大阪府の「財政再建」 府民犠牲と税収増で
維新の会は、大阪府の財政を「改革で財源を生み出し黒字にした」と自慢しています。維新府政前と比べ借金が減り貯金が増えていることは確かですが、これは「改革」の成果などではありません。
黒字化の原因の一つが、リーマンショックで落ち込んだ税収の回復です。橋下・維新府政スタートとほぼ同時にリーマンショックが起こり、2009年度の法人府民税・事業税(特別法人事業譲与税含む)は、前年の3分の2に激減。そこから経済の回復とともに税収も年々回復してきましたが、これは全国共通の傾向で、それでも大阪府の税収回復は全国平均を下回っています。
安倍政権による2度の消費税増税で府への消費税収配分が増えたことも大きな原因です。13年度までは1千億円程度だった配分額が21年度以降は2倍以上に増えています。
コロナ対策で府独自の財政支出を全く行わなかったことも「財政改善」につながりました。20年度から3年間の府のコロナ対策費のほとんどを国交付金などが占め、府独自の財政支出はわずか1・7%です。
橋下知事以来10年余におよぶ維新流「改革」で、府民生活を支える多くの施策が削減されました。財政的に最も大きかったのが人件費削減で、10年間の「効果額」の4割を占めます。府職員が、医療・福祉・環境など住民に近い部署ほど減らされています。
府民に“痛み”を押しつけて貯め込んだ貯金は、今こそ暮らしと営業支援に回すべきです。(O)
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