パレスチナ自治区ガザへの攻撃中止と即時停戦を働きかける外交努力を求める意見書
パレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘が激化している。この間イスラエル軍は、ガザ北部の難民キャンプ、病院、救急車などを無差別に攻撃している。ガザでの犠牲者は1万人を超え、うち4割は子どもと報じられている。ガザ地区北部には今なお数十万人の住民が残っているとみられ、ジェノサイド(集団殺害)の深刻な危機に直面している。
今回のガザ危機の直接の契機は、ハマスによる国際法違反の民間人への無差別攻撃にある。同時に、こうした事態が起こった背景には、イスラエルが1967年以来ヨルダン川西岸とガザ地区を占領下におき、住民の強制排除を行いながら入植を拡大してきたこと、ガザ地区に対しては2007年以来封鎖政策をとり、「天井のない監獄」と呼ばれる非人道的状態をつくりだしてきたこと、たびたびの空爆によって多くのパレスチナ人を犠牲にしてきたことがある。
ハマスによる民間人殺害や拉致は国際法違反であり、人質を直ちに解放しなければならないが、イスラエルが、ハマスの攻撃に対する「自衛権」をたてに圧倒的な軍事力を行使した報復とガザでのジェノサイドを行うことは、どんな理由でも正当化できない。
日本政府は、「人道的な戦闘休止」を主張するものの、イスラエルの民間人攻撃について国際法違反との批判を避け、戦争そのものの停止を求めていない。国連総会で採択された休戦を求める決議にも棄権した。しかし、ガザの深刻な人道的危機を打開するためには、イスラエルがガザ攻撃を即時中止するとともに、双方が少なくとも人道的休戦を求めた国連総会決議を順守した行動をとり、即時停戦のための交渉のテーブルにつくことが必要である。そのための行動を緊急にとることが日本を含む各国政府と国際機関に求められている。
よって政府は、イスラエルに国際法違反の攻撃を中止するようよう求め、双方に即時停戦を働きかける外交努力を尽くすことを求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
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