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コロナ対策強化、雇調金・持続化給付金など改善を 9月大阪府議会(後半)に意見書提案 共産党

 日本共産党大阪府議団は、開会中の9月大阪府議会(後半)に6つの意見書を提案しました。

提案した意見書案は以下の通りです。

新型コロナウイルス感染者病床確保と検査拡大を緊急に求める意見書

 新型コロナウイルス感染症「第3波」が、極めて切迫した局面となっている。
 とりわけ大阪府は重症者率が高く、すぐに入院可能な病床の使用率はすでに8割に達し、医療崩壊の危機に直面している。緊急に病床を確保し、重症者を保護できる体制を構築するには、マンパワーの確保や医療機関への財政支援が欠かせない。
 また、多くの医療機関、福祉施設でクラスターが多発し、重症者、死者を生み出しており、医療機関・福祉施設従事者の全員検査、定期検査が急務である。厚生労働省の11月16日通知では「感染者が多発している地域やクラスターが発生している地域においては、その期間、医療機関、高齢者施設等に勤務するもの、入院・入所者全員を対象に一斉・定期的な検査の実施を行うよう」求められているが、国の財政支援はない。
 さらに、感染急増地となった住民への大規模・地域集中的検査も感染拡大防止に効果的であるにも関わらず、政府はいまだに、これらを実施する方針すらなく、財政支援もない。
 よって政府及び国会は、下記の対策を緊急に行うよう求める。

1.重症病床の緊急確保に向けて、医療スタッフ確保のための財政措置を緊急に増額すること。
2.感染者病床確保医療機関への国補助金を増額すること。
3.医療機関・福祉職場従者の一斉・定期検査、感染急増地への大規模・地域集中的検査をただちに国の責任で実施すること。陽性者が発生した施設への人的・財政的支援を行うこと。
4.社会的検査、大規模・地域集中的検査を含め、行政検査の費用は国が全額負担すること。 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


雇用調整交付金の特例措置延長、持続化給付金の複数回給付および家賃支援給付金等の改善を求める意見書

 新型コロナウイルスの感染拡大が続いている状況の中で年末を迎え、多くの中小企業や商店、飲食店などから「このままでは年が越せない」「年度末まで事業を維持できるかが不安」などの声が拡がっている。「持続化給付金も使い切って支払もできない」「家賃支援給付金は申請してもなかなか決定が出ない」など切実である。
 東京商工リサーチの調べでは、9月も6か月連続で8割の中小企業が売上減(前年同月比)、企業の破たんも9、10月と増えている。
 ところがいまだに、決められた支援が現場に届いていない現状がある。労働者への休業支援金の給付決定は20万件(9月末)で、予算額5400億円の3%程度にとどまっている。家賃支援給付金の給付は申請数の3割にも満たない17.7万件(9月27日現在)で、持続化給付金が支給された340万件の5%に過ぎない。
 対象要件が狭い上に、「申請書類が複雑で分からない」「何度も書類を出しても返される」など、申請を諦めたり、申請してもはね返される人が少なくない。
 よって政府及び国会は、これらの状況に鑑み、下記の緊急措置を講じることを求める。

1.雇用調整助成金の上限額引き上げの特例措置が来年2月末まで延長されることとなったが、さらに2022年3月末まで延長し引き続き雇用の安定を図ること。

2.売上減少が長期化する中小企業の営業継続を支援するために、持続化給付金の複数回給付を実施すること。

3.雇用調整助成金、休業支援金、持続化給付金、家賃支援給付金などを必要な人に速やかに支給すること。そのために、対象となる事業者、労働者への周知徹底、提出書類や手続きの簡素化、事前審査から事後チェックへの転換、申請者の立場に立った相談など、速やかな審査と支給ができる体制にすること。

4.家賃支援給付金から、賃貸借契約書などが提出できない事業者が排除されたり、休業支援金で、シフト制の労働者、登録型派遣の労働者などが除外されている状況をただちに改め、家賃支払いや休業の実態に即した支援を行うこと。納税しているにもかかわらず持続化給付金・家賃支援ともに排除されている「みなし法人」を支援対象にすること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


学術会議会員候補の任命拒否の撤回を求める意見書

 政府は、日本学術会議第25期の発足に当たり同会議が選出した会員候補のうち6人の任命を拒否した。
 しかし日本学術会議法は、条文全体で同会議の政府からの独立を幾重にも保障している。1983年の同法改定時の政府国会答弁でも、首相の任命は「形式的任命にすぎない」「(会議からの推薦を)拒否しない」ことが明確にされている。任命拒否は、同法にも、また学問の自由を保障した憲法23条にも背くものである。
 政府は、国民による公務員の任免権を定めた憲法15条第1項を任命拒否の根拠としているが、同項をいかに具体化するかは個別の法律で定められるべきであり、日本学術会議会員の選定・罷免権を定めた日本学術会議法に違反した任命拒否こそ憲法15条違反である。拒否理由として挙げている「総合的、俯瞰的」「バランス」「多様性」なども、50代前半の研究者や女性研究者を排除したことと矛盾していると言わざるを得ない。
 日本学術会議は、戦前の学術研究会議が独立性を奪われ、科学者が戦争遂行のための軍事研究に総動員された痛苦の経験への反省を踏まえ、政府からの高度の独立性を保障され設立された。政府による任命拒否は、同会議の独立性を再び侵害し、学問の自由のみならず、表現、言論、信教の自由の侵害にもつながる重大問題である。だからこそ、670もの学協会や大学・大学人、自然保護団体、消費者団体、映画人、演劇人、作家、ジャーナリスト、宗教団体など、幅広い団体から任命拒否に抗議する声明が出されている。
 よって政府及び国会は、日本学術会議会員候補の任命拒否を撤回するよう強く求める。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


自家増殖を原則禁止とする種苗法改定の取りやめを求める意見書

 今国会で審議されている「種苗法の一部を改正する法律案」は、これまで自由に行うことができた登録品種の自家増殖が許諾制になることによって農家に高い許諾料の支払いを義務づけ、手続きも煩雑で、小規模農家への多大な負担増となる。
 改定の理由としている「日本国内で開発された品種の海外流出防止」に有効な手段は、海外での品種登録の促進と不正栽培の監視の強化であり、国内での自家増殖を禁止することとは無関係である。
 種や苗を次期作に使うことは国際的にも認められた「種の権利」である。現行法でも自家増殖した種苗の海外への持ち出しは違法であり、登録品種全般に許諾制の網を掛ける理由にはならない。
 農業競争力強化支援法は、民間の参入意欲を高めるためとして、自治体が持つ種苗生産のノウハウを民間に開放するよう求めており、それに基づいて、都道府県に米などの優良品種の開発を義務付けた主要農作物種子法を廃止した。これにともない公共の安価な種子を確保することも困難になる。また種子の購入量が増えることで、海外の種子メジャーによる市場支配が懸念されている。
 日本の農業の約9割は家族経営農業であり、種苗法改定で、その地域の農業を支えてきた優秀で安価に提供される品種が減り、大手種苗会社とグローバルアグリビジネスによる品種が席巻するならば、農業・農作物の多様性と持続可能な農業への道が阻害され、食生活・食文化の衰退、遺伝子組み換え食品やゲノム編集、RNA干渉など食の安全がより一層危険に晒される。
 食は人間の生活の根幹であり、「食料への権利」として世界人権宣言にも明記されていることから、農業者の権利と消費者の選ぶ権利を保障する必要がある。
 よって政府及び国会は、地域農業活性化という基本に立ち返り、農家の権利を制限する種苗法改定を取りやめることを求める。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


ひとり親世帯への臨時特別給付金の再支給を求める意見書

 ひとり親世帯の多くが、新型コロナ禍のもとで厳しい生活を強いられている。
 ひとり親は非正規労働者の割合が高く、雇止めや休業手当不支給など、新型コロナ禍の影響を最も深刻に受けている。「認定NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ」が9月に行ったアンケート調査では、シングルマザーの約6割が収入減、約1割が収入がないとしており、食事の回数や量を減らしているという回答が18%にものぼるという深刻な状況が明らかになった。
 政府は、第2次補正予算でひとり親世帯臨時特別給付金の支給を決定したが、内容は、1世帯5万円と第2子以降一人につき3万円の基本給付と、新型コロナの影響で収入が減少した世帯への追加給付5万円というものである。その後も繰り返す感染拡大のもと、多くのひとり親世帯から「このままでは年を越すことすらできない」という悲鳴が上がっている。
 また、給付金の支給要件が「裁判所からのDV保護命令を受けている」等に限定されているため、やむを得ない理由で事実上一人で子どもを養育しているにもかかわらず給付金を受給できない世帯が残されている。
 よって政府および国会は、ひとり親世帯の生活を支援するために下記を行うことを求める。

1.ひとり親世帯への臨時特別給付金を年内に再支給すること。

2.事実上一人で子どもを養育しているにもかかわらず児童扶養手当の対象にならないひとり親世帯も給付対象とし、申請による給付を行うこと。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


核兵器禁止条約への速やかな参加・調印・批准を求める意見書

 2017年7月に国連で採択された核兵器禁止条約は、批准が50カ国・地域を超え、2021年1月に発効することとなった。
 同条約は核兵器を、破滅的な結末をもたらす非人道的な兵器であり、国連憲章、国際法、国際人道法、国際人権法に反する違法なものと断罪するとともに、開発、生産、実験、製造、取得、保有、貯蔵、使用とその威嚇に至るまで、核兵器に関わるあらゆる活動を禁止している。
 また、核保有国の条約への参加の道を規定するなど、核兵器完全廃絶への枠組みを示すとともに、被爆者や核実験被害者への援助を行う責任も明記されている。
 しかし、世界で唯一の戦争被爆国である日本は、いまだに同条約への署名・批准を行っていない。同条約への参加こそ、核兵器のない世界を求める被爆者、国際社会、市民社会、そして日本国民の世論に応える道である。
 よって政府及び国会は、核兵器禁止条約への速やかな参加・調印・批准を求める。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。





   


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