りんくうタウンに超大型施設
 
"イオン進出に地元反発"
 〜岸上しずき府議リポート〜
  商店街疲弊、泉南市議会が反対
  市長、予算を専決処分 
 
 
   泉南市のりんくうタウンに府から借地して進出を予定しているイオンモールをめぐって、地元経済や市財政に対する壊滅的影響への懸念から同市議会が関連道路予算を不採択にするなど、反発が強まっています。ところが向井通彦市長が議会を無視して予算を専決処分し、異常事態をまねいています。
面積15fの大型集客施設
 イオンモールは専門店や映画館を併設した面積15fの超大型集客施設を来年3月にオープンの予定です。
 今年2月に立地決定。府に出店を申し込んだ際、予定地と市中心部を結ぶ市道の新設などを条件にしました。
 市はJR和泉砂川駅から南海本線を超えてりんくうタウンの出店予定地を結ぶ市道信達樽井線(2・7`)のうちの0・52`区間の整備を提案。これは65億円の事業費で、そのうち40億円を新たな借金でまかなうというものです。
 同市では7年前にサティが進出した際にライフが閉店、今回のイオンモールの進出のためにそのサティも6月末で撤退しました。泉南市商店会連合会や市商工会が、大型店進出による旧市街地の地盤沈下を指摘し、イオンモールの進出には慎重に対処するよう市に求める要望書を提出しています。
 一方、市議会は、周辺道路整備を盛り込んだ予算案を3月議会で否決、再度提案された6月議会でも10日間会期延長されたものの、審議末了、流会で結局廃案となりました。
 大阪府は、日本共産党や府民が当初から反対していたにもかかわらず、関空の背後地として総額5900億円をかけて「りんくうタウン」を造成したものの、企業誘致がすすまず、「りんくうタウン」事業などに府民負担増になる一般会計から約2300億円もの財政支援することになっています。
格安の賃貸料地元には打撃
 今回の事態は、府が巨大開発の破たんのつけをさらに地元市に押しつけていることが原因となっています。分譲方式から賃貸方式への本格的転換で、イオンモールの賃貸料は月平坪500円の格安、価格破壊をまねき内陸部の地権者や不動産業者の生活と営業に打撃をあたえています。市への固定資産税の収入も、借地としているため分譲にくらべて年間4000万円の減収となります。また、市民からは「イオンが30年もつづけると思いますか。サティで7年、しかも土地は借地。もうからなければいつでも撤退するのと違いますか」との意見も出ています。
 イオンモールが撤退した場合、あとに残るのは道路整備に費やした経費の莫(ばく)大な借金と、長年努力して来た商店街の疲弊、街こわしです。道路の総事業費65億円のうち、東洋クロスという企業に34億円もの移転補償をおこなうことも疑問視されています。地域経済と泉南市の財政に大規模開発の失敗のツケを押しつけることは許されません。
23日にイオン問題報告集会
「明るい民主的な泉南市をつくる会」は、市長が指摘された疑問に答えず、議会も無視して専決処分を強行した責任を問うための「イオン問題市民報告集会」を23日午後7時から信達公民館で開きます。




2003年7月19日付
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日本共産党大阪府議会議員団