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医療や暮らし支援強く 大阪府議会 内海府議が質問

 日本共産党の内海公仁大阪府議は26日の府議会本会議で一般質問にたち、新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言が解除されたことを受け、医療やくらし、経済、学校再開などへのさらなる支援強化へ補正予算の抜本的な増額を求めました。
 内海氏は諸外国と比べて少ないPCR検査、コロナ対応病院だけでなく一般医寮機関も経営が圧迫されている実態を示し、検査体制のケタ違いの強化と医療機関への財政支援を要求しました。
 また、東大阪商工会議所の調査で7割を超える事業所が売り上げ激減を見込んでいることを紹介。新たに実施する休業要請外事業所への給付金の対象が6万件でしかないと指摘し、要件の緩和と申請が想定を超えた場合には予算を増加するよう要求しました。収入が減少した非正規労働者に対し、最低5万円の緊急給付金を提案しました。
 吉村洋文知事は、休業要請外事業所への給付金について、申請者が想定を超えた場合は追加での予算措置を行う意向を示しました。
 学校再開にあたって子どもたちの不安に対応する支援員の配置を要求。教育長は国の2次補正をみて対応すると述べました。
 内海氏は「これまでの政治と経済・社会のあり方の根本的見直しが求められている」とし、保健所、医療機関の削減やインバウンド頼みの成長戦略、カジノを中心としたIR事業の強行、「なんでも民営化」などから大きくかじを切らねばならないと強調。カジノ誘致や「大阪都」構想を中止し、そのための財源、職員体制を新型コロナ対策に集中すべきだと主張しました。




「しんぶん赤旗」2020年5月27日付より

内海議員の本会議一般質問の大要を紹介します。

 日本共産党の内海公仁です。
 新型コロナウイルス感染症対策を中心に吉村知事に質問します。
 緊急事態宣言解除という、新しい局面で、新たな感染拡大を抑制するためには、検査と医療の拡充が不可欠です。
 また自粛要請で、多くの中小業者が「売り上げ減少」に追い込まれ、家賃など固定費の負担などに苦しんでいます。
 日本共産党はこの間4度の申し入れをおこない、コロナからくらしと営業を守る緊急提案をおこなってきました。
 しかし、今議会に示されている第5号、及び第6号補正予算の内容を見ると、国の施策に横並びするものがほとんどであり、医療従事者等に対する支援は府民の募金に頼るだけで、府の使命からして不十分と言わなければなりません。
 そこで、以下の内容について質問し、抜本的な改善を求めます。



1.新型コロナウイルス感染拡大を防ぐための検査と医療体制の強化

(1)PCR検査の拡充と検査人員、機器、施設の拡大
 まず、新たな感染拡大を防ぐための検査と医療体制の強化です。
 この間、府民が不安に思い、専門家からも繰り返し指摘されてきたのがPCR検査の遅れの問題です。
 保健所はなかなか電話もつながりにくい。検体採取が決まっても2、3日かかり、結果が出るまで数日待機するのが実態です。
 今後の感染拡大防止のために、PCR検査を必要十分な規模とスピードで実施することが必要です。
 大阪府では、1日1,430検体の検査が可能といわれていますが、実際の検査実施は、陰性確認検査も含めて最大でも5月14日の793件です。 
パネルをご覧ください。

 日本は、このPCR検査があまりにも少ないことが、各方面から指摘されています。
 人口千人あたりの検査した人の割合を厚生労働省の資料で見ると、5月20日時点で、最も多い県が山梨県で4.3人、ついで和歌山県で3.9人にたいして、大阪は3.0人です。
 OECD加盟国36カ国中、日本はメキシコに次いで下から2番目です。トップのアイスランドは168.8人、お隣の韓国の15.1人と比較しても桁違いで少ないのが実態です。
 これを改善するために検体採取と検査数の拡大のため、今後どう取り組むのか、知事にお聞きします。

吉村知事
 先ほど示された、人口千人当たりの検査件数の、大阪が3.0というところですが、全国平均が1.8、東京は1.0という状況であります。全国47都道府県で大阪は上から4番目で、決して検査件数が少ないという状況ではないと思っていますが、ただ、僕自身はPCR検査については広げていくべきと思っています。
 現在、大阪健康筆全基盤研究所や民間検査機開などにおいて、府内で1日あたり約1,400検体が実施できる体制を整えたところです。
 今後は1日2,000検体を目標に、帰国者・接触者外来等の医療機関における検査体制の整備や民間の検査機関の開拓を進めていきます。
 医療機関においても、今年3月からPCR検査が保険適用となり、院内感染防止のための検査ニーズも高まっていることから、府としては、医療機関を中心に、機器整備に係る補助制度を活用することで、検査体制の拡充を図っていきたいと思います。

 PCR検査が保険適用になっても検査がなかなかすすまないのは、結局、民間医療機関まかせになっているのが原因ではないでしょうか。
 医師会や医療機関が、今後、検体採取や検査の体制をすすめるためにも、財政的な裏付けなしにはできません。
 現場の実情に見合う支援が伴ってこそ、民間の力が発揮されることになります。
 医療現場への支援を行う立場で、PCR検査の充実を図ることを求めます。

(2)医師、看護師など人的資源の確保、軽症者の施設療養にあたっての家族への支援
 次は、陽性者の安定した医療と療養を確保することです。
 コロナ対応病床は重症病床188、軽症・中等症対応963病床の確保の準備かようやく整いつつあるところですが、医療機関の医師、看護師、看護助手等の人的体制の確保をどう支援するのか。
 さらに、施設療養のためホテル等のベッド確保はしましたが、自宅療養ではなく施設療養を基本とするとしながらも、子どもや家族の保育や看護の問題などが施設療養移行への障害になっているケースについては、どう手立てされるのか。
 以上2点について、実施状況と対策を伺います。

吉村知事
 新型コロナウイルス感染症患者の受入医療機関では、人員確保にあたり、院内の応援体制や再配置などによりご尽力いただいており、府としては特殊勤務手当支給への支援をはじめとする病院支援を行うこととしています。
 今後、重点医療機関などにおいて、院外からの医療スタッフ等の支援を必要とする場合は、医療機関や関係団体との連携・協力を図りながら、医療従事者の確保支援に努めてまいりたいと思います。
 ホテル療養移行仁あたっての子どもの養育や高齢者・障がい者の支援についてですが、支援の実施主体である市町村が、それぞれの法律に基づき、必要なサービスの調整を図るなど適切に対応することとなっています。
 また、府においては、児童相談所による一時保護という扱いで、専用の保護場所を確保して対応することとしています。

 答弁にあったような、医療機関の努力で体制が確保されているという認識は、現場の皆さんから見たら、「残念」としか言いようがありません。
 感染症対応のある病院では、もともと欠員の状態の看護師体制の中で、経験や知識の浅い2年目看護師でも本人の意思確認ができたらコロナ病棟担当に回されている、しかし教育が不十分で心配、とても全体が回らない、と言う切実な声も出ています。
 こうした現実に応えることを強く求めます。
 また、ホテル療養が必要でも、残される家族が濃厚接触者である場合には、各市町村の福祉機関ではとても対応ができないのが現実です。
 個別具体の対策を取る体制が保健所、福祉機関に必要です。府として必要な支援を強化するよう求めます。

(3)発熱外来やPCR検体採取をおこなう施設への防護服、マスクなどの支援
 陽性者を受け入れしている医療機関はもちろんのこと、発熱外来を設置している医療機関や、PCR検体採取をおこなう施設においては、独立した診療ルートの確保や、防護資材の不足が、いまだに切実な課題になっています。
 これらの確保の実態と今後の対応を知事に伺います。

吉村知事
 帰国者・接触者外来など、新型コロナウイルス患者への医療を担う医療機関では、必要な感染防止対策を講じており、府としても、マスクや防護服などの供給や専門家による指導などの支援を行っています。
 また、広く医療機関に対しては、症状のある患者との導線や診療時間の分離などを記載した感染予防マニュアル等を周知するとともに、消毒液やマスクのあっせん・供給を行っています。
 感染リスクは全ての医療機関にあることから、今後の感染拡大に備え、院内感染事例などを踏まえた研修や情報提供などの支援を行ってまいります。

 現に、防護服が不足して雨カッパで代用する事態になっていたわけです。今後の第2波に向けて、安定した確保が求められています。
 医師や看護師が、何日も同じマスクをつけざるを得ないなどという事態は、二度と繰り返さないことを求めます。

(4)一般医療機関の患者減、経営難への支援
 医療機関がコロナ感染病床に転用した場合の減収問題についても、真剣な支援が求められます。国の対策はごく部分的で、このままでは医療機関が経営破綻してしまいます。
 加えて、コロナ対応だけでなく、一般病院、医療機関でも診療手控え、診療自粛で患者が激減し経営を圧迫しています。
 パネルをご覧ください。

 とりわけ感染リスクが高いと一般的にいわれている歯科医院の場合は深刻です。
 大阪府歯科保険医協会のアンケート調査では、4月の保険診療収入が昨年同月比で「減った」と回答してたところが93.6%、減少幅では30%まで減少が39.4%、50%まで減少が32.9%と深刻です。
 このままでは、コロナ禍の後には多くの民間医療機関や歯科医院が立ちゆかなくなるという心配があります。
 これらの実態について、どう認識しどう支援するのか、対策が必要です。知事の答弁を求めます。

吉村知事
 新型コロナウイルス感染防止のための受診控え等による影響は、感染症の受入病院だけでなく、他の医療機関にも少なからず及んでいると認識しています。
 医療機関から経営に関する相談があった場合は、福祉医療機構などの相談窓口を案内するなど必要な支援を行っていきます。
 新型コロナウイルスは、医療機関だけでなく、社会経済に多大な影響を及ぼしていると考えており、今後関係機関とも連携しながら、状況把握に努めてまいります。

 この問題は、地域医療の確保の観点から決して見過ごすことの出来ない問題です。
 私の提案には、応えていません。
 改めて、医療機関に対する新たな財政支援について、知事の決断を求めたい。いかがですか。

吉村知事
 医療法人に限らず、経営に大きな影響を筆けている事業者等については、休業要請を行っていない場合も、支援に取り組んでいきます。
 また、今後、新型コロナウイルスに関する医療提供体制については、よリー層の医療機能分化を図り、一般医療も含めて、必要な方が必要な医療を受けられるようにすることが非常に重要だと思っています。
 引き続き、新型コロナウイルス感染拡大の抑制と社会経済活動の維持との両立を図っていきます。

 府民の命と健康を守って最前線で頑張っている医療機関や歯科医院に対して、他の事業者と横並びで、休業外支援金25万円だけというのは、あまりにも悲しい話です。
 知事の基本的姿勢を改めていただきたい、強く求めます。



2.新型コロナウイルスによる経済的損失と生活の破綻への対策

(1)休業要請外支援金制度と休業要請支援金の拡充
 つぎに、経済的損失と生活の破綻に対する対応についてです。
 日本共産党は、早い段階から「自粛は補償と一体で」と要求し、「補償」が伴ってこそ感染拡大防止効果が発揮されることを繰り返し求めてきました。
 その点で、大阪府が、「休業要請する事業所には協力金を給付する」と決めたことは一定評価できます。
 しかし、その対象は府内中小企業の1/4程度と限定的でした。
 この間、休業要請対象業種以外の事業所、喫茶店や理容、美容、非営利団体、さらには文化団体など、緊急事態宣言が5月まで伸びたもとで影響は広範囲に及んでいます。
 パネルをご覧ください。

 東大阪商工会議所が3月26日から4月10日におこなったアンケート調査によると、2月18日から3月4日の前回調査では41.5%だった前年同時期比の売り上げ減少見込みの答えが、1か月後には73.7%となっています。
 知事は、休業対象外の事業所に対する追加の協力支援金を6号補正で提案しましたが、どの程度の規模を想定していますか。
 また、すでに協力金の対象となった事業所に対しても、減収要件の緩和、期間の延長、複数回の給付など考えるべきだが、いかがですか。答弁を求めます。

吉村知事
 休業要請外支援金の支給対象は全体で約6万者を想定し、予算規模は約300億円としています。
 休業要請支援金の方については、5月末までのウェブ登録後、申請書類を揃える時間を考慮し、受付期限を6月20日までとしました。
 なお、高上減少要件の緩和や対象の拡大などの制度変更を行う予定はございません。

 休業要請外支援金は、実態に見合った規模ではないと私は思います。
 少なくとも、想定範囲を超えて申請があり予算が不足する事態になったら増額して対応すべきだと思いますが、対応していただけますか。

吉村知事
 休業要帯外支援金の対象となる事業者数は、経済センサスなどの統計データを基に推定したものです。
 ご指摘のようなことが生じた場合は、その時点で適切に判断したいと思います。

 必要な追加予算措置がなされるものと、理解させていただきます。

(2)非正規労働者に1人5万円の「くらし支援緊急給付金」を
 つぎに、府民のくらしの影響についてです。
 パネルをご覧ください。

 4月27日、28日に府民3,000人を対象に行ったネット調査が、5月15日商工労働部から発表されていますが、それを見ると、「収入や貯蓄が減り、生活費の支払いに困っている」という回答が20.2%にのぼり、中でも非正規雇用者、自営業者では29%を超えて不安を訴えています。
 このような府民の実態を支援するために、収入が減少した非正規雇用者に最低ひとり5万円の仮称「くらし支援緊急給付金」を給付することを求めますが、いかがですか。答弁をお願いします。

吉村知事
 今般の新型コロナウイルス感染症の影響により、非正規労働者を含む収入が減少した方々に対しては、緊急小口資金として10万円、総合支援資金としてモデルケースで毎月20万円を3か月分、無利子・無担保で貸付けし、償還時においてなお所得減少が続く住民税非課税世帯の場合は返済を免除しています。
 また、住まいを失う恐れのある場合には、住居確保給付金として、例えば大阪市の2人世帯で月4万8干円を上限に原則3か月支給するほか、生活上の悩み等へのきめ細かな相談支援など、様々な対策を講じているところです。

 今のお答えは、社協の支援制度や国の住宅確保給付金の紹介のみで、私の提案には全く答えていません。知事は踏み込んだ施策として、私の提案を受け止めていただけませんか。再度伺います。

吉村知事
 非正規労働者に1人5万円の新たな給付金制度の創設をとのことですが、非正規労働者は大阪府内に159万3千人。収入の減少により苦しい生活を余儀なくされている方々は、ひとり親家庭や失業された正規労働者など様々な状況でもあります。
 大阪府としては、こうした方々に対し、緊急小口賃金の貸付などの取組を迅速かつ丁寧に行うことで、生活を支援してまいります。

 苦しい府民の実態に向き合って踏み込んだ支援はされないという答弁は、たいへん残念です。なお一層私たちは要求していきたいと思います。

(3)国民健康保険料の減免を
 さらに、国民健康保険料の減免も必要です。
 国は、感染拡大の影響で収入が減少した世帯への減免をおこなう場合の保険料減少分を全額手当てするとしています。
 まもなく、今年の国保料決定通知書が各家庭に届く時期でもあります。
 府としては、加入者への減免が確実に実施されることを市町村に促すために、減免基準を示した府の国保運営方針の「別に定める基準」を大幅に拡充すべきです。
 当然、府の2号交付金は、減免を実施した市町村に対して不利に働くことのないようにすべきですが、どうですか。
 あわせて、市町村が国の減免基準に上乗せしてコロナ対応の独自減免をおこなう場合であっても2号交付金とのリンクがされないようにすべきです。
 以上2点について、知事の考えをおたずねします。

吉村知事
 新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した国民健康保険被保険者の保険料減免については、5月に厚生労働省から財政支援の措置が示され、府としてもその方針に沿って適切に運用されるよう市町村への周知に努めているところです。
 また、例年夏頃お示ししている府における特別交付金交付基準については、国の財政支援によるコロナに関する減免が不利な取扱いとならないことを念頭に、大阪府・市町村国民健康保険広域化調整会議等を通じて市町村と協議してまいります。

 国の示したコロナ対応の減免が、大阪府の交付金とはリンクさせないことを念頭にするとの答弁は、たいへん重要で当然のことです。
 すべての国保加入者にゆきわたるよう徹底してください。
 同時に、市町村が国の基準に上乗せした減免を実施しても、大阪府がそのことを理由にして交付金の加算から除外することは、国や市町村の努力に敵対する行為になってしまいます。
 今後、市町村との協議を経て対応するということですが、大阪府が府民の願いに逆行する事態にならないことを強く求めておきます。



3.学校再開にあたっての子どもと教育に対する支援

つぎに、子どもの不安と学校教育について伺います。

(1)小中学校に「子ども相談支援員」配置を
 第一は、深刻な状況が続く子どもの実態をどうつかむかです。
 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが3月27日に発表した子ども向けの緊急アンケートによると、日常生活が送れていない・外出できない30.6%、人と会えない・会いたい20.6%、体調・感染拡大が心配18.1%など不安が拡がっています。
 ところが、学校や先生の側は、この間あまり実態をつかめていません。実態をつかみ時間をかけて丁寧に対応するための人的補強が必要です。
 5号補正で「スクールカウンセラーのスーパーバイザーの出動回数を増やす」などとしていますが、とても間尺に合いません。教師OBなどの力を総動員して、府下市町村立小中学校に、「子ども相談支援員」を複数規模で今年度いっぱい配置することを提案しますが、教育長の答弁を求めます。

酒井教育長
 学校再開後に、児童生徒の心と身体、行動への悪影響を最小限に抑える支援が必要であると考えています。本5月議会において、スクールカウンセラースーパーパイザーの派遣回数を倍増させるよう、ご審議賜っているところです。
 併せて、すでに府内115校に配置している教員OB等のスクールソーシャルワ一カーサポーターとも連携し、さらなる個別支援の充実とチーム支援体制の強化を図ってまいります。
 また、学習支援に関しても、一人ひとりの児童生徒の学習の遅れを把握し、個別の指導を丁寧に行う教員を支援するため、新たに学習支援員を配置できるようご審議賜っているところです。

 先ほどのアンケートに寄せられた生の声は、「学校登校があっても、友達と遠く離れて座り、ランチもひとりで黙々と食べ、話したらダメ、いっしょに遊んだらダメ、はとてもつらい」「わたしは、友達と会うことはしないようにしているけど、普通に遊んでいる子がいて、それをインスタとかで見ると、学校が始まったら自分が孤独を感じるんじゃないかと不安」「3食コンビニで、飽きた。体の調子が悪い。ラインでみんなイライラしている気がする。」
 こうした子どもたちを丸ごと受け止める体制がどうしても必要です。
 今提案されている予算内容では、私はあまりにも不十分だと思っています。しかもそのことは補正予算の編成過程をみても明らかです。私が現場で必要な「相談支援員」の配置を求めるのはそのためです。
 子どもたちに寄り添う立場で人的支援をおこなうべきだが、教育長に改めて見解を求めます。

酒井教育長
 スクールカウンセラースーパーバイザーの回数増や学習支援員の新たな配置と併せて、様々な既存事業を活用することで対応したいと考えています。その後の学校再開後の状況により現場で新たな対応が必要となる場合も想定しています。その場合、府としては、国の大規模な第2次補正もあるようですので、その活用も含めて必要性について判断したいと存じています。

 ぜひ、子どもに寄り添う現場の支援を強めていただくことを強く求めておきます。

(2)学習指導要領に柔軟に対応するための事例紹介や助言を
 授業が遅れていることも問題ですが、勉強の遅れを取り戻すことだけが対策ではありません。
 しかし、ある市の教育委員会では、夏休みは8月8日(土)から16日(日)までの9日間、土日・休日を除くと平日実質4日の夏休みという提案がされています。
 この背景にあるのは、指導要領に基づく教科単元をとにかく消化するという考えではないでしょうか。
 これでは、子どもたちに新たな格差を広げ、学ぶ意欲の喪失をもたらしてしまいます。
 文科省も、学習内容の一部次年度繰越を認める通知も出しています。
 その観点からも、標準時間数や授業日数の押しつけではなく、学習指導要領に柔軟に対応する立場で、必要な課題を整理して、横のつながり(学年会)と縦の連携(教科部会)など、学校運営組織をフル動員し、その中で学校長の権限と裁量を大切にする、という立場に立った教育が求められます。
 決して、教育委員会の押しつけはあってはなりません。
 その観点から、府教育庁の事例紹介や助言が求められると思いますが、どうですか。教育長の答弁を求めます。

酒井教育長
 教育課程については、5月15日付文部科学省の通知において、児童生徒や教職員の負担軽減にも配慮した上で、「各学校において本年度指導を計画している内容について学年内に指導が終えられるように努めても、指導を終えることが難しい場合には、次学年又は次々学年に移して教育課程を編成する」とされています。
 私どもとしては、それを踏まえ、大阪府域の各小中学校において子どもたちの学力保障が適切に実施できるよう、授業時数のシュミレーションを例示したり、効果的な学習指導の進め方について具体例を示す説明会を実鹿するなど、各市町村教育委員会にていねいに指導助言をすすめたいと考えています。

 いま答弁にありました文科省の通知の内容は、たいへん重要な観点だと私は思っています。現場で必要なのは子どもと直接対応できる体制の強化です。
 あらゆる教員加配の活用はもちろんのこと、学校での指導体制の増員を強く求めておきます。



 最後に、いま、新型コロナ対策に政治的立場を超えて全力を尽くすときであります。
 本当に新型コロナ対策での「出口」を見いだすために、PCR検査体制の抜本的な拡充と医療崩壊を防ぐための緊急支援、すべての府民・事業者に対して長期を見すえた「補償」をすすめることなど、課題が山積しています。吉村知事はそのためにこそ職責を果たすべきです。
 知事は、府民と大阪市民に大きな分断を持ち込む「大阪市廃止=都構想」の議論をすすめようと、6月に2回の法定協議会を開き協定書案を議決し、11月の住民投票へむりやりこぎ着けようとしています。
 新型コロナの問題は、これまでの日本と大阪の政治と経済・社会のあり方の根本的見直しが求められています。
 大阪ですすめてきた、保健所、医療機関の削減やインバウンド頼みの「成長戦略」、カジノを中心としたIR事業の強行、「なんでも民営化」をすすめてきた公的責任放棄などから、大きく舵を切らなければならないときです。
 今年度の「事務事業の見直し」の考え方が示されましたが、カジノ誘致や「都構想」など、本来きっぱり中止すべき事業にメスを入れることにはなっていません。
 これらはただちに中止し、そのための財源、職員体制を新型コロナ対策に集中すべきであることを強く求めて、質問を終わります。ありがとうございました。



   


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