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産業技術総合研究所の独法化 公的な役割が後退/大阪府議会 山本議員が反対

 大阪府議会が15日開かれ、府立環境農林水産総合研究所の独立行政法人化は継続審査としましたが、府立産業技術総合研究所の独法化など他の議案は可決・同意し、閉会しました。
 また、議員提案の「大阪府子どもを虐待から守る条例」案を全会一致で可決、関西広域連合の議員(定数5)に日本共産党の堀田文一議員を選出しました。
 日本共産党の山本陽子府議が、諸議案と府政の諸問題について見解と態度を表明。府立環境農林水産総合研究所と府立産業技術総合研究所の独立行政法人化について、「目先の利益のあがる分野のみに研究が集中し、公的役割が後退する」などとして反対しました。
 私立高校の授業料無償化の拡大に伴い、経常費助成を生徒数と業績で配分する新しい配分基準について、「生徒獲得競争に追いたて、教育がゆがめられる危倶がある」と指摘。
 府庁舎移転と大手前のまちづくりについて、「知事が期待する『賑わい』への展望はない」と述べ、「緑豊かで歴史的なまちづくりをすすめることこそ大阪の活性化につながる」と主張しました。
 府の成長戦略案にかかわって、来春卒業の高校生の就職内定率が昨年よりマイナスとなっていることを指摘。昨年度の最終不用額365億円、黒字311億円、今年度のボーナスカット80億円、国の予算に基づいた基金約841億円などを挙げ、来年度の予算編成で中小企業の仕事づくりと地域経済振興のために生かすことを提案しました。


「しんぶん赤旗」2010年12月16日付より


山本議員の討論の大要は以下の通りです。

 日本共産党・大阪府議会議員団の山本陽子でございます。議員団を代表し、諸議案ならびに当面する府政の諸問題について、見解と態度を表明します。

 まず、府立環境農林水産総合研究所の独立行政法人化についてです。研究所が果たしている使命や業務は、府が公的責任を持つ分野です。ところが技術職員などはこの4年間で12%も減り、農業や環境技術への支援が後退しています。さらに独法化すれば、地道な調査・研究も発展しません。農林漁業及び環境団体関係者の意見を十分に聞き、研究所の発展方向をもっと議論すべきです。
 また府立産業技術総合研究所の独立行政法人化についても、現在8割以上の機器が減価償却を終えており、必要な更新計画もまだです。研究員も5年間で21人減り、府の中小企業が担う、多種多様のモノづくりの技術支援がさらに必要です。独法化では目先の上がる分野のみに研究が集中し、外部資金に頼らざるを得なくなり、公的役割が後退してしまい、独法化には賛成できません。
 次に、府立大和川高校の大阪府教育センター附属高等学校にするなどの条例改正については、これまでの府立高校の多様化・特色づくりが生徒の成長と教育にとってどうだったかという検証もないまま、さらに押しすすめるものであり反対です。
 大戸川ダム、天ケ瀬ダムに関する基本計画の変更に関する意見について同意をもとめる件については、建設費が大幅に膨れ上がっており、大戸川ダムは「河川整備計画に位置づける必要はない」とした4知事合意を踏まえた対応を、天ケ瀬ダムは中止・再検討をもとめるものであり、同意できません。
 以上の立場から、議案番号14号、29号、67号、70号、78号、84号に反対、残余の議案については賛成であることを表明します。

 なおこの際、府政についていくつか申し上げておきます。
私学助成について、高校の授業料無償化の拡大は評価しますが、経常費助成の新たな配分基準に反対です。生徒の頭数と目先の業績評価での配分は、生徒獲得競争に追い立て、教育の中身そのものがゆがめられることが危惧されます。最大の被害者は子どもたちです。国に私学助成の拡充をはたらきかけるとともに、府は経常費助成削減を元にもどし、配分基準改悪を撤回するようもとめておきます。
 府庁舎移転と大手前のまちづくりについてです。咲洲庁舎のテナントは、この1年で25%退去しています。咲洲地域はむしろ住民にとって住みやすい町づくりが課題です。大手前・森之宮地区については、企業などの進出希望は皆無に近く、府のシュミレーションで知事が期待していたようなカッコつきの「賑わい」への展望はありません。府庁周辺の地域住民と大阪経済にマイナスをもたらす府庁の部局移転は止め、うるおいや、やすらぎを実感できる緑豊かで、歴史的なまちづくりをすすめることこそ、大阪の活性化にもつながると確信します。
 最後に「大阪の成長戦略(案)」についてです。
 昨日文部科学省が発表した、来春卒業の高校生の就職内定率をみると、全国は昨年同時期より1.9ポイント上がって57.1%に対し、大阪は昨年より0.3ポイントマイナスの53.8%です。府がやるべきことは、雇用創出、中小企業支援、福祉・医療・子育て支援など、くらしと地域経済活性化のための緊急経済対策を実施することです。2月府議会の補正予算での具体化をもとめます。 昨年度の最終不用額は365億円余り、黒字311億円。今年度はボーナスカットで80億円、地方消費税にかかわる税収増27億円、国の予算に基づいた基金841億円以上や、国の補正予算による地域活性化交付金などを活用することが重要です。来年度予算でもこれらの財源を活用し、深刻な府民の苦難を少しでも軽減し、中小企業の仕事づくりと地域経済の振興を図る立場で、予算編成するようもとめます。
 カジノについては、青少年への影響、周辺環境の悪化、賭博・薬物依存症、市民道徳の退廃など有害であり、削除をもとめます。そのことを最後に指摘し、討論といたします。ご清聴ありがとうございました。



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