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ホンマかいな府営住宅半減/大阪府が計画/“橋下知事そりゃ殺生や”/抽選20倍 いまも不足 入居募集の抽選倍率が直近で平均20倍を超すほど希望者が多いのに、現在約13万8千戸ある府営住宅の「半減をめざす」−大阪府の橋下徹知事が「財政構造改革」の中で打ち出した府営住宅つぶしに、住民の闇で不安の声が広がっています。居住者団体や関係労組は8月30日、「府営住宅削減に反対する連絡会」を括成し、署名運動をすすめています。 「戸数は絶対的に不足しているのに、府民の住生活をどう保障するかという公的責任を後返させてはいけない」。こう指摘するのは、連絡会事務局の船越康亘さん(全大阪借地借家人組合連合会会長)です。同会によれば、各世帯の家賃負担能力に基づく入居有資格者は、府内で約63万世帯と推定されています。 8月の府営住宅の応募には、一般世帯向けや高齢者向けなど全募集戸数709戸に1万4256人が殺到。倍率は平均で20.1倍に達しました。 国内全体では年収200万円以下世帯が17.6%を占める中、公営住宅では同世帯が46.7%にはね上がります(2008年総務省調査)。低家賃の公営住宅は、まさに「健康で文化的な生活を営むための基盤」(大借連の府への意見書)です。 しかし、府は8月5日に発表した「府財政構造改革プラン(素案)」で、府営住宅の半減方針を掲げました。理由は、新規供給を10年近く凍結しているのに、高い抽選倍率などで「入居できた人とできなかった人に受益の大きな差」が生じている、などです。 府は、半減に向けた具体策として低需要地域での戸数削減や、耐震化が困難な府営住宅の廃止をあげ、強制権をもって既存入居者を移転させる明け渡し請求権の制度導入を国に要望。良質な住宅の市町村移管や、民間業者への売却後に必要戸数だけ借りる「借上げ公営住宅」、バウチャー制度(公営住宅家賃を市場家賃と同じにし、差額家賃を補助するもの)も検討しています。 堺市中区の府営八田荘住宅は、管理戸数2486戸という府内最大級の団地です。 自治会役員を務める星子ヨシミさん(69)は、「府営住宅をなくすための前触れでは」と危ぐします。09年度からは家賃の減免制度も改悪され、「食費を切り詰めるぎりぎりの生活」だといいます。同団地で40年以上暮らす吉岡美光さん(67)も「少しでも出費を抑えようと通院をやめている」と、痛むヒザをさすります。 団地では65歳以上の高齢者が7割に迫ります。吉岡さんは、「生活環境の苦しい人が多く、半減方針には不安が一番(大きい)。地域活性化のためにも若い人が入りやすいよう入居基準を緩和し、府営住宅を増やしてほしい」と話します。 府は、財政改革フランの素案を9月府議会(2日開会)に提案する意向です。11年度から13年度までの期間中に具体案が検討されますが、すでに今年度から、団地の管理を民間委託する指定管理者制度を一部導入しています。 連絡会は9月府議会に向け、半減計画の撤回と住宅貧困の解消へ府営住宅の増設を求めた請願署名運動に取り組んでいます。日本共産党府議団も議会で追及する構えです。府議会の堀田文一・都市住宅常任委員は、「知事の府営住宅つぶしの撤回とともに、入居できない人のセーフティーネットとして、民間住宅を活用した家賃補助制度なども府民生活にプラスになる形でつくりたい」と力を込めます。 前出の連絡会事務局の船越さんも語ります。「地域のコミュニティーをつくり、地域で安全に暮らすことにもつながってきた公営住宅の役割を再評価しないといけない。『住まいは自己責任』だという府の発想を改めさせる運動を広げ、世論に訴えていきたい」 |
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「しんぶん赤旗」2010年9月16日付より |
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