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医療保険改悪 先取りの大阪府では 国保料値上げ“高値平準化”

 改悪医療保険法(5月27日成立)は、国民健康保険の財政運営を市町村から都道府県に移して医療費削減を狙っています。大阪府ではその“先取り”が進んでいます。
 大阪府では「財政の安定化、負担の公平化、事務の効率化」などを口実に、橋下徹知事(当時)が2010年、「広域化」方針を策定しました。府が交付する特別調整交付金について、「不適正」とみなす繰り入れ(法定外繰り入れ)にはマイナス10点、医療費抑制が進んだプラス20点などと点数で誘導しています(表)。
 収納率目標を各自治体が掲げ、下がれば府が交付金を減額するとして、収納率を上げてきました。
 また、各自治体の拠出金から医療費を給付する「保険財政共同安定化事業」に所得割を導入しました。これにより、これまで国保料の低かった自治体では保険料が値上がりし、高い方へと移行する「平準化」が起こっています。高槻市、吹田市、交野市などで保険料値上げが進みました。
 摂津市では、医療費の増加などを理由に保険料を14年度、15年度と連続値上げしました。14年度は氏全体で900万円の値上げで、所得250万円(40歳以上、65歳未満の2人を含む4人家族)の世帯では年間6万2213円の国保料値上げとなりました。
 日本共産党摂津市議団は、国保料の値上げ撤回を主張。「国保料は今でも高すぎて払えないと悲鳴が上がっています。市民に負担を押し付けることはやめるべきです」と強調しています。
 一方、拠出金が流入している大阪市では国保料の値下げとはなっていません。引き下げを求める日本共産党議員団に対し、橋下徹市長は「府内市町村の負担割合(所得比)に合わせる」として、13年度2%、14年度2%と連続値上げを実施しました。

国が責任果たせ 大阪社会保障推進協議会の寺内順子事務局長の話
 国保の都道府県化では、700億〜800億円規模の「保険者努力支援制度」(2018年度〜)がつくられます。“頑張ったところにお金を回す”という、まさに医療保険改悪先取りの、大阪府の仕組みです。
 国保財政の改善には、全国の法定外繰り入れ分(3900億円)を大きく上回る5000億、6000億円の国費投入が必要であり、国が責任を果たすべきです。
 市町村には、国からの支援金を国保料引き下げに回させるとともに、引き続き一般会計から国保財政への繰り入れをさせるよう運動を強めていきたい。


「しんぶん赤旗」2015年6月17日付より


   


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