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“妨害”しながら「大阪会議」批判 「二重行政」解消は成長に不可欠と、府市統合推し進める松井知事

 9月議会に知事が提出したのは補正予算案など57件。

 補正予算案は、住民投票での「大阪都構想」否決を受け、「府市大都市局」の運営経費を3億7339万円減額。
 一方、大阪市や堺市などとの連携をすすめる「大阪戦略調整会議」や政令市連携室の運営に要する費用として839万円を計上しています。
 全体として2900万円の減額補正となっています。
 補正後予算額は3兆2885億円。

 他に、コンサルタントの設計ミスによる阪神高速・大和川線の建設工事の工法変更で工事費が49億8333万円の大幅増額(債務負担行為)や「ラグビーワールドカップ2019」招致事業として5000万円など。
 また、国家戦略特区・外国人滞在施設経営事業として、マンションなどホテルや旅館のようにフロントがない施設でも外国人の宿泊施設として使えるようにするための予算も盛り込まれています。

 松井知事は今議会に、一度否決された府立産業技術総合研究所と大阪市立工業研究所、市が管理する大阪港と府が管理する堺・泉北、阪南両港といった、府市統合案件を再提出しました。

 そして、29日の本会議場で、喫緊に取り組むべき課題に対する考え方について発言し、「二重行政の解消は、大阪が成長・発展するために不可欠」と強調、本会議終了後も「統合案件を一つでも前に進めたい」と府市統合に執着しました。
 しかし、経済成長と府民の暮らし向上のために産業技術研究所などの統合が「不可欠」なのかの説明はありません。

 また、知事自身や橋下大阪市長が具体的議論に入るのを「アリバイづくりに使われる」と“妨害”している自民党の提案で設置された「大阪戦略調整会議」について、「残念ながら現時点では、課題解決に向けた方向性を導き出すといった状況にはいたっていません」と、他人事のように批判しました。

 そのうえで、「大阪の改革をすすめて欲しいという府民の願いに応えるため、今できることからしっかり前に進めていくことが重要」と、大阪市立大と府立大の統合についても「現在、関連議案を今議会に提出するべく、府市で準備をすすめているところ」と、府市統合をさらにすすめていく姿勢を強調しました。

 知事は、11月22日の知事選候補として「大阪都構想」実現を掲げることを宣言、「再度挑戦するのがわれわれの使命だ」とまで述べています。
 統合案件などをめぐり、「大阪の成長に不可欠な『二重行政の解消』のためには、「大阪都都構想」が必要であることを浮き彫りにしていく目論見が見て取れました。

 知事の退職金廃止議案も提案します。

 ところが、この議案は、先の「府議団通信」(9月3日付)でも掲載したように、退職金分を月々の給与に上積みするもので、給与が増えるだけでなく、毎月の給与をもとに計算する「ボーナス」の額が増えるため、退職金廃止前より受け取る総額が増えるというもの。

 知事は、審議会からこの答申を受けたとき、「民間と報酬のあり方について、非常に近くなってきてよかった」などと述べていました。

 給料の月額も3割カットしても106万円超になります。
 松井知事は街頭演説などでは3割カットを強調し、「身を切る改革」を強調しますが、額については口をつぐんでいました。





   


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