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億単位の寄付、なかった疑い/森友問題 府の「財政安定」に根拠なし/大阪府議会委 石川議員指摘

 学校法人「森友学園」(大阪市)が豊中市の国有地に小学校を建設する認可をめぐり、財務状況の安定を示すものとして説明されていた億単位の大口寄付は、なかった疑いが強まりました。日本共産党の石川多枝議員が31日開かれた大阪府議会教育常任委員会で指摘しました。
 学園の小学校建設について大阪府私学審議会では、「目己資金と寄付金だけで賄う」という学園の財務状況への懸念の声が続出していました。国有地の処分について審議する国有審議会では、土地の契約を決めた2015年2月の会合で「寄付について2億8700万円集めるというのが学園の計画」で「すでに大口の方から3月27日までに寄付しますという文書をもらっている」と説明されていました。15年12月の私学審議会でも大口寄付について「1人の方です」と府側は答えています。
 ところが、「2億円を寄付した」とされていた大阪市の会社社長に本紙が取材したところ、「2億円の(寄付)なんてできるわけがない。あり得ない。個人でやるわけがない。会社で出したら背任になる」と大口献金をきっぱり否定。「籠池さん(籠池泰典・前学園理事長)が、ここの事務所に来て、迷惑をかけないから、名前を貸してほしいということだった」と証言しました。
 石川議員は、大口寄付者とされた会社社長が寄付を否定していることにもふれ、「(大口寄付の)入金を何をもって確認したのか」とただしました。これに府側は「口座残高で確認した」と繰り返しました。石川議員は「入金は確認していないということ」であり、財務状況の裏付けも確認しないまま「認可適当」ありきで進んだのではないか、と府側の責任を追及しました。



「しんぶん赤旗」2017年6月1日付より


   


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