「大阪都」1兆円効果に疑問 石川府議が決算で主張
大阪府の2018年度決算について知事が答弁する府議会総務常任委員会が20日開かれ、日本共産党の石川多枝府議が質問しました。
決算では副首都推進本部負担金約5億円のなかに、「大阪都」の経済効果を算出した嘉悦学園への支払いが含まれています。「10年で1.1兆円」とする効果額については多くの研究者から信ぴょう性が疑わしいと指摘されています。
石川府議は、他市より厳しい市民の生活水準などを考慮に入れれば逆に4550億円のマイナスになるとする研究者の試算を紹介。市民の生活水準を考慮していない嘉悦学園の効果額の信ぴょう性への認識を問いました。
吉村知事は石川府議が紹介した試算を、「反対の立場の学者の意見」とし、嘉悦学園について「中立的で恣意(しい)性を排除した適正な算出」と強弁しました。
石川府議は「特別区になれば現行のくらしや子育てを守る制度が維持される保証がない。後退した場合のマイナスコストもいれて1兆円の効果額というのは疑問だ」と指摘。「さまざまな意見や指摘があるにもかかわらず嘉悦学園に府市で1000万円もの支出をしたのは誤り」とし、「大都市制度と称し5億円もの府民の税金と職員の労働力を使うことが府民にとって必要かどうか考えるべきだ」と主張しました。
また、府の被災者生活支援事業や、みなし仮設住宅の提供について、「被災者一人ひとりの状況に応じて拡充することが必要」と指摘。吉村知事は「被災者支援は国の支援が基本」などと述べました。
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