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家計温める景気対策を/大阪府議会代表質問 堀田府議迫る

 日本共産党の堀田文一大阪府議は1日、府議会代表質問にたちました。橋下徹知事の府民施策切り捨て、巨額の税金を投入する大型開発・大企業呼び込み型の成長戦略を正面から批判し、府民の暮らしと中小企業応援、家計消費を温めることこそ最大の景気対策、経済対策だと知事に迫りました。
 堀田府議は、府民の暮らしと大阪経済の悪化の実態を示し、「責任の一部は橋下知事にもある」と指摘。知事就任後の3年間で、障害者団体への運営補助金など福祉、府民施策を軒並み廃止してきたうえに、新年度予算案はさらなる府民犠牲を強い、安威川ダムなどの巨大インフラ整備、大手前・森之宮再開発に着手しようとしているとし、福祉と教育の改善、安全・安心の公共事業充実へ組み替えるよう求めました。
 具体的な問題で堀田府議は、滞納者に差し押さえなどの制裁をかける府の「国保広域化支援方針」の撤回や、千里救命救急センター(吹田市)への補助金(3億5000万円)継続、私学への運営補助金削減の撤回、学校警備員配置の継続、府営住宅の半減方針の撤回など、府民の切実な要求をとりあげ、実現を求めました。
 高速道路。淀川左岸線延伸部や新地下鉄なにわ筋線を建設すれば、人、モノ、カネが集まり、大阪が潤うとする橋下知事の成長戦略について、「大失敗した、りんくうタウン事業と関空事業の過ちの繰り返しだ」と批判しました。
 橋下知事は、府民の要求をことごとく拒否し、成長戦略についても「環境を整えないと人、モノ、カネは集まってこない」との答弁に終始しました。


「しんぶん赤旗」2011年3月2日付より

堀田議員の代表質問の大要は以下の通りです。

2011年3月1日
堀 田 文 一

 日本共産党府議会議員団の堀田文一です。代表して、知事、教育長および水道企業管理者に質問します。

 くらしと日本経済の危機、閉塞感は、かつてなく深刻です。大企業の内部留保は、244兆円と空前の規模ですが、大阪に本社を置く資本金百億円以上の大企業116社の内部留保は、25兆6千億円へと、この1年で約9千億円増える一方、その116社の正社員は1万5千人減っています。
 また、大阪府民の暮らしと地域経済は、全国的にも深刻です。その深刻な現実をつくってきた責任の一部は、橋下知事にもあることを、昨年10月4日の代表質問で、わが党は指摘しました。
 まず、スクリーンをごらんください。
 2007年度と2009年度の比較では、完全失業率は、全国が3.9%から5.1%と1.2ポイント増に対して、大阪は5.3%から6.6%と1.3ポイント増えました。
 全国の企業倒産に占める大阪の割合は、2007年度15%から、2009年度の15.6%へと増えています。
 子育て世代の貧困と孤立化を背景に、大阪の児童虐待が深刻化し、相談件数が20.9%増と全国の8.8%増より、大きく突出しているのも、大阪の暮らしと社会の深刻さの現れです。
 さらに、国が、介護・子育て・医療などのナショナルミニマムを「地域主権」の名目で放棄するもとで、橋下知事も、府の広域的役割を放棄し、国保や介護について市町村間の格差が広がっていることも告発しました。
 ところが知事は、「悪くなった点については責任逃れはできない。ただ最後は道州制になれば、財源と権限を使って施策も打てる。限られた財源の中で、どのようなサービスを選択していくかは、基礎自治体の首長さん、議会を通じて住民のみなさんが選択して頂く」と答弁しました。覚えていますか。
 この10月4日のわが党の代表質問後にわかったことですが、今年度上半期の完全失業率は、全国は横ばいなのに、大阪は文字どおり全国最悪になりました。前の代表質問から5カ月しか経っていませんが、府民の暮らしや大阪経済の深刻さは、この間もひどくなっています。
 知事の答弁は、現在の地方自治法のもとで求められる大阪府の広域的役割を放棄した、無責任な見解であり、撤回を求めますがどうですか。
 大阪府は、関空2期事業など大型開発の破綻に加え、国の経済政策の失敗による法人税の大幅減収も加わって財政危機になり、65歳以上の老人医療費無料化の廃止をはじめ、府独自の福祉・教育施策をどんどん削減してきました。
 知事は、この福祉切り捨ての路線を拡大し、極端にすすめています。
 スクリーンをご覧ください。
 新規の福祉作業所や府内の福祉、障害者9団体への運営補助金、高齢者住宅改造、ガイドヘルパー派遣の市町村支援、公害被害者死亡見舞金などは、軒並み廃止しました。
 太田知事の最終年度と新年度の当初予算を比較すると、ものづくり等の中小企業振興費と農林水産事業は4割、河川整備費は6割、府営住宅新規着工戸数は4割に減少しています。
 新年度予算は、この方向を引き継ぎ、府営住宅半減など、府民の暮らし犠牲の「財政構造改革プラン」を展開する内容となっています。
 一方、槇尾川ダムは中止したものの、安威川ダムや巨大インフラ整備、大手前・森之宮再開発にも着手しようとしています。
 福祉と教育の改善、安全・安心の公共事業充実、大阪経済振興の立場から、財政構造改革プランは撤回し、新年度の予算は組み替えるべきではありませんか。
 そのための財源は、昨年度の黒字311億円、今年度の「収支改善」と称する1千億円、国からの交付金・基金も1200億円以上あります。
 財政再建と暮らしと地域経済振興を両立させる財源は十分あるのです。
 ここで、答弁を求めます。

 暮らしと命、子育て支援についてです。
 まず、国民健康保険の問題です。
 スクリーンをご覧下さい。
 40歳代夫婦と子ども2人、年所得200万円のモデル世帯の国保料を、府内市町村ごとに高い順にならべ、上位と下位それぞれ5つ示したものです。
 所得の2割以上、少ないところでも1割以上の負担をどう思いますか。
 府は昨年12月に、国民健康保険の「広域化等支援方針」を策定しました。
 その内容は、保険料収納率を高めるために、過去の滞納については、速やかな財産調査と差押えを求め、2010年度から3年間、収納率が2009年度より0.5ポイント以上下がった場合、府からの調整交付金の減額という制裁措置を設けています。
 国保料の収納率が下がれば制裁をかけることは、市町村と府民に、二重の困難を押しつけます。府は「広域化等支援方針」を撤回すべきです。
 また、高い国保料が府民を苦しめています。大阪市西区で鉄工所を営むAさんは、滞納になった国保料を分納していました。一方、事業の資金繰りも大変で、市の制度融資を借りることができ、安心したのもつかの間、貸付金が保証協会から銀行口座に振り込まれたとたん、それが財産だといわれ、国保料の残額の差し押さえ予告がきました。
 おばあさんが孫のためにかけていた学資保険が、孫の父親の口座に振り込まれたとたん、差し押さえられたという話もあります。国保制度が暮らしと命を脅かしています。知事はどう思いますか。
 政府は昨年5月、広域化促進のため、国保会計に対する一般会計からの繰り入れを止めるよう通達をだしましたが、これは国保料軽減のための市町村の努力に冷水を浴びせるものです。
 府は、広域化の旗振り役を止め、国に対し、通達の撤回と国庫負担を1983年以前の水準に段階的に戻すことを求めるとともに、市町村国保への法定外の独自支援の拡充を行うべきです。
 さらに窓口での医療費一部負担減免制度への府独自の補助制度を創設すべきです。
 それぞれ答弁を求めます。
 次にガン対策です。
 大阪のガン死亡率は全国でも最悪です。その要因は、見つかった時には手遅れになっていたケースが多いことや、「貧困の拡がり」により、検診や必要な治療が受けにくくなっているなどが指摘されています。
 ガン検診受診率も目標のおおむね3分の1です。啓発を強め、府として思い切った財政支援を行うことを求めますがいかがですか。
 さらに、救命救急医療についてです。
 府は、新年度予算案で千里救命救急センターに対する3億5千万円の府単独補助金を廃止しています。千里救命救急センターは、1979年にわが国初の独立型救命救急センターとして設置され、豊能医療圏の三次救急のみならず、大阪の救急医療の質の向上に寄与してきました。
 屈指の出動件数を誇るドクターカーの運用や、救急搬送される全ての傷病者を受け入れる総合的施設です。千里救命救急センターへの補助金は継続すべきです。
 また、府立中河内救命救急センターは、東大阪市への移管が検討されていますが、府が、財政や人材確保に責任を持ち、関係市との連携を強化するべきです。
 三島救命救急センターも含め、第3次救急補助金は、拡充こそが必要です。
 以上3点、答弁を求めます。
 次に児童虐待対策についてです。
 大阪府では昨年、虐待によって7人の幼い命が奪われ、痛ましい事件が全国最高でした。
 わが党はこれまで、子ども家庭センターの体制強化や一時保護所の増設などを求めてきました。
 新年度には、各子ども家庭センターに計20人が増員され、一時保護所も新たに1箇所、建設を準備する予算が提案されており、評価します。
 ただ、新しい一時保護所は、2013年度中に開設というスケジュールです。虐待事案が重篤化し、一時保護の必要な子供が増えつつある今、新施設の建設は急ぎます。2012年度中に開所を前倒しすべきではないでしょうか。
 また、開所までの期間、一時保護を委託している民間の児童養護施設の負担が少しでも軽減できる措置など、一時保護に支障をきたさない方策をとるべきではないですか。
 さらに、一時保護所がたりないために、一時保護児の40%を保護委託している児童養護施設に対して、職員加配に要する府補助金を増額し、国に対して、約50年前と変わらない職員配置基準の早急な改善を要求すべきです。
 それぞれ答弁してください。
 次に教育です。
 第1は、少人数学級の拡大です。
 長年の国民的運動により、国は来年度予算案に小学校1年生の35人学級実施を計上しました。
 大阪では現在、小学校1、2年生で35人学級を実施していますが、来年度は国の人的措置も活用し、35人学級を小学校3年生と中学校1年生へ拡大することを提案します。
 次に私学助成です。
 わが党は、公教育の一翼を担うものとして私学助成の充実を求め、今回ようやく、高校授業料助成の大幅拡大が提案され、府民の願いが前進することになりました。
 しかし、同時に打ち出された経常費助成の削減は大問題です。
 しかも高校は、経常費助成を生徒の人数に応じて補助金を配分する「パーヘッド化」と「パフォーマンス評価」による特別加算をやろうとしています。これは、私立高校を過当競争に駆り立て、小規模校を経営危機に追い込み、生徒の教育条件悪化をもたらします。改悪は撤回すべきです。
 第3は、中学校給食についてです。わが党もかねてから要望してきたところであり、父母の願いに応えるものとして、歓迎します。
 問題は、実施主体である市町村では、初期投資、恒常的な財政負担、給食指導など様々な課題を抱えています。府として各市町村への支援を強化すべきではないでしようか。
 第4は、学校警備員の継続についてです。
 府警本部発信の「安まちメール」での「子供被害情報」が2月15日からの1週間で47件を超えています。学校警備員配置は、子どもの安全を願う保護者の強い要求であり、継続すべきです。
 それぞれ答弁を求めます。
 次に、水道料金の再値下げについてです。
 昨年4月から府営水道料金が1立方bあたり10円10銭下がり、これを受けて多くの市町村が値下げしました。
 今回の値下げは、過大な水需要予測の大幅引き下げ、ダムからの利水の撤退など、わが党の20年来の主張が実ったものです。
 ところで、知事は昨年3月のわが党の代表質問に「共産党さんに、再三水道料金値下げできないのかと言われて、できない、できないと言っていたのは間違いだった。さらなる料金値下げがあると考えるのが普通」と答弁されています。
 先月には、さらにすすんだ財政シミュレーションが示され、再来年の給水原価は12円下がって、66円になります。再値下げすれば、受水市町村の負担は60億円以上減り、料金値下げ、配水管の更新や耐震化、技術職員の確保などが可能になりますが、再値下げは可能性ですか。
 また、1日最大187万立方メートルの水源が必要という現在の計画は、現時点ですでに過大です。水需要予測をさらに引き下げ、今後の長期的な設備更新計画を縮小し、3回目の料金引き下げも展望すべきではないでしょうか。
 水道企業管理者に再値下げの可能性の2点について、見解を求めます。
 次に、府営住宅の建て替え、耐震改修について質問します。
 府営住宅の最近の応募状況は2008年度数倍、2009年度十数倍、今年度二十数倍と、年々、倍率が高くなっています。
 それなのに、財政構造改革プランは「住宅バウチャーなど新しいセーフティーネットの確立を前提に府営住宅将来半減」と書きました。府営住宅が半減に向かうなら、府営住宅の高倍率化がさらに進行し、府営住宅という大切なセーフティーネットに大きな穴が空きます。
 従って、「府営住宅将来半減」は、撤回すべきです。
 府営住宅ストック活用総合計画は、来年度、中間みなおしがありますが、見直しは、建て替えと耐震改修を促進し、高い応募倍率を解消するために、行うべきです。
 府営住宅建て替えのための来年度予算は、新規着工は1182戸分です。これは府営住宅ストック活用総合計画で定めた年間2000戸の59%です。計画通りに建て替えをすすめるべきではないでしょうか。
 ここで答弁を求めます。

 次に、雇用や地域経済振興の立場から、いくつか質問します。
 まず、雇用についてです。
 第2の就職氷河期とも呼ぶべき事態が高校生、大学生を襲っています。大阪府も2003年度に就職未定者を臨時雇用し、社会人としてのノウハウや各種の資格をとらせる事業を、実施したことがあります。新年度も、臨時雇用とスキルアップなどの就業支援を合わせた事業を実施してはどうですか。
 また、今年度の教員採用は4,923人採用すべきところ、4割の1,982人しか採用していません。残り2,941人は1年限りの任期付き講師で補われます。
 正規教員の採用を大幅に拡大し、任期付き教員を正規化するとともに、非常勤教員の劣悪な処遇の改善を求めます。
 さらに、より根本的大問題として、家計がけん引する景気回復、日本経済の持続的発展のために、これ以上の賃金低下は放置できません。総合的な賃上げ政策が必要です。
 第1は、労働者派遣法の抜本改正で正社員を増やすこと。
 第2は、中小企業に手当をしながら最低賃金を千円に引き上げること。第3は、雇用の7割を支える中小・零細企業への本格的支援で、大企業で働く労働者との賃金格差をなくすこと。第4は、無法な退職強要を禁止し、解雇規制のルールを強化することを国に迫るべきですがどうですか。
 次に、中小企業の仕事興しです。
 その典型の一つが、住宅リフォーム助成です。
 最近、全国でリフォーム助成が大きく広がっています。
 例えば、秋田県は昨年3月から一年間の限定だったリフォーム助成を来年度も継続することを決めました。岩手県や宮城県、山形県も助成の検討をはじめています。
 なぜ、国の制度がないのに助成創設が広がっているのでしょうか。高齢化が進行する下で、段差解消、トイレ・風呂の改修など住民の強い要求にこたえるものだからです。
 大阪府でも2008年まで、高齢者住宅改造助成が単独事業で実施され、年間で約700件、執行されてきました。
 住宅リフォーム助成は、不況にあえぐ中小企業にとって、貴重な仕事おこしです。秋田県の例によると、府が105億円、市町村も105億円の負担で3150億円の仕事を呼び起こし、さらに大きな経済波及効果も期待できます。
 滋賀県長浜市では、住宅リフォーム助成の形を地元の商店街で使える商品券にし、住民、建設業者、商店街が揃って喜ぶ1石3鳥の事業になっています。住宅リフォーム助成を実施してはどうでしょうか。
住宅の耐震改修も大切です。
 耐震改修助成の実績は、2007年度以降の4年間で813件、2015年に耐震化率90%を達成するには13万戸の耐震改修が必要です。
 補助制度のある耐震改修が遅れている理由は、経済的な負担が大きい、手続きが面倒、日常生活でのメリットが少ないなどといわれています。
 そこで、耐震改修助成の補助率アップや「簡易補修」の導入など、耐震改修助成を改善するとともに、住宅リフォームと耐震改修を併せて施工すれば、効果も大きくなる制度はできないでしょうか。
 さらに、水害から府民を守る37河川の老朽化護岸などの対策や、歩道の段差解消を1万7千カ所、大幅に遅れている府営住宅の計画修繕を計画どおりにすすめるなど、仕事興しにつながる安全・安心の事業も少なくありません。スクリーンをご覧ください。
 府営門真住宅では、写真のように玄関ドアの塗装が禿げて、見苦しい状態になっています。急いで塗装すべきです。
 特別養護老人ホームの増設も大切です。
 昨年4月の府内の特養ホーム待機者は8,086人、前年に比べ1,050人増えています。
 来年度は第5期計画を立てる年です。第5期計画は特養ホームを大幅に増やし、国に広域型特養ホームに対する建設補助の復活を求めること、財政構造改革プラン案に示されている広域型特養ホーム建設への府の補助単価引き下げの中止などを求めます。
 保育所の増設も急がなければなりません。
 保育所待機児童は、一昨年の10月1日現在、大阪全体で4,682人に上ります。
 国の安心子ども基金も活用し、市町村との連携も強化して、保育所建設を促進すべきではないでしょうか。
以上、答弁を求めます。
 次に、ものづくり中小企業施策についてです。
 中小企業の経営は、仕事の激減と下請単価たたきで大変です。
 見積もり依頼は殺到するが、今の下請よりも低いところを求めての依頼ばかりで、100件、200件見積もりを出しても契約には結びつかず、材料代も高騰したまま高止まりと、業者は悲鳴を上げています。
 東大阪市でも、ピーク時には1万社あった製造業が6千社を割り込むなど、完成品を作るための集積が崩れてきています。
 ものづくりの技術は、5年、10年、15年かけてやっと一人前です。貴重な技術力と集積が失われないよう、経営が深刻な中小企業に工場家賃や機械リース代などの補助制度の創設を求めます。
 ものづくりの高い技術力と集積は大阪の強みです。環境、福祉、介護分野など新たな商品のニーズをつかみ、高い加工技術と商品開発を結びつけ、開発商品の販路を開拓するネットワークづくりとコーディネートの役割を行政としても果たすべきではないでしょうか。
 以上、答弁を求めます。
 さらに制度融資についてです。
 まず、金利上昇を招く預託金の廃止は行うべきではありません。また、国が打ち切ろうとしている緊急保証制度は、継続を求めるべきです。
 お答え下さい。
 商店街支援については、府はこれまで、商業関係者などと一緒に策定した「商店街いきいきプラン」などをもとに、1億円規模の商店街支援を展開してきましたが、知事の意向を受けて、2009年度から「商業活性化総合補助金」に変更し、予算も5千万円へと大幅に削減しました。しかし、執行率は18.3%にすぎず、商店街などの関係者から、「活用しにくい」との声が挙がっています。
 昨年実施した大阪丸ごと大売り出しキャンペーンで商品券が使用されたのはスーパー、家電量販店、百貨店で91.5%、商店街等は1.3%に過ぎません。
 知事自身、商店街を地域コミュニティの場として大切だと認めているのですから、関係者の知恵を結集して、補助制度を抜本的に改善し、増額すべきです。
 最後に、経営力向上緊急支援事業についてです。
 知事の強い意向で、2010年度から新たに実施した税理士など民間専門家による「支援事業」は、あまり利用がありませんでした。事業を検証し、商工会議所などとも十分協議し、より適切な事業に改めるべきです。
 ここで答弁を求めます。

 最後に、知事の府政運営を改め、本当に大阪を元気にする成長戦略についてです。
 知事は、関空リニア、阪神高速淀川左岸線延伸部、新地下鉄なにわ筋線などで、アジアからベイエリアなどに、人・モノ・カネを呼び込めば、大阪がうるおうと言っています。
 しかし、知事の計画は、この3年間で、すでに破綻しつつあります。
 まず、WTCや咲洲、大手前・森之宮の再開発です。
 咲洲や大手前・森の宮の再開発は、大失敗したりんくうタウン事業と関空事業の過ちの繰り返しです。
 20年前、りんくうタウン会計から関空特会への貸付金は、関空会社の利益で十分返せると大阪府は言っていました。ところが、りんくうタウンは約3000億円の赤字を出し、千里・泉北ニュータウン開発の利益を食いつぶし、今後発生する含み損は、先月発表された長期の財政収支見込みにも織り込み、府民の税金で穴埋めしようとしています。
 りんくうタウン事業とその利益で、関空をつくるという大阪府の失政は、この40年〜50年間の大阪府民と財政に被害をもたらしているのです。知事は、それを認めますか。
 ところで、旧WTCには、この5月までに、2,000人の府職員を転勤させるというのに、店舗やオフィスは、昨年1年間で25%以上が出て行き、今秋には大阪市職員1,700人が出て、半分以上が、また空き家になります。住友商事、伊藤忠、日立造船などの塩漬け保有地は、20年以上たった今でも、何の変化もありません。
 一昨年10月21日、大阪府議会に平松市長が来て、橋下知事と2人で共同コメントを出し、「関西の宝石箱」と持ち上げたのは、全くの夢物語だったのではありませんか。
 また、知事は、大手前・森之宮開発も、大いに進めると大見栄を切り、知事就任直後の3月1日に、大手前の鑑定を専門家に依頼し、傾斜地や谷町筋に面した区画以外は、ほとんど外資、ファンド、ゼネコンから引きが来るという報告書を出させました。
 ところが、大手前・森之宮とも、医療や大学の関係者ですらほとんど進出の関心はありません。
 WTCビルに府庁が移転し、大手前に成人病センターが移転すれば、大手前、森之宮とも街がさびれるという不安が、住民の中に広がっています。咲洲、大手前・森之宮、それぞれについて、府の方針を白紙に戻し、咲洲、大手前・森之宮の住民の暮らしと地域の活性化、府民の利便性、緑とうるおい、歴史と文化を生かすまちづくりこそ、必要ではないでしょうか。
 答弁を求めます。
 第2は、巨額のインフラ整備についてです。
 なにわ筋線で大阪から関空までたった5分短くするのに、なぜ2千億円とも4千億円ともいわれる巨額の費用をかけるのですか。
 子どもも大人も高齢者も、暮らしの困難は極まっているのに、それは放置し、またもや大型開発で孫や子の時代に巨額の借金を押しつけるのでしょうか。
 次に、ダム問題です。
 槇尾川ダム中止の知事の方針には、かねてから中止を求めてきたわが党も賛同します。
問題は、本体工事未着工で、約500億円の事業費を残す、安威川ダムについてです。
 100年に1度の大雨が降った場合、ダムがなければ、安威川の本川は決壊するというのが、安威川ダム推進の論拠ですが、明治34年から今日まで、100年に1度の大雨は1回も降っていません。この間で最大の、1日に229_の雨が降った1967年の北摂豪雨では、安威川左岸の鳥飼橋付近で破堤したものの、そこでは人的被害は発生していません。その時以外に、安威川の本川が決壊した例はありません。これらの事実は確認できますか。
 また、安威川ダム建設は、凍結・再検討し、中止も視野に入れて検討すべきです。
 安威川でも1967年の豪雨以来、堤防補強や河川改修、ポンプアップ対策はすすめられてきました。しかし、安威川にも老朽護岸対策をすべき箇所が残されており、今、事業中ですが、こうした対策こそ急務です。
 府が管理する37河川で要改善箇所があり、その達成には8億円と増やした新年度の予算のテンポでも、30年かかります。せめて10年程度で堤防補強や老朽護岸対策は完成すべきです。
 それぞれ答弁を求めます。

 最後に、大阪の再生と財政再建についての、基本的考え方を提案します。
 大阪経済の歪みの特徴は、総生産の半分を占める家計消費が、全国より落ち込みが厳しいこと、また、製造品出荷額に占める中小企業の割合が、主要都府県でただ一つ、3分の2を占めるなかで、その、ものづくり中小企業も、減少が相次ぎ、1990年代から大阪の市場規模が縮小していることです。
 もちろん、1990年代後半から「国際競争力強化」の名のもとに、輸出大企業の利益拡大を最優先し、派遣労働の拡大と賃金の切り下げ、社会保障の連続改悪をすすめた歴代の政権の責任は重大です。
 同時にこの20年近く、関西空港が開港すれば、大阪は栄えるなどといって、りんくうタウンや3つのコスモポリス、WTC、ATCなどの大型開発をすすめ、一方では、ものづくりや中小企業や農林業などを軽視してきた大阪府や大阪市の政治にも重大な問題があります。
 大企業が栄えれば、府民や中小企業が潤うという、これまでの政治の中身こそ転換すべきです。
 今後の人口減少と高齢化、大阪や近畿のどの地域でも利便性のあるまちづくりをすすめること、中小企業や農林漁業振興、介護や国保の改善、正規雇用の拡大などこそ、大阪府や大阪市の仕事です。
 それがまた、足腰の強い大阪と日本の経済をつくり直し、中・長期的には大企業も含めた、日本企業の繁栄にもつながると確信します。
 知事の答弁を求めます。
 こうして経済を成長させると同時に地方財政確立を国に求めることが重要です。
 肝腎なことは、国の地方への財政支出削減を元に戻すことです。
 小泉「構造改革」による「三位一体改革」で5兆1千億円の地方への交付税・補助金削減が行われ、法人税率のたび重なる税率引き下げが行われました。今後は、民主党政権が「地域主権」の名ですすめる予定の「一括交付金、義務付け、枠付け廃止」等によって、いっそう地方財政の削減が強められようとしていることです。
 知事は、この動きに同調していますが、態度を改めるべきです。どうですか。 以上、答弁を求めます。



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