「大阪府子ども条例」の修正案
2007年3月12日
日本共産党大阪府議会議員団
条例の名称を「大阪府子どもの権利に関する条例」とし前文以下を次のように修正する。
すべての子どもは、明日に向かう希望と可能性に満ちた、かけがえのない存在です。
いま大阪でも、児童虐待をはじめ、いじめや暴力の広がりなどによって、子どもの健全な成長がおびやかされている現状があります。一人ひとりの子どもが夢を持って成長することは、大阪府民の願いであり、これからの大阪府の豊かな未来を築いていくためのきわめて重要な課題です。
すべての子どもは、性別、国籍、障害の有無、家庭の経済的事情などによって差別されることなく、大人や社会によって守られ安心して生きること、わかるまで学ぶこと、自分の思いや意見を表明すること、願いや意見が尊重されることなどの権利をもっています。
これら子ども期の権利を大人や社会が大切にし、愛情をもって子どもの願いや意見を受けとめたとき、子どもは、自分自身を大切に思い、主体的に生きる力をはぐくみ、同時に他者の思いや意見を受けとめることができ、子どもは成長します。
大阪府は、こうした理念のもとに、日本国憲法と子どもの権利条約を基本とし、すべての子どもの権利の保障をめざして、この条例を制定します。
(目的)
第1条 この条例は、子どもの最善の利益を考慮し、子どもの権利に関する総合的かつ計画的な施策を定め、子どもの権利を保障することを目的とします。
(定義)
第2条 この条例において「子ども」「保護者」「学校・施設」の用語の定義は以下のとおり規定します。
1 子ども18歳未満のすべての者をいいます。
2 保護者 親、児童福祉法に規定する里親、その他親に代わり子どもを養育する者をいいます。
3 学校・施設 学校教育法に規定する学校、専修学校、各種学校その他の施設及び児童福祉法に規定する児童福祉施設をいいます。
(生きる権利)
第3条 子どもは、安全に安心して生きるために、主として次の権利が保障されます。
1 命が守られ、平和と安全のもとに、安心して暮らすこと。
2 かけがえのない存在として、愛情を持って育まれること。
3 いじめ、虐待、体罰などから守られ、また、放任されないこと。
4 性別、国籍、障害の有無、家庭の経済的事情などによって、差別、不利益を受けないこと。
5 健康的な生活をおくり、適切な医療が受けられること。
6 気軽に相談でき、必要な援助が受けられること。
(守られる権利)
第4条 子どもは、自分を守り、守られるために、主として次の権利が保障されます。
1 あらゆる種類の虐待や搾取などから守られること。
2 成長を阻害される状況から守られること。
3 子どもであることをもって、不当な扱いを受けないこと。
4 プライバシーが守られること。
(成長発達する権利学習する権利)
第5条 子どもは、豊かに育つために、主として次の権利が保障されます。
1 個性や自分らしさが尊重されること。
2 ゆっくりと学ぶ、また学び直すことができること。
3 ゆとり、やすらぎ、遊びの時間と場所をもつこと。
4 自分に関係することを、年齢や成長に応じて自分で決めること。
5 芸術、スポーツ、地域の伝統文化などにふれること。
(意見表明する権利社会参加する権利)
第6条 子どもは社会へ参加するために、主として次の権利が保障されます。
1 家庭、学校・施設、地域などの場で自分の思いや考えを表明できること。
2 表明したことが尊重され、大切にされること。
3 参加に際し、適切な情報提供や支援が受けられること。
4 仲間をつくり、仲間と集うこと。
(府の責務と役割)
第7条 府は、子どもの最善の利益を考慮し、子どもの権利に関する財政的な基盤を備えた総合的な施策(以下「子ども施策」という)を策定し、実施します。そのために、包括的な部局を設置します。
A府は、子どもが社会参加できるしくみをつくります。
B府は、子どもの権利保障の状況を検証するため、子どもの権利委員会を設置します。
C府は、子どもの人権救済のための第三者機関を設置します。
D府は、障害児など、特別な支援を必要とする子どもたちのための施策を実施します。
E府は、不登校・ひきこもりなどに関わる公的支援策を実施します。
F府は、在日外国人の子どもの権利保障のための施策を実施します。
G府は、子どもの権利や人権にかかわる市民団体との協働をすすめます。
H府は、子どもの人間らしい発達を妨げるメディア・文化について、関係者に理解を求め、必要な働きかけを行います。
以 上