|
安全・安心の大阪へ府が役割果たせ/9月府議会/共産党・宮原団長が一般質問 日本共産党の宮原威団長は3日府議会本会議で一般質問に立ち、「原発ゼロ」と自然エネルギーの拡大、安全・安心のまちづくりへいまこそ大阪府が役割を果たすよう提案するとともに、旧WTCビル(咲洲庁舎)への府庁全面移転断念によって明らかになったビル購入の無駄と橋下徹知事の責任を追及。維新の会の「職員基本条例案」「教育基本条例案」の問題点について府幹部職員にただし、橋下知事に子どもや府民に対して政治が責任を果たすよう求めました。 原発ゼロ・自然エネルギー 住宅太陽光発電で独自補助を/橋下知事「むやみな制度」 宮原議員は、世界有数の地震国・日本にとって「原発ゼロ」の実現は緊急課題だと強調し、橋下知事に「国と関西電力に、『原発ゼロ』の期限を切った行動計画を求めよ」と要求。関西電力がことし8月18日に発表した8月後半の電力供給計画では、原発は4基稼働で337万キロワットと、関西の電力供給2965万キロワットの11.4%だとし、「短期のスパンでみれば、約350万キロワットの自然エネルギーを関西で確保できれば、原発ゼロが実現できる」と語りました。 宮原議員は、昨年12月の住宅太陽光発電は、福井県を含む2府5県で32万5千キロワット以上だが、大阪府は1人当たり0.009キロワットと関西で最低であることを紹介。大阪府には住宅用太陽光への独自補助制度がないことが、その大きな要因だと指摘しました。 宮原議員は、大阪市など府内16市町で独白補助制度がスタートしている中、府が年間10億円1万件の補助制度をつくるよう提案。国に加えて府の制度ができ、大阪市も現在の5倍の予算を組めば、府内で年間2万件(8万キロワット)以上の普及は可能と指摘。関西2府5県で同じペースで晋及すれば10年間で原発2.5基分以上の電力が自然エネルギーで供給できる展望を示すと同時に、公共施設での太陽光発電設備を普及することも有効だと主張。国に「再生エネルギー法」に基づく全量買い取りの実現を求めるよう迫りました。 橋下知事は「日本の地震の多さを考えれば、原発への依存度は下げるべき」とする一方、「ただちに『原発ゼロ』とは、いますぐなのか。原子力技術を残すことは日本の安全保障上考えないといけない」などと答弁。太陽光発電の府独自補助は、「限られた財源の使い道の話。むやみに制度をつくるのをいかがなものか。国の買い取り制度の状況をみながら検討する」と述べる程度でした。 旧WTC全面移転断念 府庁舎は大手前周辺に集約を/橋下知事「咲洲で特区を」 宮原議員は、府庁WTC移転案に対して日本共産党が、長周期地震動の影響について府と大阪市の「構造物耐震検討委員会」(08年3月で中断)を再開して研究することや、災害時はビル周辺が液状化して孤立する恐れがあり、防災拠点にはなりえないと指摘していたことを紹介。「知事は『あの時点では最善の判断だった』と言うが、当時は『地盤沈下は問題ない』『大阪市が大丈夫と言っている』などと、まともに答えなかった」と追及しました。 橋下知事は09年10月、平松邦夫・大阪市長と「咲洲は関西の宝石箱」と共同コメントを出したものの、大企業の進出はゼロ。府庁移転を求めていた関西経済3団体は、ビル買収前の「企業誘致もやぶさかではない」(関西経済同友会・中野健二郎代表幹事)との言葉を実行せず、旧WTCビルへの支所設置すら拒否しました。 宮原議員はこうした事実を示し、「『関西の宝石箱』と言った知事や平松市長の責任はどうなるのか」と批判。府庁を大手前に集約することが、財政的にも、府全体の防災対策上も合理的であり、咲洲地域では住民のための安全なまちづくりこそ進めよと述べました。 橋下知事は「共産党の主張は真摯(しんし)に受け止め、購入当時に検証した」と言いつつ、「当時と違う数値が東日本大震災時に生じた」と答弁。咲洲開発については「1年、2年で宝石にならない」などと強弁し、「国際戦略総合特区」の指定を受けて開発を進める考えを表明しました。 宮原議員は、橋下知事が府戦略本部会議(8月29日)で地震波について基礎的な問題を理解していない質問をしていることを挙げ、「真摯に検討したと言えるのか」と批判。「構造物耐震検討委員会」で研究すれば旧WTCビルに移転できなくなるので、府と大阪市が再開しなかったと追及。橋下知事は「当時、解析して大丈夫だと判断した。東日本大震災でも、堤防を造ってもそれを超える自然現象が出た」などと話をすり替えました。 職員・教育基本条例案 府民のための仕事に逆行する/中西教育長"現場と乖離" 宮原議員は、維新の会の「職員基本条例案」「教育基本条例案」のように人事の相対評価で毎年、最上位(S)5%や最下位(D)5%を必ず判断することは、「子どもや府民のために努力する教員や職員の協力関係に逆行する」と指摘。90年代後半から民間大企業で相対評価が導入されたが、短期的な成果ばかりに目が向き、研究分野での基礎研究の軽視など、数々の欠陥が指摘されているとして、人事評価のあり方は慎重にすべきだと主張しました。 さらに貧困と格差の拡大が子どもの学力や高校の格差につながり、教員の多忙化も強まっている中で、「学校ごとの学力テストの結果公表や、3年連続定員割れの高校の統廃合を検討することは、ただでさえ将来や自分の存在意義に自信を持てない子どもたちをさらに傷付け、いっそう増やすことになる」として、府や府教委の見解をただしました。 答弁で小西禎一総務部長は、大企業などへの調査で相対評価を厳格に実施しているのは、02年の約17%から、10年には約10%へ減少しているとし、「民間における実態などを十分検討する必要がある」と発言。中西正人教育長は、「学校を取り巻く状況や課題が大きく異なる中、教員は教育に取り組んでいる」と説明。「一定割合を固定的にD評価にし、分限免職と連動させるやり方は、あまりにも学校現場の実情とかけ離れ、子どもたちへの悪影響も懸念される」と答弁しました。 また中西教育長は、学校別の学力テスト結果公表について「機械的に公表すれば、子どもたちが劣等感を持ち、学習意欲を失うなど、大きな影響を与えかねない」とし、3年連続定員割れで統廃合する問題も「あまりに画一的」と語りました。 宮原議員は、民間研究機関の調査結果から、「『長期雇用を前提に、能力開発や人材育成を会社主体に行う』という企業が76.7%と最も多くなっている」(社会経済生産性本部「日本的人事制度の現状と課題」08年度版)、「企業の長期的な成長のためには、人的資源の維持・管理の視点が重要」「短期的な成果を目的として導入された成果主義の賃金体系は、社員の健康を害している」(富士通総研、10年4月)などの報告を紹介。 これを受けて小西総務部長は「人事評価は職員のやる気を引き出し、能力を高めるために実施すべき。いくら努力しても必ず下位評価になれば、職員のやる気が損なわれる」と答えました。 |
|||||||
「大阪民主新報」2011年10月9日付より |
|||||||
宮原府議の一般質問(大要)は以下の通りです。
|
|||||||
トップページ | 議員 | おもな活動 | 政策・見解 | 定例議会 | 府政資料 | リンク | |||||||
(c)日本共産党大阪府議会議員団 | |||||||
大阪市中央区大手前2丁目大阪府庁 TEL06(6941)0569 FAX06(6941)9179 メールjcp@gikai.pref.osaka.jp |