トップページ    メールはこちら
議員おもな活動政策・見解定例議会府政資料リンク


くらし・福祉充実の府政で大阪の雇用・経済再生を
黒田まさ子府議が一般質問

 5月25日に開かれた府議会本会議で、日本共産党の黒田まさ子府議が一般質問をおこないました。
 大要を以下に紹介します。




黒田まさ子議員の一般質問(大要)


 日本共産党の黒田まさ子でございます。知事および教育長に質問いたします。

府政運営の軸足をくらしと福祉、中小企業振興に

 大阪府内勤労者の賃金は99年からの10年間で月平均4万6千円も減少し、年収200万円以下の世帯は07年の調査で2割を超えています。2009年の完全失業率は6.6%で全国ワースト2です。製造業も小売店もこの5年間で1割以上減少しました。
 一方、資本金10億円以上の大企業の内部留保金は97年からの10年間で142兆円から229兆円と1.6倍に増え、大阪に本社のある資本金100億円以上の企業の内部留保金は24兆円と10年前から2兆円増やしています。
 こうして大企業が利益を増やしても、府内経済成長率は99年からの10年間でマイナス4.5%です。家計や中小企業も犠牲にしながら大企業だけが利益を上げてきた結果です。
 国も大阪も「大企業が栄えれば、いずれ中小企業やくらしがよくなる」式の政治がすすめられてきました。しかし、輸出大企業は利益を拡大しましたが、経済は失速し、暮らしも中小企業も大きく傷つきました。こんなことを続けていては、大企業自身の持続的成長さえも危うくなるのではないでしょうか。
 また非正規・不安定雇用の増大は深刻です。政府が提案している派遣法の改正案では「使い捨て労働」はなくなりません。人間らしく働き続けられるルールを国に求めるべきではありませんか。
 府政運営の軸足をくらしと福祉、中小企業振興に変えるべきだと考えますが、どうですか。それぞれ答弁を求めます。




河川改修・耐震工事などすすめれば中小企業にも仕事が

 くらしの悪化、経済の低迷の原因は国際競争力の名の下、家計や中小企業、地域経済に回るべきお金が大企業に吸い上げられているからです。暮らしを応援し、中小企業に仕事が回れば、地域経済活性化に大きな力を発揮します。
 その立場から2点提案します。
 第1は、生活密着型公共事業を旺盛にして、中小企業の振興をはかり、地域経済への波及効果を大きくすることです。
 局地的な豪雨による被害が続発しているこんにち、堤防の決壊などの危険がある河川の整備は待ったなしです。ところが37河川で計画されている「あんしん川づくり事業」、年間3億円程度です。知事はこういう仕事こそ緊急にやるべきだというわが党の質問に「同感です」と答弁しましたが、今年度の予算は増えていません。なぜですか。
 また、主要橋梁の耐震診断と補強工事も半数が残っています。山間部に位置し、危険性が問題になっている福祉施設、123カ所の安全対策が出来ていません。さらに、府が管理する交差点の改善が必要な歩道段差は1万7800あまりのところ、毎年の改善は200カ所程度という状態です。府立学校の耐震補強なども急ぐべき課題です。
 くらしに密着した事業は幾種類もの業種へと仕事が広がり、雇用も発生します。府の公共事業を生活密着型中心に転換し、大阪経済の活性化と雇用の創出を図るべきと考えます。いかがですか。

住宅リフォーム助成の制定、高齢者住宅改造助成の復活を

 いま、秋田県など全国30都道府県、154自治体が住宅リフォーム助成事業に取り組んでいます。山形県のある町では基礎、整材、建具、内装、サッシなどの需要が増え、経済効果は元の投資の30倍にもなると言われています。市町村と協力し、個人住宅の耐震診断・補強工事の助成と併用して、取り組んではいかがでしょう。
 さらに、2008年に廃止した高齢者の住宅改造助成事業の復活も波及効果を生み出し、高齢者が在宅で健康にすごす上で有効です。日本整形外科学会の調査によると、大たい骨骨折の原因は、転倒によるものが4分の3で、そのうち屋内での転倒が4分の3となっています。事業の復活を求めます。それぞれ答弁を求めます。

大企業に下請け業者との公正な取引を守らせよ

 大企業と中小企業の公正な取引を守ることも大切です。「下請かけこみ寺」への相談件数は2008年度171件、昨年度は343件へと倍増です。
 知事は、先の2月議会でのわが党の質問に、出来高払い金が「下請業者へ確実に支払われていることを確認する方策を検討している」と答弁しました。その内容をお示しください。

府も中小企業への直接支援を

 深刻な経済環境におかれている中小企業を廃業の危機から救うためにも、中小企業を直接支援することは緊急の課題になっています。
 4月16日に、政府は機械のリース事業協会に、事業者から申し出があった場合、リース代の支払い猶予に応じるよう通達を出し、協会もこれに応じています。知事は2月議会で「中小企業に固定費だけをばらまいても売り上げは伸びない。大企業が国際競争力をつけないと」と答弁をしました、今年度の「中小企業白書」では、ここ20年間に東大阪市で4割の製造業が廃業し、企業集積が低下している現状を取り上げ、「わが国の製造業の競争力の低下につながる」「高度な技術や工程が集積内に維持されることが不可欠」とのべています。日本の中小企業の高い技術力は海外でも評価されています。大企業の国際競争力を支えているのは中小企業のものづくりの技術です。
 ものづくり中小企業の集積をこれ以上低下させないためにも、市町村と協力して実態調査もし、固定費の補助など直接支援を国にも求め、府としても対策を講じるべきです。
 さらに、集積のネットワーク支援として、新たな製品開発などに取り組む異業種・同業種のグループ活動への補助を実施してはどうでしょうか。ネットワークづくりのためのコーディネートができる人材の育成と市町村への派遣、相談訪問員による情報提供の充実なども求められます。
 それぞれ答弁を求めます。

保育所や老人ホーム整備で雇用と内需をふやそう

 提案の第2は、社会保障の拡充による雇用と内需の拡大です。
まず保育所の整備です。府の調査によると2009年10月の待機児は、1700人で、定数を超えて入所している子どもの数は約3700人いました。定員オーバーは、年度当初からありますが、年度途中からの臨時的な措置に限定すべきです。どうですか。
 09年及び10年中の定数増の計画は1千人にすぎません。潜在的な待機児は、はるかに多いはずですから、必要なときにいつでも預けられるように認可保育所を増やす必要があります。
 出産や育児で退職する女性が7割に達しています。保育所の建設で、働き続けることができ、少子化対策にもなります。さらに中小企業の仕事づくり、職員採用で雇用が増えるなど相乗的な効果と内需拡大をもたらします。
 また、介護施設、とりわけ特別養護老人ホームの建設も同様の効果をもたらします。介護保険が開始されたとき、大阪で介護のために仕事をやめた人は、約4900人でしたが、2009年には8800人に増えています。介護の社会化に逆行しています。この解決には特養ホームをはじめ、ケアハウスなど施設の建設に力を入れると同時に、訪問介護の厳しい制約を緩め、利用しやすい制度に改め、へルパーを増やす等の措置が必要です。
 以上、保育と介護の例を上げましたが、いずれも、大阪経済に与えるプラス効果は大きいものがあります。国に財政的な支援を求めながら府として積極的に推進するようもとめます。
 社会保障の拡充に欠かせないのがマンパワーです。介護や障害者施設の現場でも職員が、身体をすり減らしてがんばっておられます。福祉の職場は人手不足が続いています。労働条件が悪いため、人が集まってこないという現状があります。国に待遇の改善を求めながら府として支援をするよう求めます。
 社会保障の充実は、未来への安心をもたらし、消費拡大にもつながります。府として国に対し、後期高齢者医療制度と障害者自立支援法の廃止、高齢者や子どもの医療費の窓口負担の軽減、国民健康保険料の引き下げへの支援などを求めるとともに、府としても財政的支援を検討するよう改めて求めるものです。

府立学校非常勤講師の低すぎる賃金は引上げを

 マンパワーが重要なのは学校現場も同じです。府立学校で週10時間授業をする非常勤講師の賃金は98万円です。3千人近い官製ワーキングプアをつくる非常勤講師の劣悪な労働条件は抜本的に改善すべきです。以上、それぞれ答弁を求めます。

「大阪都構想」は経済もくらしも悪化させた開発政治の繰り返し

 府政の転換について質問します。
 90年代に府は、関西空港2期、りんくうタウン、箕面丘陵開発、安威川ダムはじめとした公共事業を進め、急膨張した借金は、2007年度見込みで5兆2千億円に達しました。しかし、経済は落ち込み、所得の落ち込みや福祉施策の削減などで府民生活は悪化しました。
 巨額の補助金を投入した企業誘致策も講じましたが、2008年度補助金支出を受け、昨年9月時点で操業している大企業3社の新規雇用はわずか8人です。
 知事は、財政非常事態を宣言して府民生活関連施策に大なたを振るいながら、借金の大きな原因の大型開発は温存しました。
 知事が強調する「大阪都構想」も、大企業の国際競争力を持つよう応援するといい、大阪市の権限とお金を独り占めして、なにわ筋線や淀川左岸線延伸部など、一事業2500億円から4000億円もかかる大型事業を自分の思い通りに進めるためのものではありませんか。このようなやり方は、これまでの失敗を繰り返すだけでなく、財政や経済、府民の暮らしをいっそう深刻な事態に追い込むことになりかねません。

公共事業を生活密着型にかえ、内需拡大を

 知事は、法人関係税の実効税率を「アジア新興国並み」にし、東アジアにおける都市間競争に勝ち抜くと言います。しかし、経済産業省の調査によると、企業が立地先を決めるのは、税金の高さではなく、現地の需要が見込まれるかどうかです。
 府民のくらしと福祉を守る、そのために公共事業を生活密着型中心に転換し、地域経済への波及効果が大きい中小企業の仕事を増やし、内需を拡大することが肝心ですが、知事の描く方向は全く逆で、転換が必要です。答弁を求めます。



なぐりこみ部隊「受け入れ」発言は撤回を

 最後に、沖縄普天間基地問題に関する知事の発言についてです。知事は、基地機能や訓練の分散移転を前提にして、「受け入れの優先順位は関西が一番高い」と発言しています。しかし元々普天間の海兵遠征軍は陸・海・空軍の通常の部隊ではない「なぐりこみ部隊」で昨年も2700人がイラクやアフガニスタンに派兵され、日本防衛とは無縁です。知事は発言を取り消すべきです。答弁を求めます。



トップページ | 議員 | おもな活動 | 政策・見解 | 定例議会 | 府政資料 | リンク
(c)日本共産党大阪府議会議員団
大阪市中央区大手前2丁目大阪府庁 TEL06(6941)0569 FAX06(6941)9179 メールjcp@gikai.pref.osaka.jp