トップページ
Google
WWW を検索 日本共産党府議団サイト内を検索
議員おもな活動政策・見解議会活動府政資料リンク

議事録


健康福祉常任委員会(2018年3月16日) 宮原たけし府議の質問


・国保制度・介護制度について

◆(宮原威君) よろしくお願いいたします。共産党の宮原威でございます。
 まず最初に、表を手元に配っているんですけど、国保料と介護保険料が、大阪の場合、全国的に見ても高過ぎると。上昇率も多い。この高過ぎるという認識と改善するという知事の意思、これについて御答弁をお願いします。
◎知事(松井一郎君) 国民健康保険料につきましては、被保険者一人当たりの平均所得の減少に伴い、所得に占める保険料負担率が増加をしています。介護保険料については、要介護認定率の上昇や低所得者の割合が多いなどの理由により、大阪府においては、全国と比べても厳しい状況であると認識をしています。
 保険料を下げる努力につきましては、健康づくりや医療費適正化の取り組みを進め、ひいては、できる限り保険料が上がらないように目指してまいりたいと考えています。
◆(宮原威君) 次に、市独自に介護保険料の減免制度をやっているところがかなりあります。これは大半です。それから、利用料の減免制度というのは七市やっています。府は財政的支援をするべきだと思うんですけど、その点、どうでしょう。
◎知事(松井一郎君) 介護保険料も国民健康保険と同様、保険であることから、受益と負担の公平性の確保や被保険者以外の方への負担の転嫁を避ける観点から、市町村が実施する保険料及び利用料の減免分に対して府が財政支援を行うことは適当ではないと考えています。
◆(宮原威君) 極めて残念で、再考されるように求めておきたいと思います。
 次に、特別養護老人ホームというのは高齢者にとってのセーフティーネットですね。八千人近い待機者がある。そういう点でも、施設整備を促進するために、あるいは入った人の処遇を改善するために、特養整備のための府の補助金、広域型ですけど、二百七十万円を三百七十一万円に、一遍にはかなわんにしても復元する考えはありませんか。
◎知事(松井一郎君) 特別養護老人ホームの整備補助金は、他府県の状況等も踏まえながら見直しを行ったものです。整備補助金の見直し以降も、市町村が見込んだ必要量に基づく高齢者計画の整備目標はおおむね達成できております。
 今後とも、高齢者計画に基づき、特別養護老人ホームの整備を進めるとともに、住みなれた地域で暮らしていけるように、定期巡回や随時対応型の訪問介護・看護といった地域密着型のサービスの充実を図るなど、介護保険サービスの全体で対応してまいります。
◆(宮原威君) その点も残念だ。必要量は足りていると言いながら、実際には八千人待機者がいるわけですから、八千人近いね。それはもう全く納得できないということを申し上げておきたいと思います。
 次に、一般質問でもお願いしたんですが、高槻市では三つ減免制度がありまして、そのうちの二つを大阪全体でやったらどうかと、これ、金もかかりませんよということを申し上げたんですけど、一つは、国保の保険料が所得の一六%を超える世帯に一六%を超えた分は取らない、減免する。それから、もう一つは、七・五・二の法令軽減に該当して、なおかつ所得割がゼロの世帯については、高槻の場合は、これ、平成二十五年度以来据え置くということをやってきているんですが、大阪府でいえば、例えば来年度以降据え置く、こういうことは二十億円から二十五億円ぐらい市町村と合わせても、半々でいえば十億円とか十二億円とかになりますが、そういうことを府として実施するというつもりはございませんか。
◎知事(松井一郎君) 保険料の減免は、災害や失業などの一時的に負担能力が低下した方について実施するというのが基本的な考えであります。府内統一の減免基準を設定したものであり、府といたしまして、お示しのような減免を実施することは考えておりません。
◆(宮原威君) 国のほうはもう少し緩い基準なんですね。そういう点は、ちょっと大阪のほうが加入者にとっては残酷だなということは指摘をしておきたいと思います。
 知事も、健康づくりは大事だというふうにおっしゃいましたので、幾つかお聞きしたいんですが、一つは、国保の健診率が大阪は三〇%で、平成三十五年に六〇%にするというのから見たら、極めて心もとないというか、恐らく達成しないテンポなんですね。
 それから、協会けんぽが、大阪府の場合、やっぱり中小企業が多いですから、これはもちろん事業者の責任なんですけれども、協会けんぽの特定健診率と国保の健診率を上げないと、大阪は全国よりうんと低いわけですから、健康づくりは全くできないというふうに思います。この点についての答弁と、それからもう一つは、がんはやっぱり医療費が非常にかかる病気ですから、市町村では、例えば堺ではワンコイン、高槻では全くゼロのがん検診をしています。こういう市町村がやっているがん検診について、大阪も受診率は低いわけで、ぜひ市町村に財政支援を行うべきではないか、これが二つ目です。
 それから、三番目は、国保の特定健診の項目なんですが、府の基準よりも充実している市町村があるんですね。これについて、府は支援をするべきだと思いますが、どうでしょうか。
◎知事(松井一郎君) まず、国保における特定健診の受診率向上に向けては、国の交付金制度に加えまして、府のインセンティブ制度を重ねて評価して、市町村の取り組みを促進するとともに、被保険者へ直接ポイントの付与を行い、受診意欲を喚起してまいります。
 協会けんぽにおける特定健診の受診率向上に向けては、健康経営の支援や連携協定に基づくデータ分析などを通じた技術的支援に取り組んでおります。
 今後とも、医療保険者や保健医療関係団体などと連携を強化し、職場における受診啓発など、特定健診の受診率向上を目指してまいります。
 がん検診については、実施主体であります市町村において、住民の受診勧奨や普及啓発を実施しています。府といたしましては、市町村に対し、受診勧奨や制度管理等の技術支援を実施しています。今後、さらに府民への健康づくりに係る機運醸成や市町村との連携による健康づくり支援、プラットフォームの整備事業の情報発信の取り組みを通じて、特定健診とともに、がん検診の重要性を広く働きかけてまいります。
 特定健診の検査項目については、国の定める項目を上回る府内の共通基準を定めるとともに、共通基準以上の検査項目を実施している市町村には、実績に応じた交付金を交付することで健診内容の充実を図ってまいります。
◆(宮原威君) 一つだけ重ねてお願いをしたいんですけど、協会けんぽの受診率、これは中小企業が多いので、かつてはこういうことをやっていたんです。ハト号というのを保健所が出して、中小事業者の工場のところなんかに行って、そこの地域の工場群の人たちを健診する、こういうこともやっていたんですけど、そういう府独自に大きく前進するようなやり方というのは考えられませんか。
◎知事(松井一郎君) 医療保険者や保健医療関係団体との連携を強化し、職場における受診啓発など、特定健診の受診率向上を目指してまいります。
◆(宮原威君) その連携強化の中身をもっと充実するようにということは強く要望しておきたいと思います。
 それから、要介護一とかそんなんでも、認知症の場合なんかはどうしても大変な御負担に家族もなるし、それから社会全体にもそういう認知症ができるだけ少ないほうがいいということは決まっているので、早期発見ということと、それからそれを治療につなげて認知症の進行をおくらせる、これはいろいろ高槻とかいろんな各市でも努力をされています。こういうことについて、府の取り組みをどう強めるかということについて御答弁をお願いしたいと思います。
◎知事(松井一郎君) 認知症については、市町村において認知症予防を含む介護予防の取り組みが進められておりまして、また平成三十年度には全ての市町村に認知症初期集中支援チームが設置をされます。府といたしましても、市町村の好事例を情報提供するなど、早期診断、早期対応と発症予防の取り組み効果が上がるように支援をしてまいります。
◆(宮原威君) 認知症については、一つの大きな問題点は専門機関が少ないということと、それからもう一つは、一部ですけど、行きたがらない、認めたがらない、自分が認知症かもしれないということをね。診断に行ってくれると、それは大きく状況が改善されるんですけど、行かないとどうしてもどんどん加速的に進むという人も、全員じゃもちろんないんですけど、出てくるので、単に好事例というだけではなくて、府の広報などを使って、本当に認知症は病気やから早く行けと、別に何も恥ずかしいことじゃないんだということをぜひ知事を先頭に大きく広げていただきたいと思うんですけど、その点、どうですか。
◎知事(松井一郎君) これは宮原委員と完全に意見が一致しております。認知症は早期発見がその後の重篤化につながらないということで、これは非常に早期発見、早期診断が大切なことでありますから、私自身も、認知症の疑いを持たれているそういう方々に、その御家族にも早期に受診をしていただけるようにしっかりと広報啓発をしていきたいと、こう思います。
◆(宮原威君) 最後に、一つ聞いておきたいんですけど、確認といいますか、しておきたいんですが、六年間で国保料というのは激変緩和なんかを終えるというのが大阪府の政策なんですけど、仮に七年後以降、市町村が減免を行うための一般会計からの繰り入れをしたと、これは当然、市町村の権利ですから、七年後以降も権利だということはお認めになると思いますが、どうでしょうか。
◎知事(松井一郎君) その七年後以降、市町村の権限の中において独自の政策をされることに対して、大阪府としてそれを強制的に停止させる、そういう権限は大阪府にはないと、こう思っています。ただ、これは私がずっと申し上げてきたことですけれども、やっぱり保険料というのはあくまでも保険でありますから、まさに保険の加入者によって制度を成り立たせていくというのが大前提であると思います。他の財源から保険会計に繰り入れすることに対しては、やはりいかがなものであるかなという思いは持っております。
◆(宮原威君) その点は一般質問でも申し上げたんですが、もともと国保というのは国が五割持っていたんですね。今は七割の五割になりました、三五%。実際は三五%もなくて、三〇%と思っておったぐらいです。だから、公費負担というのは前提なんですけど、その公費が少ない中で市町村が出しているという状況があるんですね。
 もう一つは、税金、税金とおっしゃいますが、国保加入者も消費税は払っているんです。消費税というのは今、最大の項目の一つですよね、地方にどれだけ来るかという問題は別の問題として。そういう点では、国保加入者も、当然、納税者が大半を占めているわけですから、消費税だったら全員ですね。そういう場合に、税の公平性ということを言われて、何か国保加入者が税金を払っていないみたいな、もちろん知事はそうおっしゃってはないんだけど、そういう前提で物を言われるというのは納得できないんですが、その点は再考していただけませんか。
◎知事(松井一郎君) 先ほど、協会けんぽの中小企業のそういう加入者の皆さんも、消費税はもちろん納められていますし、大阪府としては法人税もいただいているし、一人一人の所得税も全て納められているわけですよね。その方々は、他の国保じゃない、別の保険に加入をされているわけです。そういう人たちも、市民税は各市に住民税としてお支払いいただいているわけですよね。国保の加入者の皆さんというのは全体の四分の一の方々であります、約二五%。その方々の保険料を軽減させるために、他の四分の三の税をそこに投入するということは、少し税の公平性を考えれば、僕は違うと、こう考えているところです。
◆(宮原威君) 市町村がやるということはお認めになりました。市町村は、当然、市議会の意見とか住民の皆さんの意見を聞きながら、財政が許す範囲で一般会計からの繰り入れをするわけです。高槻市でも、残念ながら、一般会計からの繰り入れは減っています。それは仕方ないことという一面もあるんですけど。だから、そこは市町村とか住民を信頼して、余り嫌じゃ言わずに、お任せするというふうにここで言っていただいたらいいと思うんですけど。
◎知事(松井一郎君) 市町村の国保料への一般会計の繰り入れは、現時点では強制的に我々がそれを停止させる権限はありません。しかし、保険という性質上、それから税の公平性からいうと、私は一般会計からの保険会計への繰り入れは適当ではないと、こう思っています。
◆(宮原威君) 政治というのは、取った税金の所得の再配分なんですけど、その点は御承知の上でなおかつ今のような答弁をされるんですか。
◎知事(松井一郎君) もちろん、もう予算編成を六回やっていますから、それは全てわかった上で、だから宮原委員が言われるように、税の再配分なわけですよ、政治というのは。今、日本の国にはあり余るほどの税の財源というのはないわけです。そういう中で税の公平性というものに鑑みて、保険会計というのは成り立たせていくべきだと、こう思っています。
◆(宮原威君) あり余るとは言っていません。私が言っているようなことを全部やっても、これは福祉とかそんなんだけじゃなくて、我々がいつも言っているようなことを全部やっても二百億円、三百億円のレベルです。それは百分の一なんです、大阪府の予算のね。それでもそういうことをおっしゃるんですか。
◎知事(松井一郎君) 現在の大阪府の財政状況は、宮原委員もよく御存じのように、まずは減債基金の積み立て不足が約千六百億円、これから積み上げなければならない、そういう財政状況です。そもそも五千二百億円の積み立て不足がありましたから、これは残り千六百億円までこれを積み上げてきたわけですけど、いまだに将来世代への借金の繰り延べという形で千六百億円の減債基金の積み立て不足があるわけですから、やはり厳しい財政状況においては、宮原委員が言われるようなそういう形の税の支出は厳しいと、こう思います。
◆(宮原威君) 財政運営基本条例は、平成四十九年までにそれを解消するということにしているわけですから、その点は、二百億円ぐらいの税を出してくるというのはそんなに難しくないということは申し上げておきたいと思います。

・ギャンブル依存症について

 最後に、ギャンブル依存症について聞きたいと思いますが、直近の数字でいっても、やっぱり大阪には二十万人ぐらいのギャンブル依存症はいる。実際の相談件数は二百件ですけど、大阪の治療の実績と、それから基本的な対策についてどうお考えでしょうか。
◎知事(松井一郎君) 現在、全国のギャンブル依存症の患者数は過去一年以内で見ると七十万人と推計される調査もあり、府内の患者数の正確な把握は厳しいですけれども、ギャンブル等依存症への対策は喫緊の課題であると認識をしております。
 これまでも重点施策として依存症対策に全庁を挙げて取り組んでいますが、今後も、依存症に悩む当事者や家族のニーズを十分踏まえ、関係機関と連携しながら、全国でも総合的な対策の取り組みが最も進んでいる、そういう自治体を目指したいと、こう思っています。
◆(宮原威君) 実績を聞いたんですが。
◎知事(松井一郎君) ちょっと数字の話は担当部局で。
◎地域保健課長(北邨健司君) 相談件数でございますでしょうか。お答えいたします。
◆(宮原威君) 両方。
◎地域保健課長(北邨健司君) 相談件数につきましては、二十九年の四月から十二月で、こころの健康センターで百五十七人の相談件数、実数となっております。保健所では四月から十二月で四十七人で、約二百人となっております。
 精神医療センターでの治療プログラムの試行実施をしておりますが、その四月から十二月までの実績では十二人となっております。プログラム自身につきましては、二十八年八月から実施しておりまして、現在までで延べ三十七人の実績となっております。
○委員長(山下浩昭君) 宮原委員に申し上げます。申し合わせの時間が。質問は簡潔に。よろしくお願いいたします。
◆(宮原威君) もう時間が来ていますので、質問はせずに意見だけ申し上げておきたいと思うんですが、ギャンブル依存症というのは根本的治療がなくて、一旦治ってもまた再発するというのが依存症の特徴です。そういう意味でいうと、大阪に二十万人から三十万人の依存症患者がいるだろうということは、本当にギャンブルは大変なことなので、今の十二人とかそういう点からいっても、本当にまだ始まったばかりなので、もっと根本的に強めていただきたいということをお願いして、質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。




   


トップページ | 議員 | おもな活動 | 政策・見解 | 定例議会 | 府政資料 | リンク
(C)日本共産党大阪府議会議員団
大阪市中央区大手前2丁目大阪府庁 TEL06(6941)0569 FAX06(6941)9179 メールjcp@gikai.pref.osaka.jp