トップページ
Google
WWW を検索 日本共産党府議団サイト内を検索
議員おもな活動政策・見解議会活動府政資料リンク

議事録


教育常任委員会(2017年10月27日) 石川たえ府議の質問

・府立高校の再編整備について

◆(石川たえ君) お疲れさまです。日本共産党の石川たえです。
 府立高校の再編整備についてお聞きをいたします。
 九月の教育委員会会議で、また新たな再編整備校が発表をされました。今回、再編整備の対象校となった柏原東高校、八尾翠翔高校、長野北高校、長野高校は機能統合であり、機能は引き継がれます、こう聞いています。名前も、これまでとは違いそのまま残る、そう説明も受けました。しかし、残るのは片方であり、もう一校は募集停止、廃校であることに間違いはありませんか。
◎高校再編整備課長(土佐邦之君) ことし九月一日に開催いたしました教育委員会会議において、今年度に再編整備に着手する実施対象校案を決定し、公表したところでありますが、柏原東高校と長野北高校を再編整備の対象校とし、平成三十一年度より両校の特色ある取り組みをそれぞれ八尾翠翔高校と長野高校に継承させて、八尾翠翔高校と長野高校の教育の充実発展を図るという機能統合という手法による再編整備を行うことといたしました。
 これに伴って、柏原東高校と長野北高校は平成三十一年度入学者募集時から募集停止することとしております。
◆(石川たえ君) 機能統合であたかも学校がさらに発展するかのようにずっと言われているんですけれども、結局これまでやってきたことと同じように、定員割れした学校は潰していく、こういう対応に間違いはないのではないかなと思っています。
 平成二十五年策定の再編整備計画の中で、その後も改善する見込みがないと認められるもの、これは再編整備の対象となる、また直近五年間の志願状況や志願者数の動向を見きわめてというふうに書かれております。
 今回の対象校は二校とも平成二十六年までは定員割れすら起こしていません。二次募集で定員充足もしているわけです。一体何を根拠にこの二校を募集停止の対象としているのか、教えてください。
◎高校再編整備課長(土佐邦之君) 今回の再編整備対象校の柏原東高校と長野北高校は、平成二十七年度以降三年連続して入学を志願する者が定員に満たない状況が続いております。
 また、両校の在籍生徒の主たる居住地の行政区、柏原東高校の場合ですと八尾市、柏原市、東大阪市になります。長野北高校でありますと河内長野市、富田林市、大阪狭山市、こういう行政区になるのですが、この行政区における今後の中学校卒業者数が減少傾向にあり、その減少のスピードは大阪府域全体のペースを上回ることから、両校を志願する者の数の改善が見込めないと判断し、両校の特色ある取り組みを八尾翠翔高校と長野高校に継承発展することとあわせて、両校を募集停止とすることとしたものでございます。
◆(石川たえ君) 卒業生の減るスピードが多いから今後改善の見込みがないというふうに御判断されたというふうに言われるんですけれども、再編整備計画の考え方の中に、「地域の特性に勘案して」という文言が出てまいります。柏原東高校というのは、そもそも地域の要望の中で四十年前に設立をされた学校であります。地域とともに育ってきたこの四十年間でした。住民の中にも卒業生がたくさんおられます。今通う生徒の四割は柏原市の在住ともなっています。近隣の柏原市内中学校からは、この高校に行けば子どもをしっかり育ててもらえると、中学校の信頼も非常に厚い学校になっているんですね。また、この高校は、地域の災害避難所としても指定をされているわけです。この日曜日にまた台風が心配をされていますけれども、地域の方が避難する場所として位置づけられている、まさに地域の学校というふうに言えると思います。
 長野北高校のほうは、この学校で救われた、この学校に来たことが自分の再出発の場になったというふうに、実は今大阪大学の大学院に進学をしておられます卒業生が語っておられるほど、学び直しとそして子どもたちのやり直し、そして生きる力を育んできている、こういう学校なんですね。
 二つの学校のこういう特性を本当に勘案されたのかというのが甚だ疑問なんですが、こういう特性はちゃんと勘案をされているんでしょうか。
◎高校再編整備課長(土佐邦之君) 募集停止校の選定とその再編整備の手法の決定に際しましては、学校がどのような特色を有しているか、通学の利便性や学校の立地条件、周辺の高校の設置状況など地域の特性はどうか、在籍する生徒の主たる居住地の行政区の中学校卒業者数の動向や志願者数の動向はどうか、対象校の伝統や特色が府立高校の教育の中でどのように継承発展させることができるかなど、さまざまな要素を勘案し、総合的に検討することとしております。
◆(石川たえ君) さまざまな要素の中身をお聞きしていると、卒業生の数が少なくなっているとか、近くの学校があるから距離はそんなに遠くないから行けるとか、机の上で地図を開いて書いたような勘案にしかなってないんじゃないかなというのが私の実感です。
 エンパワメントスクールに改編しますよと、そういう話を説明会で聞いたという保護者もおられますけれども、そもそも学び直しを掲げて、先ほど申し上げたとおり地域の防災拠点にもなっているような地域密着型の学校が、卒業生がこれから少なくなるだろうというのはあくまで推移であって、柏原の地域の子どもたちはこの学校に行きたいと言ってるんです。保護者の方でも、この学校を卒業したんだから子どもにも行かせたいというふうに言っておられる方はいっぱいいてるんです。中学校の卒業生が減るから本当にこの学校に来る子が減っていくかどうかなんていうのは、こういう地域の実情や声をきちんと勘案しなかったら、数だけで机の上で見て減らしたらええというふうに選ぶべきではないんじゃないかなというふうに私は思っています。
 三年連続定員割れというふうにおっしゃいますけど、百人も二百人も--二百四十定員ですから二百人も減ることはないですけど、がばっと定員割れしているならともかく、この二つの学校は三年間の定員割れの数は平均で十五名から十六名なんですよ。二次募集で十分充足できるぐらいの数しか定員割れされてない。しかも、地域密着型、学び直しをやっている、有能な卒業生も輩出している、こういう学校なんですよね。この学校を、たった三年連続で欠員になったからといって廃校にする必要があるんかなというのは本当に疑問です。
 そして、この地域に通いたい、通わせたいという保護者や子どもだけじゃなくて、この地域じゃなかったら、この学校じゃなかったら通えないという子が多く存在しているのがこの二つの地域なんです。これまでに再編整備校が発表された中に能勢高校がありました。能勢高校は、本当にこの学校がなくなってしまうと、能勢に住んでいる子どもたちの就学の機会は全くなくなってしまう、そういうことも随分検討もされて、分校という形で残るという選択をされたわけですよね。
 この柏原と長野北の地域でも、自転車通学の子には困難が伴うけど、電車があるし、電車で行けるから、交通費も能勢高校のようにばか高い交通費やないから大丈夫やというふうに判断されたと思うんです。でも、この地域に通う子どもたちは、経済的に困難を抱える家庭というのはたくさんあるんですよね。自転車通学をやめて電車で行ったらええやんと言うほうは簡単です。でも、受けとめる側の親にしたら、その電車賃をどうやって捻出するのという困難な家庭も出てくるような、そういう子たちが通っている学校なんですよ、この二つの学校というのは。長野北高校は、生徒の六割はひとり親家庭です。シングルなんですよ。非課税世帯の奨学金給付の受給者は六割もいてるんですよ。年収九百十万円程度未満対象の就学支援金を受給していない生徒は、この長野北高校ではたった六人しかいてないんですよ。本当に大変。だからこそ、この学校じゃないと通えないというのが、やっぱり親御さんと子どもたちの思いなんですよ。そういう子どもたちがいてる、そういう家庭がある。それも本当に勘案してこの二つの学校が募集停止の対象であるというふうに判断したんですか。
◎高校再編整備課長(土佐邦之君) 繰り返しになりますけども、募集停止校の選定とその再編整備の手法の検討に際しては、学校の特色ですとか地域の特性ですとか、地域の特性の中には通学の利便性と私申し上げましたけども、その学校への通学の利便性もありますけど、その地域からほかへの通学の利便性、そしてほかたくさんある府立学校、そういう立地状況、そういったこと、さまざまなことを勘案して検討したものでございます。
◆(石川たえ君) さまざまな検討をされてるとさっきから繰り返し言われてますけど、利便性の問題で、この地域以外の学校に行けるじゃないというふうに言われますけど、説明会の中で、じゃあ自転車で通える学校がほかに一体どこにあるのというふうに保護者が聞いたら、結局自転車で通える学校は紹介されなかったわけですよ。電車じゃないと行けない学校しか周りにないからですよ。対象校を選ぶときに勘案すると言うのであれば、そこまできちんと見なかったら、これまで募集停止を繰り返してきて子どもたちは泣いてきたわけですわ。みんなこの学校を残してほしいって、西淀の子も池北の子も咲洲の子も繰り返し繰り返し府に求めてきたわけですよ。そうやって泣いてきた子をこれまでつくってきたのに、また同じことをここでやったらあかんのと違うかなというふうに私は思います。
 エンパワメントスクールをこの間大阪府はどんどんふやしています。学び直しを掲げて、エンパワメントスクールは三十五人学級で非常に丁寧な授業もしてくれるから学び直しとしてはよかったという声は私もよく聞いているところです。このエンパワメントスクールを片方ではたくさんふやしておきながら、もともとエンパワメントスクールじゃないのにエンパワメントスクールのように学び直しを掲げ、生徒たちの日常生活から学力に至るまで懇切丁寧に指導してきたから、大阪大学の大学院に行く子が生まれたわけですよ。西淀川高校を卒業した子は、僕、学校の先生になりたいと言うて教員になったわけですよ。こうやって子どもたちのやる気を育んできているのが、これらの募集停止となってきている学校ではないかなというふうに思います。
 こういう学校を潰してエンパワメントをつくりますと幾ら言ってみても、子どもたちの学習環境は広がるどころか狭まっていくことにつながるんじゃないかなというふうに思うんですが、いかがですか。
◎高校再編整備課長(土佐邦之君) 府立高校の再編整備は、今後の生徒数の減少を踏まえまして二つの観点を持って行っております。一つ目は、教育環境を向上させ、教育内容を充実させることでございます。二つ目は、学校の適正な規模を維持しながら適正な配置を進めて、教育活動を効果的、効率的に行っていくことでございます。
 そして、再編整備を進めるに当たっては、高校進学を希望する中学生の行き先がなくなることのないよう、受け皿となる府立高校を十分に確保しながら、あわせて生徒一人一人が本来持っている力を最大限に引き出す学校としてエンパワメントスクールの設置を進めるなど、府民ニーズを踏まえた新しいタイプの学校を設置したり、学校の魅力づくりを進めることによって、教育の質を向上させていくことを目指して実施しております。
◆(石川たえ君) 子どもたちの学習環境を維持するというふうにこれまでもずっと言われてきているんですけど、今ある学校を潰して新しい学校をつくったからといって、子どもたちの学習環境は維持できません。今ある学校で子どもたちは一生懸命学び、今ある学校で生きる力を育んでいるんですから、そこは私は、こっちが勝手なことを言ったらいけないんじゃないかなというふうには思います。
 学校が実施した保護者説明会の中で、もうこれは既に決定しているというふうに言われてるんです。でも、これは教育委員会会議で提案されただけであって、まだ決まってないんですよね。決まってないのに、この学校がなくなったら別の学校はここ行ってくださいと言うて説明もされて、あたかも決まったような紹介や説明が学校現場でされ、保護者の不安が非常にかき立てられているというのが私が聞いているお話です。これは決まったこととして今物事は進められているんですか。
◎高校再編整備課長(土佐邦之君) ことし九月一日に開催いたしました教育委員会会議では、今年度に再編整備に着手する実施対象校とその再編整備の手法案として決定し、公表いたしました。その後、この方針を広く周知しながらさまざまな意見をいただいているところであり、既に決定しているというものではなく、十一月の教育委員会会議において最終決定することとしております。
◆(石川たえ君) まだ決まってないということは、今おっしゃられたとおり、たくさんの意見を今から聞きます、それによって十一月に決めます、そういうお話ですよね。今まだ決まってないということですね。決まってないということは、やはり保護者や子どもたちや地域の人たちやこの学校に通いたいと思っている人たちの意見を十分に聞かなかったら、これは決定したらあかんというふうに私は思います。
 子どもたちが今本当に不安をかき立てられています。特に今受験生になっている子どもたち、またその後受験生になっていくだろう中学生たちが、自分の兄ちゃんが行ったのに自分は行く学校がない、姉ちゃんは行ったのに自分は遠い学校に行かなあかん、親は電車賃をどうやって工面したらいいんだろうと、こうやって今皆さん困っておられるわけですよ。
 学習の機会を保障するというのであれば、これまでずっと、受験するときに、私立も公立も入れて受験生が一人もこぼれないようにキャパはたくさんありますというふうに言われてきました。言われてきましたけど、こういう家庭の子は、じゃあ私立に行けばいいじゃんとか、電車に乗ってよその公立に行けばいいじゃんとかというふうには簡単にはなりません。数字だけでやっぱり物事を見たらあかんというふうに思いますので、しっかり説明会にも同行もしていただきたいし、そして保護者一人一人からきちんとその思いを聞いていただいた上で、十一月の決定に向けた取り組みは進めてほしいなというふうに思いますし、私はそもそも、三年連続定員割れしたからこの学校はだめだというふうに募集停止することそのものが、やはり子どもたちにとってはマイナスであるというふうに考えています。
 エンパワメントスクールもテストがあります。エンパワメントスクールで落ちた子たちがこういうところの学校を受験して合格をするわけです。受け皿のさらに受け皿になっている学校がこれまでの募集停止校であり、今発表されている募集停止の対象校です。本当に子どもたちの就学の機会をしっかり確保するというのであれば、やはりそこまで見据えた上で、再編整備の対象としてどんどん潰すんじゃなくて、その学校をいかに活用して子どもたちに豊かな学力をつけていくのか、そういう検討をぜひ進めてほしいなというふうに思っています。
 再編整備校の対応について最後にお聞きをいたします。
 学校をなくさないでほしいという生徒や地域住民の願いを踏みにじって進められてきたのがこの間の再編整備です。廃校となる生徒たちが最後までこれまでどおり学校生活を送れるように配慮しますというふうに、大阪府は繰り返し説明をしてきました。いよいよ三年生が卒業し、咲洲高校は募集停止でまさに子どもたちはいなくなります。この子たちが卒業する三月まできちんと学校生活が送れるように最後までの配慮はやっていただけるのでしょうか。
◎高校再編整備課長(土佐邦之君) 平成二十七年の二月の教育常任委員会において、府立高校の再編整備を行うに当たって留意すべきこととして、「対象校で学ぶ在校生が安心して高校生活を送れるよう、卒業するまでしっかりと学習環境を維持すること」などが附帯決議されたことを踏まえ、教育庁として、教員の加配や校長マネジメント経費など学校に配当する経費面の措置のほか、食堂業者の営業の継続を支援するために食堂使用料と食堂の光熱水費について全額免除措置を講じるなど、在校生の教育環境を維持するためにできる限りの配慮を継続的に行っており、この方針は今後も変えることはありません。
◆(石川たえ君) 食堂の水光熱費及び使用料なんかは全部大阪府が最後まで、しかも子どもが一学年になったとしても継続するというふうに私もお話を聞いて随分安心をしたところでもあります。記念碑を建ててほしい、こういう保護者やOBもおられます。記念碑については移設もするし、メモリアルのお部屋みたいなものもつくっていただけるというふうに聞いているので、子どもたちが自分はこの学校に通ったよという思い出やあかしは残るんだなというふうに、それは喜んでおるところではありますけれども、少しちょっと気になることが一つあるので、これだけ要望をしておきます。
 もういよいよ廃校が迫っている学校で、備品類の次の行き先を決める、そういう準備が着々と進められていると。教職員の皆さんが見れるサイトでは、この備品はどこそこ学校に行きますよということがインターネット上でも明らかにされているということも聞きました。私は、子どもたちに最後まで学校生活を保障するというのであれば、幾らこの学校は三月で終わりやというても、この備品はどこに行きますわみたいな話を先にすべきではないというふうに思っています。もし万が一、これが子どもたちの目にとまったら、彼らは一体どんなに傷つくのかというふうに思いますし、そこは本当に配慮していかないといけないところじゃないかなと思うんです。事務方としては、備品の行き場が三月が終わってからというたらばたばたするし、新年度が始まるしという思いはよくわかるんですけど、子どもたちは最後まで通うんですから、彼らを卒業させるまでは通常どおりの学校生活を保障しますと約束してきたんですから、この約束は最後までちゃんと守らないといけないと思いますし、備品の行き先を今から次々決めていくみたいなことはやっぱりやめるべきじゃないかなというふうに私は思います。
 一人一人の目の前の子どもを一体どうやって育てて、どんな生きる力を育んでいくのか、これが私は教育の原点だというふうに思います。子どもは千差万別です。勉強が好きな子もいれば、勉強が嫌いな子もいます。親の状況によって、おはようという挨拶すらできない子もいれば、靴をきちんと並べてそろえられる子もいます。この全ての子どもたちが大阪の宝で、大阪にとって大事な未来を担う子どもたちなんですよ。この子たちが大人の都合で分別されて、行く場所がなくて、そのことによって傷ついていくみたいなことをやるべきではないというふうに私は思っておりますので、三年連続定員割れすれば学校は再編整備の対象とするという学校条例そのものの見直しも重ねて求めて、この再編整備についての質問は終わらせていただきます。

・スクール・エンパワーメント事業について

 次に、スクール・エンパワーメント事業についてお聞きをさせていただきます。
 スクール・エンパワーメント事業、学力向上に取り組む各中学校にこの五年間加配の教員が配置をされてきています。このスクール・エンパワーメント事業の加配教員配置は、子どもたちの理解度をさらに広げる上で効果が上がってきているというふうにお聞きをし、大いに評価を今しているところです。中学校で効果が出てきているので、ことしから小学校でもスクール・エンパワーメント事業--アクティブ・スクールの事業が拡大をされております。現在、小学校での取り組み状況や成果などがあれば教えてください。
◎小中学校課長(坂本俊哉君) 委員お示しのスクール・エンパワーメント推進事業につきましては、今年度より、中学校で成果を上げている本事業の手法を小学校にも広げて展開するために、今年度、府域百二十の小学校、六十四の中学校を事業対象校として実施しておるところでございます。
 各学校におきましては、学力向上担当教員を位置づけまして、校内での会議や研修等を通じて、授業で工夫している内容を共有したり、確認テストを実施して成果を検証したりして、学校全体で教育活動の改善を進めておるところでございます。
◆(石川たえ君) 私も全部の学校に聞いているわけではないので、私が聞いている範囲になりますが、中学校に配置されているスクール・エンパワーメント事業については、学校全体の事業改善がすごく進んだ、家庭学習の力も随分身につくようになってきたというふうに、おおむね好評だというふうに聞きました。
 小学校はことしから配置ですから、まだまだ検証はこれからだなというふうに思いますけど、小学校に配置されたアクティブ・スクールの加配があったことによって自学自習力が向上していると。まだ半年ですが、子どもたちの中で効果が出始めているよという報告も聞いています。なので、加配教員を中心に学校全体の取り組みが広がり、子どもたちへの本当に丁寧できめ細かい指導が行われつつあるんだなという印象をこの事業については受けています。
 これをさらに広げていくということで、今年度、小学校にまで広げた事業展開は大変評価をしているところではありますけれども、ただ、学校現場の声を聞くと、実は混乱が、そして困難が伴っているというお話も聞きました。
 例えばA市では、そもそもの加配全体のパイ、人数枠は減ってます。この加配の枠そのものが減っている中で、去年まで事業としては非常にしんどいと思われていた学校に習熟度別指導をする先生を二名配置していた。ところが、ことし加配の枠が減ったので一名しか配置できなくなった。これではいかんだろうということで、アクティブ・スクールスクール・エンパワーメント事業の加配をそこに足した。結果としては、一足す一で去年と同じ二名になっているんですよね。でも、習熟度別指導の先生は二十時間の持ち時間があります。スクール・エンパワーメントの先生は持ち時間は十時間以上なんです。下限が十時間だと。結局この学校では、数としては一足す一で二で去年と同様になっているけれども、アクティブ・スクールの先生はやる仕事がまた違いますので、習熟度の先生が減ってアクティブの先生が来たけど、結局時間数としては減ったし、業務が違うから子どもたちに対する手厚い指導という意味では去年と同様のことができなくなってしまったというのがA市のお話でした。
 B市もよく似たもので、ここは習熟度別の指導の加配が昨年比でマイナス十六人なんです。アクティブ・スクールの加配がことしあったものの、結果として加配の枠はマイナスなんです。去年一校に配置していた習熟度の加配の先生を引き揚げるしかない。そこにアクティブ・スクールの先生を入れたら、この学校としては同じ、人数は一名ですけど、先ほど申し上げたとおり、業務の中身も違えば指導も違うということになるので、習熟度の指導をやっていたようなきめ細かい丁寧な指導ができなくなってしまった、そういう結果になっていると。
 しかも、加配は単年度ですよというふうに繰り返し繰り返し言われる中で、来年この先生が本当に来るかどうかわからないというのが学校現場の悩みです。この先生が来なくても、今スクール・エンパワーメントの事業が進んでいっていますから、成果を上げせっかく培ったこの一年の努力を無にしないためにも、学校の中でさらに継続させていくための努力を、自分たちで加配なしでもやるだけのプランを立てなあかんということで、非常に仕事がふえてしまって、せっかくいい取り組みの事業なのに、結局何か仕事がふえただけかもしれへんというような先生たちを生み出しているのも私は現状だというふうに思います。
 国の加配枠が減っている中でどないせいと言うねんという話にきっとなると思いますけれども、こういう学校現場の現状を一体どのように受けとめて、今後どう改善を図り、子どもたちの学力を、これもせっかく出た成果ですから、引き続きこれを継続させていこうというふうにお考えなのか、教えてください。
◎小中学校課長(坂本俊哉君) 府教育庁では、スクール・エンパワーメント推進事業、この事業に限らず、施策の効果的な推進に向けまして、事業趣旨などについて市町村教育委員会や学校などに十分な説明と丁寧な協議を行った上で、連携、協力して進めているところでございます。
 また、年間を通じて、担当指導主事会、そして市町村ヒアリング等で学校の現状、進捗確認等を行っておるところです。
◆(石川たえ君) ヒアリングとか市町村との連携強化というのは非常に大事なことなので引き続きやっていただきたいなと思うんですけど、足りてないのは加配の枠なんですよね。習熟度指導--私が習熟度のことを余り言うとどうかと思いますけど、習熟度別指導で、例えば算数の時間は算数教室の算数の先生と普通の教室の先生とに分かれると。これがいい悪いというのはいろいろ評価があるところやと思いますけど、私のとこの息子なんかは、算数教室の中で随分算数を教えていただくことで、やっぱり基礎学力がしっかり身について、驚くことに理数系が強くなっていったんです。
 習熟度の考え方についてはいろいろありますけど、それでもこれまでそうやって習熟度別指導の加配をして、子どもたちのケアというか、学力向上の取り組みをせっかくやってきているんです。スクール・エンパワーメントはスクール・エンパワーメントで、中学校で十分今成果が出てきているんです。これ、足したら物すごいいいものになるはずやのに、数は同じでも中身が足せてないというのが、やっぱり今すごい苦しい。府教委も苦しんではるところだと思うんですけど、苦しいところで、来年来ないかもしれないというびくびくした学校現場というのは、子どもの学力向上にとっていいとは思わないんです。
 ことし出されました教育行政の点検・評価を拝見していますと、計画策定時の平成二十五年よりも習熟度の指導というのは充実されてますやん、国語と算数というのにまた理科が入ったりとか。しかも、イレギュラーはいろいろあるものの、基本的には全部の学校に行き渡るように、もともと学校のクラスが十五人ぐらいしかいてないところに習熟度の加配は入りませんので、全校というふうには言えないにしても、そうやって満遍なく子どもたちの指導ができるような努力をこの間ずっとされているというのが、ことしの点検・評価の結果を見て私が読み取ったところです。
 国の補助金の枠の中で新しい事業をする、子どもたちの学力向上をやるというのには、もう限界が来ている。この努力をこれ以上やっても、事業展開を幾らふやしても、国の加配枠や補助金枠がふえない限りは、ここは苦しむ一方の矛盾点だと思うんです。なので、やはり国に加配枠を拡大してくれというふうにもっと強く要望しないといけないなというふうに私は思っていますし、単独で少人数学級を行っている市町村は、加配のときに学級数にカウントされないんですよね。そうすると、加配は必ず減るわけですから、これちゃんとカウントせいというふうに言わなあかんというふうに思うんです。国にそうやってたくさん加配をちょうだい、学級数もちゃんとカウントしてちょうだい、お金ももっとちょうだいというふうに、皆さん一丸となっていただいて大いに要望していただくとともに、やっぱり大阪府が単独でこの分をちゃんと補填できるような単独事業をしてでも加配をふやすべきだというふうに考えていますが、いかがですか。
◎小中学校課長(坂本俊哉君) 教職員の配置の数につきましては、委員御指摘のとおり国が定めるものでありまして、その拡充については国で改善されるべきものと考えております。
 引き続き、国に対して、地域の実情に応じてさまざまな教育ニーズへの対応が可能となるよう、教職員定数の改善について要望してまいりたいと思います。
◆(石川たえ君) ぜひ頑張って要望していただきたいなというふうに思っています。
 子どもの学力向上については、みんなが胸を痛めているところであり、みんなが何とかしてあげたいと思っているところです。堺市は政令市ですから、国と独自のやりとりをする中で、やはり加配の分をがばっととってきて、今三十八人の学級になってますやん。なので、堺市のようにとは言わないにしても、大阪府は学力向上のためにもっと努力するから、もっとたくさん人をちょうだいよというふうにぜひ言っていただきたいなというふうに思いますし、私は国への要望だけではなくて、大阪府がその分をやっぱり独自に補填することも考える、これは検討としては必要だなと思っておりますので、引き続きよろしくお願いをいたします。

・大学の法人統合について

 最後に、大学について質問させていただきます。
 大学の法人統合について、四つほど今議会に議案が出されているかなというふうに思っています。平成二十七年十二月の委員会で、私が教職員や学生への説明について質問した際、答弁として、今後府立大学において、学生や卒業生等の関係者への説明や意見聴取を行い、関係者の意見を十分お聞きしながら検討を進めていくこととしております、こう言われていました。その後一年半ほど、約二年たっていますが、学生を初め教職員への意見聴取、また説明はどのように改善され、そして法人統合を初め統合の問題についてどのように周知をされているのか、教えてください。
◎府民文化部副理事(松阪博文君) 大学統合につきましては、昨年四月以降、府、市及び両大学から成ります新大学設計四者タスクフォースにおきまして、両大学の各学域・学部の教員や役員等にインタビューも行い、意見交換しながら、新大学に求められる機能などを検討してまいりました。
 昨年八月に、その検討状況を副首都推進本部会議で中間的に報告いたしまして、九月には両大学において教職員の説明会を実施し意見交換を行うとともに、学内等へ情報発信を行いました。
 昨年十月からは、さらに議論を深めるため、両大学の教員を中心とする戦略領域別ワークショップを設置し、より具体的に検討を進めました。
 本年八月には、これまでのワークショップの検討内容も含め、タスクフォースの検討成果を両大学の教職員への説明会をまず実施した上で、副首都推進本部会議に報告したところでございます。
 このような検討経過の中で、両大学の教職員等に検討状況の周知を行うとともに、意見も聞きながら検討を進めてきたところでございます。
 また、学生や関係者に対しましては、大学のホームページにおいて統合に関する議論や検討状況を掲載するとともに、府立大学を志望する受験生や関係者に対して学長メッセージなどでアナウンスするなど、情報発信を行っております。
 昨年二月には、学長と学生との懇話会も開催をし、意見交換が行われておりまして、その後も学生自治会との会合など、機会を捉えて統合についての説明や意見交換に努めているところでございます。
◆(石川たえ君) 大学のホームページにおいて統合に関する議論や検討状況を掲載する、また学長メッセージなどでアナウンスをして学生には知らせている、こういうお話なんですけど、これ、どれぐらいの学生さんに届いているんでしょうか。
◎府民文化部副理事(松阪博文君) ホームページで掲載してございますので、どなたでも見ていただける状態になっております。学生は、日々必要に応じてホームページを検索されているということでございまして、その数については承知しておりません。
◆(石川たえ君) 見ましたかと言うて一人一人アンケートをとるわけにもいけへんから、詳しい数がわかるかどうかというのはどうかなというふうには思いますけど、一昨年質問させていただいたときにも、説明については、当時は住民票がある御家庭に全部資料を送らせていただいていますというふうに言われてたんですよね。住民票があるおうちということは、住民票がない大阪に住んでいる学生は山ほどいてるわけで、御実家に届いてて全然知らんかったよという子がいっぱいいてたんです。今回も、ホームページに載せてる、いつでも検索できると。載せてるほうは、載せてるからいつでも見てもらえる、ウエルカムとなっていると思いますけど、本当に見てるかどうかというのは別の話なんですよね。
 大阪府立大学の学生自治会のホームページというのを私も拝見をしました。この学生自治会のホームページには、学生にとったアンケートの集約結果というのが載っています。このアンケートの集約結果を見ていますと、第二期中期目標と附帯決議について知らなかったと答えた学生は八三%です。副首都本部会議での府大、市大の統合議論について知らなかったと答えた学生は八六%なんですよね。ホームページに載ってるでと言われましたけど、知らんかったでという人が八六%もおるというのが現状じゃないかなというふうに思います。
 教職員の方にもお話を聞きに行ってまいりました。教職員の方が言われていたのは、説明会は平成二十八年八月の一回だけで、そのときも戦略領域の話だけで、大学統合について職員はどう思ってるの、教員はどう思ってるのという意見は全く聴取をされていなかったというのがそのときに聞いたお話でした。
 これは本当に学生や教職員の意見を十分聞いてきたと言えるんでしょうか。
◎府民文化部副理事(松阪博文君) 先ほど御答弁いたしましたとおり、大学統合の検討に当たりましては、両大学の教職員等の参画も得ながら進めるとともに、その検討状況につきましては、進捗に応じて、説明会のほうは昨年九月と本年八月に開催をした上で意見交換を行っております。なお、その説明会の後も大学において随時意見は受け付けているところでございます。
 また、学生などに対しましても、先ほど御答弁いたしましたが、府立大学においてさまざまな機会を捉えて、統合の検討状況についての説明を行い、その都度意見も聞いております。
◆(石川たえ君) 説明会や意見聴取は全ての教員や職員にされたのかなというのがちょっと疑問にあるんですけれども、タスクフォースの中間報告のときにも意見聴取をした、戦略領域の問題ではワークショップも行い、府大や市大の教員も入って検討していると。皆さんは十分先生方のお話も聞いてきているよという、そういう御認識じゃないかなというふうに思うんですが、当の大学の先生に私が聞くと、そもそもなぜ大学の統合なのかとか、どのように今後統合が進められていくのかとか、これまでの研究やそれぞれの大学の独自性はどんなふうに引き継がれていくのかとか、こういうことについての情報がほとんどない、ほとんど情報がない中でどう考えたらいいのかと。統合について賛否を問うと言われても、もともと情報がないから、賛成反対を考える前に、もっと情報が欲しい、もっと考える材料が欲しいというふうに言われていたわけです。若い先生の中では、この統合の問題が次から次から出てくるこの大学に自分が行っとったのではあかんというふうに判断されて、統合になるのか、その後どうなるのかがよくわからない、情報も少ない中でこりゃいかんと、今の研究で成果を上げてほかの大学に移っていくと言って、ほかの大学に移っていかれる先生も実際におられると。せっかく強い大学と言いながら、研究している先生がよその大学に行ってしまってるよという結果が今出てるわけです。
 そもそも教育基本法には、「大学については、自主性、自律性その他大学における教育及び研究の特性が尊重されなければならない」、このように書かれています。組織改革には、大学の自主性を生かし、大学内での十分な議論を経る、これは不可欠ではないかと思います。
 もう一度お聞きをいたします。
 情報が少ない、今後どうなるのか考えると不安、統合についてよく知らないという学生や教員が圧倒的に多いという中で、統合ありきの戦略領域の報告ではなく、現場の教員や学生の意見聴取をこれまで以上にしっかり行う、そういう姿勢はおありでしょうか。
◎府民文化部副理事(松阪博文君) 大学統合の議論は、昨年四月からタスクフォースなりワークショップをつくって検討をずっと継続してまいりましたところでございます。その中で、戦略領域なり新しい機能はどういう機能を持たせるかという議論が進んでまいりました。その中で、その都度検討の状況なんかは我々としては御説明を差し上げております。そのあたり、情報の提供につきましては今後とも引き続きやっていきますし、当然大学のほうも、学内の会議等を通じてしっかり周知をいただくように取り組んでいきたいと思っております。
◆(石川たえ君) 一部の先生だけではなくて、大学を構成している全ての先生や、学生全ては無理かもしれませんけど、意見をきちっと聞くというのを徹底してやることなしに議論が進んだらあかんなというふうに思ってますので、ぜひこれは強化するということでよろしくお願いをしておきます。
 次に、運営交付金についてお聞きをいたします。
 運営交付金の推移を見てみますと、第二期中期目標の間に、この中期目標に沿って運営交付金は八億二千六百七十一万五千円、十年間で三割も減らされてきています。基準財政需要額よりも運営交付金が随分低い、これはいろいろな方が御指摘をされているところかと思います。差は約二十七億円です。施設整備費補助金を今ふやしているというお話はよくされていますが、運営交付金と施設整備補助金を足しても、それでも総額でマイナス十四億円になっているわけですね。
 運営交付金が削減されている中で当然人件費も削られ、教職員が適正化の名目で数が減らされています。教員数は十年間で二割も今減っているのが現状です。その結果、何が起きたか。教員の負担、そして多忙化が広がっているわけです。一人の専門講義の負担がふえ、一人一人の学生へのケアが十分にできない、卒論の指導をする時間がとれないなど、教育の質の担保がないわけです。残業時間にすると--大学の教員は裁量労働なので残業時間というカウントはできませんが、残業時間に換算すると、月二百時間を超える教員もざらにおられるというふうに聞いています。先生たち土日もありませんねというふうに聞くと、そんなこと当たり前ですよというふうに先生方はお話をされていました。また、教授が退職をすれば、その研究を引き継ぐ人がいないなど研究そのものが今消えていっている、こういうケースもあります。府大の教員がボランティア精神で教育の質を担保し研究を続ける、これがもう限界だというふうに悲鳴が上がっているほどです。
 今必要なことは、運営交付金や教員の数をふやし、大学の質、基礎研究の質をしっかり守ることではないかというふうに思います。この上、統合、適正化となれば、研究はさらに継続できないのではないかという不安も起こっているほどです。運営交付金は今後一体どうなっていくのか、教えてください。
◎府民文化部副理事(松阪博文君) 先ほど委員が御紹介いただいた数字の中で、基準財政需要額と運営費交付金施設整備補助金を足して十四億の差があるという御指摘がございましたけれども、それは平成二十九年度で申し上げますと、運営費交付金が約九十七億円で、施設整備補助金が二十一億円で、計百十八億円、それに対して基準財政需要額は計算上百二十三億円ということで、一応差額は五億円程度というふうに理解をしております。
 御質問の統合後の運営費交付金でございますけれども、平成二十三年度から二十八年度までの第二期中期目標期間におきましては、教育研究水準の維持、向上を図りながら収支改善に取り組んできたところでございまして、平成二十九年度からの第三期中期目標におきましては、運営費交付金について現状の水準を維持していくことを明記しております。
 統合後の大学における財政支援の考え方につきましても、現状の支援水準を維持し、適切に運営してまいります。
◆(石川たえ君) ちょっと私の言い方がまずかったのかなというふうに思いますけど、平成十八年から運営交付金と施設整備補助金を足すと、平成十八年とそして現時点とを比較するとマイナス十四億五千万になっているというふうに私申し上げたつもりだったので、そこはちょっとごめんなさい、理解と認識の違いかなというふうに思いますが、私は、運営交付金と施設整備補助金を足しても、結局結果としてマイナスになってるよと、そういうつもりで言わせていただいたので、済みません、そこだけ訂正をさせていただきます。
 運営交付金については、現状維持というふうに言われておられますが、これまで、今申し上げたとおり減ってきてるんですよね。施設整備の補助金を出しても全体は減ってきてるんです。これでは教育の質や研究が守られてないよというのが、教員が出している悲鳴なんです。
 以前、三大学を統合した後、堺でずっと文化行政に貢献してきた大阪女子大学での文学の研究というのは実はその後廃れていったと。この文学の研究は、学部学問としては府大の人科に引き継がれているというふうには聞きますけど、結局この教授がいなくなることで文学の研究そのものが廃れていったよというお話も聞いてきました。今必要なことは、ずっと下げ続けてきた運営交付金の水準をそのまま維持しますということではなくて、これをうんとふやしていく、ここが大事じゃないかなというふうに思います。ましてや、統合後はどうなるかわからない。
 第三期中期目標の中には、六年間、運営交付金の水準を維持しますと書かれてますけど、第三期中期目標が終わったときに、皆さんの計画だと新大学ができてるんですよね。このときに運営交付金はどうなるのということについては書かれてないわけですよ。今後どうなるかわからないというのが現状じゃないかなというふうに思うんですけど、今、統合後はそうやってわからないというのであれば、本当に教育の質は守られない。世界に展開する高度な研究型の公立大学を目指しますというふうに書かれているわけで、本当にそれをやるんであれば、運営交付金を下げたまま水準を維持しますじゃなくて、運営交付金をちゃんと上げて、教員の数もちゃんとふやして、研究の継続をちゃんとやっていく、これが大事だと思うんですが、こういう方向で進めていくおつもりはありますか。
◎府民文化部副理事(松阪博文君) 運営交付金の増額ということでございますか。
 運営交付金につきましては、先ほども御答弁しましたように、統合後の大学に対する財政支援の考え方につきましては、府としては現状の支援水準を維持するとともに、さらなる投資が必要な場合には、そのリターン、メリットを精査して判断することとしておりまして、適切に支援を行っていくという考え方でございます。
◆(石川たえ君) リターン、メリットね、適切な支援に今なっていないので、適切な支援をぜひよろしくお願いをいたします。
 学生や教職員の意見聴取がない、また教育の質が担保できないと不安を感じている中で、大学統合だけが進んでいけば、大学間競争に打ち勝ち、国際競争力を高める大学に発展すると言われる根拠はどこにあるのか、お示しください。
◎府民文化部副理事(松阪博文君) 両大学によります「新・公立大学」大阪モデル(基本構想)を踏まえまして、大学が有する人材や資源を最大限に活用することで、教育、研究、地域貢献という基本機能の一層の向上が期待されます。
 これに加えて、府市及び両大学で取りまとめられました報告書において、都市シンクタンクと技術インキュベーションの二つの新たな機能を充実強化することにより、大阪の都市問題の解決や産業競争力の強化に貢献することができるというビジョンを示したところでございます。
 このビジョンに沿って、大阪の発展を牽引できる全国ナンバーワンの公立大学を実現するため、まずは法人統合を行い、両大学の経営を一元化した上で着実に取り組みを進めてまいりたいと存じます。
◆(石川たえ君) この間、一貫して根拠はどこにあるのかというふうにお聞きしてるんですが、根拠となるものは余り示されてないんじゃないかなというふうに思っています。目標は繰り返し語られますが、ぜひ根拠を示していただきたいなと思います。
 今、大阪府立大学は国立大学よりも学費が高いという学校になっております。減免基準を緩和したり実験機器充実負担金などを減免の対象に入れたりと、多少の努力は見られるなというふうに思っていますが、大阪府立大学の授業料減免を見てみますと、生活保護世帯で、しかも成績が上位三分の一に入らないと全額免除にならないんですよね。子どもの貧困がこれだけ広がっている中で、貧困家庭の子どもほど学習機会の確保は難しいというのはこの間指摘をされているところです。なのに、生活保護世帯の子の成績が上位やなかったら減免も受けられへんと、なんちゅう高いハードルかというふうに思います。
 こんな子どもたちを残しておきながら、大学間競争に打ち勝ち、首都大を超えるというのは無理じゃないかなというふうに思いますので、本当に大学間競争に打ち勝つというのであれば、この授業料減免のところから大いに改善して、この額をうんとふやしたらどうかなというふうに思いますが、いかがですか。
◎府民文化部副理事(松阪博文君) 府立大学におきます授業料の減免制度につきましては、他の国公立大学と同様に、納付が困難な学生に対しまして所得基準と成績基準を設けまして減額または免除を行っております。これまで平成二十五年度には成績審査の一部緩和を行いまして、対象範囲を広げるなどの見直しも行ってきております。今後とも適正な運用に努めることとしてございます。
◆(石川たえ君) ほかの大学に比べて高いと認識してない、要件は一部緩和してきてるというふうに言われてますけど、要件緩和は三分の一が二分の一になっただけで、この要件緩和をした後、免除者がふえたのはたったの六十八人ですよ。六十八人しかふえてないんです。
 府大で獣医学部に入学すると、初年度納付金は、府外生は百十万円を超えます。府内生の入学金は国立大学と同じ二十八万二千円です。しかし、府外生はこれにプラス十万円の入学金を払わないといけません。同じ公立大学でも、首都大学東京は、入学金については、都内生の負担は都外生の半分なんですよね。都外生が国立大と同じ入学金になってるんです。首都大学東京は要は都内の子のほうが安い。大阪は府外のほうからようけ取る、全反対のことをやってるんです。受験料も首都大学東京は一万七千円です。府大は三万円です。ほぼ倍ですね。授業料減免を受けた学生数は、私が取り寄せた資料によりますと、平成二十八年前期で比較すると、首都大学東京は、全額免除、半額免除を入れて、学部生、院生込みで七百五十九人です。大阪府立大学は三百二十二人です。約半分です。減免枠が首都大学は同じ公立大学でも随分広い。学生が学びやすい環境がつくられているというふうに思います。
 学生が安心して学べるように、運営交付金の増額を初め、減免基準の緩和、入学金を首都大学東京のように府内生は半分にするなど、大胆な大学改革が求められるのじゃないかなというふうに思っています。
 今回の法人統合、また大学統合の議論というのは、そもそも大学の内部から生まれてきたものではありません。二重行政の解消、そういう取り扱いで始まったのがスタートラインです。法人統合後どんな大学になるか、こういう検討を進めていくというふうに言われていますが、法人統合してから、やっぱり無理やったわと言って後戻りすることはできません。便利で稼げる大学づくりではなくて、教員のボランティア精神ではなくて、きちんと教員が基礎研究を豊かに発展させ子どもたちに伝えていけるような、大阪と人類の発展に寄与できる大学をつくっていくためにも、統合ありきという議論は一旦置いて、現場の声をしっかりよく聞いて、地に足つけた取り組みをすることを引き続き求めておきたいと思います。
 森友学園問題については、もう時間もありませんので今回は質問しませんが、真相解明を求める声が依然として高い中で、府民が納得いく解明を進めていく、このためにも引き続き皆さんには御質問もしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 大学の問題は重要ですので、大学問題については知事質問をさせていただきますので、委員長、よろしくお願いいたします。
 これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。



   


トップページ | 議員 | おもな活動 | 政策・見解 | 定例議会 | 府政資料 | リンク
(C)日本共産党大阪府議会議員団
大阪市中央区大手前2丁目大阪府庁 TEL06(6941)0569 FAX06(6941)9179 メールjcp@gikai.pref.osaka.jp