大阪府行財政改革プログラム(素案)について
2006年9月4日
日本共産党大阪府議会議員団
第1に、私立高校授業料助成の削減や全国一高額な府立高校授業料のさらなる値上げ、府立高等職業技術専門校の有料化など、新たに府民の負担を増やすものとなっています。
第2に、市町村補助金をはじめ民間福祉施設など各方面への補助金を削減、制度融資など府民に密着した事業の縮小や、養護学校の通学バスの民間委託の徹底、金剛コロニーを地域に分散させて民営化をはかるなど、府の役割放棄をいっそうすすめようとしています。
第3に、河川や道路整備、防災対策など生活関連建設事業費は10%削減する一方、大型開発公共事業は推進の立場を鮮明にしました。
中小企業の活動が大阪経済を支えてきた大阪では不況からの回復が遅れ、社会的格差と府民の貧困化は以前から深刻でしたが、小泉内閣の「構造改革」による国民負担と社会保障の連続切り捨てでいっそう広がっています。今年6月、生活保護率は2.48%、国民健康保険料は43万8千人(4人に1人)が滞納しています。
今回の行財政改革プログラム(素案)は、今でも大変な府民の暮らしにさらに追い打ちをかけるもので、住民福祉の増進という地方自治体の責務を放棄するものに他なりません。
わが党は、財政悪化の最大の要因である大型開発の見直しや無駄の典型である同和事業の廃止こそ真っ先に行うべきであると考えます。
06年度までに1140億円以上を支出している関空2期工事や、治水面からも利水上からも全く不要となっている安威川ダムの建設に700億円も支出していますが、安威川ダムの建設や水と緑の健康都市開発などは、直ちに中止すべきです。
また部落解放同盟などが活動の足場にしている人権協会などへの約5億円の補助金や一般施策の中で行っている事実上の同和事業は廃止すべきです。
税財源対策として、国に対し大企業への特別減税を改め、1997年水準に戻すことを要求します。当面、府独自の法人事業税の超過課税を、資本金10億円以上の企業を対象に10%(現行5%)に引き上げ(約90億円の増収)、自主財源の強化をはかります。府民福祉の向上と大阪経済の振興と財政再建は両立できるのです。「行財政改革プログラム」(素案)の撤回と真の改革をめざして府民の皆さんとともに奮闘する決意です。