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議事録


決算特別委員会 商工労働部、環境農林水産部(11月21日) 宮原たけし府議の質問

・森林環境税を含めた山の整備について

◆(宮原威君) 日本共産党の宮原です。
 決算概要報告書の森林環境整備事業及び森林整備保全事業に関して幾つか聞きたいと思います。
 平成二十四年度以降、決算額、間伐実施面積ですね、この推移を見ると、平成二十三年までは間伐対象面積の大半が実施されていたんですけれども、森林環境税を入れた二十八年度も三、四割しかできてないんですが、こういうふうに森林環境税を入れながら、なおかつ間伐実施面積が大きく減ったこの理由は何でしょうか。
◎森づくり課長(池口直樹君) まず、間伐についてでございますけれども、大阪府域の約三割を占める周辺山系の森林につきましては、土砂の流出や崩壊の防止等を初め多面的な機能を有しており、府民生活の安全安心を守るためには、それらの機能を十分に発揮させる必要があるというふうに考えております。間伐は、そのための森林管理作業の一つであるという認識でおります。
 平成二十四年度以降、決算額、間伐面積が減少しました理由は、平成二十三年度に加速化基金事業が終了したためであります。また、平成二十四年度以降、国の方針が変わりまして、それまでの伐採して林内に置いておく間伐から、伐採後林外へ搬出する間伐に変わったために、間伐実施面積が減少しております。
 大阪府におきましては、平成二十八年度より森林環境税による事業を導入し、流木対策とあわせて森林整備も実施しております。また、基幹的作業道の舗装などの基盤整備等も実施し、間伐の促進を図っているところでございます。
◆(宮原威君) 国の予算が減ったので、結局、間伐の面積も減ったという理解でいいんですかね。
◎森づくり課長(池口直樹君) そうですね、国の予算が減ったというよりも、国の補助事業のメニューの変更というか、先ほど申しましたように、それまでは間伐した木を林内に置いておくという手法が認められておったんですけども、二十四年度以降は、切った木を持ち出すという--搬出間伐と呼んでおりますけれども、それをすることによって補助が得られるというふうに事業メニューが変わりましたので、その結果、山の所有者さんは、そこまでなかなかできないと、赤字になるということで、事業実績が伸び悩んでいるというところでございます。
◆(宮原威君) 平成二十八年度の間伐の実施率というのは、三九%なんですね。二十三年度でいうと一〇二%、六九から一〇〇ぐらいがずっと四年間続いていたんですが、その理由で、林内に置いておくことから持ち出し間伐に変わったということと、それに関係する予算が終わったという御答弁だったと思うんです。
 どちらにしても、間伐が三九%ぐらいしか決算年度においてできてない。その以前も、二十四、二十五、二十六、二十七も大体三〇から四二の間で推移しているんですが、そのことが、広い意味の防災とかあるいは地球温暖化防止に関連をして極めて重大だという認識はございますか。それから、それに対してどういうふうにしようとされていますか。
◎森づくり課長(池口直樹君) 先ほども少し申し上げたんですけども、森林の有する多面的機能を十分に発揮させるためには、間伐推進も必要であると認識しております。
 また、森林所有者、府民、ボランティア団体、企業等と行政が協働して取り組んでいるところであり、引き続き間伐の一層の推進に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
◆(宮原威君) 時間がないので、その次にいきます。
 しかし、一方で、現状では、間伐材を搬出してもなかなか利益を生まないということが現実です。そういう点では、大阪府や公共的な役割を果たしているような市町村--自治体ですね、そういうところが、企業なんかの協力も得て間伐材をどういうふうに使うかということが必要だと思うんですが、そういうことについて、決算年度で大体どういうことをやっておられるかということを御答弁ください。
◎森づくり課長(池口直樹君) 森林は、府民共通の財産というふうな意識を醸成いたしまして、森林ボランティア、企業など多様な主体が参加した府民との協働連携による森づくりを進めていく必要があるというふうに考えております。
 現在、四つの農と緑の総合事務所ごとに市町村や地元住民、企業などが参画する森づくりサポート協議会というものを設置しておりまして、森づくり活動が円滑、持続的なものとなるよう技術、人材、事業に関する情報の提供を行っているところでございます。
◆(宮原威君) それ以外にも、森林環境税を使われて、保育所とか幼稚園なんかの子育て施設を対象に子育ての施設の木のぬくもり推進事業などもやられているんですが、どちらにしましても、近年の集中豪雨などを見たときに、この問題は、森林環境税を入れながら、なおかつ非常に間伐がおくれているというのは、極めて重大だと思いますので、知事に後日質問をしたいと思います。

・障がい者雇用事業について

 続きまして、障がい者の雇用について質問をさせていただきたいと思います。
 決算概要書の百八十九ページ、障がい者の雇用事業なんですが、ハートフル条例をつくられて、大阪府と取引のある企業の中で法定雇用率が未達成の企業について、雇用を進めるサポートをするということをやっているんですが、決算年度の計画企業数と雇用数、それから二十八年度に計画が終わった八十七企業の中で達成企業と未達成企業の企業数は、それぞれ幾らぐらいか。
 それから、条例が施行された二十二年度--二〇一〇年度ですが、二年計画なので数字は二十三年からしか出ないと思いますが、二十三年度から二十七年度までの計画を提出した企業数と雇用実績、それぞれお答えください。
◎就業促進課長(柴田昌幸君) お答えします。
 大阪府では、平成二十二年四月施行のハートフル条例に基づきまして、府と契約を締結、あるいは補助金の交付決定や公の施設の指定管理の指定を受けた企業など経済的なつながりのある企業のうち、法定雇用率が未達成の企業を対象に、障がい者の法定雇用率の達成に向けた誘導、支援を行ってございます。
 指導、支援の対象となった企業は、原則二年間雇い入れ計画を策定しまして、その二年間の間に達成に向けた取り組みを実施していただきます。条例の施行が、平成二十二年でありますことから、計画が終了した企業が達成状況報告を提出するのは、委員お示しのとおり平成二十三年度からになります。
 条例施行後に達成状況報告書を提出した企業並びに府内での雇い入れ実績につきましては、平成二十三年度から平成二十七年度までの五年間で八百社、千七十三人となっております。平成二十八年度につきましては、八十七社、百三十五人となっておりまして、八十七社のうち、法定雇用率を達成したのが三十九社、未達成が四十八社となってございます。
◆(宮原威君) 決算年度は、精神・発達障がい者の職場定着といいますか、そういうことも仕事をしていると思うんですが、時間の関係で、もうそれぞれのことは申し上げませんが、身体、知的、それから精神などについて労働の勤続年数というか、雇用の勤続期間が短いということがあるので、障がい者雇用の場合は、一度雇用された障がい者が、本人が希望したら生き生きと仕事が継続できるかどうかが大事だと思うんですが、障がい者雇用について平均勤続年数が短い要因、原因について聞きたいということと、それからそのことに関連をして、障がい者の当事者、団体、サポートしている団体などから意見を聞いているか、この二点についてお答えください。
◎就業促進課長(柴田昌幸君) 大阪府では、精神・発達障がい者の雇用や職場定着の促進を図るために、企業の従業員を職場内サポーターとして養成する研修を実施しておりまして、平成二十八年度は年間九回、受講者は百名ということになってございます。
 委員お示しのように、障がい者の方の平均勤続年数というのは、一般の健常者の方がおおむね十二年というところ、身体障がい者が十年、知的障がい者が七年九カ月、精神障がい者が四年三カ月というふうになってございまして、障がい者の平均勤続が短いというふうになってます。
 その要因、課題につきましては、大阪府障がい者雇用促進センターの事業の中で多くの企業と接する中、企業の声として聞いておりますのは、身体障がい者の方にあっては、昨今の社会状況として法定雇用率の上昇も予定される中、障がい者雇用が大企業を中心に進んでおりまして、よりよい雇用条件の企業に転職されるケースがあるということや、病状の進行によって身体的な自由度が制限されまして従来どおりの業務ができずに退職される方があるということで、働きやすいよう能力に合った処遇の改善や病状に合わせた職場の環境改善が課題となっております。
 知的障がい者の方は、年齢を重ねると、やはり若年者よりも作業効率が落ちるという傾向にございまして、結果、早期退職となっている方があるということで、能力に合った雇用体系のあり方について企業は課題として捉えているようです。
 精神障がい者の方につきましては、一般的に臨機応変な判断や新しい環境への適応が苦手である、疲れやすい、緊張しやすいなどというふうなことがございまして、精神症状の変動により作業効率に波が見られることがある等の特徴が指摘をされておりますので、精神障がい者を受け入れる職場の協力体制が課題になっていると。
 これは、企業の側の意見としてですけども、障がい者本人の視点も当然重要でありますので、障がい者の就業を支援しています障害者就業・生活支援センターを初め障がい者の就職を支援する機関とは、必要に応じて意見交換をさせていただいております。その中で、障がい者本人の声として聞いておりますのは、まずは自分自身のことを知ってほしいということでございまして、障がい者の程度は個人差もあり、必要な配慮もそれぞれですので、企業側と就業する障がい者のコミュニケーションの必要性というのは、やっぱり課題になってくると思われます。
 このことは、働きやすい環境整備を課題とする企業側の意見とやっぱり表裏一体の関係でございますんで、障がい者雇用促進センターで実施しています企業へのサポートの中で、企業の啓発と理解促進に努めているところでございます。

・子どもの貧困対策について

◆(宮原威君) あと何分ぐらい残ってるのかな。
○委員長(坂上敏也君) あと十二分です。
◆(宮原威君) 十二分あるんだったらゆっくり聞こう、二つ一遍に聞かなあかんかなと思って。
○委員長(坂上敏也君) あと十五分です。
◆(宮原威君) はい。子どもの貧困というのは、この間、問題になっていて、決算年度でも、決算事業報告書では二百十三ページとか二百二十二ページに、母子家庭などの就労支援についていろいろ書かれているんですが、子どもの貧困に関連していろいろ言われているのは、母親、父親のもちろん就労支援が大事なんですけど、一方で、ひとり親家庭の子どもさんの学びの貧困とか、あるいはそこから来る就労になかなかつながりにくい、あるいは定着しにくいという問題もあるので、両面の支援が必要だと思うんですけど。
 母子家庭の場合、どういう就労支援を決算年度も含めてやられてきたのか、それについて御答弁ください。
◎人材育成課長(安孫子弘君) お答えいたします。
 母子家庭の母を対象とした職業訓練につきましては、大阪市内にある夕陽丘高等職業技術専門校におきまして、働く上で必要な社会人としてのマナーのほか、初心者でも経理事務や会計事務を基礎から学ぶことができ、簿記等の資格を取得することにより、事務職としての安定就労を目指す訓練を実施しております。
 平成二十八年度は、百十七名の方が受講し、百四名の方が就職されました。
 訓練期間中は、経済的に安定した環境の中で訓練に集中していただけるよう、雇用保険の失業給付を受給していない方につきましては、援護措置として訓練手当の支給がございます。そのほか、保育所等への送り届け時間を勘案し、朝の訓練開始時間をおくらせるなどの配慮をしております。
 また、民間教育訓練機関等を活用した職業訓練においても、母子家庭の母等の訓練受講機会を確保、拡大するため、介護、医療や事務系の訓練にひとり親家庭の父母優先枠と託児サービスを設けたコースを設定しております。平成二十八年度は、これら介護、医療、事務系訓練で十六コース八十名の優先枠を設定し、五十三名の方が受講、うち三十九名が就職されました。
◆(宮原威君) 高等専門校と、それから民間と合わせて就職に結びついたのは、二十八年度でいうと百四十三人になるんですけれども、これがボリュームをうんとふやす場合の課題というのは、どういうふうに認識しておられますか。
◎人材育成課長(安孫子弘君) 課題といたしましては、特に民間委託訓練につきましては、ひとり親家庭の親の科目選択と受講機会の拡大を図るために、平成二十八年度におきまして介護、医療、事務系の訓練に優先枠を設けるという方法をとりました。それまでは、母子家庭の母の枠だけを別に設定しておりましたけれども、一般の科目に優先枠を設けることにより、幅広い科目設定やあるいは地域も広がりを持って受講していただくことができましたので、これによって受講生の数もふえております。
◆(宮原威君) それは、一つの工夫で大事なことだとは思うんですが、ただそれも含めても百四人と三十九人ということなので、これは引き続き、どうして本当の意味で生活困難な人たちの雇用を応援するかというのは、大きな課題だということを申し上げておきたいと思います。
 次に、若年層とかの子どもさんですね、こういう求職者の人たちに向けた職業訓練の取り組みあるいは課題についてお伺いをしたいと思います。
◎人材育成課長(安孫子弘君) 府における職業訓練につきましては、新規学卒者や求職者の方に、職業に必要な知識や技能を身につけ、就職に役立てていただくため、府内高等職業技術専門校において、ものづくりを初めさまざまな分野で活躍できる人材育成に取り組んでおります。
 高等職業技術専門校のうち、産業振興と一体となった人材育成拠点校と位置づけております北大阪校、東大阪校、南大阪校の三校の一般科目につきましては、年間十一万八千八百円の授業料を徴収しておりますが、生活保護受給世帯に属する方など一定の要件に該当する場合は、授業料の免除制度を適用いたしまして、安定就労に向けた職業訓練の機会を提供しております。
 また、近年は、景気回復による雇用情勢の改善に伴いまして入校希望者が減少傾向にございまして、平成二十八年度における技術専門校全体の定員充足率は約八〇%で、定員を満たしていない科目もございます。これにつきましては、労働局やハローワーク等とも連携の上、学卒者や若年求職者等へ向けたPRを強化し、より幅広い層への認知度を高めていくことが課題と認識しております。
◆(宮原威君) こういう取り組みについて、ボリュームの問題も先ほどの母親の問題では言うたんですけれども、もう一つは、ボリュームの問題と、実際にこういう事業をやっているということが、当事者にちゃんと届いているか。当然、市町村とかハローワークとか、あるいは福祉部との連携とかいろんなことをやっていただいているとは思うんですが、全体に母親あるいは子どもの就労支援などについて、全体として今のメニューをどう周知していくかということと、それから事業の規模をうんと大きくしていくことと、この二つの課題が、それぞれひとり親の親御さんの場合も子どもの場合もあると思うんです。
 それについて御意見があったらお聞きしたいのと、それからもう一つ、これは福祉部で聞くことなので、ここでは指摘だけしておきたいと思うんですが、生活保護を受けている親御さんなどの場合は、子どもが大学に行くと生活扶助から外れる、非常に日本は後進的な国ですよね。一方で、生活保護を受けていて不安定な就労についているお母さんなどが、安定した就労につくためにいろんな訓練を受けようと思うと、今度は生活保護の面からうんと制限がされる。どちらにしても、生活保護なんかを受けているということが、非常に本人の就労、あるいは子どもさんの進学や就労にも大きな制限になるという変な日本の生活保護なんですけど、その問題は、ここで答弁は求めませんが。
 親御さんと子どもたちが貧困に苦しむ中で、全体としてボリュームが少ないという問題と、それからきちんとこういう事業をしていますよということを周知する、その二つについて何か御意見があれば……
◎人材育成課長(安孫子弘君) まず、委員お尋ねの周知に関してでございますけれども、母子家庭の母親の方等につきましては、ハローワークや労働局との連携とともに市町村の福祉部局とも連携いたしまして、あるいは関係する団体とも連携して、こういった職業訓練に関する情報をしっかり周知することで認知度を上げているところでございます。
 また、子どもの方に対しましては、やはりこの間、認知度が下がっているというふうに考えております。認知度を高めることが重要と考えておりまして、職業訓練を通じてこういった知識とか技能を身につけて、こういったものづくり分野で活躍するということを若い世代の人たちに選択肢の一つとして考えていただけるように情報発信をすることが重要と認識しております。
 今回の平成二十八年度につきましては、高校生にものづくりの魅力を伝えるために、国や教育庁、関連団体等と連携いたしまして、学校現場で実践してもらう出前講座や体験イベントのプログラムを策定するものづくり魅力発信プログラム策定事業を実施したところでございます。策定したプログラムは、冊子に取りまとめ、府内の全高校に配付し、生徒にものづくり分野や技専校を進路の対象として考えてもらえるよう取り組んだところでございます。
 また、職業訓練のイメージアップといたしまして、国が、公募の上決定した職業訓練の愛称キャッチフレーズ「ハロートレーニング~急がば学べ~」を活用しつつ、国と連携の上、共通のPRツールを作成配付するなど、情報発信を強化しているところでございます。
 また、ボリュームのことでございますけれども、最初の答弁で申し上げました母子家庭の母等の枠につきましては、優先枠についてでございますけれども、職業訓練自体は、技専校で入校者が九百八名、二十八年度はございました。そのうちで授業料の免除を受けた方が、実際には授業料の必要な科目で三百六十二名の方が対象になっておりましたけれども、そのうち百三十名の方が授業料の免除を適用されております。
 また、民間教育機関等への委託訓練事業でございますけれども、これも受講者が四千五百六名でございまして、就職者が三千二百六十一名でございます。こういった全体のボリューム感としては、先ほど申し上げた非常に大きなパイがございますので、こういった制度全体をしっかりと周知をして、必要な方に情報が行き届くように今後とも周知に努めてまいりたいと思っております。
◆(宮原威君) 大阪全体では、就労困難な方が、もちろんひとり親家庭と子どもさんに限りませんけど、障がい者も含めてなんですが、たくさん何十万人という、あるいは若者とかひとり親を広く捉えれば、生活困難者全体でいえば何百万人というレベルでの就労困難というのがあるので、もちろんそれが大阪府の一年度の事業で全て解決するというようなそんな簡単なものでないということは、よくわかっておりますが、そういうきょう質問させていただいた障がい者や、あるいはひとり親家庭、あるいは若者、そういう人たちの就労困難の問題、それをどういうふうに大阪府が市町村などと協力をして応援できるか、この問題については、知事にも質問したいと思います。
 以上で、質問を終わらせていただきます。




   


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