1.医療体制を立て直し、コロナから命を守る
日本共産党の石川たえです。コロナ対策についてお聞きをします。
パネルをご覧ください。
激しい感染拡大となった第4波で、医療崩壊といのちの危機が今も続いています。
ピーク時の療養者は第3波の3倍以上。十分な医療が受けられない自宅療養者、入院調整中の患者があふれ、「ECMOを使用する際、年齢を確認し、効果見込みのない年齢の方には使わない」、こういう「医療トリアージ」のような、まさに非常事態となりました。
次のパネルをご覧ください。
昨日までに、2,299人が命を落とし、大阪は人口10万人当たりの死者数は第3波を超え、全国の3倍です。
(1)国への医師・看護師の派遣要請を
日本共産党は、4月22日の緊急要望で、府民のいのちを守ることを最優先に、政府にDMAT派遣をはじめ、医療従事者を数千人規模で送ってもらう、比較的感染が広がっていない他県に重症者の受け入れをしてもらう、搬送は自衛隊に頼むなど、要請するべきだと提案しましたが、大阪府が行った医師派遣要請は、4月21日時点で、フォローアップセンターの医師1名だけです。
わが党の山下よしき参議院議員が国として医師派遣を行うべきであると厚生労働省に要望した際、「大阪から要請依頼は来ていない」、こういう驚くべき回答が厚労省から返ってきました。
医療スタッフが足りず、救える命が救えない、まさに医療「総崩れ」の状態になりつつあった時に、積極的に支援要請すらしてこなかった。とんでもない話です。
医師は必要ない、これが知事の判断だったのでしょうか。
吉村洋文知事
石川議員の質問にお答えを申し上げます。
コロナ医療に係る医師の体制確保につきましては、府からの要請を受けまして、入院待機ステーションに、和歌山県からDMATに来ていただいたほか、大阪コロナ重症センターに府内の三次救急医療機関等から継続派遣をいただいております。
なお、重症センター以外の府域のコロナ受け入れ医療機関からは、府に対して看護師の派遣依頼がある一方で、医師の派遣依頼はありませんでした。これは、コロナ医療においては看護師確保が非常に大きな課題であるためであり、府としては国に対して、看護師の派遣要請を行ったところであります。
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重症者は増え続け、大阪の医師だけでは到底回らない、こういう事態であった時に、国への要請は1名です。しかも医療機関は「医師必要の有無を聞かれてもない」と言われています。担当課も「全医療機関に必要性を聞いたわけではない」とこういうふうに返ってまいりました。聞きもしないで依頼がないと言う、こんな判断では府民のいのちは守れません。
看護師確保が課題であり要請したといわれますが、看護師要請も実は非常に少ない。第4波で大阪が国に要請したのは、4月8日重症センター全面運用に向け人数指定なしの要請、4月26日重症・軽症中等症病床と宿泊施設対応あわせ75名です。
もともと要請数が医療ひっ迫の状態と全くかみあっていない。野戦病院さながらの状態が、重症センターだけでなく、重症者受け入れ医療機関、重症者が留め置かれた医療機関や高齢者施設でも起こり「看取りしかできない」現状まで起こっている時に、2回目の大阪の要請数は看護師たった75名です。
知事はこれで十分という認識だったのでしょうか。見解を求めます。
吉村知事
コロナ医療にかかる看護師さんにつきましては、4月8日に国への支援を要請をいたしまして、120名の派遣をいただきました。ご指摘の75名につきましては、新たに人材を確保するということで、受け入れ病床の増床が見込まれる医療機関や宿泊療養施設等からの申し出を踏まえ、追加的支援を要請したものです。大阪の医療ひっ迫を踏まえ、国から最大限のご支援をいただいたと考えています。
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1回目の要請に120名派遣されたということですが、75名は追加要請と言われました。この75名の追加要請に対し、派遣されたのはたった6名です。結局最終的に大阪に派遣された人数は直近で145名です。重症対応看護師は70名派遣されたうち60名は重症センターに配置をされています。残りたった10人が重症受け入れ医療機関への派遣となっています。
医療機関だけでなく、各宿泊施設にも、そして自宅療養者にもと、あらゆる場面で医師と看護師が必要とされていたにもかかわらず、重症センター以外には積極的に看護師派遣する姿勢もない。これがいまの大阪の態度であり、私は決して許されるものではないと思います。
東日本大震災では全国からDMAT380隊1500人の医療従事者が派遣されています。今なお、重症病床はひっ迫しており予断は許されません。
今からでも、国に医師、看護師の派遣を求めるべきだと思いますが、知事の見解を求めます。
吉村知事
感染症であるコロナに対応できる看護師さんというのは元々それほど多いわけではありません。その中でも現在、人材の確保の課題となっている看護師さんについて、府からの要請を踏まえて、これまで国から145名の派遣が決定されているところでもあります。順次コロナ重症センターや府内医療機関等で勤務をいただいているところであります。
コロナ医療については看護師さん不足が全国的な課題でもあります。今も、北海道であったり沖縄であったり、医療がひっ迫している状況の中、国も無尽蔵に人材を派遣できるわけではない中で、145名の派遣と、非常に大きな派遣をいただいたと思っています。75名の派遣につきましても様々な課題がある中で派遣をしていただいています。全てではありませんが、国から派遣をいただいています。
コロナ医療において、看護師確保は大きな課題だと思っております。今後、国への派遣要請につきましては感染動向、入院患者数、病床確保等の状況を踏まえて適切に対応してまいります。
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他県からの支援は私も有難いと思っています。ただ、私が申し上げているのは、元々大阪府の姿勢の問題なんです。75名75名と言われますが、派遣要請している数が75名で、来てくれているのはたった6人ですから、75名の要請に対して6人しか来ていただいていない。
もともと全国よりもたくさんの感染者を出している時に、もっとたくさんの支援をと呼びかける姿勢が必要だったのではないかと申し上げておきます。
(2)重症病床確保、受け入れ病院への補助金支給
2月19日、大阪府は緊急事態解除要請を決定し、3月1日の解除とともに病床確保数を引き下げました。
パネルをご覧ください。
2月26日の本部会議で専門家は「新規感染者数が再び増加に転じてきた場合、2週間後には重症者も増加することが、これまでの経験で分かっている」、こう言われています。にもかかわらず223床運用していたものを、4月1日には156床まで重症病床を減らし続け、その後、4月13日には重症患者数が実運用数を超えます。
次の波への予測を行わず、病床を減らしたことが、重症者があふれ命を落とす事態を招いたと思います。
なぜ病床確保を継続せず運用病床引き下げを行ったのか。知事の見解を求めます。
吉村知事 新型コロナに係る病床につきましては、一般医療との両立を図るため、感染状況に応じたフェーズや移行基準に基づき、各医療機開から提出された計画上の病床数の範囲内で、可変的な運用を行うこととしています。<BR>
こうした病床運用につきましては、医療関係者で構成される新型コ口ナ対策協議会の意見を踏まえ策定した病床確保計画において、定めたものです。<BR>
ご指摘の3月1日時点における、フェーズの切り替えにつきましては、2月22日に重症患者数が102名となり、あらかじめ定めた移行基準である105名を下回るとともに、さらに下降傾向が続いていたこと等から、フェーズの引き下げを医療機関に通知したところです。
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宣言解除した3月1日時点で重症87名、軽症中等症で514名。確保数はあっても、実運用数を減らすということは、次の波が来た時に、すぐに病床が使えない、こういう事態を招きます。実際、第3波において、重症病床・軽症中等症病床とも、病床確保増の要請から運用まで22日間かかっています。
実運用で減らした病床は他の疾患患者が利用します。次の波がきたから「出て行って下さい」なんていうことが、現場で簡単に出来るはずがありません。近大病院院長は「12床の重症病床を3月初旬に10床に減らせと言われた。これで戻したら次は増やせませんよ」と、指摘されていました。
こういう現場の指摘を分かったうえで、病床を減らすように指示したのでしょうか。見解を求めます。
吉村知事
病床のフェーズ移行につきましては、昨年7月の病床確保計画の策定前に、受け入れ医療機関に対して行ったヒアリングをふまえ、重症病床については要請から1週間程度の準備期間を想定して運用数の変更をお願いしているところです。感染拡大傾向がみられた3月31日に医療機関に対してフェーズの引き上げ要請を行ったところです。
その1週間後には約9割の病床運用を行っていただきました。しかしながら、これまでにない変異株の拡大スピードで重症患者が急増したことから、4月半ばに、府が確保していた病床数224床を患者数が上回ることになりました。
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見通しが甘いと思っています。そもそも病床確保計画をつくるときに、実効再生産数1.7で大阪は計算しています。これでは病床の確保としては少ないよ、と私も昨年指摘しました。ところがそのままこの確保目標にもとづいて病床の確保がやられてきたわけです。
1週間程度の準備期間と言われますが、第3波では22日間かかっているわけです。現場の方は「これではムリ」「次は増やせないよ」と言っているのに、「これまでにないスピードで重症患者が急増した」と。これが病床ひっ迫の原因だと言わんとする姿勢は、私はどうかと思う。対策を怠ってきたのは大阪府です。そこをしっかり反省しないといけないのではないかと思っています。
病床確保に関わってもう一点お聞きします。大阪府は何とか病床確保をと、各医療機関に緊急要請を行っています。しかし、府内のみで解決しようと激しい追い込みをかけていました。
中軽症病院には「患者が重症化した場合も、入院を継続」、2次救急医療機関には「救急受け入れ患者が陽性となった際も中軽症患者の場合は入院を継続、夜間休日も受け入れ体制確保」。それ以外にも「個室化等のため休止とした病床の運用を」「フォローアップセンターからの入院依頼には原則応じること」、挙句の果てに「正当な理由なしに協力に応じなかったときは勧告」を行うと、脅しまでかけています。
府内医療機関に病床確保を迫る一方で、財政支援は滞っています。昨年来、早期全額支給を求め続けた包括支援交付金の支給実績は、病床確保に関わるものは3月31日時点でまだ約60%でした。年度末になっても支給されていないことに驚くばかりです。
今すぐ2020年度分だけでも全額支給すべきと思いますが、見解を伺います。
吉村知事 令和2年度の病床確保補助金につきましては、令和3年5月26日に支払いを完了していますが、昨年12月以降に新たに指定された受け入れ医療機関に対しては、一部概算払いの導入を図ってきたところです。
今年度は、審査事務の迅速化に努め、受入医療機関の事務負担の軽減も考慮しながら、原則として全ての受け入れ医療機関を対象に、国からの交付決定のあった上半期分の補肋金について、実績によらず、概算払いに変更しているところです。
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2020年度分は全部払っていただいたということで、有難うございました。ただ、2020年度分は実績払いで、お金が届かなかったことが、医療機関を苦しめました。2021年度分は概算払いに変更とのことで、ぜひこの方向でしっかり進めていただきたいと思います。
次に、「新型コロナ感染症患者等受入医療機関緊急支援事業補助金」についてお聞きします。この補助金は軽症中等症受け入れが1床当り450万円、重症が1,500万円です。
ところが重症受け入れ医療機関以外の病院から、「重症者を受入れているのに重症病床として申請できないのはなぜか」と疑問の声が上がっています。
これらの医療機関は、府の要請により緊急的に重症者をそのまま継続して受け入れているのですから、重症受け入れ医療機関としての登録がなくとも、重症病床として申請対象にするべきと思いますが、見解を求めます。
吉村知事
お示しの補助金につきましては、固から医療機関に直接補助される制度でありますため、当該補助金の運用については、最終的には国の判断によります。>
なお、当該制度において重症病床として交付を受けるためには、府への病床確保計画上の重症病床としての届け出、これが必要であると国から示されているところです。
府としても重症化した患者さんへの継続治療を行っていただいた軽症中等症患者受入医療機関に対しては、やはりこれ受け入れを行っていただいたわけでありまして、病床確保計画上の届け出を行っていただけるよう理解を求めていきたいと思います。
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私は厚労省に直接電話で確認しました。返ってきた答えは、「軽症中等症病院であっても重症者受け入れを行っている医療機関は補助金対象となるので申請できる、計画上まだ載っていない医療機関についても申請していただいてその上で省として大阪府に確認する」と言われていました。
厚労省は、計画、届け出を出していなくても、5月末の届け出変更のところで修正もきくし、省としても確認するので申請してくださいと言っているのですから、「運用報告だけでは申請できない、届け出を出せ」というようなことを言っていないで、今すぐにでも通知を出して、軽症中等症病院であっても、重症を受け入れた病院は対象になるということを明確に通知し、申請を呼びかけるべきですがいかがですか。
吉村知事 当該制度として、重症病床として交付を受けるためには、府への病床確保計画上の重症病床としての届け出が必要であると国から示されているところであります。我々としても中等症の病院で受け入れていただいた医療機関にぜひ補助金を受けてもらいたいと思っています。
受け入れ医療機関に対して病床確保計画上の届け出をぜひ行っていただくよう理解を求めてまいります。これは僕自身が担当部から、実際国から確認したと報告も受けています。実務的な手続きですから担当部にもご確認いただけたらと思います。
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かみ合っていない。届け出してなくても重症病床の受け入れをやったら申請してもかまわないというのが厚労省の見解です。ところが大阪府は、計画の中に入れないといけないので届け出を出せと、中軽症の病院は重症の届け出を出せと迫っている。届け出がなくても補助金対象になると厚労省が言っているんですから、再度確認していただき、きちんと医療機関に示していただきたいと思います。
第4波の教訓を生かし、第5波対策として重症病床を確保することが必要です。
知事の決断で最低でも500床確保することはできませんか。
吉村知事 変異株による感染拡大を非常に警戒しています。また、インド株は、イギリス株の1.5倍感染力が強いんじゃないかといわれているインド株がすでに大阪に存在している状況です。
新型コロナの重症患者の急増により、確保した重症病床数をオーバーフローした「第4波」の経験を踏まえて、現在病床確保計画の見直しを計画しているところです。
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「感染拡大のスピードが今回の波のように極めて速い事態が起こりうる可能性は高い。少なくとも重症者数500までに耐えうる整備を」と、りんくう総合医療センターの倭(やまと)先生も指摘されています。病床確保は医療機関への減収補填や医療体制への支援強化なしにはできません。医療機関をしっかり支えつつ、せめて500床の重症病床を確保することを求めておきたいと思います。
2.検査体制を強化し、感染拡大を抑え込む
(1)変異株スクリーニング検査
大阪でもインド株による感染者が発生しました。専門家が指摘するように、変異株を見つけ出すスクリーニング検査の拡大が必要です。ところが、5月11日に定められた改訂「検査体制整備計画」の参考資料では、スクリーニングについて「ほぼイギリス株に置き換わっている、変異株スクリーニングを継続すべきかは懐疑的」「大阪における変異株スクリーニングは一部に限定して行う」と縮小の方向です。インド株が発見された今、一気にスクリーニングをかけないと、また感染急拡大の恐れを拭えません。
新たな変異株感染を抑え込むために、100%でスクリーニング検査をかけるべきです。知事の見解を求めます。
吉村知事 新型コロナウイルスの変異株スクリーニング検査につきましては、 検査に適した検体か限られているため、全例に対し行うことは困難だと思っています。
国の基本的対処方針や通知によると、スクリーニング検査の実施率を全陽性者数の約40%とする目標が掲げられていますが、直近の府の実施率は概ね60%に達しています。
現在大阪では従来株から英国由来株へほぼ置き換わったとされていることから、今後N501Yのスクリーニング検査については縮小するが、府内の状況を注視し、インド由来株の発生状況も踏まえ、引続き、変異株スクリーニングの検査体制を確保していきます。
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今おっしゃっていたように、概ね60%は英国株のスクリーニングです。スクリーニングは、早い段階で全件検査を行うことで、兆候をつかみ早期保護することで感染制御にもつながります。インド株の感染が拡大してから60%では遅い。現在のスクリーニングは大阪健康安全基盤研究所と一部の民間検査機関と聞いています。英国株で60%までできたのなら、この時に協力してくれたすべての検査機関に今すぐ呼びかけ、全件検査ができるようにすることで変異株抑え込みができると思っていますので、よろしくお願いします。
(2)高齢者施設等の定期検査
次に、高齢者等施設の定期検査についてです。
改訂「検査整備計画」では「クラスター未然防止に寄与した」といいながら、厚労省が決めた6月末以降は「ワクチン接種の進捗や新たな変異株検出の有無等をふまえて判断」と継続未定になっています。
パネルをご覧ください。
高齢者等集中的検査の結果では、陽性者は全国175人、うち大阪が101人。この101人が検査できずに、そのまま高齢者等施設で従事していればクラスターはもっと増えたと思うとぞっとします。
これらの施設での集中的定期検査を7月以降も継続し、通所施設や入所者も対象にすべきです。見解を求めます。
吉村知事 新型コロナ感染症については、クラスターが発生した場合の重症化・死亡リスクがより高い高齢者入所施設等の従事者を対象に、定期検査を実施しているところです。現行計画では6月までを実施期間としていますが、7月以降の継続や対象者の範囲については、高齢者に対するワクチン接種の進捗や府内の感染状況を踏まえ判断してまいります。
なお、入所施設に併設されている通所施設の従事者は対象に含まれていますが、その他、通所施設の従事者や施設入所者等を含め、幅広く対象としている高齢者スマホ検査センターでの有症状者への迅速な検査の実施等と併せて、引き続き高齢者施設等のクラスター発生の未然防止に努めてまいります。
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「集中定期検査をしていたからクラスターを抑えられた」と保健所が言われているように、集中定期検査の繰り返しが、早期発見・保護となり、クラスター、重症、死亡の流れを断ち切ります。「これからの感染状況を見て」とよく言われますが、感染拡大してからでは遅いのです。日常的に繰り返し繰り返し頻回で抑えていくことが大事です。7月以降も継続することを強く求めておきます。
第4波では保育所や学童保育・学校教育施設でのクラスター、休園、休校も起こりました。しかし、学校はクラブ等の中止はあるものの、ほとんどが通常授業です。
子どもたちへの感染拡大を抑えていくためにも、高齢者等施設に加え、保育所や学校教育施設での職員全員定期検査、また一人でも感染者が発生した場合は児童生徒を含む全員検査を行うべきだと思いますが、見解を求めます。
吉村知事 無症状の定期的な大量PCR検査については、リスクの高さを考慮し、高齢者入所施設等の従事者を対象としています。なお、学校や保育所で、関連性が明らかでない患者が複数発生した場合などにおいては、無症状であっても保健所長の判断により幅広に検査を行うこととしています。
また、保育所等の職員もスマホ検査センターの対象に新たに追加しました。陽性者等の早期探知によるクラスター発生防止に努めてまいりたいと思います。
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豊中の新田小学校では教職員20名が感染しクラスターが発生しました。その後、生徒全員検査を行ったところ児童13名の感染が判明しています。「児童全員を検査してほしい」と教員が必死に求めて、やっと全員検査が叶ったと聞きます。もし、全員検査をしていなければ、児童の陽性は発見できなかった。これが知らず知らずに感染を広げてしまう結果にもつながっていきます。
幅広くとか、保健所長の判断でとかではなく、せめて感染者が出た場合は児童生徒の全員検査を行うことを強く求めておきます。
高齢者等施設で、集中定期検査を受けた施設は対象の半分以下です。「検査を受けたいが、感染者が出ると休所し事業所はつぶれてしまう」と躊躇する事業所もあります。この事態を解決し、集中定期検査を受けられるようにするために、休所しても廃業にならないように支える事業継続支援が欠かせません。
利用者負担に跳ね返ることなく事業継続できるよう、新たな支援制度を創設してはいかがでしょうか。
吉村知事 介護・障害福祉サービス事業所に対しては、昨年度に引き続き、国制度を活用し、感染症の発生や濃厚接触者に対応した事業所等を対象に、緊急時の介護人材確保に関する費用や、衛生用品の購入などの「かかり増し経費」を補助する事業を実施してまいります。
この事業を通じて、介護・障害福祉サービス事業所における事業継続を支援してまいります。
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いつも「かかり増し経費」と言われます。「かかり増し経費」は総額が非常に少ないんです。それでは事業継続は不可能だというのが現場の声です。だから、感染は怖くても検査を受けにいかない。悪循環が続いていくわけです。
これまでの継続支援事業にあわせて、大胆に財政支援を行い、高齢者等施設がつぶれないよう、事業継続できるよう求めておきたいと思います。
(3)繁華街等でのモニタリング検査
モニタリング検査についてお聞きします。5月23日までで、配布数3万8千、陽性疑い68名でした。陽性者が少ないことから、幅広い検査は効果なしという態度を大阪府は崩していません。しかし、この68人を早期発見したことが重要です。例えば実行再生産数が1を超えた場合、ねずみ算式に感染者は増えていきます。
第4波で全国の2割以上の感染者を生み出してしまった大阪こそ、その反省の上に立ち、モニタリング検査を少なくとも1日2万件の規模に増やし、府内全域のターミナルや繁華街で実施すべきです。見解を求めます。
吉村知事 新型コロナウイルスのモニタリング検査については、感染拡大の予兆を探知することを目的に、国と連携のうえ、3月初旬から開始し、主要ターミナル駅、繁華街に加え、企業等の団体に対しても実施していますが、その検査結果により府内の感染拡大の兆候を把握するには至らなかったと考えています。
そのため、4月下旬以降は、幼稚園・保育園の職員や飲食店の従業員など、特定集団を対象としたモニタリング検査に変更したところであり、判明した結果に応じた府民への注意喚起や集中的な検査等を行うことで、感染再拡大の防止を目指していきたいと思います。
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兆候把握に至らなかった、それは国も大阪府も、1日500個程度の配布と、絶対数が少ないからです。そして、モニタリングだけでなく、市中にいる無症状者を早期発見するためには、幅広い検査が必要です。
モニタリングを含め、幅広い検査をせめて最低1日2万件は実施するべきだと申し上げておきます。
(4)「検査体制整備計画」抜本見直しを
改訂「検査体制整備計画」には「通常検査、高齢者等施設での定期検査、変異株スクリーニング検査の全てにおいて検査需要を満たす検査能力を有している」と明記されています。検査需要数といいますが、今は保健所が濃厚接触だと判断しなければ、本人が望んでも検査を受けることはできません。ここで言われる検査需要は、本当に必要な人ではなく、これまで検査を受けた実績数を元にしたものです。これでは感染制御はできません。
厚労省も承認したプール方式の導入、全自動検査機器の購入など、検査キャパは広げられます。
高齢者等への全員定期検査を継続する、モニタリング検査を1日2万件程度は実施する、変異株スクリーニングは全検体対象とするなどを前提に、検査体制整備計画を再改訂することを求めます。知事の見解を求めます。
吉村知事 新型コロナ感染症に係る「検査体制整備計画」については、関係団体や専門家の意見も踏まえながら、本年5月に改訂したところです。
高齢者施設等における定期検査や変異株スクリーニング検査などあわせて、感染拡大時には約3万件の検査需要があると見込まれていますが、1日最大の約4万件の検体採取、分析能力があり、今後も確保した検査能力を有効に活用し、感染拡大防止に努めてまいります。
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「検査需要3万件」は先ほども申し上げた通り、実績数を元にしたものですから、本当に受けたい人は対象となっておりません。コロナは発症前が一番感染力があり、発症しても無症状である人が4割となることが明らかになっている今、たった4万の検査能力で満足しているということは、これ以上検査をやらないということに等しいのではないでしょうか。
コロナ封じ込めには、ワクチンの迅速な供給と併せて大規模検査の実施が欠かせません。十分足りているという認識を改め、「整備計画」の抜本見直しで、コロナ封じ込めを行うことを求めておきます。
3.少人数学級推進でコロナ禍から子どもを守る
次に子どもの問題についてお聞きします。
国立生育医療研究センター「第4回コロナ×こどもアンケート」では「小学4年生以上の15~30%のこどもに中等度以上のうつ症状があった」と発表しています。
政府の子供・若者育成支援推進大綱には「学校は子供、若者にとって学びの場であるだけでなく、安心、安全な居場所」「コロナ禍における臨時休業は学校の重要性を再認識させた」と書かれており、対策として国は少人数学級を進めることを明記しました。感染対策とともに、子どもの学習環境・生育環境を守らなければいけません。
パネルをご覧ください。
赤色の15道県は、国の少人数学級実施に先駆けて、更に拡充を行った所です。残念ながら大阪は国の流れに身をまかせたままです。
学校の重要性を再認識し、府として今すぐにせめて小学校全学年で35人数学級に踏み出すべきではないでしょうか。教育長の見解を求めます。
橋本正司教育長
府としては、35人学級が未実施の学年について、国加配を活用し、教科や習熟度に応じて学級を分けて指導する「少人数習熟度別指導」か、1クラス増やすことで学級の人数を少なくする「35人学級編成」かを、市町村が実情に合わせて選択できるようにしているところでございます。
今後とも、国に対し、35人学級の早期実現と教員加配の拡充を働きかけてまいります。
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小学校全学年での35人学級に必要な金額は約45億円です。子どもたちに犠牲を強いることなく、ただちに足を踏み出すことを求めておきます。
4.万博記念公園駅前周辺地区活性化事業について
万博記念公園駅前周辺地区活性化事業予定者が先日発表されました。「土地の一部売却、共同住宅、オフィスビル建設」など、これまで全く溯上になかった提案内容に驚いています。地元住民と話し合い、地元合意なしには進めないよう要望しておきます。
コロナで大阪は2000人余のいのちを失いました。これ以上の犠牲を出さないよう、全力で頑張る決意を申し上げ、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
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