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議事録


教育常任委員会(2019年3月7日) 石川たえ府議の質問

・知的障がい支援学校の通学区域割りの変更について

◆(石川たえ君) 日本共産党の石川たえです。
 支援学校の通学域の変更についてお聞きをいたします。
 知的障がいを持つ児童生徒の増加に対応するために、二〇二〇年度から通学域を変更すると発表をされていました。
 これまでにも通学域の変更は行われてきましたが、通学域の変更による転学を避けるために転居せざるを得なかった、自力通学が困難になった、近隣四市から来るので保護者同士の福祉制度の情報共有が難しく、取り残された気持ちになったというケースもこの間生まれてきていました。生徒や保護者の中に不安が取り残されたままの変更だったというふうに聞いています。
 そこでお聞きをいたします。今回の通学域の変更について、保護者への周知はどのように図られているのでしょうか。

◎支援教育課長(柴田尚彦君) お答えいたします。
 今般の通学区域割りの変更については、特に狭隘化が進んでいる三つの学校とその周辺校との間で実施することといたしており、具体的には、枚方支援学校と交野支援学校四條畷校との間、八尾支援学校と生野支援学校との間、佐野支援学校と泉南支援学校との間でそれぞれ変更するものでございます。
 新たな通学区域割りへの移行に当たりましては、児童生徒や保護者への影響を考慮するとともに、周知期間を確保する観点から、二〇二〇年度以降、支援学校の内部進学者を含め、新たに支援学校に入学する児童生徒から年次進行で実施することといたしております。
 この変更に係る周知につきましては、府内全ての市町村教育委員会及び府立支援学校へ周知を依頼するとともに、関係する支援学校六校に在籍している児童生徒の保護者に対し、関係校ごとに説明会を開催の上、学校長から説明を実施したところでございます。
 また、通学区域割りが変更となる府内三地域の就学前施設や小中学校に在籍している幼児児童生徒の保護者等に対しては、関係市町の教育委員会の協力を得ながら、地域ごとに説明会を順次開催しているところでございます。

◆(石川たえ君) 保護者や教職員から意見聴取というのは行っていますか。

◎支援教育課長(柴田尚彦君) 通学区域割りの変更に当たりましては、関係する支援学校に在籍している児童生徒の障がいの状況や、日ごろ保護者からお聞きしている御意見、御要望、教職員の意見等について関係校長にヒアリングを実施することによりまして、各校の実情を丁寧に把握するとともに、関係する市町の教育委員会に対して、今回の変更に伴う児童生徒への影響等に関する意見を聴取しながら検討したものでございます。

◆(石川たえ君) 通学バスが変わると思うんですけれども、バスの乗車時間が延びることはありますか。

◎支援教育課長(柴田尚彦君) 今般の通学区域割りの変更に伴う通学バスの乗車時間でございますが、対象となる児童生徒の居住地によっては長くなったり短くなったりいたします。あくまで平均の想定ではございますが、北河内のうち枚方市の生徒は平均で十分程度、交野市の生徒は平均で数分長くなると見込んでおります。
 また、同様に、東大阪市の生徒は平均で十分程度の短縮、泉南地域における泉佐野市の児童生徒は平均で十分程度、熊取町の児童生徒は平均十五分程度長くなると想定をいたしております。
 なお、通学バスの運行に当たっては、乗車時間を六十分以内とすることを目標といたしまして、毎年度、児童生徒の居住地の変化等を踏まえながら、通学バスの台数増も含め最適なルート等を検討しておりまして、乗車時間についても適宜変動するものでございます。

◆(石川たえ君) 三つ立て続けにお聞きしましたけれども、学校、また市町村教育委員会と協力して地域で説明会を行っていると。これは一カ所大体三十人ぐらいしか来られてない。これが多いのか少ないのかという判断は要るかなと思いますけど、保護者の意見については校長を通じて聞き検討している。バスの乗車時間は多少延びるかもしれないけれど、長くならないように最適ルートの検討をしている、こういう御答弁だったというふうに思いますが、学校説明会開催のプリントに、実は五歳児、五年生、中学二年生の保護者と対象を限定して書かれていて、ほかの学年の保護者は説明会も全く知らなかった。同じ在籍生徒なのに対象年齢じゃなかったら説明もしてもらえないのかという声も上がっています。
 保護者から意見を聞いている校長にヒアリングをした、こう言われていますが、保護者から話を聞いてみると、全く聞かれていない、突然の通学域変更の話にとっても驚いている、こういう声も多くありました。中には、これまで支援学校に行くか普通の学校に行くかを考えて、繰り返し繰り返し学校説明会に出向き、高等部までの子どもの姿をイメージして、よし支援学校に通おうと、こう決めたのに、進路決定してから突然通学域の変更について聞かされ、本当にどうしたらいいのか戸惑っている、こういう声まであるわけです。
 バス乗車時間についても、長くなる短くなるという問題だけではなく、子どもにとって学校がかわるということは本当に大きな負担になってくる。こういう子どももいます。だから、保護者は、小中高の一貫教育を望みますし、そこまでの子どもの姿をイメージしながら進路を決めておられる。こっちがいっぱいやからあっちに行って、これはあくまで大人の側の都合であって、子どもは物じゃないんで、保護者の皆さんから、子どもにも心はあります、人権もあります、急な変更はやめてほしい、こういう声まで出ているわけです。
 もう一度お聞きします。これらの保護者の声や意見を本当にちゃんと余すことなく聞き尽くしているんでしょうか。

◎支援教育課長(柴田尚彦君) ただいま御説明をいたしましたとおり、関係学校長からのヒアリング、関係市町の教育委員会からのヒアリングを通じまして、我々として検討した結果でございます。

◆(石川たえ君) 支援課の皆さんは頑張って聞かれているというふうに言われると思うんですけど、聞かれてないよという保護者が残されているわけですから、引き続き保護者の声はよく聞く必要があるんじゃないかなというふうに思っています。
 二〇一四年の新校開校で、小中高一貫校に在籍しているのに、高等部になれば転学をしなければいけない、こういう生徒が生まれるゆがみが出ました。今度また、通学域の変更で、今度は小中学部も随時移行していく、こういう子どもが出てまいります。東大阪の子どもが生野区に通わないといけない、枚方の子どもが四條畷に行かないといけないなど、自分が住んでいる近くに支援学校があるのに、通学バスに乗って違う学校に行かないといけない、こういうゆがみがまた出てくるわけです。数で見ると適正になるかもしれません。しかし、親の思いにちっとも応えてくれない。その場しのぎの対策ばかり、子どもの人権が踏みにじられている、こう感じておられる保護者もいるわけです。これをこのまま放置しておいていい話ではありません。保護者のこの思いや願い、子どもの負担をどのように受けとめておられますか。

◎支援教育課長(柴田尚彦君) 今般、通学区域割りを変更する三校では、このまま通学区域を変更しなければ、今後、授業の展開や行事の運営などに支障を来す可能性がある状況でございます。
 そのため、一部の児童生徒が居住地からより離れた学校へ通学することになりますが、当該エリア全体の知的障がい児童生徒の教育環境を整える観点から、児童生徒や保護者への影響に考慮し、新規入学者から新たな通学区域割りに移行するなどの配慮を行いながら、通学区域割りの変更を実施するものでございます。

◆(石川たえ君) 保護者等への影響を考慮するというふうに言われていますので、ぜひ考慮していただいて、保護者の声もよく聞いていただいて、困惑した保護者を放置したまま通学区域を変更してしまうと、結局困るのは子どもなので、子どもにしわ寄せが行かないように、しっかりと合意形成されるよう努力されることを求めておきたいというふうに思います。
 少し角度を変えてお聞きします。今、支援学校に通学している子どもの多くは、放課後等児童デイを利用されています。下校時は、放課後等児童デイの送迎車でいっぱいになる、こういうのを私も幾つか見てまいりました。地域住民への配慮も含めて、転回場をつくるとか送迎車が待機できる場所を確保するなど、随分教育庁の皆さんにも努力していただいているんだなということも目の当たりにしてまいりました。子どもにとってスムーズに次の生活に移っていける一つのあり方だと思うので、本当にそういう取り組みは感謝申し上げたいなというふうに思っています。
 ただ、通学域の変更で学校がかわれば、この放デイとの連携がうまくいかないのではないか、こういうふうに不安をお持ちの保護者もおられます。こういう保護者の不安にはどのように応えていかれますか。

◎支援教育課長(柴田尚彦君) 通学区域割りの変更によりまして、放課後等デイサービスを利用する児童生徒に影響が生じることも考えられますことから、福祉部と連携をし、放課後等デイサービス事業者へ通学区域割りの変更に係る情報提供を行ってまいります。
 また、事業者と学校がこれまで同様に連携をいたしまして、児童生徒が円滑にサービスを利用できるよう、学校間での引き継ぎや事業者と学校による意見交換などを実施してまいります。

◆(石川たえ君) 今、支援学校が終わって放課後等児童デイに行かれるお子さんは、学校によっていろいろですけど、うちで七割ぐらいですよという学校が二つも三つもあるわけで、本当にたくさんの子どもさんが放デイを利用されますので、ぜひ情報提供だけじゃなくて、お父さん、お母さんが実際にお困り事があるんだったら、それもぜひ聞いていただいて、問題解決に一緒に取り組んでもらえたらなというふうに思います。
 高等部卒業後の進路の問題についても御不安を抱えておられるお母さんたちがおられます。住んでいる地域の事業所とのやりとりを違う地域の学校の先生はしたことないのに大丈夫なのか、通学区域変更でこれまで通っていた先輩の話が聞けない、情報がない、交流もないままでは、子どもの将来の進路が不安である、こういう保護者の声もあります。教員にとっても、知らない地域まで開拓をしていかなければいけないということにもつながっていきます。進路指導というのは適切に行えるんでしょうか。

◎支援教育課長(柴田尚彦君) お答えをいたします。
 従前から支援学校の通学区域割りが複数の自治体にわたる傾向にあります中で、各学校においては、所在地以外の地域も含めまして、さまざまな進路に関する情報を広く収集し対応してきたところでございます。
 今般の通学区域割りの変更に当たりましても、変更前後の学校が連携を図りながら、実習先の確保等、適切に進路指導を実施してまいります。

◆(石川たえ君) 現場の学校の先生が自分の在住地域じゃないからとか、知らない地域だからというてぽんと放り出されるようなことはないということは重々わかっているんですけれども、親同士で交換できる情報がないというのは、本当に不安なことだと思うんです。高校を卒業した後の進路のことですから、これから先ずっと子どもがどうやって生きていくのかということも含めて、親御さんは随分悩んでおられると思いますので、ぜひここにも適切に働きかけもしていただけたらなというふうに思っているのと、ただ、先生方については、また新たな地域に拡大をしていかないといけないという仕事がふえるわけです。働き方改革で教員の多忙化を解消しようと言うてるときに、教員の仕事がふえるわけです。これでほんとにいいのかなという疑問は生まれています。現場に多忙化を押しつけるようなことがあっていいんでしょうか。

◎支援教育課長(柴田尚彦君) これまでも、高等部卒業生の進路指導のために、職場実習でありますとか実習先の確保ということについては、各学校教員が努力しているところでございまして、今後も我々教育庁としましても、高校生の就職に向けて、進路指導を適切にできるよう努めてまいりたいと考えております。

◆(石川たえ君) ぜひ子どもたちのために頑張っていただくと同時に、学校の先生の多忙化にならないようにという配慮も重ねてお願いしておきたいというふうに思います。
 保護者の多くの皆さんは、小中高と一貫した支援教育を求める方がたくさんおられます。大阪府の教育振興基本計画の中では、「幼・小・中・高の発達段階の連続性を大切にした一人ひとりの教育的ニーズに応じた支援を充実します」と基本方向が書かれています。通学域の変更で、小中から高等部に行くときに別の学校に行かないといけない、こういうのは連続性が分断されるのではないかと思いますが、一貫教育を求めるこれらの保護者の声に今後どう応えていくおつもりですか。

◎支援教育課長(柴田尚彦君) 教育の一貫性の確保につきましては、児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた指導や支援を継続できますよう、個別の教育支援計画などを活用しながら学校間で十分な引き継ぎを行ってきたところでございます。
 今般の移行に当たりましても、児童生徒への指導や支援が十分なものになるよう、保護者のニーズもきめ細かにお聞きしながら、丁寧な引き継ぎを実施してまいります。

◆(石川たえ君) きめ細やかにお聞きをしながら引き継ぎもしていただけるということですので、ぜひよろしくお願いいたします。
 ニーズにかかわって、最後に、一人一人のニーズに対応した柔軟な対応ができるのかということについてお聞きをさせていただきます。
 兄弟が別の支援学校に在籍している場合というのが、高等部だけ別の学校に行くと生まれてまいります。兄弟が別の支援学校に在籍している場合、昨年の北部地震のときにも、保護者が、両方の学校から送迎に来てくださいと言われた。北部地震で渋滞してますので、なかなか両方の学校に送迎に行けなかった、こういう事例も出てましたけれども、災害時の保護者送迎は困難を極めます。通学区域はあったとしても、せめて兄弟関係だけは同じ学校に行けるようにするとか、兄弟関係でなくても、障がいの程度や本人の実情に合わせて一番通いやすい学校を選択できるようにするなど、子どもや家庭状況に合わせて柔軟な対応をとることがニーズに応えるということにつながっていくと思います。全ての希望を聞くというのは無理な話だということは私もわかりますが、個々の実情に応じて柔軟な対応をとることは可能なんでしょうか。

◎支援教育課長(柴田尚彦君) 知的障がい児童生徒数が増加し続ける中で、各学校の狭隘化が進んでおりまして、非常に厳しい状況にはありますが、今般の通学区域割り変更に当たって、関係する保護者の御要望等につきましては、学校長等を通じて個別の事情を詳細にお聞きした上で、丁寧に対応していきたいと考えております。

◆(石川たえ君) ぜひ丁寧な対応をよろしくお願いいたします。
 知的障がいのある児童生徒の増加に対応して、どうすれば子どもたちを受け入れられるのか、今、支援課の皆さんを初め教育委員会の皆さんが一生懸命検討されているということはよくわかっているんですけれども、本当に当事者の声を余すことなく聞いているのかという、やっぱりここがちょっと足りないんじゃないかなというふうに思います。
 私たち抜きに私たちのことを決めないで、これを合い言葉に世界中の障がい当事者が参加して作成され採択されたのが、障害者権利条約です。大阪府作成の基本方針でも、「単なる収容対策にとどまることなく、児童生徒や保護者の支援教育に関する今日的な教育ニーズを十分に踏まえ」る、こう掲げていますので、当事者、保護者の意見を酌み尽くし、新校設立を急ぐことを含めて検討を進められることを強く求めて、次の質問に移りたいと思います。

・教職員の働き方改革について

◆(石川たえ君) 次に、教職員の働き方改革についてお聞きをいたします。
 まず、小中学校、府立学校の教員の平均授業準備時間を教えてください。

◎教職員企画課長(柳生国良君) 授業の準備時間でございますけれども、文部科学省が全国の小学校四百校、中学校四百校を抽出して実施しました教員勤務実態調査によりますと、平成二十八年度における小中学校の学内における授業準備時間につきましては、調査対象校全体の平均で、小学校の教員は平日一日当たり一時間十七分、同じく中学校の教員は一時間二十六分となっております。
 高校における教員の平均授業準備時間のデータはございません。

◆(石川たえ君) 小学校、中学校で大体一時間ちょっとか一時間半ぐらいということじゃないかなと思うんですけど、小学校でも六時間授業があるんですよね。中学校の先生は選択なので六時間みっちりあることはないかもしれませんけど、一日の授業準備時間が平均一時間ちょっとというのが果たして足りているのかというのは甚だ疑問なところです。
 全国の公立校を対象に二〇一五年に実施された教員の仕事と意識に関する調査、これは北海道教育大学、愛知教育大学、東京学芸大学、大阪教育大学の四大学による共同調査研究ですけれども、この教員の仕事と意識に関する調査によると、仕事上の悩みや不満十項目のうち、最もその数値が高かったのが、小中高いずれにおいても、授業の準備をする時間が足りないということでした。中でも、小学校教員は、九四・五%とほぼ全員が授業準備時間の不足を感じていた。教員の悩みのワーストワンになっているわけです。平成二十五年の業務実態調査によると、時間外で授業準備をしている先生が、平成二十三年は一二%もおられたわけです。
 授業準備は教育にとっては必要不可欠なものです。本来は時間内に行えるのがベストだというふうに思います。授業準備時間が勤務時間中に全くとれません、こういう学校の先生の声に象徴されるように、授業準備を時間外にしなければいけないほど学校現場は多忙を極めている。時間外労働が減らない要因は一体どこにあるというふうにお考えでしょうか。

◎教職員企画課長(柳生国良君) 府立学校の時間外在校時間数は、出退勤管理システムにより通年で記録を行った平成二十五年度以降、平成二十七年度をピークとしまして、平成二十八年度より前年度比で減少傾向にございます。
 府立学校における時間外に行った業務について、平成二十六年度の時間外在校時間が年間でおおむね千時間以上の教員に対し複数回答により調査いたしましたところ、割合が高いものとして、部活動が約七六%、授業準備・教材研究が約五二%、学校経営・分掌事務が約三四%という状況でございます。
 このような状況を踏まえまして、府教育庁では、従前から教員の働き方改革の取り組みを積極的に進めてまいりました。各種調査の見直しなどを行うとともに、平成二十九年度から全校一斉退庁日及びノークラブデーを実施し、今年度から新たに部活動指導員の活用や学校休業日などを試行実施しているところでございまして、引き続き長時間勤務の縮減に努めてまいります。

◆(石川たえ君) この間、長時間勤務を減らすためにさまざまな努力をしていただいているということはよくわかっているんです。それは引き続きぜひ頑張ってほしいなというふうに思っているところなんですけど、例えば八十時間を超えたらお医者さんの面接があります。悩んでおられる先生もいっぱいおられると思いますので、これ自体は必要なことだと思うんです。ただ、ドクターの面接があった場合、お医者さんは、当たり前のことですけど、早く帰りなさいねって言われるんです。もっと頑張れとは言いません。早く帰れるようにしようねというアドバイスをされます。しかし、帰れと言われても、仕事の量が減るわけではないので、帰れないわけです。結局板挟みで悩み、心が壊れそうになる。だから、医師面接にならないように八十時間を超えないように自主的に表向きは調整しているんです、こういうお話もあります。管理職は教員の時間についてマネジメントしないといけませんから、管理職から七時までに帰るようにというふうに呼びかけられる。七時までに帰りたいのはやまやまやけれども、呼びかけられても仕事量が減っているわけではないので、結局帰れない。すると、後日、なぜ帰れなかったのか報告書を提出するようにと求められる。働き方改革で仕事の量を減らしましょうと言いながら、仕事の量がふえとるわけです。結局、カードリーダーをぴっと先に押して、その後仕事を続ける。もしくは、先輩から、それがマナーやでというふうに言われる場合もある、こんな事態まで今起こっているわけです。
 実際帰れたとしても、土日にその分出勤して仕事をする。土日に出た分は夏休みにまとめてとってねと言われるけど、夏休みは研修もあって、進路指導もあって、結局まとめて休むことはできない。子どもの対応は絶対最優先になるので、かわりの人を頼み割り振りを変えるようにというふうに言われますが、かわってもらった人が今度は超過勤務になるわけです。悪循環が現場に蔓延しているというのが今の実態じゃないかなと思います。
 その上、高校になると、さっき授業準備時間、高校はわかりませんというお話でしたが、わからないかなと思うんですけど、高校って、選択授業で授業数が変わるんですね。一年生から二年生になるときに、もう進路選択でクラス編制が変わりますし、二年生から三年生になるときに、また変わりますね。文系の子はどうすんねん、理系の子はどうすんねん、国公立は、私立はというて細かく変わっていくと、数学をとるというても、数学だけでも三種類あったりとか、英語だけでも何種類もあるという、そういう授業準備を、選択する生徒がいてる限りは絶対その授業をやらないといけないわけですから、みんな高校の先生はやらないといけないので、授業準備の数というのは物すごく多くなっているのが府立学校の現状じゃないかなというふうに思うんです。
 先生は、授業が滞りなく行えるようにと必死に頑張っておられる。だから、仕事が終わらない、こういう悲鳴を上げながら、それでも頑張っておられるわけです。教員が本来の仕事に集中できるようにするためにも、先生の本来の仕事以外の仕事は減らしていかないといけないというふうに思っています。
 府立学校や支援学校では、例えば生徒集めのための学校説明会や中学校訪問、奨学金受給希望の入力作業、この補助など、学校教育法に定めのない業務が今ふえ続けていると聞いています。例えば奨学金の入力作業まで先生が本来やらないといけない仕事なんですか。

◎教職員企画課長(柳生国良君) 教員の業務は多岐にわたり、業務の軽減が必要であるというふうには認識しております。そのため、教育庁といたしましては、日本学生支援機構への奨学金業務簡素化や各種団体主催の例えば学校説明会の合同開催の依頼など、平成三十年三月に作成しました「府立学校における働き方改革に係る取組みについて」の内容を着実に実施し、時間外勤務の縮減を進めてまいりたいと考えております。

◆(石川たえ君) ぜひ取り組みの強化をしていただけたらなというふうに思います。
 大阪府で出しておられる働き方改革の具体的にこういうことに取り組みますという中身一つ一つは非常に大事だなと思う点もたくさんありますので、現場の声によく合わせて、本当にそれを実施していくことで、先生方の仕事を減らしていってほしいなというふうに思います。
 ただ、同時に、授業以外の教務補助をしてくれていた先生というのが二〇〇八年以前まではおられたんですね。印刷してくれる人がおったりとか、家庭科とか理科の実験とか実習の準備とか片づけをしてくれる人というのがおられたんですけど、この人たち三百四十八人がすぱんといなくなったのが二〇〇八年以降です。結局、先生が印刷もせなあかん。実験の準備も先生がせなあかんというて、多忙化に拍車をかけてしまったんじゃないかなと思っていますので、そもそもの時間外勤務の限定四項目を厳守する。そして、同時に人員をふやす努力をしなかったら、やっぱり多忙化解消にはつながらないと思いますが、人員増を進めるつもりはありますか。

◎教職員企画課長(柳生国良君) お答えいたします。
 例えば事務職員についてでございますけれども、小中学校及び支援学校につきましては、いわゆる標準法による定数を基本といたしまして、各市町村や支援学校の状況を勘案の上、配置しているところでございます。
 府立高校につきましては、学校事務の教育庁への集約化などを総合的に勘案して事務職員を配置しているところでございます。
 教員の負担軽減につきましては、先ほどもお答えいたしましたけれども、時間外勤務の大きな要因として、例えば部活動指導というのが挙げられるということもございまして、そういった場合につきましては、ノークラブデーの実施でありますとか部活動指導員の拡充などにより、時間外勤務の縮減に対応してまいりたいというふうに考えております。

◆(石川たえ君) ノークラブデーとか部活動指導員の配置を決して否定しているわけではなくて、それは大いに進めていただきたいと思っているんです。学校閉庁日ももちろんあったほうが先生たちは休みやすくなるので、それも大いにやってもらったらいいかなと思っているんですけど、部活動指導員、去年十人だったんですよね。ことし二十人ぐらいだったと思うんですけど、ほんまにやる気あるのという数なんですよね。十人とか二十人で、学校は何校あるの、クラブは何校あるのという話になってしまいますので、ノークラブデーとか部活動指導員を拡充するというのも、一気に大量に投入する方法はないのかというのも検討してもらったらいいんじゃないかなというふうに思っています。
 私は、そもそも教員の時間外労働を減らすには、教員をふやすこと、本来の仕事以外の仕事をさせないことが大切だというふうに考えています。ただ、残念なことに、国の中央教育審議会の答申は、持ち授業時間数の上限をとか、人員の確保をとか、そういう意見が委員からたくさん出て、教員定数をふやすべきだという意見もたくさん出たんですが、結局最終的な答申には、教員増は盛り込まれなかったんですね。残念な結果やなというふうに私も思ってますけど、なので、大阪府としても、国に教員の定数増を強く強く求めていただきたいなというふうに思っているのと、それ待ちにしないで、大阪府として、まず学校の先生が学校の先生の仕事以外の仕事をしなくていいように取り組みをさらに強化していただきたいということを申し上げて、次の質問に移りたいというふうに思います。

・学校のエアコン設置について

◆(石川たえ君) 次に、学校エアコン設置についてお聞きをいたします。
 昨年九月の議会で、熱中症の事例もお示ししながら、学校体育館へのエアコン設置を求めさせていただきました。来年度予算で体育館への空調設備の予算がつき、大変喜んでいるところでもあります。
 体育館へのエアコン設置とあわせて、特別教室へのエアコン設置もやっぱり必要になっているというふうに思っています。府立学校特別教室へのエアコン設置は進められている、こういうふうに聞いてきましたが、それでも、家庭科室にエアコンがなくて夏の調理実習は地獄だという高校生がいてる。音楽室にエアコンがなくて、近隣住宅との関係で窓を閉め切ってブラスバンドの練習をすると、室温四十度を超えるので熱中症で倒れそうになる、こういう中学生も残されています。特別教室にも早くエアコンをつけてほしいという生徒の声は、府立学校、小中学校ともに少なくありません。現在、特別教室へのエアコン設置の状況はどの程度進んでいますか。

◎施設財務課長(佐々木浩之君) 平成三十年九月一日時点での特別教室の空調設備の設置率につきましては、府立の高等学校におきまして四九・七%、支援学校におきまして八三・九%となっております。また、市町村立の小中学校においては五七・七%となっております。

◆(石川たえ君) 支援学校の設置率は多少高いものの、府立学校、小中学校とも約半分程度の設置になっているわけです。家庭科室や音楽室はめったに使わない教室ではなくて、授業で利用、使用をする教室です。日常の授業で活用するこういう教室にこそ急いで設置することが、児童生徒の学習にとっても必要だというふうに思います。
 小中学校、府立学校とも普通教室のエアコン設置を一〇〇%完了させるために、国事業の活用だけでなくて、大阪府としても支援をすることが必要じゃないかなというふうに思います。今後、特別教室にどのようにエアコン設置を進めていくつもりなのか、見解をお聞かせください。

◎施設財務課長(佐々木浩之君) 府立学校におきましては、現在未設置の空調設備設置の必要性は認識しておりまして、既存空調設備の更新があること、体育館の新規空調設備の設置、また維持管理経費なども勘案し、教育環境の改善、児童生徒の健康保護のため、特別教室への空調設備の設置率向上について検討してまいりたいと考えております。
 また、市町村立小中学校における特別教室への空調設備の設置につきましては、学校設置者である市町村において国の制度を有効に活用して整備を進めていただきたいと考えております。

◆(石川たえ君) 府立学校については特別教室への空調設備の設置率向上について検討していただけるということですので、一日も早く、使っている教室にはいち早くつけるというふうにしていただけたらなというふうに思います。
 特別教室へのエアコン設置とあわせて、小中学校体育館へのエアコン設置も急務になっています。現状では、小中学校体育館へのエアコン設置はほとんど進んでいません。小中学校体育館へのエアコン設置を一気に進めていくためにも、大阪府としても支援強化をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。

◎施設財務課長(佐々木浩之君) 小中学校における空調設備の設置につきましては、学校設置者である市町村において進めていただくべきものであり、府としては、体育館を含む空調設備の設置に必要な予算の確保などについて、国への要望を行ってまいります。

◆(石川たえ君) 必要な予算確保について国に要望していただけるということですので、ぜひ積極的に要望もしていただけたらなというふうに思っています。
 空調設備の整備は、先ほど来、ずっとほかの委員も御質問されていましたが、緊防債以外にも学校施設環境改善交付金というのも使えるわけです。これは、教室へのエアコン設置も対象になっています。国の臨時特例交付金が、三十年度補正予算内ということですが、今行われていますけれども、これは元利償還金の交付税算入をまた特例として引き上げますということも言われているわけです。
 これらの国事業を市町村は積極的に使ってくださいということを、鳴り物入りでと言うたら言葉は悪いんですけど、大いに伝えていただくと同時に、一つお願いがあって、学校施設環境改善交付金、これは体育館とか特別教室とか普通教室にエアコンをつけれる国の事業なんですけど、これは手を挙げても手を挙げても、手を挙げるところが多過ぎて応募しても採択されないというて困ってはるところがいっぱいあるんです。ここの枠を、国としてもっとばんと広げてよというのは、大阪府がはっきり言っていくことが大事じゃないかなと思うので、国に予算確保の要望をしていただけるんでしたら、ぜひこの問題も、ばんと大盤振る舞いで広げてくれというふうに言ってもらえたらなというふうに思っています。
 ただ、国事業の活用をしても地方負担は残ってしまいますので、この地方負担分の一部だけでも大阪府が補助してあげたら、市町村はもっと積極的に普通教室や特別教室、また学校体育館へのエアコン設置に乗り出せるんじゃないかなというふうに思いますので、ぜひ取り組みの強化も求めておきたいと思います。
 次の質問に移らせていただきます。

・暑さ対策、熱中症予防について

◆(石川たえ君) 次に、暑さ対策についてお聞きをさせていただきます。
 昨年の猛暑を受けて、来年度、府立学校に熱中症指数の計測器を設置するというふうにお聞きをしました。暑さ指数三十一度を超えた場合は原則運動中止という日本スポーツ協会指針に沿って、大阪府でも熱中症対策がとられていくというふうに言われていますが、クラブ活動中だけではなくて、体育の授業中でも暑さ指数三十一度を超えたら原則運動中止という対応をするのでしょうか。その場合、代替措置、もしくは授業時間の確保はどうするつもりなのか、教えてください。

◎保健体育課長(田中実君) 府教育庁では、熱中症による事故を未然に防止するため、平成二十年度に日本スポーツ協会が作成いたしました熱中症予防運動指針をもとに、熱中症予防のための運動指針を定め、あわせて教員、生徒が確認できるよう指針の内容をパネルとして作成し、温湿度計とともに全ての府立学校へ配備いたしました。また、学校には、毎年、生徒の安全について万全の対策を講じるよう、注意喚起も行っているところでございます。
 しかしながら、昨年夏の酷暑により生徒の救急搬送等の事案が相次いだことから、事故防止のため、暑さ指数を正確に測定できる計測器を、今後、府立学校に設置することとしております。
 先ほど申し上げました熱中症予防のための運動指針では、暑さ指数により危険度が四段階に分けられており、指数が三十一度以上では運動は原則中止とされております。授業の開始前または授業中に三十一度以上となった場合、運動は一旦中止いたしますが、授業自体を取りやめるのではなく、活動場所や活動内容の変更、例えば空調のきいている教室に移動しまして、かわりに体育理論などの座学を行うなどして授業を継続していることで、授業時間数は確保されているものと考えております。

◆(石川たえ君) 座学等で授業時間の確保をされるということなんですけど、去年みたいにずっと暑い日が続きますと、夏休みがあるのでそんな心配ないかもしれませんけど、ずっと座学になると、冬はずっと外で体育になるんですよね。必要な単元は教えないといけませんので、冬はずっと外で体育とかじゃなくて、座学に切りかえるとか、上手に授業のカリキュラムそのものを組み直してもらって、子どもたちが本当に楽しく学べるような環境をつくっていただけたらいいなと。
 それと、昨年も申し上げましたが、給水タイムをとるということがなかなか徹底されていないのが現状ですので、暑さ指数をはかるだけではなくて、必要に応じて、クーラーがかかっている部屋でも、汗はいっぱいかきますから、給水タイムは必要だと思うんです。なので、給水タイムをとるなど、熱中症の対策を万全にできるように、ぜひ学校現場に徹底していただけたらなというふうに思っています。

・中学校給食の推進について

◆(石川たえ君) では、次に中学校給食についてお聞きをさせていただきます。
 この間ずっとお聞きをしていますが、中学校給食の実施率は約九三%まで上がっています。しかし、選択制を導入している市もあります。全体で今喫食率は何%になっていますか。

◎保健体育課長(田中実君) 平成三十年五月一日の中学校給食の実施状況をもとに、選択制で実施しております十一市の喫食率を生徒数に掛けて試算いたしましたところ、その割合は約六〇・五%でございました。

◆(石川たえ君) 実施率は約九三%、喫食率は約六〇・五%。実施率と喫食率の間に随分差があります。給食を食べていないということだなと思います。この差がある子たちがみんな御飯を食べていないかというとそうではなくて、弁当を食べてる子もいてますし、購買部やコンビニで買ってきてる子もいてるので、みんながみんな食べていないというふうに言うつもりはありませんが、給食を食べれていない子どもさんの中に、実は貧困の子どももまざっています。この子たちは御飯を食べれないんです。
 大阪府は、子どもの貧困対策として中学校給食の実施を掲げているというふうに認識しているんですが、これは間違いないですか。

◎保健体育課長(田中実君) 平成二十七年三月に府が策定いたしました大阪府子ども総合計画におきまして、子どもの貧困対策の方向性に係る具体的取り組みとして、中学校給食導入促進事業が掲げられております。
 この事業は、学力や体力の根幹となる中学生の食を充実させ、全ての子どもたちの教育条件を整えることを目的として、平成二十三年度から平成二十七年度にかけて実施したものでございます。
 大阪府教育庁といたしましては、家庭の事情で十分な昼食をとることができない生徒に対しましても、栄養管理された給食を決まった時間に決まった量をきちんととってもらうことが重要と考えております。

◆(石川たえ君) 家庭の事情で十分な昼食をとることができない生徒に対しても、栄養管理された給食を決まった時間に決まった量をきちんととってもらうことが重要、今こういうふうに御答弁がありまして、私も全くそのとおりだというふうに思っています。
 この教育庁の姿勢って非常に大事だなと思っているんです。ただ、実際に食べることができない子どもが現状として残っているわけです。しかも、一人とか二人とかいう話ではないんですね。貧困であるがゆえに給食も注文できない、弁当も持っていけない、コンビニに行くお金もない。食べることのできない子どもが残っているこの状況を、今後どう改善していこうと思っておられますか。

◎保健体育課長(田中実君) 中学校給食は、市町村の主体的な判断のもと実施されるものではございますが、大阪府教育庁といたしましても、中学校給食の導入に伴いまして、食に関する実践的な指導を行う栄養教諭の加配措置を行っているところでございます。
 また、学校の教職員や市町村教育委員会の担当者などを対象といたします食に関する指導実践報告会を開催し、生徒自身に食事の重要性を理解させるため、骨密度測定を活用した指導事例の実践報告や、給食の申し込み方法を協議するなど、市町村教育委員会と連携し、食の指導についての取り組みを進めているところでございます。

◆(石川たえ君) この食の指導の取り組み、私も資料をいただきましたけど、なかなか頑張っておられる。食べるということがいかに大事なのかというのが子どもにもよく伝わる取り組みだなというふうに評価はしているんですけど、ただ、そうしますと、栄養教諭が親のかわりにお金を払って給食を食べさせてくれるかというのはまた別の話です。栄養価の高い弁当を栄養教諭がかわりにつくってきてくれるのかというと、そうではありません。授業の中で、食がいかに大事かというお話をしてくれるんです。授業で食の重要性を子どもたちがたとえ理解したとしても、金銭的理由で注文すらできない子どもは、御飯を食べることは大事と習って、でも御飯を食べられない現実の前にたたずんでしまうわけですよ。貧困対策としてどうやって食べさせてやるのか、この視点がやはりまだ抜けているのではないかなというふうに思っています。
 全員給食は、栄養価の高い給食をきちんと必要量食べられるまさに貧困対策、支援策の一つです。実施率と喫食率に大きな差を残したままではいけません。大阪府として、中学校給食は全員給食にする、こういう位置づけをはっきりさせてほしい。そして、選択制から全員喫食に切りかえるための新たな補助制度をつくってでも、市町村をしっかり支援して、大阪の子どもは、栄養価の高い給食を必要な量を全員が食べられる、こういう仕組みに切りかえてほしいなというふうに思っていますが、いかがでしょうか。

◎保健体育課長(田中実君) 中学校給食の実施方法につきましては、地域の実情を踏まえて、各市町村の主体的な判断のもと、最もふさわしい方法で実施されているものと認識しており、新たな補助制度の創設は困難と考えております。

◆(石川たえ君) この間、ずっと困難や困難やと言われているんですけど、困難や困難やと言うてる間に、食べることのできない子どもは放置されていきます。子どもたちを放置しておくわけにはいきません。小学校の間は全員給食のところがほとんどですから、貧困家庭の子どもは、学校に来たら一回だけは栄養価の高い御飯が食べられるんですよ。でも、中学校に行ったら、選択制であったらこの子は御飯が食べられないんです。見るに見かねて、先生がおにぎりを持ってきてくれるという、そんなことはたくさんありますけど、その先生が転勤しちゃったら、この子はやっぱり御飯は食べれないんです。なので、御飯を食べられない子をほっておかないということが大事じゃないかなというふうに思いますので、この問題は知事にも質問したいと思いますので、よろしくお願いします。

・子どもの虫歯、口腔崩壊について

◆(石川たえ君) 次、子どもの虫歯についてお聞きをいたします。
 これも昨年の一般質問で取り上げさせていただきましたが、今、子どもの口腔崩壊というのは非常に深刻になっています。大阪府が行った子どもの生活実態調査の中で、自分の体で気になることとして、歯が痛い、こう答える子どもが三・七%いました。
 平成三十年度、大阪の学校保健統計調査報告書では、平成二十九度比で、中学校、高校は虫歯の割合は減っていましたが、幼稚園、小学校ではふえていました。全国値と比べても高かったんです。大阪府歯科保険医協会の学校歯科治療調査では、学校歯科検診後の未受診生徒数は小学校で四八・七%、中学校で七一・八%にも上りました。歯の根っこしか残っていない口腔崩壊と見られる児童生徒に出会ったことがあるか、この問いに四八・九%の小学校、三三・三%の中学校でいたというふうに答えられており、未受診の子どもの中には、貧困を疑うようなグレーゾーンの子どもがおり、その中に口腔崩壊の予備軍がいます。
 子どもの歯の健康を守ると同時に、口腔崩壊の児童生徒を放置しないためにも、各学校の実情をつかみ、対策をとる必要があると思います。学校歯科検診後の受診調査を府として行っているでしょうか。

◎保健体育課長(田中実君) 児童生徒の歯と口の健康づくりにつきましては、各学校において、学校歯科医の助言も受けながら、歯科検診や健康相談を通じて適切に取り組まれているものと考えております。
 また、学校歯科医が個別に指導するなど、児童生徒一人一人の状況に応じて各学校が対応していることから、教育庁としては、府全体の歯科検診結果等の状況については把握することは行っておりません。
 しかしながら、家庭環境などにより医療が必要であるのに受けられないといった健康課題を抱える児童生徒の支援のためには、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の専門家や福祉機関等との連携も重要であると考えております。今年度においても、市町村教育委員会の学校保健の担当課や養護教諭の連絡協議会のほか、教職員を対象とする学校保健に関する研修会を通じまして、福祉機関等と連携した取り組みの重要性について周知してまいりました。
 今後も引き続き、さまざまな機会を通じて働きかけてまいりたいと考えております。

◆(石川たえ君) 昨年お願いしてから、やらないと言って、結局そのままやっておられなかったんだなと非常に残念に思っているところです。
 各学校において歯科検診や健康相談を通じて適切に取り組まれているというふうに言われていますけど、適切に取り組まれていたのであれば、未受診の子どもがこんなにたくさんいるはずはないんです。子どもは緑の紙を持って帰ってきますから、C3とか書かれているわけで、ちゃんと歯医者さんで治療が終わったら、それを学校に返さなあかんのです。私も忘れたことはありますけど、それを返さへん親もいてますし、実際歯医者さんに行ってない子もいてるんです。
 なので、歯科検診後の受診をしているかしてないかをきちっと後追いしないと、本当に適切に子どもの歯とお口の健康づくりに取り組んでいくというふうにはならないと思うので、学校歯科検診後の受診調査というのは、市町村や学校がやるべきだと言わずに、歯が痛いという子が生活実態調査の中ではっきり出てきているわけですから、この子らを放置しないためにも、未受診の数をどんどん減らすための努力を大阪府としてやっていただきたいなというふうに思います。
 口腔崩壊を起こす前に、虫歯にならない予防が必ず必要です。ネグレクトを疑うような家庭では、歯磨き習慣すらありません。また、子どもの歯の健康を守っていくことは、健康な体をつくっていくためにも必要不可欠です。虫歯予防としてフッ化物洗口やフッ素塗布を行っている県もあります。今、フッ化物洗口のトップは佐賀県、実施率八六%です。虫歯数が一番少ない新潟県、これは六三%の施設でフッ化物洗口を実施しています。大阪は、フッ化物洗口を実施している施設は〇・一%、全国最下位です。大阪府として、学校歯科検診時にフッ素の塗布を行う、またはフッ化物の洗口を行うように市町村に働きかけるとともに、費用負担も大阪府がすべきだと思いますが、いかがでしょうか。

◎保健体育課長(田中実君) 平成二十三年に文部科学省が発行いたしました「『生きる力』をはぐくむ学校での歯・口の健康づくり」、これにおきまして、学校におけるフッ化物の活用については、学校歯科医の管理と指導のもと、児童生徒や保護者に対して十分に説明した後に同意を得て実施する必要があり、児童生徒の実態等により実施する場合には、厚生労働省のフッ化物洗口ガイドラインを参考に、慎重かつ適正に実施する必要があると記載されております。
 各学校において実態はさまざまでありますことから、学校におけるフッ化物の使用につきましては、設置者である市町村教育委員会の指導のもと、各学校の実情に応じて実施するものであると認識しております。

◆(石川たえ君) 学校を主体として実施するのは当然のことですが、今、学校が主体となって実施されていないわけですから、大阪府がきっちり実施しましょうというふうに言わないと、実施はされていかないというふうに思います。
 学校、園におけるフッ化物洗口は、学校保健管理の一環として位置づけられ実施されることにより、教育的、組織的、環境的、経済的支援が有効に働き、長期の継続実施につながり、公衆衛生的な利点が最大限に発揮される、こういうふうに国でも明らかになっているように、長期の継続実施を行うことが虫歯の予防につながります。市町村任せ、学校任せにしていては口腔崩壊は防げません。大阪府として、子どもたちの歯を守る。貧困対策の一環としても、学校歯科検診時のフッ素塗布やフッ化物洗口を位置づけて、取り組みを強化するように強く求めておきたいと思います。
 口腔崩壊も放置しておけませんので、知事質問をしたいと思います。

・チャレンジテストについて

◆(石川たえ君) 最後に、チャレンジテストについてお聞きをいたします。
 今後、検討を開始するというふうにお聞きをしました。この間、チャレンジテストについて、廃止を求める意見書など、市議会を初め保護者や教員からも繰り返し意見や要望が届いていると思います。これらの意見書、また保護者の意見をどのように受けとめておられますか。

◎小中学校課長(桝田千佳君) チャレンジテストの二つの目的、学力向上と公立高等学校入学者選抜の評定の公平性の担保なんですけども、この二つについてさまざま御意見をいただいておりまして、現行制度にどのような課題があるのかをしっかり検証して、その解決の方法を探り、進めていかなければならないと考えておるところでございます。

◆(石川たえ君) 私は一貫して、チャレンジテストは検証しないとだめよというふうに申し上げてきたというふうに思うんです。やっと検討開始が始まるということで、非常に喜んではいてるんですけど、突然検討開始が始まる理由は一体何でしょうか。

◎小中学校課長(桝田千佳君) 突然というのではなく、この間もずっと御意見をいただく中で、検証、改善は進めてきたのではありますが、この間、子どもたちの学力向上につながるテストとしてのあり方、それから公立高等学校の入学者選抜の評定の公平性について意見をいただく中で、議論はずっと続けてまいるんですが、このたび次年度の九月あたりをめどに一定やっていこうという、先を示したところでございます。

◆(石川たえ君) この間私は、チャレンジテストが導入されてから一貫して、チャレンジテストによって子どもも学校も競争に追い立てられているよということを指摘をしてまいりました。たった一回のテストで一年間の評価が覆ってしまいます。教師はやりがいを失い、子どもはプレッシャーで体調まで崩していること、高校入試選抜に利用するがために、過去問を冬休みの宿題に出す。中には、日めくりカレンダーをつくって、チャレンジテストまであと何日、こう言って子どもを追い立て、競争を激化させていること。学校ランキングにもつながることで、おまえがいてるからだと友達を攻撃し、ごめんなと謝りながら友達と弁当を食べる、こんな子どもたちの友人関係をも破壊しているのがチャレンジテストだというふうに思います。自分の通学域の学校ではランキングが低くなるのでと転校までする子どもも生み出しています。何度も何度も申し上げてきましたが、こんな状態では、学力向上に本当につながっていかないというふうに思います。
 学力向上の側面で、確かに成果があらわれている部分というのもあると思います。ただ、これを入試選抜に利用することで、結局そもそもの教育の目的から外れていくのじゃないかなと思います。
 教育の基本は、子どもに学ぶ楽しさを教えることです。今実施しているチャレンジテストが、子どもの学力向上のために本当に役に立っているのか、公平性の担保というけれども、統一テストを利用せずに公平性を担保している県もありますので、入試選抜への利用が本当に正しかったのか、現場の声、子どもの声をしっかり聞いて、廃止も含む検討を前向きに進めていただきたいということを強く申し上げて、私の質問といたします。ありがとうございました。



   


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