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東南海・南海地震 横揺れ6メートル超/55階建て 大阪府咲洲庁舎/府の検証結果を批判 移転撤回求める 共産党

 大阪府は13日、東日本大震災で大きな揺れと被害が発生した咲洲(さきしま)庁舎(旧WTCビル、大阪市住之江区)の安全性の検証結果を公表し、東南海・南海地震が連続して発生した場合、同ビルの揺れ幅はこれまでの想定の1.5倍の6メートルになるとしました。10億円を追加し、33億円をかけて耐震補強を行うとしています。

 同ビルは、大阪湾の人工島(「咲洲」)に建つ高さ256メートル、55階建ての超高層ビル。東日本大震災で震度3にもかかわらず10分以上揺れ、最上階(52階)では2.7メートルの大きな横揺れが生じました。天井や壁などの内装材や防火戸など360カ所が損傷し、エレベーター全32基が停止、そのうち4基でロープの絡まりによる閉じ込めが発生しました。
 想定の見直しをうけ、耐震対策として、制振部材(ダンパー)を増設し、揺れ幅を4メートル程度に軽減するとしています。
 津波については、想定の2倍でも庁舎への浸水は避けられるとしていますが、発電機室と電気室をビルの上階(3階)に設置するとしています。
 一方、液状化については「地盤改良がおこなわれており、発生しにくい」としています。
 橋下徹知事は、6月までに防災拠点として適切かどうかの方向性を出すとしています。
 日本共産党の宮原威府議団長は.「予想される震度6弱や5強の場合、6メートルの横揺れにとどまる保証はない。液状化についてもビル周辺も含め、発生する可能性がきわめて強い」と指摘。「現庁舎の移転は撤回すべきだ」としています。
 同ビルは大阪市が第3セクター方式で1995年に建設しましたが、経営が破綻。橋下知事が、「関西活性化の起爆剤」などとして同ビルへの府庁移転をかかげ、2009年2月議会に移転条例案を提出。日本共産党の追及で防災拠点上の重大な問題点が判明し、否決されました。知事は、同年9月議会に再度条例案を提出。移転条例案はふたたび否決されましたが、ビル購入は賛成多数(日本共産党は反対)で可決されました。現在、府職員は約2000人が勤務しています。


「しんぶん赤旗」2011年5月15日付より


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