9月定例府議会常任委員会

〜日本共産党の知事質問から〜


 9月定例府議会の常任委員会で知事質問が16日から21日までおこなわれ、
日本共産党の各議員が太田知事の政治姿勢などをただしました。


不要不急の関空2期事業見直しこそ必要

宮原たけし議員


太田知事に迫る宮原議員


    総務常任委員会(20日)で宮原たけし議員は、関空2期事業の必要性について太田知事の見解をただしました。昨年6月に国土交通省が下方修正した需要予測(07年に13万6000回)と比べ02年度は10万8000回で、今年度は10万回を割る可能性があると指摘。その原因は世界同時多発テロやSARSやイラク戦争の影響だけでなく、成田空港の暫定滑走路の供用開始や国内線では大阪国際空港の便利さなど構造的要因があるとし、「関西の経済や人口の規模、身の丈に見合う社会資本という点でも2本の滑走路は見直すべき」と主張しました。
 太田知事は「中長期的にはアジアの旺盛成長を背景に航空需要は伸びる」とし、「身の丈に合った空港整備などあり得ない。2本目の滑走路がないのは世界の常識に反する」などと語気を強め、2期事業の推進に固執しました。
 太田知事の政治資金パーティー問題で宮原議員は、府の請負業者がパーティー券を購入していることは、「不適切ではないか」と指摘。太田知事は「パーティー券購入は法律上は寄付に該当しない。請負関係の有無は問題でない」と、請負企業からも含めて集めた政治資金が選挙に使われる可能性を否定しませんでした。

大企業に雇用責任を果たせと求めるべき 

阿部 誠行議員


太田知事に迫る阿部議員


   商工労働常任委員会(17日)で阿部誠行議員は、太田知事が7月6日放映の「サンデープロジェクト」で、大阪の失業率が高い原因を「全国から仕事を求めて大阪に集まってくる」「調べ方自体が自主的に申告する部分がかなりある」「雇用保険の使い方で地域での違いがあるから」とのべた問題で、太田知事の真意をただしました。
 太田知事は「失業率の高さはさまざまな要因がある」などと、あいまいな答えに終始。阿部議員は、テレビでの知事の発言は失業率が高い理由に当たらず、「府民の暮らしを守り、大阪経済再生の最高責任者の発言としてはあまりに無責任」と厳しく指摘しました。
 阿部議員は、大阪に本社を置く上場企業463社が2年間で4万6693人もの人員削減をおこなっていることを示し、リストラや倒産・廃業こそが失業率の高い原因だと強調。府として、大企業に雇用確保の社会的責任を果たすよう求め、国には解雇規制のルール確立を求めるべきと主張。太田知事は「大企業は厳しい経済状況の中、経営改善の一環としてリストラしている。そのこと自体は企業の経営方針であり、正しい面もある」としました。

福祉・医療費助成の改悪直ちに撤回せよ 

黒田まさ子議員


太田知事追及する黒田議員


   健康福祉常任委員会(20日)で黒田まさ子議員は、太田知事が「持続可能な制度に再構築」を理由に福祉医療費助成制度の改悪を打ち出していることに関連して質問しました。
 府の福祉予算の総額は97年から6年間は横ばいなのに、介護保険制度の府負担など法定経費が1・7倍に増加。黒田議員は「ところが府は98年以来、福祉予算の枠はそのままに、一般施策や医療費助成を削減してきた」と批判。府の総予算の0・5%を拡大すれば現行制度は維持できるとし、「知事が本当に府民の健康や弱者の立場に立つなら、福祉予算の拡大にこそ力を注げ」と迫りました。
 太田知事は「責任ある立場で政策判断した。再構築が何よりも必要」と答弁。黒田議員は太田知事就任後の2年間だけでも福祉施策が342億円も削減されていることを示し、「今回の改悪は、府と府民とをつなぐ最後の糸を切ること。最も弱い立場の人に手を差し伸べずに福祉は語れない」と厳しく批判しました
 また黒田議員は、保健所は、憲法25条に基づいて府民の命と健康を直接保障・支援する施設だとし、支所は廃止ではなく拡充こそ必要だと主張しました。

食の安全守るために大阪湾の独自調査を

小谷みすず議員


太田知事に質問する小谷議員


   環境農林常任委員会(20日)で、小谷みすず議員は、食の安全問題について質問しました。10日の同議員の質問で、大阪湾の魚介類のダイオキシン類調査は最新のもので99年に水産庁がおこなった423検体中「このしろ」1検体しかなく、9・148ピコグラムと数値も高いことが明らかになりました。
 小谷議員は、食品安全基本法に基づいて、府が独自に大阪湾の魚介類を調査するよう要求。太田知事は、「今年度の水産庁による調査は5種類で外洋からの回遊魚の8割にあたる。この調査で十分」として、独自調査を拒否しました。
 小谷議員は、東京都が独自にダイオキシン類生物汚染状況を調査していることを示し、「何もしていない大阪とは大きな違い」として、重ねて独自調査の実施を求めましたが、太田知事は「大阪湾と東京湾の実状は違う」などとしました。
 このほか小谷議員は、15市町で大阪産の米を学校給食などに取り入れているが、年1回から月数回程度がほとんどだと指摘。「せめて全学校で週1回は大阪の米を」と主張、野菜も含めて大阪農産物の地産地消を「オール大阪」ですすめるよう主張しました。

大型店イオン進出で地元業者の声を聴け

岸上しずき議員


太田知事に質問する岸上議員


   企業水道常任委員会(16日)で岸上しずき議員は、りんくうタウンに府が誘致するイオンモールの進出問題で質問しました。
 イオンモールはりんくうタウンの泉南市部分15fに、ジャスコや専門店など年商200億円以上の大型複合商業施設を計画。府は定期借地法式などの優遇策を講じるとともに、地元の導入などの優遇策を取ると同時に、泉南市と覚書を交わし、同市の負担でアクセス道路を整備します。
 進出にたいし泉南市や泉佐野市などが連盟で9月末に太田知事に提出した要望書では「われわれを抹殺する政策を強行」「(府が)街そのものを壊し、街が消えていくことに加担される事になります」として、誘致計画の再検討を求めています。
 岸上議員はこうした地元小売業者の負担にどうこたえるのかとただしたのにたいし、太田知事は「要望は承知しているが、総合的に考えて、府や地元にとって利益になる」としてあくまで誘致を進める考えを示しました。

エアコン使用料徴収減免制度を創設せよ

奥村健二議員

奥村健二議員は教育文化常任委員会(17日)で、養護学校の深刻な過密・過大問題で、「放置できない状態だと評価するか」とただし、新たな学校建設を求めました。太田知事は「ここ数年の生徒数の増加は承知している。教育環境の充実が必要」「生徒数の推移や養護学校の将来像を見すえて教育委員会で検討中であり、それをふまえて対応したい」と答弁。奥村議員は「新たな学校建設も含めて検討を」と主張しました。
 来年度から府立高校のエアコン使用料5400円(年額)を徴収し、滞納者は退学にすることを府教委が決めた問題で、奥村議員は減免制度を設けるよう要求。「授業料値上げのさいは半額免除の対象者の拡大をおこなっている。進学の機会、勉学の継続を保証する上で、少しでも経済的負担を軽くする配慮は当然」と主張しました。
 太田知事は「普通教室にいっせいに空調機を導入するもの。受益と負担の関係で、無理のない範囲で負担いただく」として、制度創設を拒否しました。

 また府立大学の法人化に関連して、地方独立行政法人法の付帯決議に沿って大学の自主性や学問の自由を保証するよう求めました。

府住家賃減免制度の実態に合った改善を

小林隆義議員


太田知事に質問する小林議員


  土木建築常任委員会(17日)で小林隆義議員は、道路照明の減灯、府営住宅の家賃減免問題で太田知事の見解をただしました。
   府は、維持管理費の節約を目的に00年3月末に980灯、ことし9月末で730灯を消灯しています。
 小林議員は減灯の経済効果は年間2000万円ほどで、道路維持管理費は毎年余っていることを示し、「減灯は大阪の安全なまちづくりからみて逆効果。防犯対策上も早急に再点灯をすすめるべき」と主張。太田知事は「今後減灯はおこなわず(祭点灯が必要なものは)土木部にチェックさせたい」と答えました。
 昨年改悪された府営住宅の家賃減免制度は、減免対象者は生活保護基準を目安に決められています。小林議員は、障害年金を受給している重度障害者の高齢者世帯などでは、医療費負担を加味すれば生活保護基準以下の収入となる場合でも減免の対象外となっている問題を指摘。生活実態に見合った制度に改善するよう要求しました。
 太田知事は「府営住宅家賃は全体として応態応益の考え方で無理のないご負担をいただきたい」とのべるにとどまりました。



2003年10月26日付
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日本共産党大阪府議会議員団