府市再編へ橋下新党が発足“大開発推進・法人税ゼロに” 橋下徹知事が代表の地域政党「大阪維新の会」が、19日発足しました。橋下知事は「大阪再生」のなで大阪府と大阪市を再編統合するなど「新たな都市制度(ワン大阪)」をつくるため、来春の府議選、大阪市議選、堺市議選で過半数を獲得すると発表。その前哨戦として、日本共産党の清水ただし前大阪市議の参院選出馬・市議辞職に伴う5月の福島区市議補選(定数1)に候補者を擁立し、「応援はフルで行く」(橋下知事)としています。 19日現在、「大阪維新の会」の構成員は橋下知事にほか、府議会の新会派「大阪維新の会」の24人(自民20人、民主20人、無所属2人)、大阪市議1人(自民)、堺市議5人(自民)の計30人。発足総会で橋下知事が「指名」した役員は、副代表=今井豊、幹事長=松井一郎、総務会長=井上哲也、政調会長=浅田均の各府議です。 「綱領」では「国の政党とは一線を画し、国の政党の枠組みにとらわれない政治団体」と説明。政治団体としての目標は、統合した府市と隣接周辺市を一体化し、府域を広域自治体と基礎自治体に再編することだとしています。 広域自治体の仕事は、道路や空港、鉄道などの交通インフラ整備。「大阪府と大阪市の財布(財政)を一つにすれば、年間8千億円を浮かせることは難しいことではない。法人税をゼロにすれば、企業誘致や海外からの投資が進み、経済のパイが大きくなる」(浅田政調会長)などとしています。 今後、賛同する議員が各議会で会は「大阪維新の会」を結成することを目指し、いっせい地方選挙では関係する首長候補や議員候補を擁立。5年以内に「新たな俊制度」の具体化に着手するとしています。 発足式で橋下知事は「アジアに打ち勝つ競争力のある大阪にする。東の東京都西の大阪で日本を引っ張る。既存の政党は目標も何も見えたものでない。政権与党はじめ、既存政党と大戦争になるが、それをさけていては大阪はよみがえらない」などと叫びました。 |
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「大阪民主新報」2010年4月25日付より |
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日本共産党大阪府委員会の柳利昭書記長は、見解「『大阪維新の会』の結成について」を4月20日に発表しました。 全文を以下に紹介します。 「大阪維新の会」の結成について 2010年4月20日 日本共産党大阪府委員会 柳 利昭 1) 4月19日に橋下大阪府知事が代表を務める地域政党「大阪維新の会」が正式に発足し、「大阪再生マスタープラン」なるものを発表した。「既存政党との対決」というものの、ほとんどの参加者は府議会の自民党会派から出た議員で、党籍は自民党に置いたままである。先の総選挙で自公政治に国民は退場の審判を下したが、多くの国民が民主党政権にも失望するという中で、自民党から離脱した「新党」が生まれ、地方自治体の首長などによる「新党」も取りざたされている。これら「新党」と「維新の会」に共通していることは、小泉「構造改革」の推進や消費税の増税、福祉や教育への国の責任を放棄する「地方分権」の推進など、古い自民党政治を転換する立場が見られないことである。 2) 発表された「大阪再生マスタープラン」では、「大阪の危機は深刻」と、府民所得の減少や府民生活の困難を挙げ、それを制度のせいにして「大阪都構想」を打ち上げている。しかし、大阪経済、とりわけその中心を担う中小企業の経営と、府民生活を悪化させてきたのは、大企業の国際競争力強化を名目に、格差と貧困を広げ、内需を壊してきた国の悪政に加えて、大阪府や大阪市が福祉や中小企業振興という自治体本来の役割を果たさず、関空二期工事やりんくうタウン、ベイエリア開発など関西財界が望む大型開発に巨額の税金をつぎ込んで失敗を重ねてきた「政治の中身」にあるのである。「大阪維新の会」に参加する人たちが、この政治に賛成してきたことも事実である。 3) 「大阪維新の会」は、知事の主張に沿い、府市再編、大阪(伊丹)空港廃港、議員定数の削減の3項目を主要な政策課題に掲げているが、最大の目標は、関西財界の意向に沿って、大企業の利益のための高速道路建設などを「府市一体」「一人の指揮官」で「独裁的」に進めるものではないかという疑問を持たざるをえない。個々の政策の全貌はいまだ明らかではないが、「地下鉄を私鉄に売却して高速道路建設の財源にする」(市民の貴重な公共交通を売り飛ばすばかりか敬老パスの廃止にもつながるもの)、二重行政だとして「図書館、体育館などを一元化する」など、府民・市民サービスの切り捨てがすでに打ち出されていることは、この「新党」の狙いを示すものであり、大きな警戒が必要である。 4) 大阪府政、大阪市政が住民主人公に前進する方向は、橋下府政や大阪市政がいままで進めてきたような「大企業栄えれば府民も中小企業も栄える」という、破たん済みのやり方ではなく、府民の暮らしと中小企業の経営を直接支援する温かい地方政治を取り戻すこよである。日本共産党は、広範な府民の皆さんと、こうした真の地方政治の改革を進めるとともに、大企業の過剰な利益の一部を国民の暮らし、雇用、中小企業に還元して日本経済を発展させるために全力をあげるものである。 |
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