咲洲府庁舎撤退せよ 耐震工事しても大きな揺れ/大阪府議会決算委 宮原議員が主張
5日の大阪府議会決算特別委員会で日本共産党の宮原威府議は、咲洲(さきしま)庁舎(大阪市住之江区)の撤退と大手前(中央区)庁舎への集約を求めました。
咲洲庁舎は大阪市が大阪南港の人工島「咲洲」に建てた超高層の旧WTCビル(55階建て、256メートル)で、橋下徹知事(当時)が大手前からの全面移転をかかげて買い取りを強行(2010年度)。一部部局の職員約2000人が咲洲庁舎に移動しました。
ところが11年3月の東日本大震災で最上階部分が片側1.4メートルの幅で約10分間揺れ、360か所が損傷。体調不良をきたす職員もいました。
府は16年度までにビルの買い取りと整備・維持管理関連に約153億円を支出。今後も耐震の追加工事などの整備・維持に約41億円、計画修繕費(30年間)として約228億円としています。一方、大手前庁舎では計画修繕費は99億円です。
宮原氏は、紀伊半島南の南海トラフ巨大地震発生時と耐震の追加工事後の咲洲庁舎の揺
れの想定を質問。府は南海トラフ巨大地震の際は片側で2.5~3メートル、工事後で2~3メートルと答えました。
宮原氏は、「耐震の追加工事をしても東日本大震災より大きく揺れる。職員は耐えられない」と指摘。南海トラフ巨大地震では周囲の液状化や津波などで「危機管理する側の職貞が救助対象になり、府民にとって損失だ」と強調しました。咲洲庁舎への通勤手当や大手前庁舎と行き来するシャトルバスの経費が余分にかかっていると指摘し、「危機管理、財政の両面から大手前への集約を検討すべきだ」と主張しました。
府は「咲洲庁舎の建物の安全対策と空きスペース対策に最優先で取り阻んでいく」と述べました。
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