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「大阪都」へ府市統合推進、「特区」国際競争支援/2013年度大阪府当初予算案 政府経済対策 補正予算で

 松井一郎知事は14日、就任後2回目の通年予算となる2013年度当初予算案を発表しました。

 予算規模は一般会計2兆8948億円で前年度当初比4%減。
 人件費3%減、社会保障関係費など扶助費が3.4%減など、全体として住民福祉の縮小と、「大阪都」を前提とした施策統合や公営事業からの切り離し、経済対策では「特区」など企業の国際競争力支援が中心となっています。

 建設事業費は3993億円と前年度比14.1%の大幅減となっていますが、安倍内閣の緊急経済対策を反映した補正予算(緊急経済対策分)を含めると約15%の増額です。

 安倍内閣の緊急経済対策は、不要不急の大型公共事業や、来年春の消費税率引き上げのための「景気回復」を画策する狙いがありますが、府民要求実現に沿った使い方を迫っていく必要があります。
 今年度補正(緊急対策分)739億円(一般会計)の半分以上の393億円が基金に積み立てる計画です。

 このほか、2月議会には、維新の会が議員提案した「政治活動制限条例案」が継続審査となっていることも焦点。
 新年度からの「授業評価アンケート」や職員の相対評価の導入が始まるなど、職員の統制や学校ガバナンスの強化、教育への政治介入がいっそう強められようとしています。




「15カ月予算」 緊急経済対策反映

 歳入では、法人2税を前年度比299億円増(12.6%増)を見込みますが、繰越欠損金の控除額制限の見直しなどのため。
 海外経済の減速等で今年度最終からみると144億円減(11%減)を見込んでいます。

 これも補正予算案を合わせた「15カ月予算」でみると、国庫支出金が27%増、府債発行が3.8%増となっています。

 予算案の内容は、臨海スポーツセンターの耐震改修、稲スポーツセンターの整備、地震など防災対策の強化など府民の安心や願いを反映したものもあります。

 臨海スポーツセンターについては、橋下徹知事時代の「財政再建プログラム」で廃止の対象に挙げられましたが、五輪メダリストの高橋大輔ら、スケートリンクの存続を願う関係者の取り組みが実り、事業費3470万円の2分1の寄付が集まり、存続する見通しとなりました。
 私立高校生への授業料無償化(所得制限有)も継続です。

加速する「大阪都」への取り組み

 「大阪都」を目指す動きもいっそう強めています。

 府市統合を前提にした統合本部の運営に前年度当初比1.5倍の5億3812万円を計上し、利用者はじめ、広範な府民が現地での存続を願っている市立住吉市民病院の府立急性期・総合医療センターへの統合、食品衛生など府民の健康と安全を守る公衆衛生研究所の独立行政法人化と市立環境科学研究所との機能統合などが盛り込まれています。
 府市の大学統合も進められています。

 経済対策では、「特区」が柱です。
 「関西イノベーション国際戦略総合特区」での地方税ゼロで、新エネルギーやライフサイエンスなど特定の成長分野の企業・研究機関の誘致を促進、国際競争力の強化を通じて暮らしや中小企業に波及させるとしています。

 これは、これまで繰り返し失敗を続けてきたやり方です。
 企業の立地自体が進まなかったり、一部の大企業が儲けを上げても賃金や地域経済に還元せず内部留保を増やすだけでした。

 府市の「成長戦略」には、「外需型ハイエンド産業」に磨きをかけ、「集積・交流・分配」機能を高めるとしているように、府民の雇用や暮らしを温め、内需を拡大するという発想から逆立ちするものです。

 また、「グランドデザイン・大阪」の推進として、1916万円を計上。
 JR桜島線延伸などについて調査するとしています。

 「グランドデザイン」は、淀川左岸線延伸部建設など、関西国際空港アクセスの強化、、カジノ誘致など、巨額の公共事業が目白押しの構想です。
 中小起業支援策もいくつか打ち出していますが、融資枠を縮小するとともに金利も上げています。

 なにより、府市統合やグランドデザインなど、大阪の姿の根幹にかかわるような問題が、府民的論議も経ずに、知事や市長と特別顧問・参与らによる統合本部会議なるところで決められていくことは大きな問題です。

府民の暮らし削り、大型開発温存 巨大開発計画グランドデザインも

 「財政再建」では、新年度の財源対策として財政調整基金を401億円取り崩し、行革推進債44億円を発行しています。

 橋下府政前の2007年度と比べると、府税収入の減少が続いていますが、その分、臨時財政対策債の発行や地方交付税の増額などで対応しています。




 「維新プログラム」(2008〜10年度)、「財政構造改革プラン」(2011〜13年度)で取り組んだ「行革実績」は、12年度までで計4348億円にのぼります。

 人件費の1823億円が最大ですが、直接の府民施策に関わる分野でも1494億円の縮減が行われています。

 その一方で、建設事業費については、2011年度以降縮減の対象から外されています。
 維新府政誕生以降の2008〜12年度の間、水と緑の健康都市開発(箕面森町)に121億円、大和川線など阪神高速道路建設に525億円、安威川ダム136億円などの府民の税金が注ぎ込まれています。












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