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熱中症の緊急対策を 大阪民医連が府に申し入れ

 連日の猛暑で、熱中症の救急搬送や死亡が急増しているもとで大阪民主医療機関連合会は28日、大阪府に「在宅高齢者等への熱中症の緊急対策を求める要望書」を提出し、緊急の申し入れを行いました。日本共産党の小谷みすず、くち原亮、せりう幸一、山本陽子の各府議が同席しました。
 大阪民医連は7年連続で熱中症予防や安否確認も兼ねて訪問調査を実施しており、熱中症を出さない支援や緊急医療対策を行っています。要望書ではこうした取り組みをふまえ、「在宅高齢者は過酷な状況にあり、熱中症でいのちを脅かされる重大な緊急な実態にある」と指摘。熱中症問題を重要課題と位置付け、危機管理体制をとることや、熱中症予防の広報・注意喚起・警報活動を強め、保健所などの関係団体や住民とともに危険度の高い独居高齢者等の安否確認や見守り、緊急避難の対策を強化することなど、6項目を求めています。
 申し入れでは大阪民医連から、「日中独居の人や生活困窮者などは危険度が高い」などの実態や、「緊急事態と確認し、保健所や関係団体にもよびかけ、安否確認の見回りと周知徹底の対応など災害的な緊急対応を府のイニシアティブで行ってほしい」と要望。府は「いただいた提案を踏まえ、今後も考えていきたい」と述べました。
 くち原府議は「命にかかわる問題であり、緊急事態という位置づけで、安否確認や見守り活動など関係団体の協力も得ながらイニシアティブを発揮していただきたい」と要望しました。



「しんぶん赤旗」2010年7月29日付より


要望書の全文は次の通りです。

2010年7月26日

大阪府知事  橋下 徹 殿

大阪民主医療機関連合会
会長 池田 信明

在宅高齢者等への熱中症の緊急対策を求める要望書

 大阪では連日最高気温が30度を超え、猛暑が続きています。熱中症での救急車出動も多発しており、孤立死(大阪府で年間3000人を超える)の原因のなかにも少なくない数が含まれていると言われています。
 熱中症の発生には、高気温、気温30度以上の継続時間、湿度、風速、日照時間などの気象因子が影響しています。また地球規模での温暖化が進む中、都市化によるヒートアイランド現象は、長時間の高温環境をさらに拡大させており、都市での熱中症対策は緊急の課題です。環境省も熱中症予防情報サイトを充実させ警報活動や注意喚起を強化し、地球温暖化影響適応研究会は各分野の影響と対策を提起し健康分野では熱中症対策が重点となっています。65歳以上では一日の最高気温35℃以上になると患者発生・死亡例が室内も含め急増することが報告されています。(国立環境研究所)
 大阪民医連は7年連続で、熱中症予防や安否確認も兼ね、訪問調査(約500件)を行い、熱中症による死亡者を出さないための支援と実態調査の取り組みを行い緊急医療対応なども行ってきました。在宅高齢者は過酷な状況にあり熱中症でいのちをおびやかされる重大緊急な実態にあります。
 また、今年の夏は偏西風の気候状況から熱波のおこる可能性もあり、すでにロシアでは高齢者を中心に2000人の死亡者が出たと報道され、2003年のヨーロッパでの熱波では約5万人の死亡者数が報告されています。
大阪民主医療機関連合会傘下の病院、診療所、訪問看護ステーション、ヘルパーステーションでは全力をあげて熱中症対策を講じていますが、大阪府としても住民の命を守る立場から最善を尽くされることを下記に要望致します。

@ 連日猛暑が続く大阪の夏の実態を住民のいのちにかかわる緊急事態と認識し重要課題と位置付けてください。特に今年の夏の気候状況から熱波の起こる可能性も鑑み危機管理体制を取って下さい。
A 熱中症予防の広報や注意喚起・警報活動を強めてください。行政関連部局はもとより、府民関係団体等の協力も訴え、府民的な運動を緊急推進して下さい。
B 住民の実態を把握し適切な緊急対策を実行してください。
高齢者独居・老々世帯の困難層とりわけ認知症のある高齢者の世帯、野宿生活者への援助を強め
てください。
 保健所・地域包括支援センター・生活保護課などとともに関係団体・住民団体とともに厳重警戒予報日に「危険度の高い独居高齢者」等の安否を確認し支援する、見守る、緊急避難など、緊急の予防策の充実に努めて下さい。
C 苛酷な高温環境からいのちが守れるよう低所得者に対しクーラーの導入費用や電気料金に対する補助を行ってください。府営住宅にはクーラーを設置して下さい。
D 生活保護世帯に対する夏季加算を設けるよう国に働くかけを強めて下さい。それまでにも夏季一時金を復活させて下さい。
E 温暖化とヒートアイランドに対する抜本的対策を講じて下さい。国に対して抜本的対策を求めるとともに大阪府としての産業界への温室効果ガスの実効ある削減策と環境税の検討、自然エネルギーによる電力の固定価格買い取り制度を導入して下さい。


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