2017年6月23日 健康福祉常任委員会 宮原たけし質問(要旨)
Q1 1月25日、知事は記者会見で、「現在の医療レベルは必ず守ります。南港病院の中で…現状のレベル、それをできないということなら、公の役割として大阪府・大阪市で今の現状のレベルは維持します」と発言しています。大阪府健康医療部はこの知事の発言にに基づいて仕事をしていますね。
Q2 大阪市内の中でも特に南部医療圏で不足する、「小児周産期医療の確保」と「24時間365日の小児救急」、また「最重症・合併症母体への対応」「住吉市民病院の医療機能を引き継ぐ」、この4点は今回の病院再編計画によってすすめると確認できますね。
Q3 産科医療について質問します。
@資料1をご覧ください。2009年度の医療施設取り扱い分娩件数と出生数の比率です。大阪府全体は出生数の94.1%が府内で分娩しています。大阪市内では北部108.6%、東部101.3%です。ところが南部は73.7%と、4人に1人以上が住んでいる医療圏の外でお産をしています。これは間違いありませんか。
A資料2をご覧ください。南部医療圏内で2011年には16あったお産ができる医療機関が今は13に減っている。ベッド数も87%に減っています。現在、お産ができる医療機関は、住之江区には民間病院1つでベッド7つ、西成区にはありません。これは極めて深刻です。このうえ今年限りで住吉市民病院が分娩をやめれば、住吉市民病院が行ってきた年間600〜700件の通常分娩などはどうするのですか。
Q4 小児医療について質問します。
@大阪市内の小児科病床は796床、うち南部医療圏は134床と大阪市内平均の半分しかありません。「大阪府保健医療計画(平成25年)」では、「特に平野、東住吉において小児人口が多いにもかかわらず、小児科の入院機能を持つ病院がなく、中野・沢之町休日急病診療所の受診患者数は、6休日急病診療所のうち中野休日急病診療所が一番多く、沢之町休日急病診療所は2番目に多い。これらの診療所は、感染症流行時は多数の患者が来院し、診察までの待ち時間が長くなることがあり、院内トリアージの確実な実行が求められる」と南部だけが具体的問題点を指摘されています。
A資料3をご覧ください。小児救急では、2010年で、発生場所と搬送先が同じ医療圏なのは、北部78%、西部47%、東部41%です。ところが、住吉市民病院が小児救急を行っていた2010年でさえ南部は33%しかありません。再編計画でも南部は一番搬送に時間がかかると書かれています。2010年は、小児住吉市民病院が2次救急を週2回実施していましたが、現在は南部では急性期センターのみです。現在、大阪市北部では3か所、西部は2か所、東部は2か所の医療機関が2次救急を行っています。
この点でも大幅な後退になるのは明らかですが、どうするのですか。
Q5 住吉市民病院が担ってきた医療について質問します。
@住吉市民病院は、平成27年度だけで、発達障害専門外来は589人の患者、重症心身障害児の短期入所は91人・のべ540人が利用しています。これら文字通り命をつなぐ医療を、どこで引き継ぐのですか。
Aレスパイト入院(在宅で家族の介護を受けて生活している重症心身障害児を、家族が休息する時期に合わせて入院させる)は平成27年度12人、のべ40人が利用しています。このレスパイト入院の重要性をどう認識していますか。
B児童虐待の被害児一時保護を、平成27年度だけで7件受け入れています。また未受診の妊婦さんの受入れも行ってきました。これらの人たちの行くところはどうなるのですか。
Q6 後退を取り戻し、@産む機会を身近で保障するA小児科の充実B小児救急の2次機能の確保しせめて大阪市内の平均にするC重症心身障害児の医療保障D生活困難やDV・児童虐待等への対応などを行うことが必要です。この5点に、当然、大阪府、大阪市は応えるべきではないですか。
Q7 南部医療審議会を早急に開催し、報告すべきではないですか。
Q8 住民の意見をよく聞くことが必要です。説明会を少なくとも再編計画時(8か所)以上に開催すること、説明会に知事、市長も出席することは不可欠です。また、説明会に来れない市民からも幅広く意見を集約することも、最低限必要ではないですか。
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