。

◎知事(吉村洋文君) 重症病床が非常に逼迫していますので、府内の医療機関においてさらなる運用病床の確保に全力を挙げているところでもあります。
 先ほども申し上げましたけども、本日からはコロナの重症センターの運用を開始しました。この運用の開始については、当初から三十床というところではありませんでしたが、この状況にあって、各都道府県や自衛隊の方にも御協力をいただいて、看護師の派遣なんかも受けて、この運用について、まさに今、開始することができているという状況でもあります。
 全国のレベルで見ましても、関西はもちろんそうですけども、やはりそれぞれの都道府県、使用率は出しておられますけども、どのエリアでも重症病床に余裕があるというところはそうそうはないというふうに思っています。どこもやっぱり逼迫している状況です。その中で、やはりこの重症センターもそうですけれども、府内での病床確保に努めるというのがまず第一義ではないかというふうに思っていますので、それに努めてまいりたいと思います。

◆(石川たえ君) 重症センターは期待しておきたいなと思うんですけど、ほかの府内の医療機関で病床を確保してもらう、この繰り返しは限界だというのは委員会でも申し上げたところです。
 重症センターに自分とこの医院から看護師や医師を派遣しないといけないという府内の医療機関もあるわけで、こういうところは、自分とこの重症病床が今度は回っていかないというような状況も出てきているわけですよ。なので、それは他県でも受け入れてくれるところと受け入れてくれないところはあると思いますし、それぞれの県の判断というのもおありだというふうに思いますが、思い切って頼むというぐらいのことをしなかったら、過去最多の死亡者を出しているわけで、これ以上、死亡者を出したら駄目なわけで、やっぱり受け入れてほしいというふうにお願いをするのが大事じゃないかなというふうに思っています。
 コロナの大波が来たら休業要請が行われています。この繰り返しをずっと続けていると、ダメージが大き過ぎて、経済回復そのものが見込めないというふうにも思います。抑え込んでしまうために一時的に休業要請することというのは必要だと思います。成功例がミナミだと思いますし、この間、大阪市内の休業要請をやっていることで大阪市内の罹患率は確かに下がってきていますし、でも逆に大阪市外のところが、北河内なんかぐんぐん上がっていっているという結果も出ていますが、一時的に抑えることは必要なので、そのときに休業要請することは大事やと思うんですが、あわせて、やはり感染制御のための検査拡大をしなかったら抑え込むことはできないというふうに思っています。大阪の要請に応えて、看護師を重症センターに派遣してくれた、そしてまた、緊急で重症者の受入れも行ってくれている和歌山県、この和歌山県は、今、大阪の感染が自分とこに飛び火してくるんと違うかなというふうに懸念をされているわけです。抑え込むための対策は……。

○委員長(徳村さとる君) 委員に申します。申合せ時間が経過しています。質問は簡潔にお願いします。

◆(石川たえ君) はい、終わります。
 和歌山県が感染を抑え込むためにしている対策と同じことが大阪でできていないと言われています。今、検査拡大をしっかり進めることが感染制御につながります。一律一斉の定期検査を医療機関と高齢者施設で直ちに行うことを求めて質問を終わらせていただきます。時間超過、申し訳ありませんでした。



   


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