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大阪 検査拡充みえず 府が「整備計画」を改訂 かじ切ってこそ効果

 大阪府は11日、新型コロナ「検査体制整備計画」改訂版を公表しました。今後の検査需要をこれまでの最⼤件数の1割増程度までしか見込まず、すでに「需要を満たす検査能⼒を有している」として、抜本的な検査体制拡充はしない方向です。
  「整備計画」は、厚労省の通知に基づき各都道府県が4月中に改めて策定するとされたものです。

 大阪府の計画は、今後の需要を高齢者施設等の定期検査を含めて1日当たり通常時約2万2700件、緊急時約3万600件としています。しかし、すでに4月末には1日当たりの最大検査数が1万9千件余りに達して います。しかも現在、広島県のような住民対象の大規模検査は実施しておらず、高齢者施設等の定期検査も入所者や通所施設は対象外です。
 府は、今後に向けた検査の取り組みの方向として、高齢者施設等の定期検査は7月以降も続けるかどうかは、ワクチン接種の進捗(しんちょく)状況などを踏まえて判断するとしています。繁華街などでのモニタリング検査は「感染兆候を掴(つか)むことが困難」とし、飲食店や幼稚園・保育園職員への検査に置き換える方向を示しています。変異株スクリーニングも、府内ではほぼ英国株に置き換わっているので今後は一部に限定して実施する、 としています。
 しかし、福祉施設や学校で大規模クラスターが発生している現状からも、高齢者施設等の定期検査を抜本的に拡大し、無症状感染者を発見・保護することが不可欠です。モニタリング検査の検査キット配布数は府内では直近でも1日500件足らずで、大幅に増やしてこそ感染兆候をつかむことができます。変異株スクリーニングについては専門家からも、「今後、新規変異株が大阪府において発生、拡大する可能性は極めて大きい」(倭正也・りんくう総合医療センター感染症センター長)と継続が強く要望されています。
 早くから大規模検査戦略に踏み出していれば大阪は現在の“医療崩壊”の危機を免れたのではという指摘もあります。今こそ、感染者の命を守る取り組みとあわせ、感染拡大を抑え込む検査拡充にコロナ対策の舵を切り替えることが大阪府に求められています。(大)




「しんぶん赤旗」2021年5月15日付より



   


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