トップページ メールはこちら
Google
WWW を検索 日本共産党府議団サイト内を検索
議員おもな活動政策・見解定例議会府政資料リンク



再稼動ノー 暮らし守れ/大阪府議会 曽呂利議員が11提案

 日本共産党の曽呂利邦雄大阪府議は24日、府議会本会議で一般質問にたち、福井県の大飯原発3・4号機の再稼働をきっぱり拒否し、暮らしと雇用・経済の再生にむけた提案を実現するよう松井一郎知事に迫りました。

 松井知事と橋下徹大阪市長は、国民が信頼できる原子力規制機関の設立など8項目を政府に提案しています。
 曽呂利府議が「8項目の立場にたつなら再稼働ノー、原発ゼロを」と主張したのに対し松井知事は「国が責任もって判断すべきだ」と述べるにとどまりました。

 曽呂利府議は、府民の暮らしと雇用が全国に比べて悪化が著しい一方、大企業は大もうけしている実態を指摘し、「大阪経済の立て直しには暮らしを守ることが決恵的」と強調。
 消費税増税反対、正社員を増やす労働法制の改正を国に求めるよう主張しました。
 府としても▽公立小・中・高・支援学校の定数内講師の正規雇用(約3000人)、35人以下学級の小学3年・中学1年への拡大▽「安心こども基金」を活用した保育所整備の促進▽子ども医療費助成制度の小学校入学前までの拡大▽住宅太陽光設置補助の拡大など、11項目を提案。
 711億円の財政調整基金の2割を取り崩せば可能と主張しました。
 また、橋下市長が「市政改革フラン素案」で大阪市の住宅太陽光補助を廃止しようとしていることに対し、存続を求めるよう迫りました。

 松井知事は、消費税増税は先に「行革」に取り組むべきとの認識を示し、子ども医療費助成は「全国一律の制度として国が制度化するよう要望する」にとどまりました。

 曽呂利府議は、企業立地補助金がこの間で116億円も支出されているにもかかわらず投資企業の正社員の雇用は124人だと指摘し、「府や『維新の会』の"呼び込み型"成長路線は大阪経済の再生にも財政再建にも逆行する」と批判しました。


「しんぶん赤旗」2012年5月25日付より



曽呂利邦雄府議の一般質問の大要は以下の通りです。

 日本共産党の曽呂利邦雄です。知事に質問します。

1.千里救命救急センターについて

 まず、千里救命救急センターについてです。
 千里救命救急センターは、わが国初の独立型センターですが、6年前に済生会千里病院の併設型に変わりました。済生会への統合以降は、従来の三次医療中心という枠から、救急受け入れ拒否事例も含め一次、二次でもすべての患者を受け入れる、北大阪の最終防波堤です。
 三次救急は「保健医療計画」に位置づけられた大阪府の役割ですが、まったくの赤字部門です。3億5千万円の補助金の復活を求めます。

2.福井県大飯原発3・4号機の再稼働について

 次に、政府がすすめる福井県大飯原発3・4号機の再稼働についてです。
 先月24日、松井知事は橋下大阪市長と連名で、8項目の「原子力発電の安全性に関する提案」を政府におこないました。
 スクリーンをご覧ください。
 前文には「福島第一原発事故から1年」「影響が極めて深刻、広範かつ長期に及」び、「原子力災害が絶対にあってはならない」とあります。
 ところが福島では、原子炉内部の正確な実態も、地震で原発がどうなったかということさえ分からず、事故の原因はもちろん未解明です。
 提案された8項目は、多くの府民が納得できるものです。ところが政府の方針は、8項目のどれ一つ満たしていません。
 しかも、大飯原発では、近くの3つの活断層が連動した地震が発生した場合、関電が想定していた最大の揺れを上回ることを、最近関電自身が明らかにしています。
 再稼働にきっぱり反対するよう知事に求めますがどうですか。

 また関電は、電力供給に責任をもつ立場から、中国や中部など他の電力会社からの融通、高齢者や製造業に負担をかけない節電、企業の自家発電、住宅太陽光などの自然エネルギーなどで、夏の一番暑い時間帯の電力供給に万全を期すべきです。
 知事は、15日夜に関経連会長で関電会長でもある森氏などと会談しています。関電に原発再稼働なしの電力供給計画をつくることを求めたのですか。
 以上2点、答弁を求めます。

3.大阪の再生について

 さて、大阪の再生について質問します。

(1)くらしと雇用を守って経済の建て直しを

 スクリーンをご覧ください。
 日本は、1996年度までは経済は成長していましたが、97年の消費税増税、その後の派遣労働の緩和による非正規雇用の増加、社会保障改悪で内需が落ち込み、税収も減少し財政が悪化しました。国内総生産は、消費税増税をきっかけに成長がとまり、リーマンショック以後は縮小です。
 大阪の府内総生産は、96年度から09年度にかけて13.7%減と、全国の1.8倍の落ち込みです。雇用者報酬と家計消費の減少率は、大阪より総生産を減らしている道府県に比べても大きく、家計消費のマイナス9.2%は全国最悪です。非正規雇用も府の調査で約43%と全国約35%を8ポイント上回っています。
 一方、大阪税関管内の輸出額は、2011年は1996年の約2倍、府内本社の資本金100億円以上の113の大企業の内部留保は23兆9千億円と2000年から1兆1千億円増えています。
 くらしや雇用を悪くしながら大企業が儲けているのです。
 大阪経済を立て直すには、暮らしを守ることが決定的です。家計消費が10年前の99年の水準に戻ると約1兆6千億円の消費が増え、これだけで総生産を4.5%押し上げます。
 消費増大は地域経済にも波及し、実際の総生産はもっと増え、税収も大きく回復します。
 スクリーンをご覧ください。
 国の税収は、96年度と2010年度で、消費税収は5兆円あまり増えていますが、消費税以外の税収は、法人税・所得税・住民税などで19兆円あまり減り、全体では14兆円減っています。
 消費税増税にきっぱり反対するとともに、正社員を増やす労働法制の改正などを国に求めることが必要です。以上の2点、答弁を求めます。

(2)くらし・経済・財政を立て直す提案

 次に、くらし・経済・財政を立て直すために、6点11項目の提案をします。

  @ 教育

 第1に教育です。
2011年5月現在、府内公立小・中・高校・支援学校の定数内講師は3,732人です。雇用拡大と教育条件改善をはかるために、定数内講師の正規雇用をすすめるべきです。必要人件費は、30歳として試算すると、3,000人の正規雇用で約12億円です。正規になればもっと教育に打ち込めます。
 また、35人以下学級を小学校3年、中学1年へ拡大すれば、2011年度ベースで必要教員数は約650人、人件費は約50億円です。

  A 子育て支援

 第2に子育て支援です。
 大阪府の「人口減少社会白書」では、大阪は都市部で最も早く人口減少がすすみ、2040年には163万人の減少です。子育て支援は急務です。
 まず、保育所の整備です。残っている97億円の国の「安心こども基金」を活用すれば、4千人以上の入所枠が増えます。待機児解消や保育士の雇用拡大、若者の雇用、建設業の仕事拡大と一石四鳥です。保育所整備のテンポを上げるよう求めます。

 次に、子ども医療費助成制度です。通院では1市をのぞく府下42市町村が就学前まで以上の助成となっています。
 大阪府が就学前まで補助を引き上げるのに必要な財源は23億円です。そうすれば、市町村は中学卒業まで拡充することも可能になります。

  B 住まいの安全・安心

 第3に、中小建設業の仕事を増やすことで2点質問します。
 大阪府内の木造住宅耐震化事業は、2015年度をめどに耐震化率90%の目標ですすめられていますが、1年1000軒という少ない目標にも届いていません。地震の危険性の周知や府補助の増額で、年間5000軒ペースに引き上げるよう求めます。
 また、府独自の高齢者住宅改造費助成は2008年度から橋下府政で廃止されましたが、現在の介護保険では20万円しか住宅改造費が支給されず、介護予防には不十分です。せめて、府30万円、市町村30万円でも独自補助をすべきです。年間5000軒で15億円です。府民の安全、介護の予算を抑える、建設業者の仕事を増やす3つの効果があります。

  C 府営住宅

 第4に、府営住宅について2点求めます。
 「府営住宅ストック総合活用計画」では、10年間で1万戸を削減する計画です。最近の総合募集の平均倍率は、2011年度18.8倍と高倍率で、「何度申し込んでも入れない」という声が広がっています。削減計画は撤回すべきです。
 また、耐震改修や建替えなどの団地別事業計画、エレベータの設置などについて、住民への説明と合意に全力をつくすべきです。

  D 河川の危険箇所の改修

 第5に、37河川の老朽化護岸等対策や、先日点検結果が公表された、河川の158か所の緊急注意箇所の改修です。
 総事業費が2百数十億円の予定ですが、せめて毎年20億円規模のテンポで府民の安全を守ってください。

  E 自然エネルギー拡大

 第6に、自然エネルギーの拡大で2つ求めます。
 大阪は、一昨年12月末で住宅太陽光は、府民1人あたりの出力では関西平均の約半分でした。
 大阪府独自の補助制度がないことが一つの原因です。それでも、国と府内16市町の補助制度で、昨年度だけで大阪で3万5千キロワット増え、現在では15万キロワットです。関西で同じペースなら約70万キロワットになります。住宅太陽光設置は、4キロワット・200万円あまりとして補助制度の6倍から10倍の経済波及効果があり、3万5千キロワット分で約180億円の経済効果という計算もできます。
 大阪府では今年度に融資制度をつくりましたが、年1千戸分で、平松市長時代の昨年の大阪市の1,293件をも下回っています。せめて、年1万戸の融資制度に拡大するよう求めます。
 また、橋下大阪市長は、昨年度5000キロワット以上の成果があった市独自の住宅太陽光補助制度を今年度から廃止する方針です。「維新の会」の「脱原発」と、自然エネルギー補助廃止の方針とはまったく矛盾するではありませんか。大阪市長に補助制度を存続するよう求めてください。

 以上、6つの柱、11項目の提案には、711億円の財政調整基金の2割を取り崩せば十分可能で、波及効果は数倍以上、税収も増えます。
 11項目についてそれぞれ答弁を求めます。

(3)呼び込み型経済政策からの転換を

 さて、今年度の予算では、企業立地促進補助金に39億円、関西イノベーション国際戦略総合特区に5千4百万円、りんくうタウンなどの地域活性化特区に10億円の予算が組まれています。
 企業立地促進補助金の大企業分は、2010年度末で116億4882万8千円執行済みですが、シャープなどの大規模投資企業5社の1年間の雇用は正社員で124人しかありません。橋下知事は「パネル・ベイ」などと言ってきましたが、貝塚、堺、住之江と、シャープやパナソニックはこの4年間、計画を縮小しています。内需拡大なしの呼び込み型開発をすすめる大阪府や「維新の会」の経済成長路線は、大阪経済再生にも財政再建にも逆行するのではありませんか。方針の転換を求めますがどうですか。








トップページ | 議員 | おもな活動 | 政策・見解 | 定例議会 | 府政資料 | リンク
(c)日本共産党大阪府議会議員団
大阪市中央区大手前2丁目大阪府庁 TEL06(6941)0569 FAX06(6941)9179 メールjcp@gikai.pref.osaka.jp