2023年7月19日
大阪府知事 吉村 洋文 様
日本共産党大阪府議会議員団
石川 たえ
賃上げ実現、大阪の雇用と中小企業を守る重点要望
昨年からの急激な物価高騰が府民生活を強く圧迫しています。名目賃金は前年を上回っているものの物価高騰に全く追いついておらず、前年同月比の実質賃金は昨年10月以降マイナスが続いています。大阪では年間の実質賃金が昨年までの15年間でマイナス47万5千円と、全国の40万9千円を大幅に上回って減少しています。
しかも、90年代からの労働法制の規制緩和により、正社員から非正規社員への置き換え、異常な長時間労働など非人間的な働かせ方が横行し、少子化など日本社会の存続さえ危うくしています。
中小企業もまた、コロナ禍から回復しないまま原材料や光熱水費などの物価高騰の打撃を受け、“作っても売れない”状況が続き、少なくない業者が過剰債務に陥るなど事業継続の危機に瀕しています。
長期の経済低迷が続く下での物価高騰という危機を打開し、賃上げを実現し大阪の雇用と中小企業を守る立場で、下記の施策の速やかな実施を強く要望するものです。
記
1 賃上げ促進、働き続けられるルールをつくる
(1)国に対し、最低賃金の時給1500円以上への引き上げ、および中小企業の賃上げへの支援強化を求めること。
物価上昇に応じた賃金水準となるような最低賃金引き上げ制度や、平均賃金水準に対する比率など均等待遇をめざす中長期的な目標設定を求めること。
(2)非正規労働者の賃上げに伴う社会保険料・労働保険料の増加分への補助制度を、国とも協力し設けること。
(3)極端な長時間労働や過剰なノルマなどを規制する条例や、下請け賃金の適正化や品質確保を保証する公契約条例を制定すること。
国に対し、同様の法整備を求めること。
(4)国に対し、残業時間の上限短縮、派遣労働の一時的・臨時的なものへの限定、解雇・雇い止めの規制、正社員と非正規労働者との均等待遇など、“人間らしく働ける”ルール整備を求めること。
2 生業と暮らしを守る
(5)国に対し、消費税率の5%への緊急引き下げ、および10月からのインボイス制度実施の中止を求めること。
(6)中小企業への、光熱費・家賃などの固定費増加分に対する補助制度を設けること。
(7)融資の借り換えやリスケジュールに当たってペナルティが発生しないように、金融機関に強く働きかけること。
(8)国に対し、事業復活支援金を持続化給付金なみに拡充しての再支給、および家賃支援給付金の復活を求めること。
(9)企業等による奨学金返還支援制度(代理返還制度)を活用する中小企業への財政補助を行うこと。
(10)収入が低い非正規労働者世帯へ、一定期間継続した「くらし支援緊急給付金」(仮称)を給付すること。
国に対し、非正規労働者への直接支援策の大幅強化を求めること。
以上
|