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大阪の維新府政 コロナ失政


根底に科学無視の姿勢


 大阪府内の新型コロナ死者数は3千人を超え、人口当たりで東京都の1.5倍以上にのぼっています。全国最悪の被害をもたらした大きな要因が、維新府政のコロナ対策-自公政権と軌を一にした、科学的知見の無視、自己責任論の持ち込み、医療と公衆衛生切り捨てによる大失政です。

検査拡大に背
 感染抑え込みにはワクチン推進だけでなく無症状者を含む大規模検査がカギですが、吉村洋文知事は極めて消極的です。根底にあるのが科学無視の姿勢です。
 大阪の9月の検査数は、人口当たりで米国の3分の1、英国の9分の1程度です。老人ホームなどでクラスターが多発、多くの死者を出した反省から職員の定期検査が始まりました。しかし府内では、陽性者が出た場合の施設へのフォロー体制の弱さなどが理由で、対象施設の約半分でしか実施されていません。感染拡大の予兆をつかむモニタリング検査も、週5千件前後にとどまっています。
 最大の理由は、「無症状者への検査拡大は『偽陽性』や検査負荷を増やし、感染拡大防止の効果も低い」という誤った意見に吉村知事がいまだに固執し続けていることです。PCR検査の精度は国際的にも実証済みで、政府も無症状者への検査を増やさざるをえなくなっている中、吉村知事の姿勢は特異です。

コロナ病床減
 病床確保の点でも、第4波の危険が指摘されていた今春、専門家の警鐘をよそに重症病床を3割減らし、多くの重篤患者が治療を受けられず亡くなる事態につながりました。
 吉村知事はこれまでも、感染状況の指標「大阪モデル」を「大阪都」構想住民投票(昨年11月)まで赤信号がつかないように改変、ワクチン接種率だけでコロナ病床を削減する「出口戦略」を提案するなど、コロナ対策を政争の具とし、科学を無視してきました。結果、コロナ対策都道府県ランキング(浜岡豊・慶応大教授の調査)で最下位となるなど対策の遅れが目立っています。


自己責任論持ち込む

 病床確保も営業自粛も、十分な補償を行い協力を求めることが不可欠です。ところが、吉村知事の対策は、強制と制裁、自己責任論そのものです。

自公そのまま
 自公政権の「原則自宅療養」方針そのままに吉村知事は8月に「40歳未満は原則自宅療養」方針を表明。医療関係者らの批判を受け撤回しました。医療機関の減収補てんは拒む一方、すでに感染者を受け入れている病院に一律1.35倍の患者受け入れを要求。府専門家会議委員からも「感染症や呼吸器の専門医は一律にいるわけではない」と異論が出ています。「大規模医療・療養センター」を設置しましたが、病床最大1千床に対し医師1名と、医療施設としては極めて不十分です。

監視と制裁で
 飲食店などの営業自粛要請に際しても、「見回り隊」を大規模に編成し、従わない店舗に過料を払わせるなど、監視と制裁で従わせる姿勢です。自粛要請に応じても、協力金は「疑わしきは支給せず」で審査に時間と労力を費やすため、今年春先の自粛分が今も支払われていないなど「全国一遅い」と業者から悲鳴が上がっています。緊急事態解除後の酒類提供の条件であるゴールドステッカーも、18日時点で約6千件が認証待ちの状態です。
 さらに吉村知事は、強制的に病床明け渡しや店舗閉鎖をさせる有事法制の制定まで主張しています。


医療・公衆衛生切り捨て

 維新府政が自公政権の医療・公衆衛生切り捨てに拍車をかけてきたことが、大阪のコロナ対策をさらに困難にしています。

足りぬ保健所
 府内の保健所は政令・中核市を含め18カ所、うち人口275万人の大阪市には1カ所しかなく、人口当たりの担当職員数は東京都墨田区保健所のわずか2割です。繰り返す感染拡大で業務ひっ迫が慢性化する中、正規職員増を求める声があがっていますが、増員されているのは非正規・派遣職員が中心です。現カか所の府保健所の人件費を除いた予算は、維新府政前(2007年度)の7割に減額されています。
 府立5病院への府の財政負担も維新府政前の6割にまで減額されています。コロナ重症患者の治療に大きな役割を果たしている千里救命救急センター(吹田市)への府独自補助金は10年度限りで打ち切ったままです。18年には住吉市民病院(大阪市住之江区)を「二重行政」と決めつけ廃院にしました。

子ども感染も
 感染者に占める若年層の割合が増えています。学校や保育施設などでの感染対策が急がれますが、この点でも吉村知事は無策です。
 学校施設や備品の消毒などに当たるスタッフ配置が不十分なまま、府立高校19校で、複数配置していた養護教諭を今年度から1人へと減らしました。感染防止にも役立ち、ほとんどの都道府県が独自導入している少人数学級を、大阪府は導入していません。逆に府立高校の統廃合をコロナ禍のもとでも着々と進めています。
 保育所や学童保育でも、「1人でも感染者が出れば全員検査」としながら、検体採取などの作業や費用は現場の負担です。
 昨年度に府が行ったコロナ対策のうち、府独自の財政支出はわずか0.29%でした。府民の命と暮らしを守るには、自公政権を退場させ、維新府政のコロナ対策を転換することが必要です。(O)




「しんぶん赤旗」2021年10月21・22・23日付より



   


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