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府予算約1千億円“収支改善”暮らし応援に使うべき/知事は「貯金」と言うけれど 背景に大企業の大もうけ 橋下徹知事は、2010年度の当初予算と比べて911億円の「収支改善」があったとして、来年度当初予算案でその一部約645億円を「財政調整基金」に積み立てる考えです。就任以来の3年間で、「見違えるような財政になった」「貯金ができるようになった」と言う橋下知事。しかし約1千億円もの「収支改善」が、リストラなどで大きなもうけを挙げている大企業からの税収(法人2税)が大半を占めている背景や原因を考えると、それを府民の暮らし応援に生かすことこそが求められています。 「もうけ拡大」の一方で正社員削減、内部留保も増 来年度当初予算案とともに、10年度予算の2月補正予算案が発表されました。それによると、府税収入は1兆557億円。当初予算で見込んでいた9788億円から、769億円の大幅な増収となりました。 そのうち企業が納める法人2税(法人事業税、法人府民税)は2月補正予算案で2571億円と、当初予算から520億円上回り、税収増の67.6%を占めています。 さらに職員のボーナスカットなどによる人件費の削減や、中小企業向け制度融資の減などで生まれた10年度予算全体の「収支改善」991億円の一部と、09年度決算余剰金(黒字)の一部155億円を合わせ、計769億円を「財政調整基金」に積み立てるとしています。 「業績の改善」裏に府民犠牲 府の法人2税の推移をみると、橋下知事就任前の07年度は5667億円、翌08年度が5235億円でしたが、世界同時不況の影響を受けた09年度は2944億円に激減していました。 今回の大幅増は、「企業業績の改善によるもの」と府は説明します。 確かに大阪の大企業はもうけを拡大しています。大阪労連(全大阪労働組合総連合)の「大阪ビクトリーマップ」によると、資本金100億円以上の大阪本社大企業116社の経常利益(09年度)は前年度から447億円増。内部留保(ためこみ利益)も8930億円増え、25兆6587億円に上っています。 ところが同じ時期に正規職員は約1万5千人削減されました。その理由は工場閉鎖や希望退職、子会社への出向など企業側の都合によるものがほとんど。これらが「企業業績の改善」の大きな要因となり、税収増につながっているのです。 収益続伸でも暮らし切り捨て 府は来年度予算案でも「コスト削減効果により企業収益の続伸が見込まれる」として、法人2税は今年度当初比で33.4%増を見込んでいます。その一方、府民生活は橋下府政の下で、さらに悪化してきました。 大阪府の完全失業率(昨年7〜9月平均)は7.7%と全国最悪(全国平均5.1%)。生活保護率(同9月)は3.23%と全国1位で、全国平均(1.53%)の2倍以上になっています。 こうした中、法人2税の大幅増収などで生まれた「収支改善」。橋下知事は、「維新の会」のタウンミーティングなどで「何かあったときのために積み立てられるようになった」と語っていますが、いまこそ府民の暮らし応援に使わなくて、いつ使うというのでしょう。 大企業独り勝ちの下で税収増 府民のために還元すべきもの/日本共産党府議団 宮原たけし団長の話 府民の施策継続できる いま、大企業は「独り勝ち」にもうけを拡大し、巨額の内部留保を積み増しています。法人2税の増収が大きな部分を占めているのが府財政の「収支改善」。リストラなど労働者や府民の犠牲の上に成り立っているものであり、橋下府政のように「財政規律」を最優先にして積み立てるのではなく、府民に還元すべきものです。 「財政調整基金」への積み立て額は769億円。それに対し、橋下知事が今年度で廃止しようとしている千里救命救急センターへの補助金は3億5千万円。「子どもの安全を守るのは市町村の仕事」として打ち切る小学校警備員配置のための学校安全対策交付金は5億円です。また橋下知事になって全額カットされた府的福祉9団体の運営補助金を元に戻すのは、わずかに1234万5千円です。 日本共産党は2月府議会で、約1千億円の「収支改善分」を、財政再建だけでなく、府民の暮らし応援に生かすことを提案するともに、「安心こども基金」など1200億円以上の国からの基金・交付金を活用し、保育所建設など暮らし密着型の公共事業の積極的推進などを求めていきます。 |
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「大阪民主新報」2011年2月20日付より |
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