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大阪府国保料一本化 低所得者ほど値上げ 市民“減免制度維持を”/運営方針公表

 大阪府は、来年度からの国民健康保険都道府県化にともなう大阪府国保運営方針を策定し、1日に公表しました。

府(左)に市町村独自の保険料率、減免制度をを認めることなどを要望する石川府議(前列左)、宮原府議(中央)、堀内照文衆院議員(当時)、市町村議員団(後ろ側)=8月9日、府庁

 運営方針では、国保の現状について「被用者保険(協会けんぽや健保組合)と比べて年齢構成が高く、…加入者の所得水準は相対的に低い」「国民皆保険を堅持することが重要」とのべる一方で、国保財政を安定的に運営していくために、国保料率を府内一本化するとしています。
 現在、多くの市町村は、保険料を抑えるなどのために国保会計へ法定外(独自)繰り入れを行っていますが、運営方針ではこれを解消するとしています。また、低所得者や障害者、ひとり親家庭などの保険料減免制度が29市町で設けられていますが、これも府内一本化し災害や大幅収入減など突発的なものに限定するため、低所得者ほど大幅な保険料値上げになります。試算によると、枚方市では、40代夫婦と未成年の子ども2人の4人世帯で年間所得が200万円の場合、現在年間317,128円の保険料が402,151円と8万円以上もの値上げになります。
 府内一本化にあたり激変緩和措置を行うとしていますが、これまで市町村が法定外繰り入れによって抑えてきた分の保険料激変緩和については、府は責任を持たず市町村が責任を持つとしています。
 府はあわせて、運営方針についてのパブリックコメントと市町村意見の内容も公表しました。
 パブリックコメントは90名(団体)から98件が寄せられましたが、保険料値上げに反対し市町村独自の保険料率設定・減免制度維持を求める意見が大半です。市町村からは、「(国や府の保険料抑制措置)が講じられない場合は、混乱を回避し、円滑な新制度移行を図るため、統一保険料の導入の延期も含め、然るべき判断を強く求める」(堺市)など、性急な府内一本化への異論や保険料抑制を求める要望が多く出されています。
 運営方針は、改正された国保法でも、あくまでも市町村にとって〃努力義務〃です。しかし府は、法定外繰り入れ解消に従わない市町村へのペナルティも示し、府内一本化を強行する姿勢です。




「しんぶん赤旗」2017年12月6日付より


 ※以下は大阪府ホームページへのリンクです。
   「大阪府国民健康保険運営方針(概要版)
   「大阪府国民健康保険運営方針(全体版)
   「別に定める基準」(減免制度など)
   「『大阪府国民健康保険運営方針(素案)』に対する府民意見等の募集結果について
   「大阪府国民健康保険運営方針の策定に係る府内市町村への意見聴取について





   


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