雇用調整交付金の特例措置延長、持続化給付金の複数回給付および家賃支援給付金等の改善を求める意見書
新型コロナウイルスの感染拡大が続いている状況の中で年末を迎え、多くの中小企業や商店、飲食店などから「このままでは年が越せない」「年度末まで事業を維持できるかが不安」などの声が拡がっている。「持続化給付金も使い切って支払もできない」「家賃支援給付金は申請してもなかなか決定が出ない」など切実である。
東京商工リサーチの調べでは、9月も6か月連続で8割の中小企業が売上減(前年同月比)、企業の破たんも9、10月と増えている。
ところがいまだに、決められた支援が現場に届いていない現状がある。労働者への休業支援金の給付決定は20万件(9月末)で、予算額5400億円の3%程度にとどまっている。家賃支援給付金の給付は申請数の3割にも満たない17.7万件(9月27日現在)で、持続化給付金が支給された340万件の5%に過ぎない。
対象要件が狭い上に、「申請書類が複雑で分からない」「何度も書類を出しても返される」など、申請を諦めたり、申請してもはね返される人が少なくない。
よって政府及び国会は、これらの状況に鑑み、下記の緊急措置を講じることを求める。
記
1.雇用調整助成金の上限額引き上げの特例措置が来年2月末まで延長されることとなったが、さらに2022年3月末まで延長し引き続き雇用の安定を図ること。
2.売上減少が長期化する中小企業の営業継続を支援するために、持続化給付金の複数回給付を実施すること。
3.雇用調整助成金、休業支援金、持続化給付金、家賃支援給付金などを必要な人に速やかに支給すること。そのために、対象となる事業者、労働者への周知徹底、提出書類や手続きの簡素化、事前審査から事後チェックへの転換、申請者の立場に立った相談など、速やかな審査と支給ができる体制にすること。
4.家賃支援給付金から、賃貸借契約書などが提出できない事業者が排除されたり、休業支援金で、シフト制の労働者、登録型派遣の労働者などが除外されている状況をただちに改め、家賃支払いや休業の実態に即した支援を行うこと。納税しているにもかかわらず持続化給付金・家賃支援ともに排除されている「みなし法人」を支援対象にすること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
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