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「大阪都」では、暮らしも経済もよくならない 推進中止を/住民にはがまんと犠牲、大企業が国際競争に打ち勝てる仕組みづくり 2015年4月移行めざす維新、住民投票、参院選と同時実施のシナリオも
公明党が賛成し、多数で可決しました。 大阪都をめぐる論議は、「法定協議会」に移ることになります。 維新の会は、一昨年の知事、市長W選挙前に出した「大阪都推進大綱」で、大阪都の実現を2015年4月だとし、工程表を描いています(別表)。 堺市が協議会に入っていないことを除き、ほぼスケジュール通りに進められているのが現状。 しかも、住民投票を今年の夏の参院選挙と同時に実施し、橋下市長が参院選出馬するというシナリオを9日付「毎日」は次のように描きます。 《市長辞職に「市政投げだし批判」が高まれば、逆に維新の失速につながる危険がある。…こうした状況で浮上しているのが、都構想の大幅な日程前倒しだ。制度設計などを議論する法定協議会を2月ごろに設置、急ピッチで案をまとめたうえで、当初は14年度中の予定だった住民投票を夏の参院選と同日にする案だ。構想実現への道筋をつけて「投げだし」批判をかわす戦略で、維新関係者は「住民投票のめどがつけば構想は後戻りできなくなる」と語る》 大阪都構想をめぐっては、橋下市長らは選挙で信任を得たなどと言いますが、区域の再編を掲げながら選挙では、現行行政区数に合わせて「24色の鮮やかな大阪市に変えます」、「大阪市はバラバラになりません。大阪市をつぶすことはありません」などと宣伝していたのです。 改革への期待はあったにしても、「大阪都」構想についてきちんとした情報提供がされたとはとてもいえません。 市長選での橋下氏と平松氏の得票比は6:4で圧倒的多数が橋下氏や大阪都構想を支持したとは言える数字ではありません。 維新の会は、大阪経済の落ち込みや企業流出、住民のくらしの悪化の原因を、府と大阪市の「二重行政」、「二元行政」に求め、権限と財源を一つに集中する大阪都をつくり、高速道路網整備や関空リニアなどインフラ整備を進め、法人税減税やカジノ誘致などで企業の国際競争力を支援、外国人観光客をよびこむなどして、経済成長を図ろうとしています。 また、知事時代の橋下氏は次のように答弁しています。 「大企業にしっかり頑張ってもらって、海外にも競争力を持てるような、そういうような企業になってもらって、それによって傘下の中小企業とかそういうものからどんどん製品を受けるような形にしないと」(2010年2月本会議くち原議員への答弁)。 しかし、一部の大企業が儲けても、更に国際競争に打ち勝つと言って、人員削減や正規社員の非正規への置き換えなど人件費削減、中小企業への下請け単価たたきなどで、本来家計や地域経済を循環するはずのお金を削りに削って利益としてため込んでいる現状を変えなければ、地域経済や住民の暮らしは上向きません。 大阪都構想がが何をもたらすか、そのねらいは何かなどを、広く府民的に知らせ、議論していく必要があるのに、維新の会は、強引に大阪都構想実現に向けてアクセルを踏み込んでいます。 松井知事は22日の記者会見で、大阪都に向けた「大都市局」を府市共同で新設する方針を表明しました。 暮らしと経済・財政を立て直す道筋示し、維新の会の「改革」、大阪都のねらい明らかに 格差と貧困の拡大が深刻化し、政治のあり方への不信・不満もあり、「何かやってくれそう」、「現状を変えてくれそう」など維新の会への期待が大きくなっています。 先の総選挙で、大阪での維新の会の得票率は35.9%。自民党が21.4%から20.9%、民主党が41.6%から9.2%など得票数・率を下げるなか、「ひとり勝ち」とも言える状況です。 参院選で大阪の改選数は3から4になりますが、維新の会は2人の擁立を目指します。 また、総選挙の大阪での比例得票結果を、維新の会が強行した定数減(109→88)の府議会議員選挙区に単純に政党の得票順位に当てはめると、維新の会は66議席、自民13議席、民主、公明6議席、共産1議席となります。 維新の会は複数議席を獲得できる得票を得ています。 それを考えると、共産党の議席はゼロになってしまいます。 日本共産党は、「消費税に頼らない別の道があります」など暮らしと社会保障、経済・財政を立て直す提案を発表するなど、増税と公共事業推進、大企業の国際競争力支援といった自民党型の政治のあり方からの脱出・転換こそが必要だと訴えています。 定数見直しや1人区をなくすなどの取り組みも必要です。 同時に、日本共産党の提案・政策を広げ、維新の会の目指す方向では、暮らしや地域経済がよくなるどころか、これまで以上に悪化する危険性をはらんでいること、憲法9条を変えてしまうなどのもくろみを明らかにし、広く知らせていくことが急がれます。 |
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