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維新幹部の「大阪都」併合発言/兵庫県への「領土拡大」!? 危険な国家改造の足場固め

 橋下徹大阪市長が率いる「日本維新の会」が14日投票の兵庫県宝塚市長選と伊丹市長選に大阪府以外の首長選としては初めて公認候補を擁立し、同党幹部が「大阪都」構想にからみ兵庫県の阪神間も特別区に含める発言をしたことが兵庫県民の警戒感を広げています。

宝塚・伊丹市長選で批判噴出

 「大阪の勢力範囲を拡張して領土拡大を図っていくような印象を与える発言だ」。兵庫県の井戸敏三知事は8日の定例会見でこう不快感を示しました。

「神戸まで」

 批判の矛先は、「維新」の浅田均政調会長が「大阪都」にからみ「大阪だけでなく周辺10市くらいを合併し、尼崎や西宮を越えて神戸まで特別区にしたい」(「神戸新聞」3日付)と2日、語ったことにあります。
 浅田氏は後日、「(大阪都構想ではなく)経済圏という考え方です」(「朝日」9日付)と釈明したといいますが、もともと「大阪都」構想は、大阪市を廃止し、そこから「権限と財源をむしり取」る(橋下氏)だけでは済まない構想です。
 「維新」は昨年夏に出した公式本『【図解】大阪維新 チーム橋下の戦略と作戦』で「都構想では、まず大阪府と大阪市と堺市を統合」した上で「大阪市の周辺のほかの市も再編して、さらに広域な領域をひとつにしたグレーター大阪を形成し、それを大阪都とする計画です」と明記しています。
 そこには、吹田市や東大阪市など大阪市に隣接する大阪府内10市が塗りつぶされた地図が掲載されており、さらに「このほか尼崎市も含む」と注意書きが。本文にも「尼崎市は兵庫県ですが…グレーター大阪に加えています」と兵庫の自治体まで「大阪都」に組み込む構想がはっきり示されています。

「敵は東京」

 宝塚市長選では7日、「維新」公認の市長候補の応援に来た同党兵庫県総支部代表の新原秀人衆院議員が「なにも維新は兵庫を大阪色に染めようとはしていない」と釈明。その上でこう訴えました。
 「われわれの敵、ライバルは東京なんです。大阪、京都、兵庫の三つを合わせれば韓国のGDP(国内総生産)に匹敵する。東京に負けない街になる。その中に宝塚も入っている。『関西州』をつくっていきたい」
 言い訳のつもりなのかもしれませんが、「関西州」とは「財界のみなさんがいつも言っている道州制」(橋下氏)です。道州制は、日本でもまがりなりにも形成されてきた「福祉国家」的な機能を解体し、住民から遠い道州間の競い合いによって大企業に都合のいい国づくりを進めるもので、「究極の構造改革」として財界によって提案されてきました。その財界に「手綱を引いてもらいたい」と懇願する橋下氏が国家改造の最終目標として掲げてきたものです。
 「維新」にとっては「都」構想も「道州制(関西州)への地ならし」(前掲著)であり、兵庫県への進出の狙いが危険な国家改造への足場固めであることは間違いありません。



「しんぶん赤旗」2013年4月11日付より








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