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子ども貧困対策強化を 大阪府議会 石川議員が知事に迫る

 日本共産党の石川たえ府議は6日、府議会本会議で一般質問を行い、子どもの貧困対策の強化、福祉医療費助成制度の自己負担増なしの対象拡大を財源も示して松井一郎知事に迫りました。松井知事は子どもの貧困や府民の実態にはひとこともなく、提案に背を向けました。
 石川氏は大阪の子どもの貧困率が21.8%と全国で2番目に高く、中学校では弁当も給食も食べられずに水でおなかを膨らませる子どもがいると告発。石川氏の試算では実際に給食を食べている生徒は55%だとし、全員喫食に拡充する市町村への補助と、就学援助の対象となる給食費の半額を府が補助するよう求めました。
 松井知事は「市町村への補助は昨年度までの5年間のもの」「就学援助は市町村が実施するもの」と述べました。
 福祉医療費助成制度について府は対象者を重度(1級)の精神障害者と難病患者に拡大する一方、費用増を患者負担増で補い、65歳以上の重度(1級)以外の精神障害者や難病患者、結核患者を対象から外すとしています。
 石川氏は経済的理由での受診抑制があるなかで府の見直しでは月1000円までの負担が数倍になる可能性を指摘。対象外となる人たちは低収入で家族がいない人もおり「あまりに残酷」と批判し、「負担増なし、精神障害者は1、2級ともに対象にすべきだ」と主張しました。
 松井知事は財源を理由にかんじゃ負担増の姿勢を変えませんでした。
 母子世帯は大阪府の調査で47.6%が年収150万円未満、51.3%が非正規雇用です。
 石川氏は母子世帯への支援と保護者の就労保障へ、市町村と協力して保育需要にみあった保育所の増設や、保育士確保のため処遇改善補助制度の創設などを要求。松井知事は、「保育士の処遇改善は国で検討されている」と述べました。
 財源について石川氏は府の借金の利率が下がっているうえ、基金を適切に活用すれば年240億円〜270億円は確保できると提案し、貧困対策の強化を重ねて求めました。


「しんぶん赤旗」2016年10月7日付より

石川議員の本会議一般質問の大要を紹介します。

 日本共産党の石川たえです。子どもの貧困問題について質問します。

 パネルをご覧ください。
 山形大学戸室准教授の調査によると、大阪の子どもの貧困率は21.8%、全都道府県で2番目に高く、10年間での上昇値は全国最悪です。



 府内のある民間保育園では「毎日保育園の服を貸し出す」「食事は朝も夜もスナック菓子」「歯医者にいけず、保育園での預かり薬が痛み止め」など実態は深刻です。
  「夏休み、毎日公園にいる子どもに声をかけると、朝からごはんを食べていなかった」「学校での給食だけが一日の食事」など、育ち盛りに食事すらまともにとれない子どもたちがいます。子どもの貧困対策が急がれます。
 以下、具体的にお聞きします。


1.子どもの成長のための食

(1)中学校給食の推進

 まず、子どもの成長のための食についてです。
 子どもの貧困対策とされてきた中学校給食導入促進事業が、昨年度で終了しました。実施校は今年8月末で80.7%、府は全国を上回るとしています。しかし、選択制での喫食率は低く、クラスに1人も給食を食べていない学校もあります。給食費を前払いで払うのは困難という家庭もあります。弁当ももたず、給食も食べられない子どもは、水でおなかを膨らませる、昼休みに姿を消すなどして毎日を過ごしています。
 給食導入事業を始める際、「食育という観点から全員喫食が望ましい」と言ってきました。貧困対策として中学校給食を掲げているのですから、今からでも、中学校給食導入促進事業を再開し、選択制から全員喫食へ移行する市町村への補助を行うべきではないでしょうか。

 また、全員喫食がすすまない要因の一つが、就学援助の負担です。「全員喫食の給食費は就学援助の対象となり、財源確保が大変」と躊躇する市もあります。就学援助の対象となるように中学校給食費の半額を府が補助すべきです。

(2)子ども食堂への支援

 次に子ども食堂についてです。全国的に子ども食堂が開設されています。子ども食堂は食事の提供とあわせて、子どもの居場所や学習支援、地域の中で孤立しがちな子どもや親を支える場にもなっています。
 府内でも「新子育て支援交付金」を活用し、堺市、枚方市、羽曳野市などで子ども食堂への支援が始まっています。しかし、交付金の「優先配分枠」は総額5億円、1事業500万円以内と規模が小さい。せめて総額を2倍の10億円にし、子ども食堂をはじめ、貧困対策に活用できるようにしてはどうですか。答弁を求めます。

松井知事
 中学校給食の導入促進事業については、大阪府において中学校給食の実施率が全国で最も低い状況であったことから、中学生の食を充実させる目的で、平成23年度から平成27年度までの5年間に限り、市町村に対して、施設整備費の一部について補助をおこなったものであります。
 その結果、給食実施率が平成22年度の12.9%から、今年度中には9割を超える見込です。
 給食の実施方法については、地域の実情を踏まえて、市町村の主体的な判断のもと、最もふさわしい方法で実施されるべきものであります。
 次に就学援助につきましては、市町村がそれぞれの実情に応じた制度で実施しているものでありまして、府として補助を行うことは考えておりません。
 最後に、市町村における子ども食堂をはじめとした子どもの貧困対策につきましては、子どもの生活に関する実態調査の結果を踏まえ、浮かび上がった課題に対して、新子育て交付金の活用を含め、効果的な取り組みを検討してまいります。

 知事がいう実施率9割は、実施校の数です。府内公立中学校で実際に中学校給食を食べている生徒は私の試算では約55%です。ある市のアンケートでは、昼食は「弁当、給食以外」と答えた子どもが150人います。この中に貧困で食べられない子どもがいることは明らかだと言われています。
 中学校給食導入促進事業は246億円の債務負担行為で始まりましたが、この事業にかかったお金は5年間で70億円です。そもそも全員喫食を前提に予算を組んだのですから、今後、全員喫食に切り替えを検討している市には補助を行い、全員喫食をすすめるべきです。再度答弁を求めます。

松井知事
 この事業は、学力や体力の基礎となる、中学生の食を充実させることを目的として、5年間に限って市町村に補助を行ったものであります。給食の実施状況につきましては地域の実情を踏まえ、市町村の主体的な判断のもと、最もふさわしい方法で実施されるべきものでありまして、さらに府として補助を行うということは考えておりません。

 市町村の自主性を尊重するということですが、子どもたちが選択制にしてほしいと願ったのではありません。
 現に食べることができない子どもたちがいることをしっかりと踏まえて、あらためて検討もお願いしておきたいと思います。


2.福祉医療費助成制度

 2つめの柱は子どもと府民の健康を守る課題です。
 パネルをご覧ください。
 大阪府保険医協会による医師への調査では、「経済的理由による受診中断があった」との回答が44.8%。「経済的理由で検査や治療、投薬を断られた」が56.2%です。



 ところが府は、福祉医療費助成制度を見直そうとしています。
 パネルをご覧下さい。
 新たに薬局での自己負担に加え、1医療機関1か月1000円の上限額をなくせば、月4回行けば4000円と負担が4倍にもなります。これではますます受診抑制がおこるのではないでしょうか。



 次のパネルをご覧ください
 65才以上の、重度以外の精神障害者や難病患者、結核患者が助成対象から閉め出されます。65才以上といえば収入も少なく、家族もいない方もいます。この人たちを府の助成の対象から外すのは、余りにも残酷ではありませんか。



 さらに、精神障害者を1級しか対象にしないことは問題です。精神障害2級は、洗面や入浴、通院や服薬の援助を必要とする人がほとんどです。この人たちを対象にしない事は、病気の重度化を招き、社会的にもマイナスです。また、経済的理由で他の病気の治療を差し控える人が多いことも問題です。
 以上3点から、府の案は撤回し、負担は現行に据え置くとともに、精神障害者は1、2級とも対象にするべきです。

 乳幼児医療費の就学前までという制度は、他県と比べて遅れています。
 昨年度の所得制限改悪で子どもの3割が対象から外されました。各市町村はその穴埋めを強いられ、子育て施策拡充の足かせとなっています。所得制限を元に戻すとともに、助成の対象を現在の就学前から当面小学校卒業まで拡充することはできませんか。答弁を求めます。

松井知事
 福祉医療費助成制度の再構築におきましては、1回あたりの負担額だけではなく、月額上限額も設定し、受益者負担に配慮した制度設計とすることで、必要な医療が確保されるものと考えています。
 次に65歳以上の重度以外の精神障害者などにつきましては、国の公費負担医療の対象でありまして、本府の助成からはずれましても一定の負担軽減の措置がございます。
 府・市町村の厳しい財政状況の中、対象者の拡大などが求められており、対象者の範囲を真に必要な方へ選択・集中することにより、持続可能性を高め、年齢に関係なく重度の障害者医療として再構築したいと考えています。
 次に、府の案につきましては、限られた財源の中で、対象者の範囲の選択と集中、制度の持続可能性の観点から、負担のあり方について、検討を進めてきました。
 府・市町村の厳しい財政状況のもと、対象者の拡充に伴う所要額の増分は、受益者負担でお願いしたいと考えています。
 引き続き、議会での議論も踏まえ、適正な受益者負担について、検討してまいります。
 乳幼児医療費助成については、府と市町村で設置した研究会において、セーフティーネット部分は府が基準設定、子育て支援部分は市町村が単独に設計と整理した経緯があります。
 こうした研究会での整理を踏まえ、昨年度から補助制度の再構築を行うとともに、市町村の乳幼児医療費助成を含む子育て支援施策をバックアップするため、新子育て支援交付金を創設しております。

 今回の見直し案で対象外とされる65歳以上の精神障害者には、年間7万円程度の負担が増えます。これが府の提案です。国の公費負担医療があるといいますが、これは1割負担です。病院に行けば行くほど負担は増えます。このしんどさを考えたことがあるのでしょうか。
 受診抑制が必ず起きると危惧しています。患者負担増なしで制度拡充することが必要であると指摘しておきます。
 また、子どもが1カ月の間に病院にかかる回数は約3.7回です。兄弟2人いれば、倍のお金がかかります。新子育て交付金を創設したと言いますが、府が所得制限を下げた分を市町村が負担しています。今議会にも乳幼児医療費の負担増をやめ、存続を求める府民誓願が出されています。子育て支援というのであれば、乳幼児医療費助成の所得制限を元に戻し年齢拡充を進めるべきです。再度答弁を求めます。

松井知事
 乳幼児医療費助成につきましては、平成27年度から府と市町村の役割分担を踏まえ、対象年齢の拡充と所得制限の引き下げを行うことにより、セーフティーネット部分への再構築を行いました。
 そのさい、限られた財源の中で約35億円の乳幼児医療費助成の負担規模は維持したうえで、さらに約22億円の新子育て支援交付金の創設をいたしました。26年度まではこの乳幼児医療費助成精度、1年間の予算38億だったんです。それにプラス新子育て支援交付金、22億という予算をつけまして、いわば22億円増やしまして今の制度をつくりました。
 大阪府といたしましては、引き続き乳幼児医療費助成制度にかかるセーフティーネットの割合を果たすとともに、新子育て支援交付金により、府域全域の子育て支援の底上げをはかってまいります。

 新子育て交付金成果配分枠を利用して、乳幼児医療費の年齢拡充を行っている市町村がたくさんありますが、これ箕面市以外です。
 成果配分枠を使っているのは金額で90%は、乳幼児医療費の助成に使われているわけです。結局成果配分枠の残りは2億円です。優先配分枠は5億円です。足しても7億円です。この7億円で市町村は、他の子育て支援や見なし適用も行っているわけです。
 増額されたと言われますが、結局新子育て交付金が乳幼児医療の補填になってしまっているというのが実情だと思います。
 医療費の所得制限を元に戻すことと、年齢の拡充を求めておきたいと思います。


3.貧困の連鎖を断ち切るための教育支援

 次に、貧困の連鎖を断ち切る教育支援についてです。
 パネルをご覧ください。
 年齢が上がるにつれ学歴による給与格差が広がっています。貧困家庭の子どもの進学率は低く、結果、また貧困層に陥る可能性が高いと言えます。



 ある事例では、母と子ども5人の母子世帯。母親は深夜まで労働。母の就業時間は子どもだけで過ごす。不登校、勉強できないからと進学をしない、中卒で働くが定着せず、結婚後も夫婦とも非正規で職を転転とする、など貧困の連鎖を引き起こしています。
 経済力に左右されず教育を受けられることが貧困の連鎖を断ち切る一つの保障です。
 子どもの貧困率全国一といわれる沖縄県では、今年から小学校4年生までに少人数学級が拡大されています。
 大阪府も、国に少人数学級の拡大を強く求めるとともに、府の責任で、ただちに当面、小学校3年生と中学校1年生での実施を決断するべきです。

 今回、新たな府立高校の再編整備の対象校が公表されました。「もう行ける学校がない」と進学をあきらめようとする中学生も生まれています。エンパワーメントスクールで不合格になった子どもの受け皿となっているのが、定員割れといわれる高校です。
 高校進学を望むすべての子どもが教育を受けられるよう、3年連続定員割れ高校を再編整備の対象とする府立学校条例第2条2項は削除し、公教育の充実を行うべきです。答弁を求めます。

松井知事
 国に対しましては、府教育庁におきまして、地域の実情に応じて様々な教育ニーズに対応できるよう、これまでから、教職員定数の改善について、要望を行っています。
 また、少人数学級編成の拡大については、国において制度改正が行われない中、府単独で実施するのは困難であります。
 また、放課後学習支援については、すでに各市町村が学校支援地域本部活動の一つして、ボランティアなどによる学習支援を行ってきています。私としても、教育庁が、好事例の市町村への情報提供等に引き続き取り組んでもらいたいと考えております。
 最後に、高校の再編整備につきましては、府教育庁におきまして、今後の生徒数減少を踏まえて、教育環境を向上させ、教育内容を充実させる観点から、府立高校の適正な配置を進めてもらいたいと思います。
 今後とも、府立高校における教育を効果的かつ効率的におこなっていくために、府立学校条例第2条第2項は必要であります。

 教育の問題については、引き続き常任委員会の方でも質問をしたいと思います。


4.母子世帯の支援と保護者の就労保障

(1)未婚の母への寡婦控除「みなし適用」

 次に母子世帯の支援と保護者の就労保障についてです。
 パネルをご覧ください。
 いま、母子世帯は47.6%が150万円未満の家庭です。



 次のパネルをご覧ください。
 51.3%が非正規雇用であり、多くの母子世帯は生活が「大変苦しい」と感じています。



 中でも全国13万人といわれる未婚の母は寡婦とみなされず、寡婦控除を受けられません。大阪府では、うれしいことに、府営住宅申し込み時のみなし適用がこの10月から図られました。引き続き保育料などについても、「みなし適用」できるよう、新子育て支援交付金優先配分枠を増やし、促進をはかるべきです。

(2)保育所の整備

 また、親の就労保障には保育所の整備が欠かせません。母子家庭でも「保育問題で正規雇用につけない」という声が多数あります。
 大阪の待機児童は4月現在で1434人、加えて6千人以上の「隠れ待機児」がいます。
 保育所は保護者の就労を支援し、子どもの生活基盤を確立させていく役割を果たします。保育室がせまくてもよい、保育士の資格がなくても構わないという事では子どもの成長にマイナスです。国に「安心子ども基金」の改善や増額などを求めながら、隠れ待機児をもなくすべく、府有地の無償譲渡や貸与などを検討し、保育需要に見合った保育所の増設で、待機児ゼロを目指すべきです。
 保育士の確保も急務です。学生への奨学金の貸付を政令市まで広げる補正予算が提案されていますが、保育士になっても、現場の大変さ、賃金の安さを理由に次々と退職という事態も少なくありません。
 国に処遇改善を求めるとともに、府として処遇改善補助制度を創設し、賃金引上げをすすめるべきです。見解を求めます。

松井知事
 府内の市町村の中には、婚姻歴がない親の負担を軽減するため、15市町で独自に寡婦(夫)控除を適用したとみなして、保育料を減額する、いわゆる「みなし適用」を実施しております。
 府としては、保育料などへの寡婦控除のみなし適用も新子育て支援交付金の対象事業として位置づけておりまして、積極的に取り組む市町村を支援しています。
 次に保育所の整備につきましては、府としては、市町村に対し、保育の受け皿づくりが計画的に進むよう「安心こども基金」や国の交付金である「保育所等整備交付金」の積極的な活用を働きかけているところです。
 併せて国に対しまして、保育所等の整備に必要な財源の確実な確保を図るとともに、市町村が活用しやすいよう交付金の募集時期や回数について改善を図るよう要望しております。
 なお、市町村の取り組みを支援するため、府営住宅の空室を活用した小規模保育事業所や空き地を活用した保育所の整備など、府が保有する公有財産の活用もはかっております。
 今後とも、待機時解消に取り組む市町村の支援に努めてまいります。
 最後に、保育所の運営は、国が算定する公定価格をもとに行われており、この中で保育士の人件費などが算定され、賃金改善のための処遇改善などの加算も行われているところです。
 平成29年度以降の処遇改善については、保育士として技能・経験を積んだ職員について、全産業の女性労働者との賃金差がなくなるよう国で検討されているところでありましえ、本府といたしましてもさらなる処遇改善の実現に向けて働きかけていくこととしている。府としての補助制度の創設は考えておりません。
 このほか、府として保育士の業務負担軽減のための保育補助者の雇上費について、返還免除付きで保育事業者への貸し付けることにより、勤務環境の改善などを図っております。

 全職種に比べ、10万円以上も保育士の賃金が低いにもかかわらず、国の賃金改善はわずか6000円程度です。独自に処遇改善のための補助金創設に取り組んでいる県や市もあります。
 大阪府市長会からも「処遇改善事業実施」の要望が今年度出されています。低賃金を理由に退職した保育士の6割以上が、離職理由が解消すれば復職すると回答している調査結果もあります。潜在保育士を含め、保育士確保していくうえでも、処遇改善制度を創設してください。再度答弁を求めます。

松井知事
 保育所の運営は、国が算定する公定価格のもとに行われており、その中で保育士の人件費などが算定され、処遇改善のための加算も行われているところであります。府として補助制度の創設は考えていません。

 厚労省によると大阪の潜在保育士は現職の保育士の約2倍います。潜在保育士を確保していくためにも、賃金引き上げ、処遇改善が求められると思っています。ひきつづき是非ご検討頂ければと思います。


5.子どもの貧困対策のための財源

 最後に財源の提案です。パネルをご覧ください。
 まず、財政調整基金1602億円を5%ずつ2年間取り崩すことも可能ではないでしょうか。
 減債基金の積み立て不足解消の時期を最大6年延ばすだけで少なくとも年100億円程度の財源が生まれてきます。それでも2024年、平成36年に起債許可団体でなくなることは可能です。
 また、今年度7800億円の起債を発行しますが、金利が低くなり、公債費は、今後8年間は60〜90億円少なくなり、財源が生まれます。



 今必要なのは府民の暮らしを応援しながら財政健全化を図ることではないでしょうか。答弁をもとめます。

松井知事
 減債基金からの借り入れは、禁じ手であります。将来世代に負担を先送りせず、できるだけ早く、復元をしてまいりたいと思っています。
 また、金利低下をすでに織り込んだ中期見通し、28年9月の仮試算ですけど、それでも平成31年度までに、500億円規模の収支不足が続くなど、依然として府財政は厳しい状況にあります。今後とも財政規律を持しながら、府民の安心・安全を守るセーフティーネットをしっかり確保しつつ、大阪の成長のために施策に重点的に財源を配分してまいります。

 一般家庭において、家計が大変なもとで、子どもの治療費や食べることよりも、借金返済の積み立てを優先する、こういう家庭はないのではないでしょうか。私は食事ができない子どもが大阪にいる、医療費を受けることにためらいを感じる母がいる、この事態に心が痛みます。
 だからこそ、子どもの貧困対策などの財源として、年240億円から270億円は確保出来ると提案しました。
 しかし知事は、財政規律の維持、来年度以降の財源不足、等を理由に私の提案を否定されます。
 この8年間、府財政は黒字続きです。
 また、来年度以降、公債費が年60−90億円少なくなる事は、代表質問でも明らかになっています。さらに、今年10月から来年3月までの4000億円の起債発行の金利も少なくてすむので、来年度以降の公債費は、減少する要素になります。
 そして、財政調整基金は、年度当初は何百億円も取り崩しを予定しながら、実際は、取り崩しをしないどころか、積み増しをしてきました。今年度715億円の取り崩しについても、できる限り取り崩し額を圧縮すると答弁を財務部長がしています。
 要するに財源はつくれるのです。

 日本財団などの共同レポートが 「子どもの貧困放置は社会的損失となり、 対策強化は労働力確保の点からも大きな効果をもたらす」 とのべているように、子どもの貧困対策は、大阪経済の活性化にもつながります。
 来年2月の最終予算では、財政調整基金の積み立て715億円もかなり少なくなります。
 それをふまえて、来年度予算がっくられます。
 知事は財源の見通しをしっかり見て、子どもの貧困対策が実現されるよう求めて、私の質問を終わります。


   


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