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橋下知事も認める“大阪悪くなった”/財政口実に福祉切り捨て 今度は府営住宅半減

 「地域主権改革」や「道州制」を掲げる大阪府の橋下徹知事。府と市を再編するという「大阪都構想」で大阪市長との“バトル”や派手な言動が目立ちますが、就任直後から府民サービスを切り捨ててきました。その実態や背景をみると…。

 橋下知事は2008年2月の就任記者会見で「財政非常事態宣言」をしました。「借金を後世に残さないため府民も我慢を」と府民サービスの削減を打ち出したのです。

福祉や医療を軒並み削減 大阪府「財政構造改革プラン」 (金額は削減検討額)
●障害者福祉作業所運営費補助の11年度末廃止(2億5000万円)

●府営住宅(13万8000戸)戸数を将来半減、当面は募集を減らす

●中小業者向け制度融資の新規預託金の廃止(500億〜600億円)

●私立幼・小・中・専修学校高等課程の補助削減を検討

●千里救命救急センターへの府の補助を廃止(3億5000万円)。中河内、泉州救命救急センターの市町村移管の検討


 乳幼児、ひとり親家庭、障害者、高齢者の医療費助成の削減、小1・小2の35人学級の廃止…。これには医師会やPTAを含めた広範な府民の反対運動が高まり、日本共産党の論戦と結んで継続させました。
 しかし、国際児童文学館の移転や大阪センチュリー交響楽団への禰助金削減などが強行されました。9月議会には府営住宅の戸数将来半減、中小企業融資の縮小などを含む「財政構造改革プラン」が提案されています。
 議会請願を行った「府営住宅削減に反対する連絡会」の船越康亘さんは憤ります。
「府営住宅事業は毎年黒字。住宅に困っていて入居資格を持つ人が60万世帯以上ある。府民の住宅貧困を解決する見通しがないのに『半減』とは乱暴すぎます」
 4日の府議会本会議。代表質問に立った日本共産覚の宮原たけし府議団長は「知事就任後2年連続で府財政が黒字なのに、企業倒産や児童虐待増加など生活と経済が悪化した」と知事の責任をただしました。
 橋下知事は「知事に就任後、大阪の状況が悪くなったことは責任逃れできない」と認めざるを得ませんでした。
 その上でこう弁明しました。「道州制になれば財源と権限を使っていろんな施策ができる」
 では、道州制で府民生活はどうなるのか−。


道州制視野 府は福祉やらない

 道州制とは、都道府県が担ってきた住民向け施策を切り捨てる仕組みです。都道府県をいくつかの「州」に再編し国は外交や防衛、州は大企業がもうかる大型開発や産業振興などを担い、市町村は住民に身近な福祉や医療などを行う、という考え。これに基づけば府は福祉や医療をやらない、ということになります。
 橋下知事は、道州制の検討を視野に入れている政府の「地域主権戦略会議」のメンバー。福祉の最低基準(ナショナルミニマム)をなくしてサービスの水準を地方自治体に任せる「地域主権改革」に賛同しています。
 知事は道州制−関西州をめざし、国の方針を先取りして府から障害者団体への補助金をゼロにして、子育て支援などを交付金化したのです。
 その上で「限られた財源でどんなサービスを受けるかは自治体の住民の選択」と責任を転嫁します。府が福祉や医療を市町村に丸投げした結果は−。
 大阪府では池田市の児童殺傷事件などを契機に府の補助金で学校警備員設置が進みましたが、橋下知事が補助金から使い道を決めない交付金(10年度終了)に改めたため、学校警備員を廃止する自治体が出ました。
 また、高齢者住宅改造への府独自の助成は廃止されました。

財界と二人三脚

 財政が厳しいといいながら関西国際空港2期事業23億円、シャープ関連企業への244億円の補助金など大型開発、大企業支援は継続します。
 知事は御手洗冨士夫経団連会長(当時、2009年7月)と対談し、道州制で意気投合。4月には、知事の主張に賛同する地域政党「大阪維新の会」を応援するため、関西経済同友会の更家悠介常任幹事。サラヤ社長が代表の政治団体「経済人・大阪維新の会」が発足しました。財界との呼吸はぴったりです。



関西州 大型開発行政に/奈良女子大教授(都市計画学)中山徹さんにきく

 バブル経済崩壊以降、関空を拠点とする大型プロジェクトを「起爆剤」とした経済活性化策や、小泉「構造改革」の規制緩和路線、都市再生による大企業誘致で経済振興が図られました。これらはことごとく失敗しました。
 そこで橋下知事は、各府県がバラバラで同じようなことをやるのでなく、「関西州」に資金を集中して一体的にインフラ整備や大型開発ができる行政機構につくり替えようとしています。しかも中心は大阪、神戸、京都で、周辺地域の発展は視野に入っていません。
 しかし、大都市に集中的に投資しても、大企業が栄えれば経済が活性化するという従来のやり方は変わらず、破たんを繰り返すことになります。
 知事は将来的に「関西州」の仕事となる開発や企業誘致などを残し、福祉などの府民サービスから手を引いて市町村に任せようとしています。「財政が厳しい」といっていますが、かりに財政が好転してもサービスを復活させる気はありません。
 しかし市町村間には財政力の格差があり、できなければ民間に丸投げとなって格差はますます広がります。府の仕事は全体の住民サービスの水準を保障することです。


「しんぶん赤旗日曜版」2010年10月17日付より


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