気候危機打開に実効ある温室効果ガス削減目標を持ち社会システムの大改革を求める意見書
世界各地で、異常な豪雨、猛暑、干ばつ、海面上昇が大問題となっている。日本でも数十年に一度と言われる豪雨や暴風、猛暑などによる災害が頻発している。気候危機は、日本にとっても緊急に解決しなければならない死活的問題となっている。
国連IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、今年8月の報告書で、気候の現状について「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことは疑う余地がない」とした。そのうえで、これからの10年の思い切った温室効果ガス削減と、2050年までに温室効果ガスの排出量「実質ゼロ」を達成し、その後も大気中のCO2濃度を下げる努力を続けることによって、21世紀の最後の20年には気温上昇を産業革命前に比して1.4度まで抑えることができることを示した。
新型コロナウイルスなどの新しい感染症が次々と出現し、人類社会の大きな脅威となっているが、この背景にも、森林破壊をはじめとした環境破壊、地球温暖化がある。
しかし、政府が4月に発表した2030年度の目標は「2013年度比で46%削減」(2010年比換算42%)というもので、国連が示した「2030年までに2010年比45%減」という世界平均よりも低いものにとどまっている。
すでに世界の気温は、産業革命前比1.1~1.2度上昇しており、破局的な気候変動を回避するために取り組める時間は長くない。10年足らずの間に、全世界のCO2排出量を半分近くまで削減できるかどうかに人類の未来がかかっている。
よって政府及び国会は、下記の事項を実施するよう求める。
記
1 2030年度までにCO2排出量を2010年度比50~60%削減する目標を持ち、その実行に責任をもつこと。
2 石炭火力発電からの計画的撤退、最悪の環境破壊を引き起こす原発依存のエネルギー基本計画を改める、電力と鉄鋼など一部産業を中心とした大規模事業所の脱炭素推進など、省エルギー促進、再生可能エネルギー普及のために社会システムの大改革を進めること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
|