遅れる大阪の防災 カジノ万博開発を優先
地震・豪雨対策はじめ、防災・安全のまちづくりは政治の重要な役目です。
大阪府が管理する河川に、改修が必要な護岸が約80kmあることがわかり、府は2011年度から改修を始めています。ところが12年かけて改修を終えたのは3割。河川改修への府独自の財政支出は、07年度は23億円でしたが、22年度は14億円に減っています。
土砂災害対策が必要な渓流や急傾斜地も、府内に1000カ所以上ありますが、21年度までに改修に着手できたのはわずか8カ所です。
道路や橋など公共施設、電気やガスなどライフラインの対策も急がれます。府内の上水道管のうち、40年以上も前に設置された老朽管が3分の1を占め、全国最高の比率です。
一方で、維新府政のまちづくり計画には、カジノ万博関連はじめ大型公共事業がめじろ押しです。関空まで十数分早く行けるだけの「なにわ筋線」に府と大阪市が各590億円、通行量が減っている阪神高速道路の淀川左岸線延伸部に各300億円の税金を投入する予定です。地下鉄中央線の拡張にも各28億円を支出しますが、半年間の万博が終われば夢洲(ゆめしま)までの路線は“カジノ専用鉄道”となります。
府のまちづくり計画と公共工事を、くらし密着・防災安全型に転換させることが必要です。(O)
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