2017年3月17日 大阪府議会教育常任委員会 石川たえ 知事質問(大要)
日本共産党の石川たえです。森友学園問題について質問します。
Q1
国は賃借料をまけ、国有地を格安で払い下げ、木造建築の補助金を出しました。私学課は、国有地だからと「相当程度の確実性」があるからと、森友学園が土地取得をしていなくとも、認可申請を受け付け、私学審議会は条件付き認可適当を出しました。民間の土地売買であれば、およそ受け付けないような事例を、「相手が国だから大丈夫」と突き進んで行ったのです。
森友学園が認可基準の見直しを要望した平成23年以降、これら一連の報告を知事は受けていましたか。
Q2
近畿財務局との協議経過では、平成25年10月31日付けで、近畿財務局長から大阪府知事宛に「未利用国有地等の処分等に関わる地域の整備計画等との整合性等に関する意見の照会」を持って平成25年11月19日に近畿財務局管理部が私学課を訪ねています。知事あての文書ですが、知事はこの報告を受けていましたか。
Q3
平成27年2月9日、知事から、近畿財務局長あてに「未利用地等の処分等に関わる地域の整備計画等との整合性等に関する意見(回答)」が出されています。この時は、報告を受けていますか。
Q4
私学審議会の答申が出た時点では、森友学園の様々な疑惑はまだ、世間には出てきていませんでした。しかしこの答申の時点でも「小学校建設にかかわる工事請負契約の締結状況、寄付金の受け入れ状況、詳細なカリキュラム及び、入学志願者の出願状況等、開校にむけた進捗状況を次回以降の審議会に報告すること」と、かなりの条件をつけての認可となっています。
この条件を見るだけでも、およそ学校建設はできないのではないかと疑問が生まれます。知事はこの答申を見て、何の疑問も持たずに認可しようとしていたのですか。
Q5
昨日知事は、「スタートするときに、一番、最初に動きを、府庁を訪ねてこられたのは近畿財務局なんです。スタートの時点で」と述べています。
先日の委員会でも、「私学審議会で、認可が下りなければ国有審にかけてもらえないということになっていたので、相当程度の確実性をもって土地の取得ができる、ということでしたので、議案を私学審議会にだした」という、答弁がありました。
これは、国から要望があったから私学課は私学審議会にかけ認可適当をとりにかかった、ということですか。
Q6
わが党の宮本たけし衆議院議員の一昨日の国会質問に対し、佐川理財局長は、「いずれにしても、近畿財務局から地方審議会で、国有地の売却を、早くすすめるために、私学審議会の答申を早く出してほしい、などといった要請をすることは、ございません」と答えています。見解が国と大阪府で違います。
もう一度お聞きします。「国から私学審議会での認可適当がなければ国有審にかけられないから」と、働きかけが近畿財務局からあったのがスタートですか。
Q7
開校直前の平成28年12月22日の私学審議会でも、入学者数について「資料とならない…の数を出してこられて、非常に不安」「なぜ答えていただけないのか」、教員についても「全員新卒である可能性もなきにしもあらず、頭数あわせだけということもある」など、疑問が続出しています。
それでも「現実的でないのは分かっています」といいながら、「4月1日ぎりぎりまでがんばるということです」など、森友学園をかばいながら、私学課が強引にまとめに入り、突き進んでいます。
ここまで、私学課が強引に突き進む背景には、「規制緩和の一丁目一番地」という知事の政策をくみ取り、推進するという思いもあったでしょう。
同時に、「できない理由を言わない、やれる方法を考える」「府庁の方向性に沿ってスピード感を持って」、という府政運営に、追い立てられていたのではないでしょうか。
結果として、認可基準を改正してもらい、参入できるようにする、認可適当をとり、格安で土地を手に入れ、学校建設を行うという、森友学園のシナリオ通りに事は進んでいったという客観的事実を消し去ることはできません。
籠池氏が虚偽の書類を提出していたのであれば、解明されなければいけません。しかし、認可基準に合致していなくとも、認可適当をとり、森友学園を優遇してきた、この一連の流れについて、許認可権を持っていた知事として責任を感じていますか。
|