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大阪 看護学校閉校へ 相次ぎ2校 維新府政が補助削減

 新型コロナウイルス感染の急拡大で看護師不足が深刻となっている中、大阪府内の看護専門学校2校が相次いで閉校されることが9日までにわかりました。看護師の育成・確保へ公的な支援が求められています。
 閉校されるのは府医師会看護専門学校(大阪市天王寺区)と、淀川区医師会看護専門学校(大阪市淀川区)。府医師会看護専門学校は今年度から学生募集を停止し、2022年3月末に閉校、淀川区医師会看護専門学校は看護高等課程を23年3月末、看護専門課程を25年3月末で廃止するとしています。
 府医師会看護専門学校は1955年4月に大阪府医師会付属准看護学院として開校し、これまで1万9000人を超える卒業生を送りだし、看護師不足の解消に大きな役割を果たしてきました。
 同校のホームページでは閉校について、受験者数の減少や、公的補助の削減・廃止、校舎の老朽化などを挙げ「将来にわたって教育活動を継続することは困難であるとの判断に至った」としています。
 府担当課によると、同校のみに府単独で交付してきた大規模看護師等養成所運営補助金を維新の松井一郎知事時代の14年度に廃止し、国庫を財源とする看護師等養成所運営費補助金は引き続き交付しているとしています。
 日本共産党の石川多枝府議の調べでは、府内の潜在看護師登録数は18年に4649人、19年に6050人と増え、再就業者も18年は846人、19年は892人と看護師確保対策事業が進められている一方、看護師等養成所運営費補助金の総額は09年度約11億円から19年度約9億円へ減っています。石川府議は「老朽化などによる建て替えには莫大(ばくだい)な費用がかかるという声も聞く」とし、「看護師を確保していく上で潜在看護師の確保と合わせて、未来の看護師を育てるためにも校舎の老朽化対策への支援や公的補助の増額などが求められている」と指摘します。
 大阪府では重症者が146人(8日時点)と過去最多となり、運用可能な重症病床の使用率が8割を超え、医擦崩壊の危機に直面しています。府は15日から重症者専用の臨時施設「大阪コロナ重症センター」(大阪市住吉区)の運用を開始しますが、準備している30床の稼働に必要な看護師130人のうち確保できているのは80人(8日時点)で、全国知事会が26人を派遣するとしています。





「しんぶん赤旗」2020年12月10日付より



   


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