1.物価高騰から府民のくらしを守る
日本共産党の石川たえです。
昨年からの長引く物価高騰は今も収まる兆しがなく、「1日にうどん1玉、豆腐1丁を3回に分けて食べる」など、食費を減らすしか節約の方法がない高齢者など、府民生活に深刻な影響を与えています。5月の大阪市消費者物価指数は105.0と依然として高く、消費税15%相当の重い負担となっています。
今議会提案の物価高騰対策は、全て国庫の範囲内であり、大阪府としての独自の財政支出はなく、物価高騰から府民生活をどう守るのかという点で不十分と言わざるを得ません。
(1)子育て世帯への支援
物価高騰対策として、子どもへのお米配布第2弾が提案されているが、第1弾の申請率は5月15日時点で約57%、「お米よりも現金支援の方が助かる」、こういう声も上がっております。
愛知県は昨年、児童手当に1人1万円の上乗せをする、申請不要のプッシュ型給付を行っています。
「子育て世帯については世帯にかかる食費の割合が非常に大きい。そこについての支援を行う」、こう説明もされていますが、子育てで必要なのは食料だけではありません。
お米や食材の支援にとどまらず、現金給付、かつ申請式ではなくプッシュ型で給付することが必要だと思いますが、知事の見解を求めます。
吉村洋文知事
子ども食費支援事業についでは、物価高騰で家計の負担が増大する中、子ども・子育て世帯の食料・食費支援という政策目的を明確にするため、現金ではなく主食のお米を中心に、他の食品も選択できる形で食料を配付することとしたものであります。
物価高騰が依然として続く中、第2弾の事業を実施することにより、子ども・子育て世帯の食料・食費を引き続きしっかりと支援してまいります。
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私は子ども食費支援事業についてお聞きをした訳ではありません。食料支援と併せて、プッシュ型の現金給付を行うことこそが必要であると求めておきたいと思います。
(2)消費税の緊急減税
物価高騰に苦しんでいるのは子育て世帯だけではありません。給付金対象とならず、「生活は苦しい」と悲鳴が上がっている世代も非常に多くいます。消費税は低所得者ほど重く、かつ子どもからお年寄りまで全世代にのしかかってまいります。
パネルをご覧下さい。
コロナ禍以来、世界ではすでに103か国が付加価値税減税に踏み出しており、国民生活を守る上で、消費税減税は世界の常識と今なっています。
維新の会も消費税減税を公約に掲げておられますが、昨年来の物価高騰に当たり、知事は消費税減税を国に求めたことはあるのでしょうか、お聞かせ下さい。
吉村知事
消費税については、税率を含め、国で一律に定めるものでありますので、国政政党間の議論を経て、国において適切に判断されるべきものだと考えています。
府として消費税減税を国には求めていません。
物価高騰対策としては、府民の暮らしを守るために、子どもの食費や燃料費等を支援しており、引き続き対策を進めてまいります。
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すぐ税率のお話をされますけれども、私は知事に減税してくれとお願いしているわけではありません。減税を求めるべきだと申し上げています。
全世代が消費税15%相当の負担となっている今、消費税引き下げは、府民生活を助ける特効薬となってまいります。
府民の暮らしを守るのが知事の仕事であるにも関わらず、「国の判断」という姿勢はあまりにも無責任と言わざるを得ません。
消費税減税を知事として今すぐ政府に求めるべきだと思いますが、再度知事の見解を求めます。
吉村知事 消費税は国で定めるものでありますので、やはりここは国政政党間の議論、国政の主張、国において判断されるべきものだというふうに考えています。
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府民生活を預かる知事として、やはりきっぱりと消費税減税を、直ちに国に要望するべきだというふうに強く求めておきたいと思います。
(3)医療費の負担軽減
医療費の負担も深刻となっています。
昨秋の75歳以上高齢者への医療費窓口負担2倍化は受診抑制を引き起こし、全国保険医団体連合会調査では、経済的理由による受診控えは81%を超え、「痛みを極限まで我慢し、痛みが勝った時だけ病院に行く」など深刻な事例も少なくありません。
子ども医療について言えば、1回500円の窓口負担が子育て世帯の重石となり、「500円は1日の食費。食事をとるか医療を取るかの選択を強いられている」という悲鳴も起こっています。「窓口負担なくなると助かる」、こういう声は非常に多いです。
群馬県は、今年の10月から窓口負担なし、所得制限なしの完全無償化を18歳まで拡充をいたします。鳥取県では、来年度から全県で18歳以下の子ども医療費の完全無償化に踏み出します。鳥取県知事と全市町村長出席の行政懇談会では「本来なら国がやるべきだ」、こういう意見、財政問題での懸念が出されましたが、知事が「全市町村が一斉に無償化することが大切だ」と訴え、同意を得て、県と市町村折半で完全無償化に踏み出します。これこそが、知事がとるべき態度だというふうに思います。
「受益と負担」などと言って背を向ける姿勢は即刻改め、高齢者医療助成の復活、障がい者医療の薬代無料、子ども医療費完全無償化に直ちに踏み出すべきだと思いますが、知事の見解を求めます。
吉村知事
老人医療費助成制度及び重度障がい者医療費助成制度など福祉医療費助成制度については、実施主体であります市町村と協議を重ねて、重度の精神障がい者や難病患者を新たに対象とする拡大とともに、受益と負担の適正化の観点から再構築したものであります。
老人医療費助成制度の復活、重度障がい者医療費助成の院外調剤及び乳幼児医療費肋成制度の窓口負担の無償化については、制度の持続可能性の確保や受益と負担の適正性の観点から困難であると考えています。
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2018年の大阪府の医療助成制度再構築は、一部拡充があるものの、高齢者医療助成を廃止し、障がい者に薬代の負担を押しつけました。
市町村と協議して持続可能な制度構築をと繰り返しておられますが、大阪府の再構築に便乗して市独自の医療制度を廃止した市もあるわけです。
医療は受益ではありません。必要な医療を受けることは全ての国民に保障されるべき権利です。国と地方自治体が安心して医療を享受できるように支援することこそが仕事です。
この立場に立てない大阪は、子ども医療費助成ひとつとっても全国から今遅れをとっています。「持続可能」と言いながら府民を切り捨てる、この姿勢は即刻改めるべきだと申し上げておきます。
2.教育の無償化
次に、教育の無償化についてお聞きをいたします。
(1)私立高等学校等授業料無償化制度の改善
私立高校授業料無償化は多くの府民から歓迎をされております。しかし一方で、学校の違いはあるものの、12月頃還付のため、入学時一旦全額を支払わなくてなくてはいけない、「一時負担はできないと進学を断念」、こういう事例もあります。
子どもたちが進学断念することのないよう、4月入学時から無償化となる制度設計にするべきではないでしょうか。知事の見解を求めます。
吉村知事
令和元年に教育庁が実施した調査においては、特に新入生に対して、入学時点ではその生徒が無償化制度の対象となるかが分からないという理由から、9割の学校が一時的に納付を求めているという結果でありました。
新制度案においては、世帯年収にかかわらず全員が無償化制度の対象となることから、生徒、保護者に授業料の一時負担が生じないような対応が可能か、検討してまいりたいと思います。
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今回、所得制限が撤廃されますので、親の前年度所得について調べる必要がなくなります。4月からの無償化の制度摂家というのは可能だと思いますので、早期実施を求めておきたいと思います。
授業料以外にも入学金、制服代や学用品などの費用も入学時には必要となってまいります。
パネルをご覧下さい。
大阪のある私立高校では、授業料を除く初年度納付金は入学金20万円、宿泊研修などで約48万8000円、納付金以外の制服などの経費が約32万7000円。これらを併せると、初年度だけでも授業料以外に約81万5000円が必要となってまいります。
授業料無償化、所得制限なしとなっても、初年度の負担は非常に大きい。
せめて高校入学金も無償化の対象とし、少しでも経済的負担を減らしてはどうかと思いますが、知事の見解を求めます。
吉村知事
本府の私立高校等の授業料無償化制度については、国の就学支援金制度に上乗せして衰施をしており、ベースとなる国の制度において、入学料は支援の対象とはしておりません。
授業料は、毎年約60万円、3年間で合計約180万円必要であるのに対し、入学金は入学時の1回、約20万円となっています。
現時点で入学金を補助対象とすることは考えておりません。
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「入学金は1回20万円やから大した負担やない」といいうふうにどうしても聞こえてしまうんですけれどもね、国が支援対象としていないからと言って、大阪府が無償化できない理由には全くなりません。
入学金をせめて無償にすることが保護者の負担軽減にもつながってまいります。公立大学大阪は授業料・入学料ともに補助対象とされています。
私立高校入学金も無償とし、経済的負担を減らすことを求めておきたいと思います。
(2)私立高等学校等経常費補助金の引き上げ
私立高校授業料無償化の一方で、私学経常費助成金の単価は全国平均と比べて上がらず、各私立学校の経営に大きな負担が生じ、教育内容にしわ寄せがきていると聞いています。
パネルをご覧下さい。
2022年度当初予算で見ると、大阪府が国から受け取る「財源措置額単価」と大阪府が私立高校に支払う「経常費助成単価」の差額は、全日制で23,210円、2023年度当初予算においては、その差額が28,527円差と大きくなっています。
国の財源措置額単価と府の経常費補助単価の差額分は大阪府の収入となるのでしょうか。教育長にお聞きをいたします。
橋本正司教育長
私立全日制高等学校に対する経常費補助金の補助単価につきましては、府立高校の生徒1人当たりの所要経費をもとに算出しました標準教育費の2分の1を基本とし、地方交付税等から構成される国の財源措置額の範囲内で算定をいたしております。
地方交付税による国の財源措置額についてでございますが、普通交付税の基準財政需要額が全て府の収入になるのではなく、基準財政収入額を差し引いた額が府の収入になりますことから、個別事業ごとの地方交付税の収入額を特定できるものではないというふうに考えております。
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差額分を他に流用しているのではないと言われているのだと思いますけれども、財源措置額とは自治体が標準的な行政を行うのに必要とされている額です。
なおのこと、差額分を埋める努力を大阪府はするべきです。
大阪府は橋下知事当時に、私学経常費助成を生徒数に応じて支給するパーヘッド方式にし、小規模校ほど経営が苦しくなりました。
生徒当たりの単価は全国最低レベルと今なっています。
関係者からは「経常費助成額が減額されることによって、子どもたちの学校生活に影響を及ぼす可能性がある。少なくとも国が基準額として決めている財源措置額まで引き上げていただきたい」と繰り返し要望が出されています。
経常費助成の単価は全国平均レベルまで引き上げるべきではないでしょうか。知事の見解を求めます。
吉村知事
経常費補助金は、私学で学ぶ生徒たちの教育条件の維持向上などを目的として交付するもので、私立高校の運営にとって重要な財源であり、公立高校にかかる経費をもとに必要な補助を行っています。
府では、経常費補助金と授業料無償化の補助金を合わせて全国2位となる支出をし、充実した私学助成を実施しているところです。
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今経常費助成のことについてお聞きをしていますので、「経常費助成と授業料無償化を合わせて全国2位だ」といっしょくたに論じないでほしいと思います。私は、私学の環境整備を進めていく上で関係者から要望の強い経常費助成額について、せめて差額分を埋めるべきだと申し上げています。
経常費助成額は、1人当たりを公立高校にかかる費用の半分で算定をいたします。公立高校をどんどん統廃合し、公立高校そのものにお金をかけない結果が、私立高校へのしわ寄せともなっています。公立高校つぶしは私立高校をも圧迫する、このやり方を見直し、公立、私立に関わらず、子どもたちが安心して学べる環境をつくることこそが行政の責任です。
経常費助成額を全国平均まで引き上げること、公私ともに生徒が安心して進学し、学べる環境をつくる制度設計を行うことを、引き続き求めておきたいと思います。
(3)学校給食費の無償化
次に学校給食費の無償化についてお聞きをいたします。
提案されています府立学校給食費無償化の補正予算、これ自体は歓迎いたしますが、しかし、なぜ当初予算で組まなかったのか、国交付金がなければ無償化継続をするつもりはなかったのか、知事にお聞きをいたします。
吉村知事
府立学校の給食費の無償化については、国に新たな財政措置を要望するとともに、その状況を踏まえ検討することとしていたところです。
令和5年度当初予算編成後の本年3月に、国から新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用方針が示され、物価高騰に伴う子育て世帯支援などが交付対象事業とされたことから、府立学校給食費の無償化について2号補正予算案をこの度計上したものであります。
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結局、国の財源措置待ちで、単独実施するつもりはなかったということが今のご答弁で明らかになったのではないかと思います。
学校給食は「食育」であり、まさに教育そのものです。学校給食法にうたわれる「児童及び生徒の心身の健全な発達」を促進していく上で、学校給食費の無償化は欠かせません。
千葉県は県として3人目の子どもの公立小中学校給食費を今無償化にしています。これこそが広域行政の役割です。
大阪府として、府立学校での無償化を交付金がなくとも実施する、全市町村立小中学校での無償化が実施できるよう大阪府として財政支援を行う補助制度を創設する、この2つ提案しますが、知事、いかがでしょうか。
吉村知事
現在、国においては学校給食費の無償化に向けた実態調査を実施し、給食実施率等の実態把握と課題の整理を行うこととしておりまして、府としてはその動向を注視しながら、引き続き、国による財政措置がなされるよう要望するとともに、これらの状況を踏まえて検討してまいります。
市町村立小中学校の給食費の無償化については、給食の実施主体である市町村において必要性を判断し実施されるべきものであり、市町村が実施する給食費無償化に対して府として補助等の財政措置を行うことは考えていません。
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大阪府単独で府立学校の給食費無償化を求めていくことと併せて、再度お聞きしたいんですけども、市町村立小中学校での給食無償化は実施主体の市町村で判断というふうに言われますが、市町村の財政力の違いで給食費が無料になる有料になる、こういう違いが生まれて本当にいいのでしょうか。
2011年度から5年間実施した「中学校給食導入促進事業」は、市町村立中学校での給食実施に各市町村が踏み出せるように、大阪府が初期投資等の財政支援を行ってきた事業です。
この姿勢に今こそ立ち返り、府内の学校に通う子どもたちは、どこに住んでいようと、無償で給食を食べられるようにする、府が市町村への財政支援を行うべきだと思いますが、再度知事の見解を求めます。
吉村知事
市町村には選挙で選ばれた市町村長がおられます。市町村立小中学校の給食費の無償化についても、まさに給食の実施主体である市町村においてその必要性を判断し実施されるべきものだというふうに考えています。
改革の努力も行いながら、当該市町村長の努力と判断、これが重要だというふうに思っています。
府として補助等の財政措置を行うことは考えていません。
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大阪府が財政支援することによって、中学校給食というのはぐっと進んだわけです。市町村が実施主体だと、それぞれの市町の長が判断するべきだというふうに逃げてしまわないで、大阪府がしっかり市町村を支えていくことで子どもを守っていってほしいとお願いを申し上げておきます。
3.高齢者施設等での新型コロナ対策
次にコロナについてお聞きをいたします。
「5類」移行に伴い、イベントの再開や観光客の増など、人々は日常生活に戻りつつあります。一方でコロナ感染者は増え始め、施設内感染者やクラスターも増え始めています。
パネルをご覧下さい。
重症化リスクの高いと言われる高齢者施設でのクラスターによる陽性者数は、4月以降、急激に増えています。
「5類」とされた5月8日以降、クラスターのカウントがこれまでの5人以上から入所施設のみ10人以上に変えられたので、単純な比較は難しいものの、5月15日以降、陽性者は急激に増えていることが分かります。高齢者等施設でのクラスター対策を「5類」後どう進めているのか、府の姿勢が問われる結果だと思います。
高齢者等施設での定期頻回検査は9月末までの移行期間後、継続実施するかは今後検討となっていますが、クラスターを抑え感染制御するために、定期頻回検査を継続し、対象を利用者まで広げるべきです。併せて、3月末で打ち切った無料検査場を再開し、感染制御の取り組みを強化すべきだと思いますが、知事の見解を求めます。
吉村知事
高齢者施設の対策は引き続き重要だと思っています。
国においては高齢者施設等の感染対策は5類化以降も当面継続する方針としでおりまして、府としても、府が独自に3日に1回の従事者等に対する定期検査の実施、また利用者が発症時に速やかに検査が可能になるように、高齢者施設等「スマホ検査センター」、こういったものを継続して設置しているところであります。
秋以降、これらの取り組みについてどうするかについては、今後の国の方針や感染状況も踏まえなから検討してまいりたいと思います。
また、一般に行われておりました無料検査事業につきましては、検査キットの入手が容易となっていることや、5類化以降、自己負担により検査を受ける有症状者との公平性を踏まえ、再開することは考えておりません。
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先ほどのパネルでお示ししましたけれども、もうすでに5月の15日以降、高齢者施設のクラスターによる陽性者数というのは急激に今増えているわけです。この時点で、秋以降どうするかと、のんびりしたこと言うてて本当にいいのかなと疑問を持ちます。
先ほど言われていた「スマホ検査センター」は有症状者が対象です。これまで行ってきた定期頻回検査は、症状のあるなしに関わらず実施されてきたからこそ、クラスターを起こさないことにつながっていた、本当に大きな力を発揮していたというふうに思っています。これを継続し利用者まで拡大しなかったら、症状がある人だけが「スマホ検査センター」に行ったんでは、感染の急拡大は抑えられないということを、もうこの3年間大阪府は繰り返してきてますので、同じことを繰り返すのは私はだめだというふうに思います。
無料検査場の再開は、「不公平」というのであれば、現在自己負担となっている医療機関等での検査も無料にすれば公平になります。
重症化リスクの高い、高齢者等施設での定期頻回検査の継続と対象を拡大すること、無料検査場を再開し国内外からの観光客も受けられるようにすること、検査費用は行政検査も無料とするよう大阪府が財政負担することで、コロナから府民をしっかり守る大阪になってほしいなということを申し上げたいと思います。
4.ギャンブル依存症対策
最後に依存症対策についてお聞きをいたします。
「『大阪依存症センター』設置でワンストップ型の支援体制強化」と言われていますが、カジノ誘致で一体何人依存症が増え、「大阪依存症センター」設置によって何人依存症患者を減らせると推察しているのか教えて下さい。
吉村知事
IR誘致に伴う懸念事項でありますギャンプル等依存症については、大阪府・市とIR事業者において、世界の先進事例に加えて大阪独自の対策をミックスした総合的かつシームレスな取り組みを構築し、万全の対策を講じていきます。
また、「(仮称)大阪依存症センター」については、先般、有識者会議を発足し、IR区域整備計画に定めるワンストップ支援や普及啓発等の機能について、議論を開始したところであり、IR開業までに整備できるよう検討を進めていきます。
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私は、何人IRカジノを誘致することで依存症疑いの患者さんが増えるのかと、そして、「(仮称)大阪依存症センター」の設置で一体何人減らせるのかというふうにお聞きをいたしましたが、全く答えになっていないというふうに思っています。
パネルをご覧下さい。
「世界の先進事例に学ぶ」と言われていますが、その1つがシンガポールだと思います。この、大阪府がお手本にしているシンガポールは、2014年以降、依存症あるいはギャンブルに問題を抱えると推定される人の割合が上がっています。
「大阪依存症センター」設置だけでは依存症患者を減らすことはできないことは明らかです。現在、約14万人と言われる依存症疑い患者のうち、専門機関への受診は最高時で約700人程度です。
大阪でどう依存症患者を減らしていくのか、具体的な取り組みについて、知事の見解を求めます。
吉村知事
ギャンブル等依存症対策については、第2期計画に基づき、若年者への予防啓発や相談支援の充実、治療体制の強化などに重点的に取り組んでいるところです。
第2期計画においては、重点施策ごとに個別の数値自標を定めて、私がトップになります「大阪府ギャンブル等依存症対策推進本部」において進捗評価を行うなど、実効性のある対策になるように、総合的かつ計画的に取り組んでいきます。
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2期計画では、依存症を診ることのできる精神医療機関を令和7年度末までに60機関、今25機関ですけれども、相談数は1.5倍を目標としていますが、各医療機関が継続的な相談や治療をどの程度協力してくれる見通しなのか。大阪全体で相談や治療に当たるカウンセラー、医師、看護師をそれぞれ何人増やす計画なのか。そういう具体的なことは全く見えてまいりません。
「これ以上依存症を増やさないことが目標」、こう言われますけれども、依存症を増やさないためにはカジノをつくらないことがカギであるということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
有難うございました。
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