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第4回大都市制度協議会 大阪低迷は統治機構と無縁/矛盾ますます深まる「都構想」

 橋下徹大阪市長や松井一郎知事が「大阪都」づくりの舞台とする第4回「大阪にふさわしい大都市制度推進協議会」が10日、大阪市役所で開かれました。両首長が同協議会に示した「大阪都構想」案に対し、6月に公明党を除く各党から意見や質問が続出。今回の会合はそれを受けて開かれ、橋下市長らが追加資料を提出して“回答” しましたが、「大阪都」構想の問題点や矛盾がいっそう浮き彫りになっています。

低迷の原因は

 6月15日開かれた第3回会合で、日本共産党の山中智子大阪市議は、大阪経済の低迷の原因は橋下市長らが主張する「府市の二重行政」や「大都市制度」にではなく、「東京一極集中」の進展や、府と大阪市が同じ方向で巨大開発にのめりこんだことにあると指摘しました。
 さらに「大阪都」構想は、淀川左岸線延伸部やなにわ筋線など新たな巨大開発に「集中投資」することに狙いがあると指摘し、「いま以上にインフラ整備を進めても、大阪が再生し、企業集積が進む保証はどこにもない。つまるところ政治の中身、政策選択の中身の問題だ」と問題提起していました。

質問に答えず


 ところが今回の会合で橋下市長と松井知事は、「各会派の質問に答える」と言いながら、山中議員の提起に対しては何の回答もなく、自民党と民主党の意見だけに答える形で、「大阪都」の必要性をあらためて説明。「大阪の相対的地位の低下に有効な対策を講じられなかった府市の関係も大きな要因」(松井知事)などと述べました。
 これに対し自民党の花谷充愉府議は「府市の関係で大阪が低迷した根拠を示せと言ったのに、示さない。入口の段階からおかしい」と反論。橋下市長は「政策論と統治論は別。組織の問題では(大阪市の)WTCと(府の)りんくうゲートタワービル、全国を見てもこんな馬鹿なことをやったところはない。組織が分かれていたから、実行に齟齬(そご)が生じる」などと述べました。

すり替えて

 山中議員は「政策選択を検証しないと、枠阻みや統治機構凌変えても同じ問題が起こる。大阪経済の低迷は統治機構と直接関係なかったということが、きょうの説明であらためて分かった。どういう政策をとるべきだったのか、その回答がない」と抗議しました。
 橋下市長は「政策選択の中身と同時に、決めたことを大阪全体でやってこなかった」「政策選択の検証というが、議会で議決してきた。みんなオッケ-だった」などと話をすり替えました。
 公明党は協議会の場で知事、市長の「大阪都構想」案に対して見解を示さない一方、同党市議団の会議に橋下市長が出席して意見交換しています。自民党の木下吉信大阪市議が公明党案が出ていないことは「違和感がある」と指摘。協議会の浅田均会長(府議会議長)は「個々に口頭で聞いている」とし、公明党の清水義人府議は「考えはある」と述べるにとどまりました。


「大阪民主新報」2012年8月19日付より



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